「OJTを取り入れているが、担当者によって効果に差が出てしまう」
「OJTばかりの企業には新入社員が定着しないと聞き心配だ」
とお悩みの採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、OJTを実施するメリット・デメリットや、OJTの進め方、OJTのよくある失敗例と解決策についてご紹介します。
そもそもOJTとはなにか、ご存じでしょうか?本章では、OJTの意味や目的などについてご紹介します。
OJTとは「On the Job Training」の略称で、新人や業務未経験者に必要なスキルや知識を、現場の社員が実務を通じて指導する、企業内教育の方法です。日本語では「職場内訓練」「実地研修」などと表現されています。
即戦力の育成に効果的なOJTは人手不足が慢性化する現代社会において、将来活躍する社員を育成するために必要な教育制度として注目されています。
OJTを実施する目的は主に以下の2つです。
▼OJTを実施する目的
OJTでは実際の業務を行う中で先輩社員(トレーナー)が適宜指導・フィードバックを行います。実務を通して研修を行っていくため、新入社員の早期育成に繋げることができるでしょう。
また、新入社員(トレーニー)はOJTを通じて気軽にトレーナーに悩みや不安、わからないことを相談することができるため、不安を解消できるだけでなく、職場の人間関係構築にも繋がります。その結果、定着率の向上が期待できます。
効果的なOJTを実施するためには、以下のOJTの三原則を意識することが大切です。
▼OJTの三原則
この原則に基づいてOJT研修を行うことで、OJTの効果を最大化させ、新入社員の成長を促すことができます。
OJTの実施期間は明確な決まりはありませんが、一般的に2週間から1年と言われています。
株式会社パーソル総合研究所が実施した調査によると、新卒採用におけるOJTの期間平均は、169.2日でした。一方で、「1か月未満」と回答した人が最も多いなど、かなり広く分布していることがわかります。
OJTを通して習得させたいと考えている業務内容に合わせて実施期間を設定すると良いでしょう。
【参考】株式会社パーソル総合研究所『OJTに関する定量調査』
| OJTを長く設定する場合 | OJTを短く設定する場合 | |
| 習得させたい業務内容 | ・専門的なスキルを必要とする業務 ・状況に合わせた対応が必要となる業務 |
・マニュアル業務 ・ビジネスマナーなど |
| メリット | ・丁寧に段階的に育成できる ・社内の人間関係構築を促せる |
・即戦力人材を育成できる ・早い時期から責任感を持って働けるため、モチベーションを維持しやすい |
| デメリット | ・独り立ちに時間がかかる ・OJT担当社員の負担が増加する |
・研修が手薄だと感じてしまう場合がある ・基礎的な知識が不足したまま現場に出てしまう場合がある |
OJTと混同されがちな制度として、以下の3つの制度があります。
▼OJTと混同されがちな制度
それぞれについて詳しく解説します。
OJTと最も混同されやすい制度として、OFF-JT制度があります。
OFF-JTとは「Off The Job Training」の略称で、職場外で行われる訓練のことです。
OJTが現場で実務的な研修を行うのに対して、OFF-JTは現場とは離れて、セミナー等の形式で研修を行います。詳しい違いについては以下の表を参考にしてみてください。
メンター制度とは、年齢の近い先輩社員が新入社員のサポートを行う制度です。
メンターは基本的に新入社員とは異なる部署の若手(2〜4年目)社員がアサインされます。
業務面のアドバイスではなく、精神面のフォローやキャリア形成のサポートをする点がOJTとは異なるポイントです。
エルダー制度とは、同じ部署の先輩を新入社員にアサインし、マンツーマンで業務の指導をする制度です。介護業界など人手不足の業界で導入されています。
OJTが業務内容の指導に重きをおくのに対して、エルダー制度では業務内容の指導に加えて、精神面のフォローも行う点が大きな違いです。
OJTは実務的な研修とはいえ、先輩社員の貴重な時間を使ってまで実施するメリットはあるのかと考えている方もいるのではないでしょうか?
ここからOJTを実施するメリットについて、以下の5つをご紹介します!
▼OJTを実施するメリット
それぞれ詳しく解説していきます!
OJTは基本的に、指導する先輩社員と1対1での指導が受けられるため、新入社員の個性や強みを把握しやすいです。
新入社員の「得意なこと」「苦手なこと」をもとに、目標や育成方法を設定できるので、新入社員に合った教育が実現します。
そのため自由に教育をカスタマイズでき、効率的な即戦力を育成することが可能です。
OJTを実施する大きなメリットとして、研修を受ける新入社員に限らず、指導する先輩社員のスキルアップにも繋がる点が挙げられます。
▼OJTによって指導する側に身につくスキル
指導する先輩社員は、業務に取り組みながらOJTに対応するため、普段以上にタイムマネジメントや業務効率について意識するようになります。
また、人を育成するための育成方法やマネジメントについて実践的に学ぶことができるため、マネジメント力を身に着けることも可能です。
OJTは実際に現場で実施されるため、配属された部署の社員とコミュニケーションをとる機会が多くあります。特に、トレーナーとは多くの時間を共にするため、信頼関係を築くことができるでしょう。
また、OJTは人それぞれに合わせた研修を行うため、新入社員についてよく理解しなければいけません。通常の研修であれば、新入社員がどんな人なのか理解するのに時間がかかりますが、OJTでは新入社員を早いうちに知ることができます。
OJTを通して社内の人間関係が構築できたり、実務の中で丁寧な研修を受けられたりすることで、定着率の向上が期待できるでしょう。
社内の人間関係が構築されていることで新入社員がわからないことを聞きやすく、安心して働きやすい環境を整えることができます。
また、OJT研修を通して丁寧な指導を受けた新入社員は、徐々にできることが増えていくことで、モチベーションを維持しながら働くことが可能です。
この結果、新入社員の定着率の向上が期待できるでしょう。
OJT研修を行うことで、早期から自社で活躍できる即戦力人材を育成することができます。
OFF-JTを通した座学での研修も広く知識を身に着けるために重要である一方で、実際に現場で活躍するためにはOJTを通して実践を積むことが必要不可欠です。
OJT研修を行うことで、実際に現場で活用できる知識を身に着けることができ、早期から活躍できる即戦力人材を育成することができます。
一方で、OJT研修にはいくつかデメリットも存在します。本章ではOJTを実施するデメリットをご紹介します。
▼OJTを実施するデメリット3選
OJTでは、実務を行う中でトレーナーが新入社員に適宜フィードバックを行いながら研修を行っていきます。そのため、OJTの担当者であるトレーナーの指導能力によって効果に差が出てしまう場合があります。
担当者によって指導効果に差が出ることを防ぐためにも、OJTトレーナーが果たすべき役割を理解して人材を選定するほか、トレーナーとのこまめな情報共有を行う必要があるでしょう。
OJTトレーナーの役割については次の章で詳しく解説します。
繰り返しになりますが、OJTはOJT担当者によって、やり方や効果に大きな差が出てしまう場合があります。そのため、OJT担当者が自身の業務に手一杯であった場合、OJTが形骸化してしまう恐れがあるでしょう。
指導を放置された新入社員は十分な知識を身に着けることができず、会社に対して不信感を感じてしまいます。OJT担当者が指導を放置し、研修が形骸化してしまうこともデメリットであると言えます。
OJT担当者は、自身の業務に加えて新入社員への研修を行う必要があります。そのため、OJT担当者の負担が大きくなってしまうこともデメリットであると言えるでしょう。
OJT担当者に過度な負担がかかることがないよう、OFF-JTを併用したり、OJT担当者の業務量を調整したりと、対策を講じておくことが大切です。
効果的なOJTを行うためにはOJTトレーナーの役割を理解したうえで、最適なトレーナーを選定することが必要不可欠です。そこで本章では、OJTトレーナーが果たすべき役割について解説します。
最後にOJTトレーナーに向いている人・向いていない人の特徴も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
▼OJTトレーナーの役割
これらの項目について以下で詳しく解説します。
1つ目が新入社員の独り立ちを支えることです。
新卒で入社した社員の多くは、社会に出て働くことが初めてである場合が多いです。
そのため、具体的な業務内容だけでなく、ビジネスマナーや社会人としてのコミュニケーションの取り方など、座学での研修のみでは十分に理解できなかったり、想像しにくかったりする場合も多いでしょう。
OJTを通して実務だけではなく、社会人としてのマナーを教えることで新入社員の独り立ちを支えることが、OJTトレーナーの大切な役割であると言えます。
2つ目が、新入社員それぞれに合わせた育成計画を作成することです。
OJT研修のメリットとして、個人の特性に合わせて研修を実施できる点が挙げられます。そのためには、OJTトレーナーがOJTを通して新入社員の得意・不得意を見極め、それに合った育成計画を作成する必要があります。
最終的な目標を達成するためには何をどれくらいのペースで指導していけば良いか、計画を立てながら研修を実施していくことも、OJTトレーナーが果たすべき役割の一つです。
3つ目が、新入社員のモチベーションを向上させることです。
新入社員は働いていく中で、覚えなければならないことや困難なことに多く直面します。その結果、自信を無くしてしまったり、モチベーションが低下してしまったりすることもあるでしょう。
OJTトレーナーが新入社員の疑問点を解消し、適宜目標を設定しながら業務に臨むことで、新入社員のモチベーションを向上させることが可能です。
ここまで、OJTトレーナーの役割についてご紹介しました。これらを踏まえて、OJTトレーナーに向いている人・向いていない人の特徴についてご紹介します。
まずはじめに、OJTトレーナーに向いている人の特徴は以下の通りです。
▼OJTトレーナーに向いている人の特徴
続いて、OJTトレーナーに向いていない人の特徴は以下の通りです。
▼OJTトレーナーに向いていない人の特徴
これらを参考に、次の章では、OJTトレーナーの選出から実際にOJTを実施するまでの、OJTの進め方について解説します。
続いて意味のあるOJTにするための手順について解説します。
▼【4ステップ】OJTの進め方
まずはOJTの目的と目標を定めます。
育成対象がどのスキルをどのレベルまで習得するのかの共通認識をOJT担当者・現場社員・人事が持つ必要があります。
ゴールから逆算してOJTの教育内容が明らかになるため重要なステップです。
OJTが成功するかは指導者の能力にかかっているといっても過言ではありません。
トレーニーとの相性や能力・経験状況によって最適な指導者を選定しましょう。トレーナーの役割や、向いている人・向いていない人の特徴については先述の「OJTトレーナーの役割」の章で解説していますので、参考にしてみてください。
次に、育成計画を作成します.
育成計画に盛り込む内容は以下の通りです。
▼育成計画に盛り込むべき内容
トレーニーの到達度によって、育成計画を柔軟に変更する必要があります。
いよいよ実際にOJTを実施します。OJTによる教育は、以下の4段階で実施するようにしましょう。
▼OJTを実施する4段階
まずは実際に業務をやってみせることで、育成対象者に業務の実施方法のイメージを持ってもらいます。
次に、教育担当者が「show」のフェーズでやって見せた業務を「なぜやるのか」「どうやるのか」を言語化して伝えます。育成対象者から質問を受けて、業務への理解度を高めていきましょう。
丁寧に説明したのちに業務を実施してもらいます。育成対象者が「Do」で実施した業務についてフィードバックを行います。習熟状況によっては追加指導を行うことも必要です。
「OJTを実施しているけど、あまり効果を実感しない」と感じている方もいるのではないでしょうか?本章では、OJTによくある失敗原因と解決策を解説します。
▼OJTによくある失敗原因
指導者の業務が忙しくOJTに割ける時間が少ないと、教育の質が落ち、最悪の場合育成対象者が放置されるという状況に陥ってしまいます。
▼解決策
OJTの理解や実施する時間は足りているものの、指導者が適切な教育方法を知らない、またはできていないというケースです。
▼解決策
OJTトレーナーの役割や向いている人・向いていない人の特徴については、「OJTトレーナーの役割」の章で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
OJTの実施を人事部が決めて現場に依頼したものの、OJTの具体的な計画や内容のすり合わせが不十分で、人事部の求めるOJTと現場が実施するOJTとでギャップが生じるケースです。
▼解決策
OJTは実務を通してトレーニーにフィードバックを行う形で実施します。そのため、トレーニーのモチベーションが低く、学ぶ意欲が低い場合、OJTの効果が下がってしまうケースがあります。
▼解決策
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いかがでしたか?
本記事で紹介したOJTリーダーの役割やOJTでよくある失敗原因と解決策などを踏まえ、効果的なOJTを実施していきましょう。