「毎年内定辞退が多数出てしまっている・・・」
「内定辞退を防げる有効な対策を知りたい!」
という方はいませんか。
事実、以下のグラフからもわかる通り
23卒採用において「選考中辞退/内定辞退」に課題を感じている企業は54.8%で、母集団形成に次いで2番目に多い結果となっています。
【参考】株式会社ディスコ「2023年卒採用活動の感触等に関する緊急企業調査(2022年5月)」
またこちらのグラフは内定辞退の状況を前年度と比較したものです。
2022年度の採用において、内定辞退が「かなり増えた」企業は12.7%、「やや増えた」企業が29.1%という結果となっています。
つまり、合わせて4割を超える企業が前年度よりも内定辞退が増えたことが分かります。
【参考】株式会社ディスコ「2022年卒採用内定動向/2023年卒採用計画調査(2021年10月調査)」
売り手市場が続く昨今、内定辞退にお悩みの方も多いでしょう。
本記事ではそんな「学生の内定辞退」にお困りの方に向けて、
- 内定辞退が起こる原因
- 内定辞退を防ぐための具体的な施策
- 内定辞退の対策に成功した他社事例
などを解説していきます!
内定辞退を減らすために役立つ以下の記事もぜひご参照ください。
【参考】【改善策4選】3年分の内定承諾率から考察!内定承諾率を上げるコツ
【参考】【オンラインあり】内定者フォローの面白い企画事例からコツまで紹介
内定辞退理由ランキング
まず、学生がなぜ内定辞退をしてしまうのかを確認しましょう。
以下では内定辞退理由のランキングを見ていきます。
面接前の辞退理由ランキング
以下は、2020年12月にエン・ジャパン株式会社が行った面接前の辞退理由のアンケート結果です。
1位:応募後に再考し、希望と異なると判断した(41%)
2位:希望に反するスカウトメールだった(32%)
3位:ネット上で良くない評判や噂を見た(27%)
4位:他社での選考が通過した・内定が決まった(17%)
5位:企業の担当者の対応が悪かった(15%)
面接前の段階で辞退をする理由としては、「応募後に再考し、希望と異なると判断した」が最も多いです。
このような辞退は、掲載する求人情報の整理や、訴求ポイントの明瞭化などによって防ぐことができます。
ペルソナ立てなどを行いながら、自社の求める人物にぴったりの訴求を行いましょう。
【参考】エン・ジャパン株式会社「辞退の心理 [2020年版]」
面接後の辞退理由ランキング
以下は、2020年12月にエン・ジャパン株式会社が行った面接後の辞退理由のアンケート結果です。
1位:面接で詳しく知った仕事内容が希望と合わなかった(39%)
2位:面接で詳しく知った勤務地・給与などの条件が合わなかった(35%)
3位:面接での説明内容と求人情報に齟齬があった(30%)
4位:社内の雰囲気がよくないと感じた(29%)
4位:面接官の行動や対応が悪かった(29%)
面接後の辞退理由として最も多いのは「仕事内容が希望と合わなかった」です。
掲載している求人情報の内容を整理することで、このような辞退を予防することが可能です。
また同率4位となっている辞退理由は、どちらも企業に対する悪印象から来ています。
面接は企業が一方的に候補者を評価する場ではなく、候補者も企業を見極めています。
このことを忘れずに、候補者にとって働きたくなる会社であることを面接中もアピールするように意識しましょう。
【参考】エン・ジャパン株式会社「辞退の心理 [2020年版]」
内定辞退をする学生の心理
ここからは、学生の内定辞退が増加していることの背景について解説します。
特に優秀な学生は複数の企業から内定を貰う場合が多く、内定先企業の業務内容や社内環境を比較して就職先を決め、その他企業からの内定は辞退します。
リクルートキャリア 就職みらい研究所が行った調査によると、21卒の内定辞退率は内定式が行われる10月時点で60%に及びます。
【参考】リクルートキャリア 就職みらい研究所「就職プロセス調査 (2022年卒)「2021年9月1日時点 内定状況」」
下記のグラフは、2022卒学生の「入社意思の低い企業に対して、辞退の意思は伝えているか」という質問に対する回答を時期別に表したものです。
選考序盤の3月1日時点では、内定辞退について伝えていない学生が72.9%です。
まだ選考が始まったばかりで、志望度の高い企業からの選考結果が出ていないため、内定辞退を伝えていない学生が多いことが予想されます。
その後、徐々に内定辞退を伝える学生が増え、内定式がある10月には全ての企業に内定辞退を伝えた学生が87.65%で約9割となります。
8月末までに内定を保有している場合、9月末までに就職活動を終了する学生は45.8%です。
10月にある内定式までに就職活動を終わらせ、内定先の中から辞退または入社する企業を決める学生が多いことが分かります。
【参考】マイナビ「2022年卒 大学生 活動実態調査 (10月中旬)」
就職活動を行う学生は一番に志望する企業から内定が貰えない場合を想定し、複数社にエントリーすることがほとんどです。
学生の志望度を高めて内定辞退を減らすには、学生が内定辞退する理由や、内定辞退を防ぐための効果的な内定者フォローを知っておくことが大切です。
「予想より多い内定辞退で採用目標人数に満たない」なんてことにならないように、事前に準備をしておきましょう。
【要注意】内定辞退が起きる3つのタイミング
内定者が辞退を決めるタイミングを把握しておきましょう。
➀志望度の高い企業から内定を獲得した時
就職活動をする学生は、第一志望の企業以外にも複数の企業に応募します。
自社の志望度が他の企業より低かった場合、より優先順位の高い企業が出たタイミングで辞退をされてしまいます。
②内定承諾の期限を迎えたとき
内定承諾の期限を定めている企業がほとんどです。
承諾期限は2週間〜1か月程度が一般的になります。
内定承諾期限を迎えた際に、自社への入社優先度が低かった場合、期限に合わせて辞退されてしまうパターンがあります。
③入社を不安に思ったとき
内定承諾後も油断はできません。
内定承諾後から入社まで半年以上期間が開くため、学生は「本当にこの企業で大丈夫だろうか」という不安を持つ場合があります。
いわゆる「内定ブルー」に陥った学生は就職活動を再開したり、別に内定承諾を出した企業に流出してしまう可能性があります。
承諾後も、丁寧な内定者フォローが求められるでしょう。
【時期別に解説】新卒採用における内定辞退の割合と主な理由とは?
内定通知の際に、提出期限を設けた入社承諾書などの書類を一緒に送付して、その提出期限を内定辞退が行われる目安としている採用担当者の方もいるのではないでしょうか。
確かに提出期限に合わせて内定辞退するか否かの決定をする学生もいますが、一方で入社承諾書に法的な拘束力がないことを知っている学生も多いです。
他に志望する企業からの結果がまだ出ていない場合など、ひとまず入社承諾書を送り、後から内定を辞退する学生もいます。
以下では時期別にどのような理由で学生が内定辞退を行うのか、その傾向をまとめたものです。
就職活動後期に学生が何を考えているのか、何が内定辞退の決め手になり得るのかを知ることで、適切な時期に効果的な内定者フォローができるよう対策を行いましょう。
また、自社の内定承諾率が平均と比較してどの水準にあるのか確認することも非常に重要です。
【参考】【改善策4選】3年分の内定承諾率から考察!内定承諾率を上げるコツ
内定式前 10月以前
内定式が行われる10月より前の時期では、他企業からの内定連絡を待っている学生や、内定を貰った企業の実情を調べている学生が多いのが特徴です。
既に第一志望が明確な学生は、その企業からの内定を貰った時に他社の内定を辞退します。
選考が始まる3月から就職活動が終わる9月末までの間は選考結果が徐々に出始めます。
志望度の高い企業からの内々定を貰った学生は、志望度の低い内々定先企業の内定を辞退していきます。
【参考】リクルートキャリア 就職みらい研究所「就職プロセス調査 (2022年卒)「2021年9月1日時点 内定状況」」
複数社から内定を貰ってどの企業に入社しようか迷っている学生は、OB・OG訪問や口コミサイトから企業の内情についてより深く知ろうとします。
選考対策としての情報収集とは違い、実際に働く上でどんな会社なのか、といった視点で情報を取得することで、今まで抱いていた企業に対する印象が変わる可能性もあります。
そこで「思っていた企業とは違った」とギャップを感じ、内定辞退する学生もいます。
他にも、大学院や公務員試験など、民間企業への就職以外の道を選択する学生からの辞退も考えられます。
内定式後 10月以降〜12月頃
内定式が行われる10月からは、実際に会社の雰囲気を体感する機会が多い時期です。
内定式の他にも、内定者面談や懇親会、内定先でのアルバイトやインターンへの参加など、同期となるメンバーや既存の社員との交流を深めていきます。
これらを通してより仲を深めて志望度が上がる場合と、上手く馴染めず内定辞退へと至る場合があります。
下のグラフを見て分かるように、ほとんどの選考結果が出た10月以降は内定辞退率に大きな変化は見られません。
一方で、内定者フォローを怠ると自社への不安や不信感が強まってしまうため注意が必要です。
【参考】リクルートキャリア 就職みらい研究所「就職プロセス調査 (2022年卒)「2021年9月1日時点 内定状況」」
学生は企業の内定者フォローを通して、実際に入社した後に行われる研修やフォロー体制などを想像します。
初めての就職で不安なことが多い中、頼れる先輩社員や社内体制が支えになります。
それらが充実している会社への志望度が高まり、そうではない会社への志望度が低くなることも考えられます。
複数の企業から内定を貰っている学生は、企業ごとの内定者フォローを比較することができます。
そのため対応が手薄になっている企業への不信感が大きくなりやすく、内定辞退に繋がる可能性があります。
入社前 1月以降〜3月頃
1月以降から3月頃までは、配属先や勤務地の連絡が行われ本格的に入社への準備が行われます。
選考時には合格することが第一に優先されるため配属先などの学生の本音は見えづらいです。
学生自身も選考時には「どの部署でもどの勤務地でも構わない」と思っていても、考えが変わることもあります。
【参考】リクルートキャリア 就職みらい研究所「就職プロセス調査 (2022年卒)「2021年9月1日時点 内定状況」」
他にも、入社前の研修や課題などを通して、選考時に想像していた姿とのギャップを感じる学生もいます。
自分がどこで勤務することになるのか、どのような業務を行うことになるのかが具体的に提示された時に「やっぱり違う」と違和感を感じ、内定を辞退する場合があります。
また、年末年始や卒業後などのまとまった時間ができやすいため、実家へと帰省する学生も多いです。
両親と就職先や将来像について話し合った結果、もう一度就職活動をやり直すことになる学生や、留学やワーキングホリデーに行くことを決める学生もいます。
他にも、大学を卒業するための単位が足りずに留年になってしまったため、内定辞退する場合があります。
【時期別に解説】内定辞退率を下げるための対策12選
これまで、新卒採用における時期別の内定辞退の原因を解説してきました。
ここからは、時期別の内定辞退の対策方法を12個、ご紹介します。
3月〜6月 面接と面談でフィット感を高める
選考の時期から自社への志望度を高めておくことが、内定辞退率低下に繋がります。
選考期は企業側が自社にフィットする学生を選んでいると思いがちですが、学生もどの企業に就職するのかを選ぶ立場にあることを忘れてはいけません。
面接官の対応が不適切であった場合や、選考に関する連絡が遅いなど対応があまり良くなかった場合など、企業に対する学生の志望度が下がります。
内定を出したとしても、選考時の印象が悪ければ学生は内定辞退をしてしまいます。
そのため、選考期から学生の対応に細かく気を配ることが大切です。
学生からの連絡や質問に対して素早く返信することや、面接で学生の緊張がほぐれるような環境づくりを心がけるなど、学生の印象が良くなる対応を行いましょう。
また、母集団を形成するためにとにかく自社の魅力的なポイントばかりをアピールすることもオススメできません。
内定後に自社について調べてみたら選考時に感じた印象とのギャップが大きく、内定辞退をする学生が多くなってしまいます。
自社の良い点と、課題だと感じている点のどちらも共有しておくことで、内定辞退を予防するだけではなく、入社後の離職率も下げることができます。
面談や面接を行う時は、学生が実現したいことをまず聞いた上で、自社では何ができるのかを話しましょう。
自社のありのままを学生に伝えることで、お互いにとってベストな選択ができるように意識しましょう。
以下に学生が入社判断をする際に参考にしている、企業情報のデータを掲載しましたのでご確認ください。
6月〜10月 内定者フォローで学生の不安や疑問を解消する
内定式前の6月〜10月は、企業の実情をより詳しく調べて他の内定先企業と比較しながら、内定辞退する企業を検討している学生が多い時期です。
口コミサイトなどのインターネットに掲載されている情報から企業のことを判断する学生もいます。
一方で、掲載されている情報の全てが正しいとも限りません。
自社に関する認識にすれ違いが起きないように、学生とコミュニケーションを取りながら不安点や疑問点などを解消していくことが大切です。
気軽に学生が様々なことを聞けるような環境づくりをするために、内定者面談などを行うと効果的です。
内定者面談では、学生の就職活動状況や、現在抱えている悩みなどを聞きましょう。
「内定先の採用担当者」としてよりも「経験を積んだ社会人の先輩」というスタンスで面談を行うと、学生も本音を話やすくなります。
親身になって話を聞くことで、学生の自社に対する安心感を醸成することができます。
また他にも、これから同期となる内定者同士で仲を深める機会を積極的に作ると親睦が深まり、入社する動機付けに繋がります。
【参考】内定者フォローのコツは3つだけ!面白い企画事例もご紹介
10月以降〜12月頃 内定者同士や社員との交流機会を作る
内定式を終え、同期と出会い、社長など役員の話を聞いた学生は、少しずつ働く姿を想像しやすくなっているはずです。
内定者懇親会などのフォローを引き続き行うことで、学生の志望度を高めていくことができます。
この時期には、それまで自社に抱いていた印象とのギャップを感じ、ミスマッチを感じる学生が出てきます。
学生が総合的に会社を見て評価してもらえるように、部署や役職など様々な立場の人と交流する機会を意識して作りましょう。
【参考】新卒採用のミスマッチが起こる原因と8つの対策を紹介します
内定者を巻き込み、説明会や座談会などの次年度の新卒採用イベントを企画運営すると、内定者自身の自社への理解度が上がり、社員との繋がりも深めることが可能です。
1月以降〜3月頃 入社後の姿が想像できるような機会を設ける
1月以降から3月頃の入社前には、勤務地や所属先などの発表があります。
学生は自分の希望や将来の計画などを踏まえて、自社への入社が本当に最善の選択なのかどうかの最終的な吟味を行います。
条件面などですれ違いがあった場合には、お互いに譲歩できる箇所がないか話し合える機会を設けましょう。
学生が求めるものを自社で実現できる可能性がどれほどあるのかを実際に働く社員の目線から示すことが重要です。
大学を卒業するための単位が足りずに留年になってしまった場合には、内定を保留にしてインターンやアルバイトとして働いてもらうなど別の方法も探しましょう。 より自社への理解度や志望度が深まり、即戦力としてある程度働けるだけの力を身に付けてもらえる可能性もあります。
上記のグラフは「入社予定企業決定後、学生が不安になった理由」を示したものです。
「社会人としてやっていけるかどうか」「この会社できちんと務まるか」「自分がこの仕事に向いているかどうか」などの不安を抱えている学生が多いことが分かります。
十数年間続けていた学生生活が終わり、仕事が中心の生活へと一変します。
どのような生活になるのか想像がしづらく、不安になる要素は多いはずです。
入社後の姿が想像しやすいような研修や社内見学の実施、社員や内定者同士の交流などの内定者フォローを行うことで、学生が入社を楽しみにできるような機会を積極的に設けましょう。
おすすめ内定者フォロー3選
「内定者の不安を解消するために具体的に何をすればよいのかわからない・・・」という方むけに、内定者の視点を取り入れたおすすめ内定者フォローをご紹介します。
学生が求める内定者フォローとは
「内定までの全プロセスがオンライン完結する企業のみだった」と回答した学生の割合が52%に上るなど、企業に足を運ぶことなく内定を得る学生が増えつつあります。
内定辞退を防ぐためには「リアル」を重視した、内定者フォローを行う必要があるでしょう。
①個別面談の実施
内定者フォローの最も一般的な例として内定者面談があります。
採用担当の社員との面談を行うことで、選考段階で解消しきれなかった疑問を取り除いたり、面接時の評価をフィードバックすることでモチベーションの維持向上を図ることができます。
実際に働くイメージやキャリアプランを具体化することで内定辞退を避けられるため、現場社員との面談も有効です。
②職場見学の実施
先述のとおり、学生は一度も出社せずに内々定を獲得する場合があります。
そういった場合、実際に働く場を見学してもらうことは働くことへのイメージ作りに役立ちます。
③内定者インターンの実施
内定者インターンは関係構築や企業理解、仕事の進め方などの促進に繋がります。実際に仕事をしてもらうことで入社までに社会人としての成長も見込めるでしょう。
ただし、一方的に業務を割り当てたり、仕事が雑用中心になってしまうと内定者から不信を買い、内定辞退につながるためよく考えて内定者を受け入れましょう。
さらに詳しく内定者フォローの手法を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
【参考】内定者フォローのコツは3つだけ!面白い企画事例もご紹介
おすすめ内定者フォローツールを紹介!
「内定者フォローを効率的に行いたい」とお考えの方に向けて、内定者フォローツールをご紹介します。
1.エアリーフレッシャーズクラウド
画像出典:エアリーフレッシャーズクラウド
エアリーフレッシャーズクラウドとは、内定者フォローに強みを持つ採用管理システムです。
- 情報発信機能
- 提出書類管理機能
- コミュニティ機能
- 内定者向けEラーニング
の4つの機能を活用できます。
アンケートによると、導入企業の98.6%が「内定辞退防止に効果があった」と回答しており高い実績を持っています。
2.内定者パック

画像出典:内定者パック
内定者パックは、内定者の不安を解消できる内定者フォローツールです。
- コミュニティ
- 内定者向けEラーニングツール
- ビジネスソフト講習
などを活用することができます。
導入コストが月額5000円〜とリーズナブルなところも魅力です。
【参考】内定者パックHP
3.mitsukari
画像出典:mitsukari
mitsukariは内定者の特性を分析し、適切な配属先を指定することができるサービスです。
入社前にコミュニケーションをとる糸口になることはもちろん、入社後の配属ミスマッチによる離職を防ぐこともできます。
【参考】mitsukari公式HP
親ブロックを防ぐには?
「親ブロック」というフレーズをご存じですか?
親ブロックとは、本人が「入社したい!」という意欲を持っていても、親から入社を反対されてしまい、内定辞退につながってしまうパターンのことです。
マイナビ2022年卒大学生活動実態調査によると、27.7%の学生が内定先に「否定的な意見・反対を受けたことがある」ようです。
そのうち、否定的な意見や反対を受けた相手としてもっとも多いのが「父親・母親」(69.9%)でした。
両親の反対を受けた学生の約3割が、結果として内々定を辞退しているということが明らかになっています。
以上から、学生だけでなく両親のフォローも視野に入れた施策が有効であるとわかります。
【参考】就職活動における「親」の存在(影響・役割・関わり方)
両親に反対される要因は、氷河期時代に就職活動を行った親世代と、子世代の就職活動への考え方のズレや、業界に対する偏見や認知度の低さ、理解が足りないことによるもの場合が多いです。
そういった要因を解決するためには
- 内定時に保護者にも入社承諾を取る「親の確認」
- 親向けの説明会を開催する
- 挨拶状を送付する
といった解決策が有効です。
内々定者の家族に、自社を正しく理解してもらい、安心してもらうための施策を行いましょう。
候補者との関係構築で意識するポイント
これまでは、内定辞退を防ぐ具体的な方法を紹介してきました。
次に内定者と関係構築をする際に、意識しておくと良いことを紹介します。
それが「受容」 「承認」 「共感」の3つです。
上記で説明した12個の施策を行う時にも、「受容」 「承認」 「共感」を意識するとよいでしょう。
「受容」 は、相手を受け入れることを表します。 「承認」 は、相手の話した内容を認めること「共感」 は、相手の話に対し同じ感情を抱くことを表します。
内定者と話す時は、上記の3つを意識するようにしましょう。
下記が会話例です。
「うん、うん、そうなんですね」(受容)
「○○といったことを経験されたのですね」(承認)
「それは非常に大変でしたね」(共感)
上記を行った後、自分の意見を伝えるのがよいでしょう。
内定者のフォローを行う場合は「相手に寄り添い、話を聞く」ことを意識することが重要です。
内定辞退を回避できる採用手法とは?
リファラル採用
リファラル採用とは、自社に所属する社員の紹介で人材を集める手法るのことです。
従業員が候補者をよく理解しているため、自社にマッチしている人材を集めることができます。
加えて、候補者は知人から企業の実情を聞くことができるため入社後のミスマッチを防ぐことも期待できるでしょう。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業側が欲しいと思った人材に直接アプローチできる採用手法のことです。
従来型の採用手法は、求人広告を出し学生の応募を待つ「待ち」の採用でした。
それに対しダイレクトリクルーティングは、能動的にスカウトを送る「攻め」の採用手法といえます。
自社が欲しいと思った候補者であるため、企業の魅力を適切に伝えられれば、内定辞退のリスクを抑えることができます。
【新卒】ダイレクトリクルーティング20社を比較!料金・特徴を分析
【事例あり】内定辞退を防ぐために企業が行うサポートとは?
様々な施策を通して、内定辞退を減らした3社の事例を紹介します。
「他社の事例を知り、自社の施策に活かしたい」という方は、必見の内容です。
事例① 株式会社マネーフォワード
株式会社マネーフォワードは「入社前に社内の雰囲気・業務内容を知りたい」という学生向けに、21卒より長期インターン採用を行っています。
実務を経験してもらうことで、帰属意識を高めることに成功し「ビジネスに興味がある」学生に早い段階で接触することができています。
結果、長期インターンから複数の内定者を出しています。
【参考】立ち上げから上場後まで。マネーフォワードが語る「新卒採用の軌跡」
事例② 株式会社yutori
株式会社yutoriは、最終面接が終了した後「お試し入社」という独自の選考ステップを実施。
社風や業務内容を体験してもらい、「こんなはずじゃ無かった・・・」といった入社後のミスマッチを防ぐことを目的としています。
「お試し入社」により、入社前と後のギャップを埋めることに成功し、離職率0%という高い成果を残しています。
【参考】選考フローに「お試し入社」を設けてから1年半、社員の離職率0%のスタートアップの話
内定辞退メール・電話の返信方法
上記の対策をとっても、内定辞退者が出てしまうことはあります。
内定辞退メールが届いた場合は、丁寧な返信を心がけましょう。
不適切な対応を取ると自社の信頼を落とすことにも繋がるため注意が必要です。
内定辞退の連絡を受け取った後の返信内容には2つのパターンがあります。
1つ目は、そのまま内定辞退を了承するケースです。
魅力を感じていた企業に対して辞退のメールを送ることは、学生にとって心苦しいはずです。
学生への配慮が行き届いた返信を行うことで、自社に対してポジティブな印象を持つことができます。
別の形になったとしても自社に貢献したいと思えるような対応を心がけましょう。
2つ目は、内定辞退を再度検討してもらいたい旨を伝えるケースです。
こちらの場合、メールだけで引き留めをしないように注意しましょう。
長い文面で一方的に思いを語られたとしても、受け取った側は困るはずです。
条件などに関して調整が可能である旨をメールで説明し、詳細について話すために時間を設けていただきたいと伝えましょう。
また、上記どちらの場合でも、内定辞退に至った経緯をしっかりとヒアリングすることが重要です。
内定辞退の理由を詳しく聞き、次年度採用で内定辞退率を下げるための改善方法を探ります。
直接会って話を聞けることがベストですが、難しければ電話などで対応しましょう。
ただし、執拗に引き留められることを懸念する内定者もいるため、今後の参考にしたいという意図を事前にしっかりと伝えてから面談の機会を作るようにしましょう。
以下では、それぞれのパターンのメール返信例を記載します。
内定辞退を了承するメール返信例
内定辞退を引き止めるときの返信例
電話の場合
内定辞退の連絡は、メールだけでなく、電話でかかってくることもあるでしょう。
電話の場合もメールと同じく「内定辞退の理由」を聞き、「可能であれば直接お話したい」と伝えるのがおすすめです。
下記にて電話の場合の例文を用意しました。
<例>
内定者:お世話になっております。内定を頂きました○○です。少々お時間を頂いてもよろしいでしょうか? 内定をいただいておきながら、身勝手なお願いで大変申し訳ありませんが、本日は御社の内定を辞退させていただきたくご連絡を差し上げました。
あなた:承知いたしました。もし差し支えなければ、理由をお伺いしてもよろしいでしょうか。
求職者:(理由)
あなた:承知いたしました。ご連絡頂きありがとうございます。後ほど改めて連絡させていただきます。お忙しい中ありがとうございました。
電話は返答を考える時間がないため、電話の際は「後日折り返して連絡をする」旨を伝えるのがよいでしょう。 上司・責任者に連絡を取り、早めに折り返しの連絡を行うようにしましょう。
辞退者の引き止めすぎは逆効果
学生の考えによっては、引き留めにより内定辞退を防ぐこともできます。
ただし、それでも内定者の考えが変わらない場合は、引き留めは困難です。悪い印象を残さないようにするためにも、連絡はしつこく行わないようにしましょう。
内定辞退を未然に防げるMatcher scoutとは?
内定辞退を防ぐためには、自社に合った学生を採用することが重要です。
しかし「自社に合う学生が集まらない」「効率的に母集団形成をしたい!」というお悩みを抱えている方も多いでしょう。
そんな人事担当者の方には「Matcher Scout」をおすすめします。
Matcher Scoutとは「自社が求めている学生に、手間を掛けずに、リスク無く採用したい」そんなニーズにお応えする、新卒向けダイレクトリクルーティングサービスです。
Matcher Scoutの特徴として
- OB・OG訪問マッチングサービス「Matcher」のデータベースから、主体性のある優秀な学生にスカウトを送信できる
- 運用に際する、事務作業が一切不要
- 独自のA/Bテスト機能で、会いたい学生に会える確率を向上できる
ことがあげられます。
採用成功まで料金は一切かからないため、採用自体を効率化させたい人事担当者の方におすすめです。
まずは、下記より無料の資料をダウンロードしていただければと思います。
さいごに
いかがでしたか。
本記事では学生が内定辞退する理由を把握することで、どのような対策を行えばよいのかを解説しました。
選考中からしっかりと擦り合わせを行うことで、ミスマッチを減らしていきましょう。