企業説明会後やインターン後に、社員と学生の交流の場として開かれる座談会。
目的・メリット・注意点などを理解した上で、実施されていますか?
社内の雰囲気など『企業のリアル』を感じ取れる座談会は、学生にとって企業選びにおける大きな判断材料となります。座談会の成功は母集団形成にも繋がる重要な要素です。
本記事では、座談会の目的やメリットだけでなく、学生が本当に質問したいことやテーマ別座談会の質問例など、詳しく解説していきます。
新卒採用において座談会とは、社員と学生がざっくばらんに企業のことなどについて話合う場です。
基本的に1グループごとの人数は少なめに設定され、気楽でカジュアルな雰囲気の中で行われます。会社説明会で聞き逃した点についての質問など、学生からの質問に答える形で交流します。
社内の雰囲気や社員の魅力など、対大勢で行われる説明会だけでは伝えきれない魅力をアピールする大切な機会です。
ここでは、学生が時期ごとの就職活動において求めている情報に紐づけて、なぜ座談会を実施するのかを解説していきます。
以下のデータは、25卒の学生が企業を選ぶときに重視したいことの調査結果です。
上位3つの結果は以下のようになっています。
▼企業を選ぶときに重視したいこと
1位:社風に引かれる 49.8%
2位:人に魅力を感じる 41.4%
3位:自分が成長できる 38.1%
【参考】HRプロ「【25卒生の就活】業界選び/企業選びの軸や重視するポイント・基準とは? 「やりがい」や「社風」のほか、キャリア重視の傾向も」
このことより、学生は企業を選ぶ際に「社風」や「社員の魅力」を重視していることが読み取れます。
しかし、このような社内環境については、かしこまった会社説明会などの場においてはなかなか魅力が伝わりづらいという難点があります。
実際、25卒が業界・企業選びについて感じていること、悩んでいることの上位3つは「絞り込めない」「自身とのマッチ」「知識・情報不足」があげられます。
以下はHRプロによる調査の回答例の抜粋です。
「業績や規模が似たような会社のそれぞれの強みなどが分からない」
「実際の社風や労働環境などは入ってみないとわからないところが多いので、やや不安に感じる」
【参考】HRプロ「【25卒生の就活】業界選び/企業選びの軸や重視するポイント・基準とは? 「やりがい」や「社風」のほか、キャリア重視の傾向も」
多くの学生は「社風」や「社員の魅力」を重視し、企業について深く知りたい一方で、その情報から自身とマッチしているかを図る機会が少ないという現状にあります。
そこで、学生の企業理解に有効なのが、座談会です。
会社説明会よりもカジュアルに先輩社員と会話ができる座談会を設けることによって、学生は気になることを質問でき、学生に企業についてより深く理解してもらうことができます。
したがって学生は企業のリアルについて知ることができるため、採用ミスマッチを防ぐことにもつながります。
座談会を実施して、学生が応募したくなるきっかけづくりを行いましょう。
座談会をなぜ行うべきなのか、理解していただけたかと思います。ここからは、座談会を実施するメリットについてより詳しく3つのポイントに分けて解説します。
座談会では学生と直接話をすることができます。
落ち着いた、緊張度合いの低い場で話すことによって、説明会などではなかなか伝わりにくい社内の雰囲気を知ってもらうことが可能で、入社前と入社後のイメージギャップを埋めることができます。
また学生としてはなかなか聞きづらい給与や休日の取り方など、会社の実態について知ることができる貴重な機会です。
学生にとって、座談会で直接話をした人の印象がそのまま会社の印象に繋がることが多いです。
学生にどのような印象を抱いて欲しいかによって、座談会に参加する社員の人選を変えることも一つの手段として利用できます。
企業側としても、会社説明会やインターンを受けた学生の反応や、自社への関心度など、カジュアル な場でしかなかなか見られないような学生のリアルについて知ることができます。
また学生からの質問によって、学生がどのような情報を必要としているのかを知ることができるため、これからの選考イベントの参考にすることができます。
直接的には選考に関わりませんが、好印象な学生を選考に進む前から見つけることができるのも座談会を行うメリットの一つです。
1対1で行うOB・OG訪問では直線的な会話のやりとりのみです。
一方で、座談会では基本的にグループ単位で話をするため、他の学生が社員に聞いている質問も聞くことができます。
他の学生がどのような質問をしているのかを聞くことによって、学生は視野を広げられるというメリットがあるのです。
この利点が学生の参加意欲に繋がります。
従来はテーブル形式やパーティー形式といった対面で社員と学生が質問を交わす座談会がメインでしたが、コロナ禍以降、オンライン形式で座談会を実施することが主流になっています。
【参考】リクルートマネジメントソリューションズ24卒大学生の就職活動に関する調査
上記のグラフによると24卒の学生のうち約8割が座談会・社員交流会でオンライン形式を利用したということが分かります。コロナ禍が明けてもオンライン形式で座談会や社員と交流する機会を設けています。
一方、上記のグラフで対面&オンラインで座談会・社員交流会を実施した割合は51.0%となっているように、コロナ禍が明けて対面の座談会も企画している採用担当者様も多いと思います。
そこで、ここからは主流になっているオンライン形式の座談会、対面の座談会であるテーブル形式とパーティー形式についてご紹介していきます。
コロナ禍をきっかけに一般的になったこの形式の座談会では、Web会議サービスのブレイクアウトルーム機能を使用します。
対面の座談会よりも簡単に開催することができ、場所の制限がないため、多くの学生に参加してもらいやすいです。
一方で、通信トラブルが起こる可能性やコミュニケーションの取りづらさなどのデメリットもあります。
この形式の座談会では、学生は数名のグループに分かれてテーブルに着席します。そこに社員が一名またはペアで入っていき、一定時間で担当を交代していきます。
カフェで話すようにカジュアル でリラックスした空気があることから、ワールドカフェとも呼ばれています。学生側はグループでまとまっているため、他の学生の質問も聞けることがメリットです。
この形式の座談会では、立食パーティーのように立ちながら学生と交流します。飲食を提供することもあり、会社によってはアルコールを出すこともあります。テーブル形式よりも自由なスタイルとなっています。
誰とでも自由に話すことができるため、学生がそのような場でどのように動くタイプなのかを見ることができます。
社員は基本年齢差のあるペアで回ると良いでしょう。そうすることによって学生がより具体的に将来を想像しやすくなります。
ここまで座談会の形式について確認してきました。では、いざ座談会を実施するとき、どのタイミングが最も効果的でしょうか。
就職活動をしている学生との会社理解を目的とした座談会の場合は、会社説明会の直後がおすすめです。
説明会の直後に実施することで、学生は説明会で疑問に思った点・もっと聞きたい点を座談会で社員に質問することができ、会社への理解がより深まることが期待できます。
また、説明会直後に実施すると、説明会にすでに参加している学生がそのまま座談会に参加する可能性が高いです。そのため、座談会の開催について積極的に広報をしなくても学生が集まりやすく、この点も企業側のメリットと言えるでしょう。
会社に興味を持っている学生に直後の座談会で質問などのコミュニケーションを通して、さらに理解を深めてもらうことで、会社への志望度をあげることが期待できます。
ここでは座談会当日の流れについて紹介します。スムーズで効率的な座談会を実施できるように参考にしてみてください。
座談会が始まったら人事社員の自己紹介とアジェンダを共有する。このときに座談会はカジュアルに質問していい場であり、選考と直接的に関係がないことを伝えるといいでしょう。
またこのときに座談会のテーマを学生に伝えます。例えば「職種別座談会」「若手社員との座談会」などがあります。先にテーマを伝えることで、学生はどのような質問をするか考えることができます。
座談会に登壇する社員の年次や現在の部署、経歴を一人ずつ紹介します。このときに学生は「誰に何を質問するか」を考えます。
対面の場合は複数人のグループに、オンラインの場合はWeb会議サービスのブレイクアウトルーム機能を利用して、社員1〜3人の部屋に学生を振り分けます。
再度社員の自己紹介を簡単にしてから、実際に質問を募ります。このとき学生からの質問が上がらず沈黙の時間になる恐れもあるため、事前に学生が興味ありそうな質問を準備し、答えるのもおすすめです。以下の質問集を参考にしてみてください。
座談会が終盤に入ったとき、各社員が学生へ就活や学生生活に対する応援メッセージを送ると、学生の意欲を上げることができます。
全員がグループから戻ってきたあとに今後の選考案内をして、座談会を締めます。
座談会で学生が質問したい情報を的確に伝えるために効果的なのは、事前に座談会の大まかなテーマを決めておくことです。
座談会のテーマは、例えば以下の6つがあげられます。
テーマを決めることで参加する社員の厳選もしやすくなり、また学生の知りたいことにピンポイントで答えることができます。
会社のHPや説明会から分かることよりも、個別具体的な体験について話すように意識しましょう。座談会ならではの話をすることで、社員と学生の距離も縮まりやすくなります。
以下にテーマ例と想定される質問例をご紹介しますので、参考にしてみてください。
入社1〜3年目の若手社員と交流してもらうことで、学生は入社してすぐの仕事のイメージを掴むことができます。
若手社員は学生と年が近く就職活動の記憶も新しいため、学生も就職活動の相談などを含めて気軽に会話できるというメリットがあります。
特定の職種の社員と交流ができるというものです。
その職種ならではの苦労する点ややりがい、具体的な仕事内容などを伝えることで、学生に職種の正しいイメージを持ってもらうことができます。
SEとITコンサルなど、職種によっては仕事内容を混同しやすいものもあるので、似た職種との違いについても説明すると理解を深めやすくなります。
給与体系や転勤の有無、ジョブローテーションなど、制度や労働環境について人事担当者に聞くことができます。
このような質問は学生にとっては聞きづらい質問でもあるため、質問内容が選考に関係しないことを事前に伝えるなどのフォローを行うとよいでしょう。
女子学生の中には、結婚や出産といったライフイベントと仕事の両立に不安を抱えている人も多くいます。
そんな女子学生に向けて、実際に家庭と仕事を両立している女性社員の話を聞ける場を提供することで、女子学生に安心感を持ってもらうことができます。
役員や部長、課長などの会社経営や事業部を牽引している役職の社員と交流することで、学生は企業の事業展開や将来の展望を知ることができます。また自分の上司になる人と学生のうちに関わり合うことで、職場の雰囲気やその会社で働くイメージを持つことができます。
内定者向け座談会では、入社にあたっての疑問や不安を解消することで、学生の入社意欲を高めることに繋がります。
内定者同士の交流の場を設けて、他の内定者の雰囲気を掴んでもらうことも有効です。
「学生からの質問がなくなってしまい沈黙の時間がある…」
「座談会が盛り上がらず何を話していいのかわからない…」
そんな不安な気持ちを払拭し、企業と学生のお互いのためになる座談会にするためのコツを5選ご紹介します。
座談会のテーマを決めたら、そのテーマに沿って参加社員を選定します。
参加社員の印象は自社のイメージを大きく左右するため、学生に良い印象を持ってもらえそうな社員を選ぶことが重要です。
具体的には、人当たりがよく明るい社員や、仕事に対して情熱や誠意を持っている社員を選ぶと、学生に「この社員と一緒に働きたい!」と思ってもらいやすくなるでしょう。
話の糸口を簡単に見つけられるように、社員の経歴、入社理由などのプロフィールを事前に用意しておくと親切です。実務に関係すること以外にも、それぞれの趣味や休日の過ごし方といった項目を入れると、社員の素の雰囲気を知るきっかけになることができます。
簡単なプロフィールを名札として胸につけたりPDFデータで共有するなど、自社に合ったやり方を探しましょう。
社員と学生の組み合わせが固定してしまうと、複数の社員と話す機会が失われてしまいます。
話したい人と話せないというようなケースは学生の不満に繋がる可能性もあります。
社員はできるだけまんべんなく学生と話すように意識しましょう。
タイムリミットなど時間配分を設けても良いでしょう。
ある特定の人物のみ話し、他が全員黙っているような状況はあまり良いとは言えませんよね。
質問をする学生が偏らないように、話す順番を決めたり、事前に質問内容を集めるなど工夫をすると良いでしょう。
また、笑顔で話を聞き、優しい口調で答えるなど、質問しやすい空気を作ることも重要です。
座談会の良いところは、カジュアル な雰囲気のなかで社員と学生が交流できることです。
座談会の序盤などは、まだ学生が緊張していることが多いため、話しやすい雰囲気をいかに出していくかが重要になります。
積極的に場を回して、空気を明るくするような司会進行を心がけるようにしましょう。
ここまで学生からの質問例を紹介しましたが、学生が座談会で本当に気になっていることはどのような情報でしょうか。
基本的なことから少し質問しにくいことまで、学生が本当に聞きたい質問は以下の5つがあげられます。
具体的な仕事内容からプライベートとの両立が可能かについて質問を通して、学生は働いているときのイメージを得ようとしています。
これら5つの質問に対して丁寧に答えることで、採用のミスマッチを防ぐことにも繋がるでしょう。
また、リクルートマネジメントソリューションズによると、強く知りたいと思ったにもかかわらず得にくかった情報として「会社への不満、会社の弱み」「採否の基準や理由」があげられます。
「会社への不満、会社の弱み」「採否の基準や理由」を強く知りたい学生は4割近くおり、そのうちの約半数は知ることができなかったと答えています。
【参考】株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「2024年新卒採用 大学生就職活動調査」
会社に対してマイナスな印象を聞く質問、選考に関わるような質問は、学生にとって聞きにくいことのようです。
選考の内容については実際答えられないことも多いかと思いますが、企業のマイナスな面については話すことを検討してもよいかもしれません。
企業の弱みもしっかり伝えることで、学生は企業について深く理解することができ、企業に本当にマッチした人材を集めることに繋がるのです。
このような、学生にとって聞きたいが聞きにくい質問にも柔軟に対応できるように準備することで、学生の満足度をあげることができます。
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いかがでしたか?
本記事では座談会を盛り上げるコツや当日の進め方、そしてテーマ別座談会で学生が気になることを解説しました。
座談会をすることで会社側も学生側も、お互いのリアルを知ることによって採用のミスマッチを防ぐことができます。
この記事を参考にして座談会を開き、誰もが納得する採用活動を成功させましょう!