内定が決定した採用予定者に向けて送付する、内定通知書。
内定通知書は発行する義務はありませんが、求職者に入社してもらうためには重要なものです。
加えて、内定通知書は法的効力を持った書類です。
しかし、内容や体裁は企業に委ねられているため「内定通知書に何を記載すればよいのか」とお悩みの採用担当者もいるかもしれません。
そのような方向けに内定通知書の記載内容をテンプレートと共に解説します。
その他通知書との違いについても解説していますので参考にしてください。
内定が成立したことを伝えるために発行されるのが、内定通知書です。
一般的に、内定通知書は単体ではなく、後に説明する労働条件通知書(雇用契約書)が同封されることが多いです。
なお、内定通知書には法律上の発行義務はありませんが、内定通知書によって内定を通知したことに対しては法的効力が発生します。
そのため、内定通知書発行以降は正当な理由なく内定を取り消しできなくなります。
内定通知書の体裁に法的な規定はありませんが、通知書には以下の内容を記載するとよいです。
このまま使える内定通知書のテンプレートを作成しましたので是非お役立てください。
令和●年●月●日 必要書類に記入、署名・押印のうえ、 重大な経歴の詐称が判明した場合 質問やご不明点等ございましたら、下記までご連絡ください。
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内定通知書を発行するにあたり、注意しておくべき点について解説します!
内定通知書によって、労働契約が成立する場合には、労働条件を明示しなければなりません。
これは労働基準法第15条に規定されています。
詳しくは、厚生労働省が出している詳しくは厚生労働省が労働基準法について詳しく解説しているページをご覧くださいをご確認ください。
労働条件では、具体的に何を明示しなければならないのかを下記にまとめました。
【出典】厚生労働省ホームページ
内定通知書は、遅くても1週間以内には送付するようにしましょう。
内定の通知が遅くなると、求職者の入社意欲が下がる可能性があるからです。
新卒入社を予定している求職者は、複数の企業の選考を受けており、最終的な就職先を決めるためにも、結果を早く知りたいと考えています。
内定が早く決まったからという理由で、入社を決める求職者もいるでしょう。
内定辞退を防ぐためにも、内定通知書は1週間以内を目途に送るようにしましょう。
当たり前のことですが、正式な書類を送る際に、間違いがあっては失礼です。
十分にチェックを行ってください。
内定通知書に社印の押印はなくても、問題ありません。
雇用契約は民法の解釈上では、口頭のみでも成立するとされているためです。
ただ注意点として、コピーなど内定通知書の偽書が出回る危険性があります。
安全を担保するという意味で、社印や通し番号の割り振り、人事部長印などをしておくといいでしょう。
内定通知はメールと書類の両方を用意しておくことが一般的です。
メールだけだと求職者側は、他のメールと混ざって見落としてしまう可能性があります。
反対に、書類のみであるとメールと比較して届くまでの時間が遅いです。
両方用意しておくことで、それらのトラブルを未然に防ぐことが可能です。
内定通知書を郵便、メール、そして学校宛ての3つに分けて解説していきたいと思います。
採用活動において スピードは命です。
普通郵便よりも土日や祝日でも配達を行っている書留、簡易書留がいいかもしれません。
また、返信用封筒に自社の名前、住所や切手をあらかじめ貼っておくことで、求職者の手間も省けます。
基本的に送る内容は郵送と変わりません。
しかし、他社のメールと混じってしまう可能性もあるので、シンプルでわかりやすい件名や差出人にしましょう。
それから、求職者は毎日メールをチェックするとは限らないのです。
最終面接時に内定通知はメールで送ることを伝えておくと安心でしょう。
学校宛てに内定通知書を送る場合は宛先に学校名を入れ、窓口となっている担当者や教師の名前を記載しましょう。
わからない場合は学校名の後に「御中」と記載し、件名を「内定者決定のお知らせ」と、学生を推薦したことへの感謝を伝えましょう。
もし、不採用となった場合でも、不採用者の名前、そして不採用理由については面談で伝えることも記載します。
内定通知書を郵送する場合、
この3点を入れておくことが基本です。
採否を通知する各通知書を紹介します。
内定通知書と混同される書類ですが、出すタイミングや目的が異なります。
通知書は企業側に発行義務がないため、書類で出さず、メールや電話で済ます企業も増えています。
しかし、記録を残したい等の目的をもって発行される企業もあります。
採用通知書は本来企業側が求職者へ採用したい、ぜひ入社してほしいという思いを伝えるための書類です。
そのため、まず選考を通過した方へ最初に送るのはこの採用通知書です。
最近は選考通過後、「内定」の流れになるため、採用通知と同じタイミングで内定通知書を発行する企業もあります。
また、同じく採用通知書のテンプレートを作成したので参考にしてみてください。
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●●年●●月●●日
●● ●● 殿
株式会社
代表取締役 ●● ●●
採用通知書
拝啓
この度は弊社の新卒採用選考にご応募いただき、ありがとうございました。
また先日は最終選考にご足労いただいたこと、重ねてお礼申し上げます。
厳正な選考の結果、貴殿の採用が決定いたしましたので、ご通知申し上げます。
入社日は ●●年 ●●月 ●●日を予定しております。
つきましては、同封の入社承諾書に必要事項をご記入の上、期限までにご返送ください。
労働条件につきましては別途通知致します。
まずは取り急ぎ書面をもちまして、通知申し上げます。
敬具
同封書類
・添え状 1通
・入社承諾書 1通
・返送用封筒 1枚
提出期限: ●●年 ●●月 ●●日
質問やご不明点がございましたら、下記までご連絡ください。
本件に関する問い合わせ先
人事部採用課: ●● ●●
TEL: ●●-●●●●- ●●●●
メールアドレス: ●●●●@●●●●
採用通知書の逆に、不採用を通知する書類です。就活の際誰でも1度は見たことがあるであろう
「厳正なる選考の結果、誠に残念ながら、今回は貴意に添いかねる結果となりました。」
とかかれた書面のことです。採用通知の倍以上送ることもあるため、メールや電話で済ます企業が多いですが、受け取った履歴書やポートフォリオを返却する際に、同封することがあります。
内定承諾書とは学生が内定を承諾し、入社を誓うための書類です。
内定承諾書によって起こり得る効果は以下の通りです。
内定通知書と内定承諾書は似ているのでよく間違われます。
相違点としては、
労働基準法により、企業は内定を出す際(採用するとき)に、求職者へ労働条件を明示する必要があります。このときに用いられるのが、労働条件通知書です。
労働条件通知書と雇用契約書もよく似ています。
相違点としては、
以上をおさらいして、通知書を出す順序を説明すると、
選考後採用決定
→採用通知書(内定承諾書と労働条件通知書を同封)
→求職者から内定承諾を確認
→内定成立
→内定通知書(+雇用契約書)
の流れになります。
メールや電話で採用・内定通知を済ませていたとしても、労働条件通知書は書類を発行する必要があるので、要注意です。
内定通知書は単に内定を告知するためのものではなく、求職者に対して入社してほしいという気持ちを知らせるものでもあります。
内容に間違いがあると、せっかく内定を出した就活生から不信感を抱かれ、最悪の場合辞退されてしまうかもしれません。
学生に入社したいと思われる会社になる第一歩として、会社の入り口である採用の現場から、丁寧な対応の仕方を考えてみてはいかがでしょうか。