売り手市場という企業側にとって学生が集まりづらい現状において、悩みを抱えている企業は多くいるはずです。
本記事では売り手市場の解説、新卒採用市場の現状、そして企業が売り手市場において新卒採用を成功させるコツについてご紹介します。
そもそも、就職市場における売り手市場・買い手市場とはどのようなものなのでしょうか?まずはじめに、売り手市場・買い手市場のそれぞれの特徴と、それらを判断するための有効求人倍率についてご紹介します。
有効求人倍率とは、有効求人数(=企業が募集をかけている求人数)÷有効求職者数(=働きたい人の数)で算出した割合のことです。
例えば、有効求人倍率が1より大きいときは、求職者が足りない売り手市場であるということができます。一方で有効求人倍率が1より小さいときは、求人が足りない買い手市場であるということができるでしょう。
有効求人数と有効求職者数に関するデータは厚生労働省が算出し、毎月公表されています。業種別、都道府県別にもデータを確認することができるので、参考にしてみると良いでしょう。
【参考】厚生労働省『一般職業紹介状況(令和6年11月分)について』
売り手市場とは、有効求人倍率が「1.0」を上回り、求職者の数に対して求人数が多い状態を指します。求職者にとっては多くの選択肢の中から就職先を選ぶことができるという点で就職や転職が有利ですが、企業にとっては、自社の求人に人が集まらなくなるという点で採用に不利な状態です。
一方、買い手市場とは、有効求人倍率が「1.0」を下回り、求人数に対して求職者数が多い状態を指します。就職者にとっては、採用倍率が高く就職や転職に対して不利ですが、企業にとっては、複数の求職者の中から優秀な人材を選ぶことができるという点で採用に有利な状態です。
そもそもなぜ採用市場は変化するのでしょうか。市場が変化する理由としては景気の影響と技術革新が挙げられます。
景気が良いと企業は事業拡大を望み、さらに新しい人材が必要になるでしょう。それにより求人数が増え、売り手市場になります。反対に、景気が悪いと企業は倒産や事業縮小が発生し、求人数を減らすことになります。それにより求人数が減り、買い手市場になります。
また、AIやIT技術の発展により、様々な業務を自動化できるようになりました。それまで人を雇って行っていた業務をAIが代行できるようになったことで、ポジションが減少し、買い手市場に傾いてしまう可能性もあるでしょう。
ここでは、近年の大卒求人倍率から、新卒採用の市場の傾向について解説していきます。
株式会社リクルートによると、2025年3月卒業予定の大卒求人倍率は1.75倍で、売り手市場だったことが分かります。また、25卒以前の求人倍率は以下のとおりでした。
【参考】株式会社リクルート『第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)【大卒求人倍率1.75倍】引き続き高い採用意欲が続く見込み―2024年卒では初任給引き上げが大幅に進む―』
前出の株式会社リクルートの調査によると、職種別の求人倍率は、2025年3月卒において以下の通りでした。
▼職種別の求人倍率
流通業や建設業、製造業においては売り手市場の傾向が強い一方、金融業やサービス・情報業においては買い手市場の傾向が強いことがわかります。業界によっても新卒採用市場の現状は全く異なることがわかるでしょう。
【参考】株式会社リクルート『第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)【大卒求人倍率1.75倍】引き続き高い採用意欲が続く見込み―2024年卒では初任給引き上げが大幅に進む―』
前出の株式会社リクルートの調査によると、2025年3月卒の学生における従業員規模別の求人倍率は以下の通りでした。
▼従業員規模別の求人倍率
ここから、同じ25卒の学生であっても大企業においては買い手市場の傾向が強く、中小企業においては売り手市場の傾向が強いことがわかるでしょう。
株式会社キャリタスの調査によると、2026卒の採用見込みについて、「増える見込み」または「今年度並みの見込み」と答えた企業の割合は76.6%でした。
文部科学省の調査結果からは、18歳人口の減少傾向にあり少子化が進んでいるため、大学進学率は増加しているものの、大学入学者数は63万人程度で横ばいになっていることが分かります。
このことから、26卒以降も現在の売り手市場の状態が継続していくことが予想されます。
【参考】株式会社キャリタス『2026年卒就職・採用戦線の見通し』
【参考】文部科学省『Ⅰ.18歳人口及び高等教育機関への入学者・進学率等の推移』
ここまで売り手市場・買い手市場とは何か、そして採用市場の現状についてご紹介しました。それでは、売り手市場は企業にどのような影響を与えているのでしょうか。
▼売り手市場が企業に与える影響
1つ目は、応募者が集まらないということです。先ほども説明したように、売り手市場においては、求職者の数に対して求人数が多くなっているため、自社の求人に応募が集まりにくくなることが予想されるでしょう。また、応募者が少なくなることによって優秀な人材が集まりにくくなってしまう可能性があります。
特に知名度が低い中小企業は、他の企業の求人に自社の求人が埋もれてしまい、特に応募が少なくなることが懸念されるでしょう。
2つ目は、企業と応募者のミスマッチが起きやすいことです。先ほど説明したように、売り手市場では応募者が集まりにくい傾向があります。そのため、少ない候補者の中からどうしても人材を確保しなくてはいけない、と思いすぎるあまり、もともと定めていたペルソナと異なる人材を採用してしまう可能性があるでしょう。
3つ目は、内定辞退や選考辞退が発生しやすくなるということです。
売り手市場において、求職者は一度に複数の企業の選考に進むことができ、1人の求職者が複数の内定をもらうことができるでしょう。
株式会社マイナビの調査によると、25卒の学生が2024年6月の時点で保有している内々定保有社数の平均は2.28社でした。
複数社内定を得ている学生が多い分、内定辞退や、そもそもすでに他の企業から内々定を得たため選考を辞退する学生が多くなると言えます。
売り手市場によって企業間の人材採用活動の難易度が上がる中、優秀な人材を採用している企業はあります。売り手市場において新卒採用を成功させるためにポイントをご紹介します。
▼売り手市場で採用を成功させるポイント
ダイレクトリクルーティングサービスとは特定の候補者に対して、企業側から直接アプローチする採用戦略のことです。売り手市場の現在、求職者からの応募を待つだけではなく、企業の側からアプローチすることも有効です。
実際に、株式会社リクルートが行った調査によると、3人に1人の学生が、企業にエントリーした経路として「逆求人やスカウトなど、ダイレクトリクルーティングサービス」を挙げています。
また、株式会社矢野経済研究所が行った調査によるとダイレクトリクルーティングサービスの市場規模は2022年度の872億円から、2023年度には1,074億円、2024年度(見込み)には1,275億円と、その市場規模が急速に拡大していると言えるでしょう。
売り手市場の現在、学生に直接アプローチするダイレクトリクルーティングサービスは、優秀な人材を効率よく採用することができるため、需要が急速に拡大しているといえます。
【参考】株式会社リクルート『採用活動中間調査 就職活動状況調査データ集 2024年卒』
【参考】株式会社矢野経済研究所『2024年版 ダイレクトリクルーティングサービス市場の現状と展望』
「求めるような学生になかなか出会えない」「母集団形成がうまくいかない」といったお悩みを抱えている新卒採用担当の方におすすめしたいのが、Matcher Scoutです。
Matcher Scoutとは、採用担当者の煩雑な業務負担を極限まで削減した新卒採用向けのダイレクトリクルーティングサービス。OB・OG訪問アプリ「Matcher」に登録している学生の中から、採用要件にマッチした学生に弊社の担当者が代理でスカウトを送信します。
Matcher Scout をおすすめする理由
以上の理由より、待っているだけでは会えないような優秀な学生層にアプローチできるため、効率的に採用活動を進めることができます。
ご興味をお持ちいただけましたら、まずはお気軽にお問い合わせ・資料請求をお願いいたします!
詳しくは以下の資料で詳しく説明しているので、是非ご覧ください。
【サービス説明資料】3分でわかるMatcher Scout
【導入事例】利用チャネルの中で最も多い内定数!工数をかけなくても多くの優秀な学生にお会いできました
採用面接においては、面接官が候補者である学生の中から、自社にふさわしい学生を選ぶものだ、と考えている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。もちろん、採用面接において、その学生が自社で活躍できる人材なのか判断をする、という側面もあるでしょう。しかし、その認識が強すぎるあまり、学生に対して高圧的な態度を取ってしまったり、学生の気持ちをないがしろにしてしまったりすると、学生からみた企業のイメージが下がり、内々定を選考辞退や内定辞退に繋がってしまうこともあります。
売り手市場の現在、学生も多くの企業の中から自分にマッチする企業を選ぶ立場にあります。特に選考段階で学生と直接関わることの多い採用担当者の言動は、企業イメージに直結する傾向があるでしょう。そのため、採用担当者の研修を改めて徹底することで、学生から選考段階でネガティブなイメージを持たれず、むしろ「こんな人がいる職場で働きたい」と思ってもらうことができるでしょう。
採用フローを見直し、学生の選考離脱を防ぐことも重要です。
例えば、面接の回数が多かったり、選考と選考の間の期間が空きすぎてしまったりすると、他社の内定が先にでて選考辞退されてしまったり、数多くある企業の中で優先順位が下がってしまったりすることが考えられます。また、全ての面接をオンラインではなく対面で行うと、地方の学生からの応募が減ってしまうだけでなく、そもそも選考に応募するハードルが上がってしまうこともあるでしょう。
面接のフローを考え直したり、選考に関する連絡をこまめに行ったり、オンライン面接を導入したりすることで、学生の選考離脱を防ぐことも重要です。
採用フローを見直す際に、採用ファネルを活用することも有効です。採用ファネルとは、採用マーケティングの手法の1つで、自社の認知から内定に至るまでのプロセス(認知→興味→選考→内定)を、逆三角形の図表を用いて示したものです。ファネル分析を行うことで、どの段階で候補者が離脱しているのかが一目でわかり、採用活動の質向上に繋げることができるでしょう。
学生を採用するにあたって、SNSで自社の魅力を発信することは必要不可欠です。
株式会社マイナビが行った調査によると、26卒の学生のうち、就活準備でSNSを使っている割合は68.2%でした。
採用ホームページを充実させることはもちろんですが、YoutubeやX、InstagramなどのSNSを使用してカジュアルに自社の魅力を発信したり、自社の認知度の向上に努めることは重要だと言えるでしょう。
【参考】株式会社マイナビ『SNS就活最前線!SNSを活用する学生の事情(第1章)』
しかし、「SNSで何を発信すれば学生に刺さるのかわからない」とお困りの採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
株式会社No Companyが行った調査によると「企業に対して、オンライン上でどのような情報を発信してほしいですか?」という質問に対する回答は以下のとおりでした。
▼企業に対して、オンライン上でどのような情報を発信してほしいか?
1日の仕事の流れ 57.9%
福利厚生 46.4%
社内の人間関係 45.3%
採用/不採用の基準とその理由 42.3%
実際の勤務時間・残業時間 42.1%
【参考】株式会社No Company『Z世代の学生による就職活動時のSNSやWebサイトの活用実態について』
売り手市場において、就活生が集まりづらい状況であるため、応募条件を少し見直すのも一つの策だと言えるでしょう。
採用時の経験、資格やスキルにこだわり過ぎず、入社後の育成を視野に入れることで幅広い人材を採用することが可能です。また、採用地域の拡大やオンラインの導入によって幅広い地域から人材を採用することも一つの手だと言えます。
しかし、条件を見直すとは言っても、どうしても譲れないところを定めておくことも重要です。採用ペルソナを明確にして、自社の社風や理念にマッチする人材を採用できるようにしましょう。
人材採用を行う際、外から人材を採用することに過度なコストをかけていませんか。
職場に人材を定着させることに力を注ぐのも大事なポイントです。
せっかく新しい人材を採用したとしても、職場環境が整備されていないと、退職してしまうおそれがあります。社員が長く働き続けることができる環境を整えることも、長期的に成長していく企業をつくるために重要だと言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。たしかに売り手市場は採用する企業にとっては不利な点が多いことは事実ですが、採用フローを見直したり、SNSで自社の魅力を発信したり、学生に直接アプローチしたりすることで、売り手市場であっても優秀な人材を採用することができるでしょう。