長期的な目線で企業の成長を考えると、若手人材を幹部へと育成する必要性が見えてくるのではないでしょうか。
一方で、幹部候補となるような優秀な人材に選考へエントリーしてもらい、面接で見極め、さらに育成するとなると、なかなかハードルが高いように思えますよね。
本記事では、「幹部候補となる優秀な人材を見つけるコツ」や「幹部候補として育成する方法」など、幹部候補採用を行う上で知っておきたいポイントを網羅的にご紹介します。
「幹部候補」とは、将来的に経営者や役員などのポジションに就き、会社を引っ張っていくことが期待されている人材を指します。
近年では、新卒から「幹部候補生」・「次世代リーダー」として採用する”幹部候補採用”を実施する企業が増えています。
「幹部候補」として採用したとしても、将来的に企業のコアメンバーとなることを確約しているわけではないです。
また「幹部候補」の線引きは曖昧で、部長などの管理職まで「幹部」に含める場合があります。
育成環境やバックアップ体制など、将来的に自社で活躍するためのサポートが用意されているのが「幹部候補採用」と言えるでしょう。
会社の経営に近い人材という意味では、なぜ「マネージャー採用」ではないのでしょうか。
経営幹部は、経営の視点から企業を持続させるための策定、経営理念やビジョンの浸透などを行います。
一方でマネージャーは、プロジェクトの運営、社員の意欲やスキルを管理します。
そのため経営幹部になるには企業文化をよく理解し、体現する必要があり、実務的なスキルを求められるマネージャーよりも候補者探しに難航する傾向があります。
なぜ新卒からの幹部候補採用が注目されているのでしょうか。
それは、少子高齢化に伴う人材不足により、早いうちから優秀な若手人材を確保する必要性が高まっているためです。
実際に、会社の将来を担う経営人材の確保・育成に課題を抱える企業が多いです。
株式会社JMAMの調査によると、経営人材の確保・育成状況に不安を感じている企業は全体の8割以上に上ります。
経営人材の確保・育成に向けて具体的な施策を実施・または検討している企業も全体の8割ほどであり、どの企業も目下の課題として取り組んでいるといえるでしょう。
また、2022年度上半期(1−6月)では、後継者がいないことが理由で倒産した企業件数が過去10年間で最多の225件に上っています。
企業を存続させるためにも、優秀な人材を確保して、企業を引っ張る幹部候補として育てていく重要性が高まっているといえます。
【参考】株式会社JMAM「次世代経営人材」の確保・育成への不安が浮き彫りに 8割以上の企業が次世代経営人材の確保・育成を不安視
【参考】株式会社東京商工リサーチ「2023年上半期(1-6月)の「後継者難」倒産 過去2番目の209件、2年ぶり前年同期を下回る」
実際に幹部候補の新卒採用を行う企業事例を見て分かる通り、幹部候補に求めるスキルや素質、経験は高水準となっています。
ここでは幹部候補となる人材に求められることの多いスキルや素質をご紹介します。
これらの項目を参考にしながら、自社の幹部候補に必要なものは何かを策定していきましょう。
また以下の項目は、採用時に必ずしも完璧なスキルとして備わっている必要はありません。
研修や実務経験を経て、その能力を伸ばせる可能性があるのかを見ていきましょう。
事業運営には、様々な課題やトラブルがつきものです。
対応を迫られてから企業課題を認識し、解決方法を考え出すのでは遅いですよね。
日々、企業が発展していくために解決していくべき課題が何かを見つける「課題発見能力」が幹部候補には備わっている必要があります。
また課題を発見するだけではなく、課題を解決していくための的確なアプローチを取れるかも重要です。
課題を構造的に理解し、複数の手段を考えた上で最適な解決法を導き出し、遂行する「課題解決能力」も持つべきでしょう。
幹部になれば、組織の将来を左右するような判断を行わなければならない状況に直面します。
そのため会社を発展させていくには、「正しい判断」を下せる幹部が必要です。
「正しい判断」には、豊富な知識と柔軟性が欠かせません。
社会情勢や経営、事業に関する知識を活用し、「いま社会は何を求めているのか」「なぜ自社が行うべきなのか」などを考えた上で、判断を行う力が必要です。
一方で、ただ知識が多ければ良いというわけではありません。
人々の価値観は日々変容していくため、凝り固まった知識を持っているだけでは状況に対して適切な判断を下せないでしょう。
また様々なことを考慮しすぎた結果、意思決定スピードが遅くなってしまえば、事業を進めていく上で命取りとなる可能性も。
豊富な知識をベースに持ちながら、柔軟に判断する力が備わっていると、幹部として企業の発展に貢献していくことが期待できます。
自社の課題を理解した上で、適切な事業計画を立てたとしても、三日坊主で計画を諦めてしまったら意味がありません。
幹部には、立てた目標に対して持続的に行動し、目標が達成されるまでPDCAを回していく「目標達成能力」が必要です。
事業を進めていく上で、目標をスムーズに達成できないこともあるでしょう。
そのような場合にも挫けず、目標達成のために解決する課題を細分化して、少しずつでも目標に近づいていかなければなりません。
もし幹部に「なんとなく必要だと思ったから、この施策を行います!」と言われたら、とても不安な気持ちになりますよね。
論理的に考え、指示に説得力を持たせることは、組織を動かす上で欠かせない能力の一つです。
このような論理的思考能力がなければ、意図の曖昧な判断や指示に繋がり、結果的に組織の士気の低下や、ジャッジミスに繋がります。
事業を運営する上で、課題を解決する方法が簡単には分からないケースもあるでしょう。
複雑な課題に対しても、その課題を構成する要素を分解して考える力が備わっていると良いです。
組織のトップに立つ場合、社内外のあらゆるところでコミュニケーションを取る機会が多くあります。
ただ意思の疎通ができるだけではなく、相手の意図を汲み取る力も必要でしょう。
例えば経営や事業に関する交渉を行う場合、相手が「なぜその提案を行い」「何を求めているのか」というところまで理解した上で話を進める必要があります。
他にも、社内コミュニケーションの場合、社員が言語化できていないところまで理解し、内容を整理しながら話し合える幹部だと心強いですよね。
気持ちよくコミュニケーションを取れる素質があるのかどうかも、幹部として重要なポイントです。
幹部となる人材には、組織を引っ張っていくためのリーダーシップが必要です。
リーダーシップを分解すると、以下の項目に分けることができます。
これら全てを均等に持っている必要はありません。
それぞれの組織によって必要とされるリーダー像が異なるため、どのようなリーダーシップが求められているのかも会社によって異なります。
最終的には「社員がついていきたくなるかどうか」がリーダーシップに関わる重要な判断軸です。
自社を牽引するために必要な「リーダーシップ」を構成する要素は何かを考えて見ると良いです。
アントレプレナーシップ(=起業家精神)とは、言葉の通り、起業する際に必要な精神のことを指します。
新たなアイデアを使って0→1で何かを作り出せる能力や、リスクを取ってでも挑戦できる精神力、解決したい課題に対する原体験を持っているかなどが挙げられます。
誰かに指示されなくても主体的に動いていく必要のある幹部には、このアントレプレナーシップが必要です。
また幹部候補採用を行う企業には、「新規事業を立ち上げたい」背景がある場合が多いです。
自ら泥臭く行動し、一つの目標に向かって努力し続けられるアントレプレナーシップは、新規事業を成長させるために欠かせない能力といえるため、幹部候補採用をする場合に見抜くべき能力だといえるでしょう。
先ほど、幹部候補採用をする際に見極めるべきスキルや素質を7つほどご紹介しました。
では、そういった能力を見極めるにはどうしたら良いでしょうか。以下で、7つの能力を見極めるための質問例について、詳しく解説していきます。
面接中の質問では、実際に学生が課題を発見し、解決した経験を聞くことや、「こういった課題が生じた場合、どう対処する?」といった想定場面への対処法を尋ねることで、課題発見・解決能力を見極めることができます。
何か決断を迫られた際、どのような判断を下したか、また、どのような判断基準で持って判断を下したのか質問をすることで、学生に判断力があるのかどうか見極めることができます。判断力が求められる場面に置かれた際、どんな判断を下すのか、といった、想定場面における判断を問う質問も有効になります。
学生時代に目標達成に向けて取り組んだ経験について深掘りをすることで、目標達成に向けて課題を細分化する能力があるか、また、目標に取り組み続ける辛抱強さがあるかどうかを確かめることができます。
①の課題解決能力と似た部分がありますが、課題に直面した際にどんなアプローチを取ったのか、また、なぜその方法を選んだか、といった判断の根拠に当たる部分を深掘りすることで、学生の論理的思考能力を見極めることができます。
周囲との関わり方を聞き、また、質問に対する回答をわかりやすく簡潔に説明できるかどうかをチェックすることで、学生のコミュニケーション能力を見極めることができます。
実際に仲間を率いた経験があるかどうか、また、実際にチームでの目標達成に向けてどんな行動を取ったか聞いていくことで、学生のリーダーシップ力を見極めることができます。
学生のアントレプレナーシップを見極めるには、アントレプレナーシップを構成する各要素、「発想力」や「主体性」、「行動力」や「責任感」といった能力があるかどうかを見抜く必要があります。これらの能力は、自らが主体的に行動した経験について深掘りをすることで、推しはかることができます。
では、実際に新卒で幹部候補を採用する際にはどのような手段を踏めば良いのでしょうか。本章では、幹部候補を新卒で採用する際の全体的な流れをご紹介します。
幹部候補採用を始める前に、まずは「なぜ幹部候補採用を行うのか」について考えましょう。
今後の目標や展望から逆算し、今何を行うべきなのかを把握します。
採用のゴールが明確に決まっていると、幹部候補を探す手段や採用要件、手法などを選択しやすくなります。
逆に、採用のゴールが曖昧では、採用も失敗に終わってしまう可能性が多いです。
自社の現状や、今後の課題などを踏まえた上で、幹部候補採用のゴールを設定しましょう。
通常の採用活動と同様に、採用のゴールを達成するために効果的だと思われる採用要件や手法、選考方法を決めていきます。
▼幹部候補の採用ゴールを元に決めるべき項目4選
採用要件:どのようなスキルや経験を持っている人材を採用するのか
ペルソナ:自社が求める人材の具体的な人物像は何か
採用手法:どのような手法を使って求める人材を見つけるか
選考方法:どのように候補者を見極めていくのか
幹部候補採用のゴールを元に、以上の内容を決めていきましょう。
幹部候補採用では、「自社を引っ張っていくために必要な素質とは何か」を考え、通常採用とは異なるフローで採用を行っていく場合が多いです。
経営層との話し合いを重ね、求める人物像などに認識のすれ違いがないかなどをしっかりと確認しながら進めましょう。
幹部となるために成長できる環境を整えておかなければ、「採用要件や選考方法が通常と異なるだけの採用」となってしまいます。
幹部候補生となった社員が、経営人材としての成長を実感できなければミスマッチにも繋がります。
幹部候補採用のゴールを達成するために、実際に幹部となるまでの期間や研修や教育にかかる予算を考えましょう。
では、「企業の将来のために幹部候補を見つける必要がある!」と判断した場合、どのような手段があるのでしょうか。
幹部候補を探すには、「社内募集」「中途採用」「新卒採用」という3つの手段を使うことが可能です。
それぞれの手段には強みと弱みがあるため、自社の企業課題や目的に沿って手段を選ぶ必要があります。
以下では各手段の特徴についてご紹介します。
まずご紹介するのは、社内で幹部候補となる人材を募集する方法です。
募集するポジションや応募のための条件などを社内に向けて公開し、幹部候補の選抜を行います。
社内でオープンに募集をかけることで、「自分も幹部になれるかもしれない」というキャリアアップの道を社員に対して明示することが可能です。
社員一人ひとりが「自分が引っ張っていく会社だ」という意識を持ち、主体的に業務に取り組むためのモチベーションアップにも繋がります。
また社内募集で集まる人材は、既に自社の組織の仕組みや関係性、企業文化などの内情を把握できている場合が多いです。
今後、企業が向かうべき方向性や解決すべき課題などを自らの体験から発見し、企業の発展に貢献してもらえる可能性があります。
「他企業での経験がある中途では、企業理念や文化の浸透が新卒に比べて低いから、幹部候補にはなりにくい」
このような考えは近年崩れつつあり、幹部候補人材を中途で採用する企業が増えてきています。
中途採用は、新卒採用とは異なり、即戦力の確保として利用される手段です。
そのため幹部候補採用においても、外部でマネジメント経験や管理職経験など、組織の中核として働いたことがある人材を募集します。
外部での管理職経験が豊富な人材を採用することで、自社の中だけでは育たなかった新しい考え方や施策を社内に取り込むことが可能です。
一方で、自社の雰囲気や文化と異なる人材が管理職に就くことで、社員の士気を下げることや、採用した人材の能力を発揮しにくい環境になる恐れがあります。
今までに就労経験のないことが多い新卒は、企業のカルチャーに染まりやすく、自社らしさを体現する人材へと育ちやすいです。
そのため今までも新卒で採用した人材の中から年功序列で昇格していき、特に優秀な人材が幹部となることが主でした。
しかし、年功序列や終身雇用制度が崩壊しつつある現在の日本では、「定年までこの会社で働こう」と思って入社する学生が少なくなってきています。
また実力評価主義の企業が増えているため、能力さえあれば若いうちから管理職に就くことができる環境が形成されています。
そのため近年は「幹部候補採用」を特別選考コースとして用意し、将来会社を担うような人材育成を前提とした採用を行う取り組みがいくつかの企業で行われています。
実際に幹部候補を採用したいとなった場合、どのような点に注意すれば良いでしょうか。
ここでは幹部候補の採用を成功させるための7つのコツをご紹介します。
通常の採用活動と同様に、自社が求める人材に必要な経験やスキルなどを含めた採用要件を設定します。
「結局は自社で働くのだし、通常採用と同じ採用要件で良くない?」
幹部候補として備わっているべき能力やスキルは通常採用とは異なります。
そのため採用要件も、幹部候補採用のために新しく作りましょう。
通常採用と全く異なる採用要件を設定する必要はありません。
「社風などを加味し、自社とのマッチ度を測る」採用要件であれば、幹部候補採用でも同様の要件を設定します。
研修では補えない能力は何か
以上のことを考え、幹部候補採用のための採用要件を設けましょう。
【参考】「採用要件を明確に定義する方法!評価基準の設け方などを解説」
「幹部候補を探す手段」の章では、どのような手段で幹部候補を探せるかについてお伝えしました。
幹部候補の採用要件が決まったら、まずは社内で幹部候補になりたい社員がいないかを探します。
社内人材から幹部候補を探すことには、以上のようなメリットがあります。
「就労経験は少なくても、特別なスキルを持った学生を幹部候補として育てたい」
「既にマネジメント経験や管理職経験のある安定感のある人材を幹部候補にしたい」
このようなニーズがある場合は、中途採用や新卒採用を行うと良いでしょう。
リファラル採用とは、社員の知人や後輩などの人的リソースを活用した採用のことです。
候補者となる人材の人柄を良く知った上で採用を行うため、社風の不一致などのミスマッチが起こりにくいことがリファラル採用の特徴です。
幹部候補となる特別に優秀な人材を一から探すことはなかなか難しいですが、社員からの紹介ならば、優秀な人材と接触しやすいといえるでしょう。
また、社員からの紹介であるため、自社とのマッチ度が高い人材と出会いやすくなります。
他の採用手法に比べてコストがかからない点もメリットですので、ぜひ検討してみてください。
人材紹介は、求職者と企業側の間に仲介者としてエージェントが入り、紹介を行うサービスのことです。
特定の経験やスキルを持つ人材にターゲットを絞った採用を行う場合、ナビサイトなどで広く募集をかけるよりも、一部の層に限定して見極めを行う方が効率的です。
例えば新卒採用の場合、「学生時代に起業経験がある」「サービスの開発・運用経験がある」などで対象者を絞り込むことができます。
人材紹介を利用する場合、エージェントと求める人物像の擦り合わせをしっかりと行うことが、採用成功の鍵となります。
先ほどから述べているように、ただ学生からの応募を待っているだけでは幹部候補となる優秀な人材を集めることは難しいです。
自社から優秀な人材へアプローチする「攻め」の採用の一つであるダイレクトリクルーティングの利用もオススメです。
ダイレクトリクルーティングでは、求職者データベースの中から自社にフィットする人材にスカウトを送れます。
そのため自社のことを知らない求職者に、スカウトを通して自社の魅力を伝えることが可能です。
採用における認知度が比較的低い中小企業やベンチャーでも、優秀な人材と接触する機会を持つことができます。
定期的に交流会や勉強会を開催することは、外部の優秀な人材との繋がりを作るきっかけとなります。
交流会や勉強会がきっかけで繋がりを深め、タイミングが合えば自社の幹部候補として興味がないかを打診しましょう。
社外の優秀な人材と交流することは、社内の活性化にも繋がります。
交流会や勉強会の開催は、幹部候補を一定期間内に採用したい場合にはあまり向いていない方法です。
あくまでも優秀な人材と出会う一つの方法として捉えましょう。
新卒採用で幹部候補を採用する場合、インターンシップを開催すると良いです。
優秀な人材にアプローチするには、就職活動の早期段階から学生との接点を持っておくことが重要になります。
短期インターンシップの場合は優秀な人材との繋がりを持つことができ、また、長期インターンシップの場合は幹部候補となる人材の育成に取り組むことができます。
実際の企業事例を見て分かるように、幹部候補となる人材を採用したら終わりではありません。
幹部として活躍してもらえるように、サポートする体制を整えておく必要があります。
ここでは幹部候補育成における4つのポイントをご紹介します。
幹部候補と現在の幹部で月に1回ほど、定期的なフィードバック面談の機会を設けましょう。
フィードバック面談では、現時点での幹部候補生の評価を行い、これから何に取り組むべきかを話し合います。
将来幹部として活躍するために伸ばしておいた方が良いスキルや振る舞いなどについて共有し、幹部候補生が実務的な面で成長できるような面談を行いましょう。
このとき、自分の成長度合いを分かりやすく認識できるように、評価の指標を数値化すると効果的です。
また一方向的なコミュニケーションでは、幹部候補生の主体性を養うことができません。
幹部として活躍するためには「言われたことを行える」よりも「全体を見て動くための考え方を知っている」方が重要です。
幹部候補生と対話することを意識しながら、課題に対する解決策ではなく、解決するための思考法について話すようにしましょう。
経営層との交流機会を増やすことで、自社のビジョンやミッション、今後の計画などについて幹部候補生が考えるきっかけを作ることが可能です。
企業を動かす立場にいる人が、今「どのような情報に触れ」「何について考え」ているのかを知ることで、幹部としての思考方法が身についていきます。
幹部となった際、あらゆる局面で判断を迫られる機会が増えていくでしょう。
経営者側の目線を知っておくことで、どのような知識や戦略を元に舵を切るべきなのかを判断しやすくなります。
懇談会などの機会を設け、企業の価値観や想いも共有していきましょう。
幹部となることには大きな責任が伴います。
特に新卒で幹部候補生となった場合、覚えることの多さや慣れない環境にストレスを感じることも多いことが予想されます。
さらに、幹部候補生は、企業の未来を背負うプレッシャーや、自分の力量に対する不安などとも向き合わなければいけません。
自分の抱える悩みを気軽に相談できるメンターがいることで、そうした負担を軽減し、成長を促進することができます。
メンター制度を整え、実務面的なサポートはもちろん、精神的な面でも支えていけるような体制を作りましょう。
外部に委託し、研修や勉強会などを実施することも、幹部候補生を育成する上で役に立ちます。
企業を牽引していくには、社内のみならず、社外への関心の高さも重要です。
社内だけではなく外部に積極的に触れる機会を設けるために、研修や勉強会などを開くと良いです。
幹部候補の新卒採用を行う企業実例でもご紹介した通り、海外展開を目指す企業は海外研修の期間を設けるなど、自社の今後の展開に合わせた研修や勉強会の内容を設定しましょう。
ここでは実際に幹部候補の新卒採用を行う企業の事例を4つご紹介します。
新卒で幹部候補採用を始めた理由から、どのような人材を求めているのか、どのような育成プランがあるのかなどを見ていきましょう。
【参考】くら寿司株式会社 採用サイト
くら寿司は2020年春入社の新卒採用で、幹部候補生となる人材を募集しました。
募集には以下の条件が含まれていました。
年齢に制限を設けている理由としては、他社で経験を積んだ社員が自社に馴染みにくい可能性が高いからです。
また日本では人口減少が進んでいるため、海外をターゲットにして市場を拡大する狙いがあり、高い英語力が条件に入っています。
幹部候補として最大10名を募集し、新卒1年目から年収1,000万円という異例の待遇が用意されました。
幹部候補生として選抜されたメンバーは、店舗研修や本社の各セクションでOJT(職場内訓練)を2年、海外研修を1年行い、その後は部長職相当のポジションに就きます。
海外でのマーケット拡大を狙う中で戦力となる人材に必要な能力を考えた上で、新卒での幹部候補採用に踏み切ったことが分かります。
「優秀な人材を採用したら終わり」ではなく、海外研修を含む3年間の研修など、育成環境が整っていることも特徴の一つです。
【参考】日本経済新聞「くら寿司、新卒で年収1000万円の幹部候補生を採用」
【参考】東洋経済「くら寿司が「年収1000万円」で新卒募集するワケ」
新卒幹部候補採用を行うUTグループは、現在第二創業期。
新たなフィールドでの事業展開に向けて、「意欲あふれる幹部人材」を募集しています。
UTグループでも3年間の育成プランを設けています。
1年目:実行力の強化を目指した「各事業部配属」
2年目:「チームのディレクション機会の提供」
3年目:「より大きな規模のディレクション機会の提供」
育成期間後のキャリア選択はそれぞれの志向に合わせ、「事業会社の社長」「既存の執行役員に選任」「UTグループより出資を受け独立」などが選択可能です。
厚生労働省の調査によると、令和元年における大学卒の初任給平均は21万円です。
【参考】厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」
UTグループの新卒幹部候補採用では月給27.75万円(2019年入社実績)と、平均を上回る給与が初任給から設定されています。
採用HPには、以下の求める人物像が記載されています。
育成プランによって成長しやすい機会があり、また実際に組織を引っ張る経験を積めるフローを用意することによって、以上のような求める人物像に近い人材が集まるように設計されています。
GMOメディア株式会社では、将来的にプロダクトマネジメントや新規プロダクトの創出などで会社をリードできるエンジニアの採用”エキスパート選考”を行っています。
募集には以下の条件が挙げられています。
【必須スキル/経験】
教育プログラムで特徴的なものは示されていませんが、求める人物像欄から「入社3年後」にはチームや組織をまとめ、推進させる能力を求められていると分かります。
入社2年後には管理職を目指すコースとなっており、最低年収が720万円として設定され、従業員の成果に応じて報酬を支払う年俸制が導入されています。
幹部候補採用とは別の、通常の新卒エンジニア採用においては、年収が570万円から設定されていました。
「次世代リーダー」採用では候補者に求める能力や経験のレベルが高いため、入社後の待遇を特別化し、他の採用と異なる位置付けにしていると分かります。
【参考】GMOメディア株式会社「エキスパート選考/【26新卒エンジニア採用】(710万プログラム)」
【参考】GMOメディア株式会社「本選考/【26新卒エンジニア採用】」
学校法人角川ドワンゴ学園では、入社3年目から経営陣に近いポストに就くことができる「次世代リーダー・幹部候補生採用」を実施しています。
募集には以下の条件が挙げられています。
【応募資格(必須)】
以上いずれかの経験がある方
賞与も含めた理論年収は434万7200円、月給は27万1700円に設定されています。
通常の募集である「総合職採用」においては、学部卒で年収336万8000円、大学院卒で351万3600円として設定されていることに比べると、待遇が手厚いです。
また、仕事内容に注目すると、新規プロジェクト立案や入学広報部での営業など、「次世代リーダー・幹部候補生採用」のみに任されている仕事内容が見受けられ、新卒のうちから高い裁量権を持って業務にあたることができるといえるでしょう。
【参考】学校法人角川ドワンゴ学園「【2025年度新卒】次世代リーダー/幹部候補生」
【参考】学校法人角川ドワンゴ学園「【2025年度新卒】総合職 求人票はこちら」
「幹部候補となる優秀な学生を確保したいけど、求める人材に中々出会えない…」
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【サービス説明資料】3分でわかるMatcher Scout
【導入事例】利用チャネルの中で最も多い内定数!工数をかけなくても多くの優秀な学生にお会いできました
いかがでしたか。
企業を持続的に発展させていくためには、幹部候補となる人材の育成が欠かせません。
長期的な目線をもって、採用や教育の体制を整えていきましょう。