【2026卒】新卒採用の市場動向を解説|母集団形成が成功するコツ
2024/10/08

2025年度卒の学生採用が落ち着き、2026卒の採用活動が動き始めています。

企業の求人が就活生の人数である約45.5万人を超えており、売り手市場が続く中、学生の採用に苦戦した企業も多いのではないでしょうか。

本記事では、2025卒の学生と企業動向を分析することで、次年度の採用活動におけるポイントを解説していきます。

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2025年卒における新卒採用の市場動向

2025卒の新卒採用にどのような傾向があったのでしょうか?

ここでは、市場動向について詳しく解説します。

新卒採用の早期化・長期化

近年の採用活動では、採用の早期化とこれに伴う長期化傾向が見られます。

株式会社ディスコの調査によると、25卒の学生に対して、経団連が定める3月1日よりも前に内定を出している企業は41.3%にのぼり、前年比で約30%増加しています。

一方、内定出しが盛んになる3月は25卒が22.6%で、前年比約26%減少しています。

このように、従来の3月1日よりも前に内定を出す企業が増えてきているのがわかるでしょう。

さらに、同調査によると、6月下旬時点で採用が終了している企業は年々減少しています。

近年の新卒採用が、早期化・長期化するにつれて、学生の負担も大きくなり、早めに就活を終えたいと思う学生も増えてくるでしょう。

【参考】株式会社キャリタス「2025 年卒・新卒採用に関する企業調査-中間調査」

個別採用の強化

企業が取り組んだ採用手法を表した画像。個別採用の方の内定辞退率が低いことがわかる。

求人サイトや人材紹介による「マス型」採用よりも、学生1人1人に対してアプローチできる「個別採用」を利用する企業も多くなっています。

個別採用には、「ダイレクトリクルーティング」や「アルムナイ採用」、「リファラル採用」が挙げられますが、あらかじめターゲットを絞って母集団形成を図るため、採用確度が高い傾向にあります。

内定辞退率が低く、採用計画の達成しやすさという点から個別採用を利用する企業が増えているのでしょう。

【2026卒】新卒の学生動向から考える母集団形成のポイント

2026卒への訴求ポイントは、新卒学生の過去データから考察することが重要になってきます。

2024卒と2025卒の間で学生の就活動向を分析し、学生の就活に対する価値観や志向を読み解いていきます。

就活の開始時期の早期化

インターンシップによって企業の採用が早期化するにつれて、学生の就職活動開始時期もさらに早期化すると予想されるでしょう。

みらい研究所が行った調査結果より、学生は企業のインターンシップ開催に合わせて、就職活動を開始する傾向にあることがわかります。

特に、9月より前に始めている学生が56.9%で、前年比は2.8%減少したものの、2年前より12.9%増加しています。

そのため、早いタイミングで学生にアプローチすることが重要になってくるでしょう。

【参考】株式会社リクルート「就職白書」

タイムパフォーマンスを重視

就活生が対面かオンラインのどちらを希望するかを表した画像。 約3割の学生が全工程オンラインがいいと希望している。

近年、多くの企業で説明会等がオンラインで行われるようになりました。

オンラインによる開催は、就活生の移動時間を削減したり、多くの企業に接触する機会を作成することを可能にしています。

事実、株式会社i-plugの調査によると、全工程対面で希望している学生は4%ほどに対して、96%の学生が会社説明会から最終選考までに、オンラインを取り入れた選考を希望しています。

このような背景から、就活生にアプローチする際は、オンラインまたはハイブリットによって、手軽に情報収集できる工夫をすることが重要です。

【参考】株式会社i-plug「〜25卒の就活生を対象とした「就職活動の選考過程に関する調査」を発表〜」

将来的な安定を重視

ここで、24卒と25卒の学生が志望した業界を見てみましょう。

24・25卒の志望業界を表した画像。大きく順位を変えている業界があることがわかる。

この図から、25卒の学生は、24卒の学生に人気であった広告・マスコミ業界が大きく順位を下げ、金融・メーカー・IT・通信の人気が大きくなっていることがわかります。

金融やメーカー業界は他の業界と比べると一般的な需要が高く、安定的なビジネスモデルを展開しています。

さらに、近年の通信・IT業界は近年成長市場で、就職先が特に多いため長期的に安定した雇用が見込まれるでしょう。

このように、社会的情勢によって、経済が世界的に不安定になる中、どれほど安定して働けるかを訴求することが重要になります。

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【2026卒】新卒採用における企業の動向を予測

企業の新卒採用はどのような動向が考えられるのでしょうか。

ここでは、前年度と比較して大きく変わったインターンシップについて解説します。

インターンシップを通じた採用の激化

従来インターンシップと呼んでいたものが、4つに分けられることを表した画像。採用に直結するものは、最低5日間からのものであることがわかる。

2025卒の学生に対するインターンシップについて、次の5つの条件を満たすものは、採用活動の一環として公式に認められるようになります。

  1. ①5日以上実施されていること
  2. ②就業体験が伴う内容であること
  3. ③期間の半分以上を就業体験に当てる
  4. ④現場の社員が指導・フィードバックを行うこと
  5. ⑤大学の長期休みに実施されること

現在の1dayや3daysのような短期のインターンシップは「オープンカンパニー」や「キャリア教育」という名称に変更され、これらを利用した採用活動は認められなくなります。

従来、学生がインターンシップに参加する目的として、「本選考より早期に選考に参加できる」がありました。

以上のことから、インターンシップに対する企業・学生双方の需要がますます高まることが予想されます。

【参考】経済産業省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る 取組の推進に当たっての基本的考え方」

インターンシップがどのように変化したか、詳しく知りたい方は次の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

【参考】採用直結インターンとは?実施方法やメリットを解説|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout

2026卒の新卒採用を成功させるポイント4選

最後に、ここまでの動向を踏まえて、25卒の採用を成功させるポイントを4つご紹介します。

➀採用ペルソナを明確にする

新卒採用分野における「ペルソナ」とは「採用したい学生像」のことです。

ペルソナ設定では、年齢、学歴、所属サークル、趣味、休日の過ごし方など、採用要件では見られないような項目まで具体的に想定します。

それによって、求める人材についての認識を社内で擦り合わせられるうえ、採用したい学生へのアプローチ方法を明確にできます。

難化する25卒採用においてペルソナ設定は重要です。

②採用ターゲットの就職活動状況を把握する

ペルソナを設定したら、ターゲットの就職活動の状況を把握しましょう。

以下にペルソナごとの就活状況の傾向をまとめましたので参考にしてください。

  • 外資系・コンサルティング企業志望者の就職活動の開始は早く、就活終了時期も早い(2年次冬に開始・3年12月ごろ終了)
  • 体育会系の学生の就職活動開始時期は遅い(引退以降)
  • 留学をする学生は帰国後に就職活動を実施する場合が多い(夏採用が有効)

また、自社と学生の接点を増やすために通年採用を導入することも有効です。

さらに詳しい情報を知りたい方は次の記事を参考にしてください。

【参考】通年採用の4つのメリットとは?|導入方法を徹底解説|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout

③インターンシップを実施する

インターンシップを実施することで採用成功率を改善できます。

マイナビの調査によると、5月までに入社予定先を決めている24卒学生のうち、63.1%が入社予定先のインターンシップ・仕事体験に参加していたようです。

インターンシップを実施することで自社への理解を深めてもらえるため入社確度が上がると考えられます。

入社予定のインターンシップ・仕事体験に参加していた割合を表す画像。約6割程度の学生がインターンシップに参加した企業に入社予定であることがわかる。

【参考】株式会社マイナビ「24年卒 就活生の5月の活動状況 / 入社予定先のインターンシップ・仕事体験に参加していた割合は63.1%、9月までに参加していた割合は35.2%」

また、理系学生の採用に苦戦している企業も多いようです。

理系採用に苦戦する企業の方は次の記事を参考にしてください。

【参考】【最新版】理系学生の就活動向と採用成功のポイント

④個別採用を併用する

従来の、学生からの応募を待つマス型採用だけではなく、自社から採用したい学生にアプローチする個別採用を併用することで、入社確度の高い学生に出会うことができます。

学生の辞退率が高いことに悩む企業も少なくないでしょう。

ダイレクトリクルーティングやアルムナイ採用、リファラル採用のような採用手法を併用することで採用計画を達成しやすくなるでしょう。

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まとめ

本記事では、新卒採用の市場・学生動向から母集団形成を図るポイントを解説しました。

ポイントは以下の3件となります

①25卒の採用の早期化に伴い採用難易度は高まると予測されている

②内定直結のインターンの実施が公式に認められる

③個別採用を併用することで採用成功可能性を改善できる

この記事が企業の採用活動に役立てば幸いです。