アイスブレイク無しの面接で、「学生の人物像が見えてこない」「固い印象しか残らない」というお悩みを抱えていませんか?
本記事では、応募者をリラックスさせて本音を引き出すコツ、注意点、質問集を誰でもすぐに使える形で取り上げています。
面接を経て内定を出した後に辞退されるケースが多くて困っている方は、以下の記事も併せてご覧ください。
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アイスブレイクとは、固い雰囲気や心を氷にたとえて壊す、溶かすという意味です。
初対面同士がコミュニケーションの一環として、緊張をほぐすために用います。
面接では、本番前に雑談やゲームといった形で取り入れられ、応募者の心をほぐして場の空気を和ませることを目的としています。
2022年卒の学生にアンケートをとった結果、「内定先で働きたいと強く思ったタイミング」として最も多かったのが「面接など選考を重ねていく中で徐々に」で34.1%です。
【参考】株式会社学情「2022年卒学生の就職意識調査(内定先企業) 2021年8月版」
面接中、緊張せずありのままで話ができた企業と、固い空気のままだった企業では、前者の方が働きやすい企業であるという印象を与えやすいです。
アイスブレイクをいかに上手く行えるかが、採用の鍵となります。
では、アイスブレイクを行うことによるメリットとは何でしょうか。
本記事では4つのメリットをご紹介します。
応募者の多くは緊張した状態で面接に参加します。
緊張は表情の固さや受け答えの不自然さに繋がるため、アイスブレイク一つで学生の印象が大きく変わることも少なくありません。
リラックスした状態で面接を始めることで、自然なコミュニケーションが期待できます。
アイスブレイクは企業のイメージアップにも重要です。
面接官の印象が「冷たい」「淡々としている」と受け取られると、学生から企業に対して悪いイメージを持たれてしまう可能性があります。
就活情報サイトでは面接の印象を学生がレビューとして投稿していることもあるため、たとえご縁が無かったとしても良いイメージを残しておきたいですよね。
アイスブレイクによって緊張がほぐれると、学生の素の部分が見られる可能性が高まります。
何気ない会話から学生の思わぬ魅力が見えてくることで、企業が求める人物像により近い人材を採用することができます。
学生側が回答を用意していない質問を投げかけることで、本音を引き出すこともできるでしょう。
決められた時間内で応募者の本質を探るには、やり取りが円滑に行われる必要があります。
自己PRを聞くなどしていきなり本題に入ると、応募者は機械的に対応されていると感じて萎縮してしまいます。
アイスブレイクを通して「自分は個人として見られている」という印象を与え、わずかな時間内で情報を引き出せるとよりスムーズな面接になるでしょう。
前述したように、アイスブレイクは面接において様々なメリットをもたらします。
では、実際にアイスブレイクをどのように導入できるのか、すぐに使える質問集をご紹介します。
応募者にとって身近な話題から面接を始めることで、自然なコミュニケーションにつながります。
質問① 天気の話
「この頃寒い日が続きますが、体調は大丈夫ですか」
質問② 当日の予定
「この後ご予定はございますか」
質問③ 休日の過ごし方
「就活でお忙しい中でしょうが、何か息抜きはできていますか」
質問④ 時事ネタ
「新型コロナウイルスが落ち着きませんが、大学はまだリモート中心ですか」
履歴書に書いてある範囲でプライベートな質問をすることで、会話がよりスムーズに続きます。
共通点を探ると、面接官への印象が応募者にとって更に身近なものになるでしょう。
質問⑤ 趣味・特技
「趣味は読書と書かれていますが、どんな本を読まれるのですか」
質問⑥ 出身地
「出身地は大阪なんですね。おすすめのグルメはありますか」
質問⑦ 他の共通点
「サッカー部なんですね。私もよくテレビで観戦しますよ。どの選手が好きですか」
面接そのものについての話題も、有効なアイスブレイクの一つです。
質問⑧ 緊張・不安に対する共感
「私も面接は何度やっても緊張するんですよ。面接は何回目ですか」
質問⑨ 来社時の交通手段・面接ツール
「今日は電車でいらしたのですか」
「オンライン面接で普段よく使うツールは何ですか」
グループ面接では、限られた時間で一人ひとりに深堀りしてアイスブレイクを行うことが困難です。
そこで、参加者全員を巻き込んだ短時間でできるアイスブレイクをご紹介します。
質問⑩ リレー式自己紹介
自分の自己紹介の直前に、これまで自己紹介した全員の名前を言います。
自己紹介が長くなっていく面白さやゲーム性で、楽しみながら緊張をほぐすことができます。
例)「〇〇さんの隣の✕✕さんの隣の△△です」
質問⑪ GOOD&NEW
今週、今月、今日一日にあったGOOD(良かったこと)やNEW(新たな発見)を一人ずつ発表します。
個人的な内容で個性が出やすく、短い時間で相手の特徴を知ることができます。
対面だけでなく、オンライン面接でも活躍するアイスブレイクです。
オンライン面接では、ミュートや回線などの小さな不具合で進行ができなくなることがあります。
相手を気遣いつつ、問題なく進行できるか確認しておくことは有効でしょう。
質問⑫ 接続状況
「私の声は聞こえていますか。画面は見えていますか」
質問⑬ 操作方法
「名前変更やブレイクアウトルームについて、何か不明点はございますか」
質問だけではアイスブレイクの進行に不安がある方もいるかもしれません。
ここでは、使いやすいアイスブレイクの方法を2つご紹介します。
一般的には応募者の自己紹介から面接を始めますが、面接官から自己紹介することで、面接官に親近感を持たせることができます。
「本日面接を担当致します、〇〇部の〇〇と申します。
経歴としては〇〇となっており、休日は〇〇をして過ごしております…
本日はどうぞよろしくお願いします」
オンライン面接では、バーチャル背景で面接官の個性を出した画像や動画を活用することもアイスブレイクとして有効です。
例えば自身が好きな風景や地元の景色を背景にすれば、相手をリラックスさせつつ会話のきっかけにもなります。
ただし、面接中の雰囲気が緩みすぎたり、学生の集中を欠いたりするような突飛な画像は避けるようにしましょう。
実際に質問やネタを行うためには、事前に意識しておくべき点がいくつかあります。
ここでは、面接準備・面接開始直後・アイスブレイク中にできる、アイスブレイクを上手く機能させるコツをご紹介します。
どんなアイスブレイクをどのくらいの時間行うのか事前に決めておくことで、慣れていなくともスムーズに進めることができます。
焦らず進行したい方は、事前に流れを書いたメモを手元に置いておくとより良いでしょう。
面接官が候補者を吟味すると同時に、候補者も同じく「選ぶ立場」です。
候補者への第一印象をより良いものにするために、敬意を込めたお礼や自己紹介を取り入れることが有効です。
また、面接官がアイスブレイクのつもりで話しかけても、候補者は既に本題に入っていると捉えて緊張が解けない場合があります。
合否に影響しないことを明確に伝えておきましょう。
候補者がYesかNoで即答できる質問から会話をスタートさせ、続けて関連する質問を投げかけることでスムーズな対話が生まれます。
内容としては、趣味など共通点になりやすい話題を盛り込むことがおすすめです。
ただし、単なる雑談として時間を使いすぎて肝心の質問ができなくなる事態は避けるようにしましょう。
面接官としてはアイスブレイクのつもりが、候補者にとってはプレッシャーになってしまうことも少なくはありません。
ここでは見落としがちな注意点を含めて、アイスブレイクのNG例についてご紹介します。
「就職活動の状況はいかがですか」
「弊社を知ったきっかけは何ですか」
面接官としてはアイスブレイクとして聞いたつもりでも、上記のような話題は選考に関わる質問だと勘違いされてしまう可能性が高いです。
世間話や趣味の話といった、誰もが合否に影響ないと思えるような話題を心がけましょう。
政治、宗教、尊敬する人物、購読新聞、愛読書 上記のような個人の思想に関する話題は、厚生労働省により禁止されています。
デリケートな話題を避けること自体は意識できている面接官が多いと思われますが、どこまでなら「個人の思想」に該当しないのかは正しく知っておく必要があります。
例えば、オンライン面接で背景に見える部屋の様子に触れたり、電車の音から「駅が近いんですか」といった近郊の施設に関する発言をしたりすることはNGです。
生活環境に関する話題は触れやすいため、特に注意しましょう。
個人の思想と同様に、家族に関する話題も厚生労働省により禁止されています。
「お父様はどのような仕事をされているのですか」
「お兄さんはもう社会人ですか」
上記のような質問は無意識にしてしまうかもしれません。
注意して避ける必要があります。
性別やセクシュアリティ、恋愛に関する話題などはハラスメントと捉えられることがあります。
そのため、このような話題は避けるようにしましょう。
コロナ過や災害・事件などのネガティブな時事ネタも、応募者に不快感を与えてしまう可能性があるため、注意が必要です。
オンライン面接が主流となっている中で、注意すべき点はどこにあるでしょうか。
ここでは、オンライン面接における注意点をご紹介します。
オンライン面接では、応募者がオンライン面接や面接で使用するツールに慣れていないことがあります。
また、面接の途中で通信環境が悪くなるといったトラブルも起きるかもしれません。
そのため、アイスブレイクのタイミングで、
「質問が上手く聞き取れなかった場合は遠慮なく聞き返してください」
「接続が切れてしまったら焦らず再接続してください」
「接続が上手く行かない場合はこちらの電話番号に連絡してください」
など、不具合時の対応を予め伝えておくことで、応募者に安心感を与えることができるでしょう。
オンライン面接は、緊張材料が対面の面接よりも多くなりがちです。
候補者は「電波が悪く音声が途切れたらどうしよう」「生活音で不快にさせてしまわないだろうか」といった不安を抱くかもしれません。
より一層候補者の不安に寄り添い、緊張をほぐす必要があることを意識しておきましょう。
対面時よりも、話す速度や声の大きさに気を遣うことで、聞き返されることなくスムーズに面接を進めることができます。
話し方から相手に対する気遣いを感じさせられ、候補者がよりリラックスして話すきっかけの一つにもなり得るでしょう。
万が一接続不良で音声が聞き取れなかった場合を考え、事前に「聞き返して大丈夫」と面接官側から伝えることで、オンライン面接に慣れていない候補者でも安心して面接に臨めるようになります。
話すときと同様に、候補者の話を聞く際にも注意が必要です。
相手の話に大きくうなずくといった動作により、話をしっかり聞いていることを示しましょう。
オンライン面接に限らず対面の面接にも共通して言えることですが、企業や面接官自身の話は、アイスブレイクとしては適切とは言えません。
面接官がリードしつつ、会社説明や自己紹介は簡潔に済ませた方が、面接においては候補者のモチベーションが下がりづらいでしょう。
伝えておきたい企業の情報などは、最後の逆質問の時間に話すようにしましょう。
いかがでしたか。
より良い人材確保や企業のイメージアップには、候補者の緊張をほぐすことが有効です。
自分に合ったアイスブレイクの方法を見つけ、リラックスした状態の候補者と面接ができるように心がけましょう。