「採用担当になったけれど採用基準の決め方がわからない」「現在ある採用基準を見直したい」
このように考えている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
採用基準を明確にすることで、ミスマッチや早期離職を防ぐことが可能になります。自社で長く活躍してくれる人材を効率よく見極めるためにも、今一度採用基準を見直してみませんか?
採用基準とは、新たな人材を採用する際に用いる、求める人材かどうかを客観的に判断するための指標です。
採用基準を設けることで、担当者によって評価の軸が揺らぐことなく、自社が求める人材を的確に採用することが可能です。
自社の求める人物像を記載したものとして、「採用要件」や「ペルソナ」があります。
採用要件とは、自社が採用したい人材の特徴を示したものです。採用要件を土台にして採用基準を作成し、評価軸を決めていきます。
一方ペルソナとは、採用要件から自社が採用したい人物の具体的な行動パターンや趣味などを想像し、作成したものです。ターゲットの人物像を想像しやすくすることで、戦略的なアプローチ方法が考えられます。
採用基準は選考時に利用するものですが、ペルソナは母集団形成時に利用します。
採用基準を決めることはなぜ必要なのでしょうか?ここでは採用基準を定めるメリットをご紹介します。
▼採用基準を決めるメリット4選
選考は「本当に自社へ入社することがお互いにとってベストな選択なのか」を判断するために行われます。
判断基準が定まっていないと、自社の雰囲気に合わない人材や業務内容に向いていない人材を採用してしまう恐れがあります。このようなミスマッチが起きると、早期離職や士気の低下に繋がります。採用基準を設けることで正しく選考を行い、候補者にとって自社が活躍できる場所かどうかを判断しやすくなります。
一般的に、選考は複数の段階に分けて候補者を評価していきます。その際に、選考フェーズによって評価者を変えて対応するケースが多いです。しかし、担当者によって評価のポイントや良い・悪いと思う基準が異なると、評価にブレが生じてしまいます。
全ての担当者が共通認識を持って評価を行うには、評価の指標となるものが必要です。採用基準が設定されていることで評価に対する理由付けがしやすくなり、評価段階における工数の削減にも繋がります。
新卒採用を進めるにあたって、選考フローの中に複数の面接が組み込まれていることが多いでしょう。必然的に異なる採用担当者によって選考を行っていくため、明確な採用基準がなければ、各担当者の主観で評価することになってしまいます。
選考の基準が不明瞭な場合、学生が不信感を抱いてしまう可能性もあるでしょう。選考プロセスに一貫性を持たせることで、選考のクオリティを担保し、結果的に判断時間を短縮することが可能です。
採用面接を行うにあたり、最近ではますますWeb面接(オンライン面接)を利用する企業が増えてきました。
オンライン面接の場合、対面面接よりも候補者から得られる情報量が少ないため、従来と同じ採用基準では不十分な可能性があります。
また、面接ツールを問題なく使えるか、といった新たな評価観点も生まれていると考えられます。そのため、改めて採用基準を見直す必要性が高まっているといえるでしょう。
それでは、具体的にどのような採用基準を設定すればよいのでしょうか。採用基準は主に以下の5つの項目に分けられます。
▼採用基準に含むべき項目5選
1つ目が、スキル・経験です。大学で学んできたことや所有している資格などのことを指します。スキル・経験については以下のような項目を考慮して採用基準として設定すると良いでしょう。
▼「スキル・経験」についての具体的な採用基準の項目例
2つ目が、能力・ポテンシャルです。新卒採用ではポテンシャル採用を行うことが多いため、採用の段階ではスキルや経験がない候補者も多いでしょう。自社に入ってからしっかりと活躍してくれる人材であるかどうか、その能力やポテンシャルについても採用基準として明記しておくと良いでしょう。
▼「能力・ポテンシャル」についての具体的な採用基準の項目例
3つ目が、パーソナリティ・価値観です。働くうえでは能力だけではなく、「チームでどのような立ち回りをするのか」「どんなときに頑張ろうと思えるのか」といった、パーソナリティや行動における価値観も非常に大切です。候補者のパーソナリティ・価値観は以下のような項目で採用基準として組み入れると良いでしょう。
▼「パーソナリティ・価値観」についての具体的な採用基準の項目例
4つ目がカルチャーフィットです。優秀な人材を採用できたとしても、自社の社風や従業員の雰囲気と合わず、早期退職してしまっては、採用した意味がなくなってしまうでしょう。そのため、採用基準では自社のカルチャーに合うかどうかと言った視点も重要です。
▼「カルチャーフィット」についての具体的な採用基準の項目例
5つ目が、コンピテンシーです。コンピテンシーとは、優れたパフォーマンスを発揮する人物に共通する行動特性のことを指します。成果自体を評価するのではなく、成果に至るまでの思考や行動パターンを評価します。ミスマッチを防ぐ手法のひとつとして、コンピテンシー面接は有効です。
求める人物像を考えるにあたって、一から自社の理想的な社員像を作り上げるのは時間がかかるでしょう。そこで、すでに会社で活躍している社員に共通する行動や思考の特性を参考にすることで、効率よく求める人物像を具体化することができます。
▼「コンピテンシー(行動特性)」についての具体的な採用基準の項目例
コンピテンシーを重視する面接について詳しく知りたい方は以下の記事もおすすめです!
【参考】コンピテンシー面接の進め方や準備を解説!質問例・評価シートあり
実際に採用基準を設定する際、どのようなフォーマットを使用すれば良いのか想像しにくい方もいらっしゃるのではないでしょうか。以下でご紹介する採用基準を定める際のテンプレートを参考にしながら、自社の採用要件に沿ったものを作成していきましょう。
例えば、以下の表のように設定します。
ここでのポイントは、定義を明確にすることです。先ほど紹介した採用基準項目例を参考に、必要な項目を整理・設定していきましょう。具体的な決め方については、次の章で解説していきます。
ここで設定する求める力は、経済産業省が仕事に必要な力として提唱する「人生100年時代の社会人基礎力」を参考にしながら設定するのもおすすめです。
【参考】経済産業省『社会人基礎力』
次に、採用基準作成の具体的な手順についてステップごとに解説していきます。
各段階で必要な情報を集めて整理し、誰が見ても分かりやすいような採用基準を設けるように意識しましょう。
▼採用基準の決め方
まずは採用の指針となる採用要件を設定します。採用要件とは、自社が求める人物像の特徴を列挙したものです。採用要件は、以下の2つのポイントに沿って設定するとよいでしょう。
▼採用要件を設定する際のポイント
業務上必要となるスキルや資格、求める人物像は、業種や採用する部署によって異なります。
そのため、各部署の現場社員や管理職にしっかりとヒアリングを行った上で、採用要件を明確に設定しましょう。自社が求める人材像のギャップをなくしていくことが大切です。
この作業を怠ると入社後のミスマッチが非常に起きやすくなってしまいます。
1度決めた人物像に固執してしまうと、採用が難航する恐れがあります。なぜなら、就活・転職市場のトレンドは時代によって変化し続けるためです。
採用基準が世間の流れと相反するものであると、中々採用が進まないといった状況になりかねません。採用したいターゲット層との価値観の乖離もその原因になり得るでしょう。
例えば、自由な働き方を重視する人が多い20代を採用するのに「裁量労働制、副業NG、出社必須」という志向を基準にするのは得策ではありません。応募者、採用担当者をはじめとする関係者の時間を浪費しないためにも、必須条件の確認・周知は非常に重要です。
採用要件を定めたら、次に評価項目を設定しましょう。評価項目を設定する際のポイントは以下の通りです。
▼評価項目を設定するポイント
役員と現場の間で求める人物像にギャップがある場合、各項目の優先度を決めにくくなってしまいます。
例えば、役員は「プログラミングスキルよりも社風を体現していくコミュニケーション能力の高さを重視したい」と考え、現場では「プログラミングスキルは必須で、コミュニケーション能力は最低限あれば良い」と考えているかもしれません。
このような場合、採用担当者は「中途ではなく新卒採用を行う意義」について立ち返り、自社で新卒採用を行う際のゴールを意識しながら優先度を決めていきましょう。どの項目を必須または歓迎条件に設定するかという話し合いを通して、自社が求める人材の認識のギャップをなくしていくことが可能です。
市場分析とヒアリングで得られた情報を活かし、求める人物像を作りこんでいきましょう。
以下でご紹介する採用基準を定める際のテンプレートを参考にしながら、自社の採用要件に沿ったものを作成していきましょう。
最後に評価基準の設定を行います。評価項目を定めても、各項目をどれだけ満たしているとOKなのかという判断基準がなければ適切に評価できません。
▼評価基準を設定するポイント
例えば「主体性がある」という評価項目には、「自ら行動にうつした」ケースと「いつでも行動にうつせるよう、アンテナを張っていた」ケースのどちらも含まれます。前者のみを「主体性がある」と評価する面接官と、前者と後者どちらも「主体性がある」と判断する面接官がいた場合、公平性のある選考ができなくなってしまいます。
「どこまで思考して行動したのか」「目標達成レベルはどのくらいか」「周囲からどれほど評価されたのか」などを軸にすると、評価基準を設定しやすいです。
評価項目は優先順位を決めて以下のような3つに分類するとよいです。
必須条件の中にも、「特に必須」なものと、「必須」と「歓迎」の間に位置するものなどがあると思います。こうした優先順位を明確にしておくことで、基準を適正なバランスに保つことができるほか、僅差の評価の応募者から合格者を選ばなければならないときの判断材料にもできます。
各選考フローは書類選考やグループ面接、最終面接まで、様々です。ここまでで決めた採用基準を、各段階でどこに適用するかを決定します。
例えば、実務経験に関する項目を書類選考で、コミュニケーション力に関する項目をグループ面接での基準にするなど、試験の方法別に分類すると良いでしょう。選考が進むにつれてより求める人材に絞れる基準になるよう、段階を設定することも大切です。
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採用基準をきちんと設定することで、採用活動を効率的に行うことが可能になる一方、設定が不十分である場合、かえって時間がかかってしまう恐れがあります。
そこで、採用基準を設定する上で注意したいポイントを4つに分けて紹介していきます。
▼採用基準設定の際の注意点4選
新卒採用を行う際は、アルバイトとは異なり労働力の確保だけを目的とはしていない場合がほとんどです。自社がこれから成長していくために必要であろう人材を採用していくには、自社の現状だけではなく、今後についても把握した上で採用要件や基準を設定していきます。
役員との話し合いを重ねながら、5年後、10年後の目標や、それを達成するために必要な能力などを採用基準の中に盛り込みましょう。
優秀な運動選手が必ずしも優秀な指導者ではないように、役員や成果の高い人が「成果を出すための能力やポイント」を正確に言語化できているとは限りません。
もちろん今後の会社の方向性などを役員から聞いて自社が必要とする人材を把握する必要はあります。一方で、ヒアリングで得た条件を鵜呑みにしないよう気をつけなければなりません。
「なぜその人材が必要なのか」という理由を論理的に説明可能かどうかを見ていきながら、本当に必要な採用要件や基準を整理する必要があります。
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」では、公正な採用選考を行うために応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しないことが重要であると記載されています。就職差別に繋がる採用基準を設けていないのか確認することが重要です。
採用選考を行う際は、以下の内容に触れないように気をつけましょう。
▼就職差別になってしまう項目
自社が学生に求める基準を高く設定しすぎて、採用に至らなくなるケースも少なくありません。採用基準を厳しく設定しすぎてしまうと、母集団が少なくなり、優秀な人材を逃してしまうリスクが高まります。
その結果、潜在能力や学習意欲、柔軟な思考を持っている学生を見落としてしまうかもしれません。新卒採用はポテンシャルを重視する傾向が高いため、スキルや能力ばかりにとらわれるのは危険です。優先順位をつけて採用基準を設定していく必要があります。
ここまで、採用基準についての概要、また設定するメリットについて解説しました。しかし、「もうすでに採用基準があるが、その基準の設定が自社に合っているのかわからない」とお悩みの採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。本章では、採用基準の見直しが必要なケースについて解説します。
▼採用基準の見直しが必要なケース
選考の通過者が少ない場合は、採用基準を厳しくしすぎている可能性があります。
特に書類選考の通過率が低い場合は要注意です。自社の給与や待遇面に対して採用基準が見合っているか、項目は多すぎないか、見直してみることをおすすめします。
このような場合は、人事と現場の間で合否の感覚にズレがある可能性が高いです。
現場と意見をすり合わせながら採用基準を再考したり、採用基準が面接担当の社員ひとりひとりにしっかりと浸透しているかどうか、今一度確認してみてください。
早期離職者が多いなど、採用後のミスマッチが起きている場合にも採用基準を見直しましょう。早期離職は、企業の文化に馴染めないことや仕事内容と離職者のスキルがマッチしていないことなどが原因で起こります。早期離職の発生原因を突き止めた上で採用基準を見直すようにしましょう。
また採用基準そのものに問題がない場合でも、採用基準が選考過程で適切に反映されていないとミスマッチは起きてしまうので注意してください。
ここでは作成した採用基準を元に、どのように各選考段階で学生を見極めていけば良いのかについて解説します。
▼候補者を見極める方法
書類選考では、定量化されやすいスキルや経験を元に見極めていきます。
「SNS運用に関する3ヶ月以上の長期インターン経験」「学生団体、アルバイトまたはインターン先で何らかの成果を挙げた経験」など一定の条件を満たすかどうかという基準で合否を判断できます。
書類選考通過率が低い場合は、基準を高く設けすぎている場合があります。特に新卒採用は文面では見えにくいようなポテンシャル部分での合否判断が主となるため、書類選考では「これだけは外せない」という部分を満たしているかの確認に留めましょう。
適性検査は、知的能力や性格などを数値的に示すために行われます。
新卒採用で適性検査を行う場合、成績上位者を高く評価するためではなく、最低限必要な知識を候補者が持っているか確認するための判断材料として使用するケースが主です。大勢の候補者を客観的数値を用いて短時間で評価する際の基準として数値を設定すると役立ちます。
面接では、書類や適性検査からは読み取れないような「人柄」や「入社意欲」なども見極めていく必要があります。
このような質的部分を面接官によってブレがなく評価するためには、採用基準の設定が欠かせません。社内での採用要件や採用基準に関する認識にすれ違いがないように、事前に説明や擦り合わせを行っておきましょう。
また、書類ではわからない、パーソナリティやポテンシャル、カルチャーマッチを測る質問例は以下のようなものがあります。ぜひ参考にしてみてください。
▼パーソナリティやポテンシャル、カルチャーマッチを測る質問例
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いかがでしたでしょうか。採用基準を明確にすることで、より効率的に採用活動を行えるようになります。新卒採用市場のトレンドは年々変化のスピードが速くなっています。この機会に、ぜひ一度採用基準を見直してみませんか?