すでに26卒の内定出しを終えた企業も少なくなく、次年度の2027卒採用に向けて採用戦略を策定しているご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
これからインターンシップ、企業説明会、選考を行う上で、どのような施策が効果的なのでしょうか?新たに採用手法を増やす必要があるのでしょうか?
本記事では、27卒の採用を成功させるために必要な企業側の採用状況や、学生側の就活動向について両面から徹底的に解説していきます。
2026卒の新卒採用にどのような傾向があったのでしょうか?
ここでは、近年の市場動向について詳しく解説します。
近年の採用活動では、採用の早期化とこれに伴う長期化傾向が見られます。
26年卒の採用スケジュールを「早めた」と回答した企業は46.0%にのぼっています。優秀な学生ほど早く内定を貰う傾向にあるため、そういった学生が採用市場にいるうちにリーチしたいという企業の意図が読み取れます。
内定率は2025年2月時点で40%近く、去年の25卒の23.9%、一昨年の24卒の19.9%を大幅に上回りました。インターンシップ経由で早期から就職活動を開始した学生が、そのまま選考に乗って内定を得ているケースが多いと予想できます。
このように、就活開始時期が早まったことによって学生が内定を得る時期も早期化していますが、就活の終了予定時期に関してはあまり大きな変化はみられていません。
26年卒の就活終了予定時期を見てみると、2025年6月を予定している割合が最も多く22.0%でした。6月までに就活を終えたいと回答した学生を合計すると67.9%で、例年よりも増加傾向にあります。ここから、大学最後の夏休みよりも前までに就活を終えたいと希望しているのだと読み取れます。
実質就職活動期間の平均を見てみると、2025年卒では8.45ヶ月と、24年卒の7.87ヶ月よりも若干伸びているため、就活の長期化も傾向としてみられています。
【参考】NHK 大学生とつくる就活応援ニュースゼミ『2月の就職内定率がすでに40%近く 去年を大幅に上回る』
【参考】マイナビ『2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査』
【参考】就職みらい研究所『就職白書2025』
職種別コースを導入する企業が増えてきています。
26卒で職種別コースを導入している企業は40.9%で、前年より4割増加しました。「取り組んではいないが、検討している」企業を含めると半数を超えています。
従来の新卒採用では、応募時にどの部門に配属されるか分からない「総合職」として募集を行うことが一般的でした。総合職採用は就業経験のない学生を想定した採用形態でしたが、現在はインターンシップなどで実務経験がある学生も増えてきています。そのため自分の経験が仕事に直接活かせるであろう職種別コースで応募したい学生の需要が高まってきています。
実際に、25年卒学生のうち「職種別採用で応募意欲が高まると思う」と回答した割合は合計で74.3%でした。新卒の職種別コース採用は学生からの需要も高いため、今後も増えていくことが予想できます。
2027卒への訴求ポイントは、新卒学生の過去データから考察することが重要になってきます。
2026卒と2025卒の間で学生の就活動向を分析し、学生の就活に対する価値観や志向を読み解いていきます。
学生の就活開始時期を調査したデータを見てみると、2027年卒のうち「2025年1月以前」に就職活動を始めた人は48.0%で、現時点で既に就活を始めている学生は半数を超えています。
27卒の内定獲得希望時期は「2025年11月〜12月」が24.0%で最多、就活終了希望時期は「2026年5月〜6月」が20.0%で最も多かったです。年内までに内定を獲得して年を越し、大学4年次の夏休み前までには就活を終わらせたいと思っている学生が多いことが分かります。
大学4年次の春から秋ごろまで約半年間就活をするのが従来のルールでしたが、大学2〜3年次から就活を開始して、大学4年次の夏までには就活を終えるというのが一般化してきています。
【参考】ONE CAREER『27卒早期層の就活動向調査レポート』
【参考】株式会社ディスコ キャリタスリサーチ『新卒採用に関する企業調査(2025 年 2 月調査)』
近年、多くの企業で説明会等がオンラインで行われるようになりました。
オンラインによる開催は、就活生の移動時間を削減したり、多くの企業に接触する機会を作成することを可能にしています。事実、株式会社i-plugの調査によると、全工程対面で希望している学生は3%ほどに対して、97%の学生が会社説明会から最終選考までに、オンラインを取り入れた選考を希望しています。
このような背景から、就活生にアプローチする際は、オンラインまたはハイブリットによって、手軽に情報収集できる工夫をすることが重要です。
【参考】株式会社i-plug「就職活動の選考過程に関する調査」
企業選択のポイントとして「安定している会社」を挙げる就活生が6年連続で最多となっています。会社の安定性を求める学生は4年連続で増加傾向にあり、25年卒では49.9%になりました。
また、「給料の良い会社」を選択する学生も3年連続で増加しており、25卒では23.6%になりました。他にも「福利厚生の良い会社」や「休日、休暇の多い会社」も昨年度より増加しており、待遇面や働く環境への安心感を求めている学生が増えていることが分かります。
物価高に伴う経済面への心配や、社会情勢が不安定なことが、就職する企業への安定を求めることに繋がっていると予想できます。会社説明会で「安定している会社」だと訴求する際は、以下のようなポイントについて説明できるとよいでしょう。
▼学生に安心感を与えるポイント
【参考】マイナビキャリアリサーチLab『2025年卒大学生就職意識調査』
企業の新卒採用はどのような動向が考えられるのでしょうか。
ここでは、前年度と比較して大きく変わったインターンシップについて解説します。
2027卒の学生に対するインターンシップについて、次の5つの条件を満たすものは、採用活動の一環として公式に認められるようになります。
▼採用活動として認められるインターンシップ
現在の1dayや3daysのような短期のインターンシップは「オープンカンパニー」や「キャリア教育」という名称に変更され、これらを利用した採用活動は認められなくなります。
インターンシップを実施する企業が増えるにしたがって、学生確保の競争も激化しています。
25年卒におけるインターンシップの課題として「応募者が少ない」を挙げた企業は60.9%でした。26年卒ではインターンシップの「応募受付開始時期を早める」と回答した企業は34.0%で、応募開始を早めることによって母集団の確保を狙う意図があるのではないかと考えられます。
27年卒の採用でも引き続きインターンシップにおける学生確保の競争は激化すると予想できます。学生からの応募を待つマス型採用だけではなく、自社から採用したい学生にアプローチする個別採用を併用するなどの対応が必要になるでしょう。
【参考】マイナビ『2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査』
【参考】株式会社ディスコ キャリタスリサーチ『新卒採用に関する企業調査(2025 年 2 月調査)』
最後に、ここまでの動向を踏まえて、27卒の採用を成功させるポイントを4つご紹介します。
新卒採用分野における「ペルソナ」とは「採用したい学生像」のことです。
ペルソナ設定では、年齢、学歴、所属サークル、趣味、休日の過ごし方など、採用要件では見られないような項目まで具体的に想定します。それによって、求める人材についての認識を社内で擦り合わせられるうえ、採用したい学生へのアプローチ方法を明確にできます。難化する27卒採用において的確なペルソナ設定は採用成功を左右する重要なポイントになってくるでしょう。
ペルソナを設定したら、ターゲットの就職活動の状況を把握しましょう。以下にペルソナごとの就活状況の傾向をまとめましたので参考にしてください。
▼ペルソナごとの就活状況の傾向
インターンシップを実施することで採用成功率を改善できます。
マイナビの調査によると、26年卒が「入社意思の最も高い企業の主な発見ツール」として挙げたなかでも最も多かったのはインターンシップ・仕事体験で31.8%でした。「入社予定先企業に対する志望度が特に高まったタイミング」としてもインターンシップ・仕事体験を43.4%の学生が選び、最多となりました。このように、インターンシップを実施することで自社への理解を深めてもらえるため入社確度が上がると考えられます。
【参考】マイナビキャリアリサーチLab『2026年卒 大学生キャリア意向調査3月1日<就職活動・進路決定>』
売り手市場が続くなか、採用活動において応募者の少なさに悩まされる採用ご担当者様も少なくありません。従来の学生からの応募を待つマス型採用だけではなく、自社から採用したい学生にアプローチする個別採用を併用することで、入社確度の高い学生に出会うことができます。
学生の辞退率が高いことに悩む企業も少なくないでしょう。ダイレクトリクルーティングやアルムナイ採用、リファラル採用のような採用手法を併用することで採用計画を達成しやすくなるでしょう。
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本記事では、新卒採用の市場・学生動向から母集団形成を図るポイントを解説しました。
ポイントは以下の3件となります
▼27卒採用のポイント
この記事が企業の採用活動に役立てば幸いです。