2024年の採用活動が落ち着き、25年度の採用活動が少しずつ動き始めています。
2025年採用も少子高齢化に伴う労働者不足により、売り手市場傾向が続く見込みです。
企業の8割以上が2025年卒の採用は難しくなると考えています。
新型コロナウイルスの影響も縮小し、アフターコロナの対応が求められ、採用計画の立案に苦慮されている採用担当者もいるかもしれません。
この記事では25卒就活生の動向を分析し、採用活動のポイントについて解説しています。
是非参考にしてください。
2025年卒の採用活動の動向
まずは採用活動に対する動向を紹介します。
選考の早期化
株式会社学情が2023年5月に発表した『2025年卒採用に関する調査』において、「2025年採用が早期化する」と回答した企業は8割を超えました。
今年度の採用も早期化傾向が強まると考えられます。
これは日系大手企業も例外ではありません。
三菱商事は、2024年新卒採用の例採用面接を、例年よりも3か月早い3月から採用面接を実施すると発表しました。
6月本選考開始はあくまで紳士協定として守られていたものであるため、来年以降は他の企業もこの動きに追随すると考えられます。
採用期間の長期化
採用期間が長期にわたる可能性も考えられます。
これは、就活生の就職活動の開始タイミングが多様化しているためです。
早期化をうけて3年生の春から就職活動を始める学生もいれば、留学や大会等の都合から4年生の夏まで就職活動を続けている人もいます。
このように学生の動きが分散しているため、長期にわたる採用活動が必要になるのです。
効果的な採用活動に向けて、自社のターゲット層がどのタイミングで活発に就職活動を行うのかを見極める必要があるでしょう。
以下の記事で採用スケジュールの立案方法をまとめていますので参考にしてください。
【参考】【25卒】新卒採用スケジュールの立て方|企業、時期別に解説
【参考】<就活研究隊が行く>内定ゼロ、続く4年生の就活 長期化に苦戦、甘さに後悔も:北海道新聞デジタル
個別採用の強化
個別採用を強化する企業が増えているようです。
これは個別採用(ダイレクトリクルーティング)がマス採用に比べて内定辞退率が低いためであると考えられます。(下図参照)
個別採用を通じて候補者と直接やり取りをすることで、双方の理解を深め、ミスマッチを防げることが、マス採用に比べて内定辞退率が低い要因であると言えるでしょう。
求人倍率はコロナ禍以前の水準に回復
2024年卒の大卒求人倍率は1.71倍2023年卒の1.58倍から0.13ポイント上昇し、コロナ以前の水準にまで回復しました。
採用拡大に慎重であった中小企業でも採用意欲が回復したためです。
ただし、業界別で分析すると、金融業0.21倍(0.22倍)、サービス・情報業0.36倍(0.33倍)である一方、建設業13.74倍(前年7.70倍)流通業10.49倍(7.77倍)と業界ごとに採用難度が大きく異なることが明白です。
【参考】大卒求人倍率調査(2024年卒)|Works Report
今年からインターンはどう変わる?
2025年卒からインターンのルールが大きく変わり、条件を満たせば採用直結型のインターンシップを公式に実施できるようになりました。
条件は
①5日以上実施されていること
②就業体験が伴う内容であること
③期間の半分以上を就業体験に当てる
④現場の社員が指導・フィードバックを行うこと
⑤大学の長期休みに実施されること
の5つです。
下図で経済産業省が定めたインターンシップの4類型をまとめています。
4類型のうちタイプ3・4の条件に当てはまるインターンシップであれば、そこで取得した学生の情報を選考活動に活用できます。
【参考】インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る 取組の推進に当たっての基本的考え方
採用直結型インターンについては以下の記事でも解説しています。
【参考】採用直結インターンとは?実施方法やメリットを解説|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout
2025卒の就活生の特徴は?
新卒採用を成功させるには、就活生がどのような考えを持っているかを知ることが重要です。
ここからは、株式会社ワンキャリアが実施した2025年卒の学生向けアンケート結果を参考に2025卒の就活生の特徴を分析します。
【参考】【2025年卒 実態調査】25卒は「転職」を視野に入れつつ「給料」を重視
特徴①:4割の就活生が転職前提で就職活動をしている
25卒就活生の38%が「将来的な転職を視野に入れて選ぶ予定ですか?」との問いに「はい」と回答しました。
これは、大手企業のリストラや、社会情勢の不安定化等を踏まえ、就活生が終身雇用や年功序列の継続に対する不透明感を持つようになったためと考えられます。
単に大手だから入社するという考えから、自身のキャリアや転職につながるスキルが身につくかを重視して就職活動をする学生が増えたことは中小企業やスタートアップの採用にとって追い風といえるでしょう。
特徴②高い「タイパ」意識
就職活動の早期化・長期化によって学生はより多くの企業に応募し、選考を受けるようになりました。
限られた時間でより多くの企業に応募するために25卒の就活生はオンラインと対面を使い分けて情報収集をしているようです。
特徴③強まる「安定志向」
「企業選びで最も重視すること」について、41%の学生が「企業選びで最も重視するのは給料」36%が「自分のなりたい職種」、32%が「自分の成長が期待できる」と解答しました。
24卒で1位だった「なりたい職種」を給料が上回っていることから、ウクライナ情勢や物価高などの影響を受けて生活の安定を気にする学生が増えていることが読み取れます。
「金融」と「IT・通信」に人気が集まる
25卒の志望業界人気トップ3は金融・メーカー・IT通信という結果になりました。
24卒で人気だった広告・マスコミは大きく順位を落としています。
【参考】学生から見た自社の業界イメージと新卒採用成功のポイント
個別企業から見ると、文系では、商社や金融、不動産など、理系ではITやメーカー業界の大手企業が人気を集めています。
【参考】25卒学生が選ぶ 就職人気企業ランキング中間発表 [Sponsored] - 産経ニュース
【知っておきたい】25卒学生の動き
25卒学生はどのようなスケジュール感で就職活動に臨んでいるのでしょうか?
【参考】【25卒調査レポート】早期就活生623人に聞いた 夏・秋の早期選考にもっとも期待することは? – iroots log.
約9割の学生が2023年5月までに就活を開始している
irootsが実施した調査によると、約9割の2025卒の学生は2023年5月までに就職活動を開始しているそうです。
早期から動き出す層にあわせて採用活動を設計する必要があるでしょう。
※調査対象が6月末時点で就職活動を実施している層に限られていることに注意が必要
6月時点の就職活動状況
6月時点での就職活動の内容として
- インターンやイベントなどへの応募、参加(87.2%)
- 説明会への参加(70.8%)
- 自己分析(69.7%)
- 業界研究(59.2%)
を実施しているようです。
一部のインターンシップが採用直結になった影響で、9割近くの学生が6月の段階でインターンシップに応募していることがわかりました。
アフターコロナの採用活動はどうなる?
採用活動に大きな変化を与えた新型コロナウイルスの流行。
新型コロナウイルスによる社会的影響は収まりつつあり、アフターコロナの採用戦略を立案する必要があります。
アフターコロナの採用のポイントにはどのようなものがあるのでしょうか?
対面での選考が再び活発化する
新型コロナウイルスが第五類に移行したことを受け、25卒の就職活動は対面中心に戻っていくと考えられます。
24卒学生の68%が対面でのインターンシップの参加経験があり、これは23卒学生の2倍以上の結果となりました。
加えて、対面インターンシップを求める学生の割合は58%と、オンラインを希望する学生の2倍以上もポイントの差があります。
インターンシップを開催する際はオフラインでの実施のほうが高い評価を得やすいといえます。
25卒採用においても対面での採用活動・イベントを重視する傾向は続くでしょう。
【参考】株式会社ワンキャリア『2024年卒インターンシップの実態調査』
オンラインとオフラインの併用がポイント
25卒の就活生の特徴でも述べましたが、就活生はタイムパフォーマンスを重視しています。
オンラインでの説明会や選考が定着した昨今、コロナウイルスが落ち着いたからといってすべての選考フローを対面に戻すのはリスクがあるかもしれません。
就活生は採用のフェーズごとにオンライン・オフラインの希望が変わるためです。(下図参照)
例えば、説明会や序盤の選考はオンラインで、最終面接は対面で行うなどハイブリット型の採用活動を実施するとよいでしょう。
また、効果的にオンラインと対面を組み合わせることで地方や海外在住の優秀な学生を採用できる可能性があります。
25卒採用を成功させるためのポイント4選
最後に、ここまでの動向を踏まえて、25卒の採用を成功させるポイントを4つご紹介します。
➀採用ペルソナを明確に
新卒採用分野における「ペルソナ」とは「採用したい学生像」のことです。
ペルソナ設定では、年齢、学歴、所属サークル、趣味、休日の過ごし方など、採用要件では見られないような項目まで具体的に想定します。
それによって、求める人材についての認識を社内で擦り合わせられるうえ、採用したい学生へのアプローチ方法を明確にできます。
難化する25卒採用においてペルソナ設定は重要です。
②採用ターゲットの就職活動状況を把握する
ペルソナを設定したら、ターゲットの就職活動の状況を
以下にペルソナごとの就活状況の傾向をまとめましたので参考にしてください。
- 外資系・コンサルティング企業志望者の就職活動の開始は早く、就活終了時期も早い(2年次冬に開始・3年12月ごろ終了)
- 体育会系の学生の就職活動開始時期は遅い(引退以降)
- 留学をする学生は帰国後に就職活動を実施する場合が多い(夏採用が有効)
また、自社と学生の接点を増やすために通年採用を導入することも有効です。
【参考】通年採用の4つのメリットとは?|導入方法を徹底解説|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout
③インターンを実施する
インターンを実施することで採用成功率を改善できます。
マイナビの調査によると、5月までに入社予定先を決めている24卒学生のうち、63.1%が入社予定先のインターンシップ・仕事体験に参加していたようです。
インターンを実施することで自社への理解を深めてもらえるため入社確度が上がると考えられます。
④ダイレクトリクルーティングを活用する
学生の応募を待つのではなく、自社から採用したい学生にアプローチする「ダイレクトリクルーティング」を導入することもおすすめです。
ダイレクトリクルーティングに関心のある採用担当者の方は、以下の資料をダウンロードしてみてください。

この記事のまとめ
①25卒の採用の早期化に伴い採用難易度は高まると予測されている
②内定直結のインターンの実施が公式に認められた
③アフターコロナに対応した採用戦略の設計が鍵
④ダイレクトリクルーティングを導入することで採用成功可能性を改善できる
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といった点が挙げられます。