みなさんは、スカウト代行サービスを利用したことがありますか。
近年、ダイレクトリクルーティングが新たな採用手法として注目される中、エン転職、ビズリーチ、マイナビ等の有名スカウト代行サービスを筆頭に、スカウト送信を代行してくれるサービスがいくつも登場しています。
といったお悩みを感じる場合には、スカウト代行を検討してみましょう。
本題に入る前に、スカウト代行サービスを用いるべきなのかどうかを検討してみてください。
こちらの「ダイレクトリクルーティング工数算出表」を用いて、自社でダイレクトリクルーティングを運用する際の工数を現状から出してみましょう。
こちらの表を活用すると、限られたリソースの中ダイレクトリクルーティングを活用できるかどうかがわかります。
「ダイレクトリクルーティングを運用できるかわからない・・・」という場合は、上記の表の活用がおすすめです。
では、今回はスカウト代行サービスに依頼してできること、スカウト代行サービスを利用する際のポイントについてお伝えします。
ぜひスカウト代行サービスについての理解を深めてもらえると幸いです。
スカウト代行サービスとはスカウト代行サービスとは「求職者に対して送るスカウトを、募集を行っている企業の代わりに送るサービス」です。
近年、多くの企業がこのスカウト代行サービスを利用しています。スカウト代行は、企業側から直接求職者にアプローチする「ダイレクトリクルーティング」と同じ文脈で語られることが多いです。
ただダイレクトリクルーティングには、社員訪問といったものも含まれるため、スカウト代行よりもその対象が幅広くなります。そのため、スカウト代行はダイレクトリクルーティングの手法の1つであるという言い方もできるでしょう。
ただし、一般的にはダイレクトリクルーティングとスカウト型採用の違いを区別しないことも多いようです。
スカウト代行サービスは従来の受け身姿勢ではなく、企業側から欲しい人材を積極的に確保する攻めの採用と言えます。求職者に自らスカウトを送るため、ナビ媒体や人材紹介と異なり、運用に手間がかかるのが特徴です。
そのため、スカウト代行は「スカウトを送信する時間がない」「計画的にスカウト送信できておらず、活用しきれていない」といった企業のニーズに応えるサービスとなっています。
以降では、実際に新卒のスカウト代行サービスに依頼してできることをご紹介します。
サービスによって対応可能な範囲が異なりますのでご注意ください。
【参考】ダイレクトリクルーティングとは?特徴や他サービスとの違いを紹介
【参考】導入すべき?ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット比較
「ダイレクトリクルーティングの相場が知りたい」という方は、下記の記事も併せてご覧ください。
他の採用媒体との相場の違い等も記載しております。
【参考】ダイレクトリクルーティングの費用を紹介!安くすませる方法とは?
【スカウト代行とダイレクトリクルーティングの違い】
スカウト代行 | ダイレクトリクルーティング |
採用要件に当てはまる学生に向けて送るスカウト文・メールの送信を、外注すること。 ダイレクトリクルーティングの一部といえる。 |
応募を待つのではなく、採用したい学生に対し企業側からアプローチをかける採用手法。 学生のプロフィールを見てからアプローチするので、自社の採用要件により当てはまる学生に数多くアプローチできる。 |
多くの企業に利用されているスカウト代行サービスですが、なぜ注目されているのか、その理由を解説します。
終身雇用制度が形骸化し転職や副業、フリーランス等の働き方が当たり前となりつつある今、人材は以前より流動的になりました。
これによって、企業はより速いサイクルで人材を採用しなければなりません。
しかし、スカウト送信には人材のリサーチやスカウト文章の作成、返信対応など、非常に時間がかかります。
その結果、人事がスカウト業務に時間を割かれて他の業務が回らなくなったり、せっかく契約したスカウト媒体をほとんど活用できないという状況が起こるのです。
そうした背景から、スカウト代行が注目されています。
多くの求職者の中から自社にマッチした人材を抽出するには、膨大なデータの中から一人一人のプロフィールを細かくチェックしなければなりません。
スカウト代行サービスを利用することで、その業務を委託することが可能です。
スカウト代行サービスは様々な知識やノウハウを蓄積しているため、採用ターゲットの抽出業務効率化にもつながります。
スカウト代行会社は多くの企業のスカウト業務を代行する中で、スカウトメールを送信する適切なタイミングや文章、タイトルやその後の対応など多くのナレッジを蓄積しています。
そのため、スカウト代行サービスを活用すれば、自社にスカウト運用のノウハウがなくても、成功率の高いスカウトメールを求職者に送ることができます。
以上3つの背景から、スカウト代行サービスは注目されています。
次にスカウト代行会社に依頼できる業務を紹介します。
主に下記の5点がスカウト代行会社に依頼できる業務です。
まずは全体の採用計画のうち、スカウト代行サービスを通じて何人の内定承諾を獲得するかを設定します。
次に設定した内定承諾数を達成するために必要な説明会参加の日程と枠数、スカウトを何人に送信するのかを決めていきます。
加えて、運用開始前には採用担当者から求める人物像のヒアリングを行い、スカウトを送る対象の設定も行います。
こうした運用計画を最初に立てることで効果的にスカウトを運用していきます。
【参考】 採用成功に繋げるための、日程調整率・当日参加率を高めるコツ
運用計画を立てたら、利用企業の特徴に合わせて実際に学生に送るスカウト文面を作成します。
企業HPや採用HPなどから情報収集しながら作成することになりますが、スカウトサービスを利用中の場合は文面を共有しておきましょう。
スムーズに文面が作成できます。
サービスによっても異なりますが、利用媒体によっては効果的な文面を作成するためにABテストを行い文面の改善を行うものもあります。
スカウト文面にこだわりや入れたい文言がある場合は、一度代行サービスの担当者の方と話し合ってみると良いでしょう。
【参考】2,500回のABテストで分かった、開封率の高いスカウトタイトルとは?
【参考】2,500回のABテストで分かった、返信率の高いスカウト文章とは?
実際にスカウトを送る候補者を運用計画の際に決めた求める人物像に合わせて選定していきます。
求める人物像を具体的に設定しすぎることで対象の学生の母数が少なくなり、送信件数や返信数を達成できない場合もあります。
そのため、候補者選定の基準を広めに設定する、候補者数が少なくなってきたら条件を緩和する、といった対応も予め検討しておくといいでしょう。
スカウト送信ができないといった状況を避けるため、代行担当者との意思疎通をこまめに行うことが必要です。
選んだ候補者にスカウト文面を送ります。
スカウト送信には「一斉送信」「個別送信」の2種類がありますが、スカウト代行サービスでは一般的に個別送信を行っていることが多く見受けられます。
候補者の人数や採用目標数に照らし合わせながら 、週にどのくらいのペースでスカウトを送ってくれるのかをすり合わせ、それに基づいて運用していきます。
スカウト文面に返信が来た場合、基本的にはサービスの中で初期接触の日程調整を行うことができます。
学生からの連絡に対して早めにレスポンスできるかどうかで、その後の日程調整率が大きく変化します。
こまめに学生とメッセージをやりとりしてくれるので、途中離脱を防ぎながら会いたい学生に会える可能性が高まるでしょう。
但し、初期接触以降のやりとりはオプションで追加料金が発生する場合があるので注意しましょう。
振り返りではスカウト送信数や返信率を確認し、内定承諾獲得に向けたスカウト運用の改善を行います。
振り返りの内容はサービスによって異なりますが、代行側からの運用実績の報告や、採用側からの採用状況の共有を行います。
振り返りを通じて、候補者の選定基準やスカウト文面を改善を行いますので、定期的にミーティングを設定しましょう。
これまではスカウト代行サービスで依頼できる内容を紹介してきました。
ではスカウト代行サービスにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
スカウト代行サービスは大きく分けて「月額固定制」「従量課金制・成果報酬型」「成功報酬型」3つがあります。
利用するサービスがこの3つのうちどれに属するのか、また契約する期間はどのくらいかによってもスカウト代行にかかる費用・相場が変わります。
そのため下記に示した料金は、あくまで目安であることをご了承ください。
スカウトメール送信代行 | 月3万円~ |
媒体管理・運用 | 月10万円~70万円 |
採用媒体への掲載 | 月15万円~ |
採用管理システム運用 | 月10万円~ |
日程調整 | 月5万円~ |
以上から踏まえると、新卒採用におけるスカウト代行サービスは、合計で5万円~70万円程の費用がかかります。
固定費用なのか成果連動型なのかでも大きく変動するため「自社に合った代行サービスの費用体系はどれか」を吟味することが重要です。
下記では、代行サービスにおける料金体系と各料金体系のメリット・デメリットを紹介しました。
「スカウト代行サービスは、数が多すぎてどれにしたら良いのか分からない・・・」という方は、必見の内容です。
月額固定制は1ヶ月分の請求金額が決められており、その料金内で代行できる業務が制限されています。
例えばスカウト運用計画の設定~日程調整までを1ヶ月◯万円で行う、といった具合です。
採用代行企業が提示するプランでは、月額固定制のスカウト代行が多いようですね。
<メリット>
<デメリット>
従量課金制・成果報酬型は業務に単価が定められていて、利用する分のみを支払う制度です。
例えば、ダイレクトリクルーティングのスカウトメール配信代行サービスでは、スカウトメールの代行送信1件につき◯円と決められていた場合、送った数×◯円を費用として支払うことになります。
<メリット>
<デメリット>
成功報酬型は期間や単価ではなく、案件が成功した場合のみに費用を支払います。
新卒採用において内定出しを成功と定義付けた場合、内定者×〇円を費用として支払います。
成功した場合のみ支払いが発生するため、その過程でどれだけメールを送信しても、その数などは加味されません。
<メリット>
<デメリット>
月額固定制・成功報酬型はスカウト送信〜日程調整までの大部分をカバーできるケースが多いため、まるっとお任せしたい場合におすすめです。
また従量課金制・成果報酬型は、とにかくメールを沢山送りたいなど使用用途がはっきりしている場合に利用するのがよいでしょう。
これまではスカウト代行サービスの大枠や、費用面についての説明を行ってきました。
では「スカウト代行サービスを利用すると良い企業の特徴」はどんなものがあるのでしょうか。
見ていきます。
スカウト型採用が初めて、もしくは挑戦して上手くいかなかった方はスカウト代行サービスを活用しましょう。
ダイレクトリクルーティングでは特にスカウト文が重要です。
スカウト文は多くの学生にとって、自社を初めて知る機会ですよね。
しかし、企業側はうまく自社の魅力伝えたつもりでも、学生からしてみれば魅力が無いように捉えられてしまう可能性も。
学生間での就活トレンドも関わるため、どのような文が学生に受けるのか考えるのはとても難しいです。
スカウト代行サービスであれば、ダイレクトリクルーティングのノウハウがあるため運用成功の可能性を高められます。
人材紹介サービスは工数が少ないため導入しやすい採用手法と言えます。
しかし、人材紹介では求める人材にうまく会えなかった…という方も多いのではないでしょうか。
人材紹介サービスでは、人材紹介に登録済みの求職者から条件に合う人が紹介されます。
つまり、エージェントを経由しないと学生には会えません。
紹介のたびに学生1人1人と面談するため工数がかかるので、必然的に紹介可能数は少なくなります。
また、金額の多寡や採用難易度に応じて紹介してもらえない、といったケースも。
こうした事情から学生の母数形成が上手くいかないことが多いようです。
一方でダイレクトリクルーティングでは、スカウトなどを通じて人材にアプローチします。
条件に合わせて一斉にスカウトメールを送るなどすれば、費用を抑えて母集団形成を大きく取ることも可能です。
ダイレクトリクルーティングの方がスカウトを送るなどの手間がかかりますが、配信代行サービスを利用すればそのデメリットを無くせますよね。
人材紹介とダイレクトリクルーティングの仕組み上の違いで、求める人材に出会えなかった方にもスカウト代行サービスはおすすめです。
通常の選考でも手一杯でこれ以上時間をかけられない…という方も多いのではないでしょうか。
しかし、時間がなくても優秀な学生を採用して、会社をより成長させたいですよね。
もちろん優秀な学生は引く手数多。
そのため企業側から積極的にアプローチすることが大切です。
しかし、ダイレクトリクルーティングは候補者選定やスカウト送信などで、通常の選考よりも工数を多く必要とします。
そこでスカウト代行サービスを使うことで、作業工数を削減しつつ優秀な学生に出会えます。
時間や人件費をいくらでもかけていい新卒採用なんてありませんよね。
持続可能な運用のためにも、時間や人件費などのコストを抑えつつ、より多くの内定承諾を得るような方法にシフトするべきです。
まず、ダイレクトリクルーティングは人材に直接アプローチできるため、自社にマッチしている可能性が高く、その分選考通過率が高まります。
つまり、書類選考や面接選考にかかる時間を減らし、相対的により多くの人材を採用できます。
さらにスカウト代行サービスを使うことで、候補者選定やスカウト送信等にかかる時間をアウトソースし短縮できます。
これにより、学生一人一人に時間を割くことができますよね。
選考途中の面談や内定後のフォローにより時間をかけることで、内定承諾率も高められます。
上記でも記載しましたが、スカウト代行には多くのメリットがあります。
具体的には
といった内容が挙げられます。
上記のようなお悩みがある場合は、スカウト代行の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
そんな方に向けて、スカウト代行サービスを選ぶ際に着目すべきポイントを5点紹介します。
採用代行会社や人材紹介会社がスカウト代行も行っている場合や、スカウト代行のみを行っている場合など会社によってサービスの提供に違いがあります。
そのため、各サービスの特徴や、メリットデメリットを押さえることが必要です。
特に、スカウト代行の範囲(スカウト送信まで代行、日程調整とリマインド送付まで代行など)もしっかり確認しましょう。
代行を依頼してみたはいいが、思ったように手間削減に繋がらなかった、というケースを避けるためです。
1人あたりのスカウト送信時間と何人に送る必要があるかを代行業者との打ち合わせでヒアリングし、手間の削減に繋がるかを確認することも大切です。
また過去の実績も、スカウト代行サービスを選定する際に重要です。
自社と似ている企業を運用した実績があると、スカウト代行側に運用ノウハウがあるため効果的です。
業界・職種や、ベンチャーなどの企業規模の一致に注目しましょう。
1つの会社で複数年度に亘って内定実績が出ているかどうか、どのくらいの期間で何通スカウトを送ったか、などを確認し、自社でも内定実績が出そうか確認します。
過去データを確認して、スカウト代行による効果がどの程度期待できるのか確認しましょう。
また、過去データを参考に他社サービスを比較することもできます。
ただし数値に信頼性があるのか見極めるために、データの算出方法は明確にしておきましょう。
一度運用してみると、求める人物像の再決定やスカウト送信数の再決定の必要性が出てくるかもしれません。
運用実績と採用状況を照らし合わせ認識のすり合わせを行い、サービス側の力も借りながら改善をしていくことが求める人物像の内定承諾に繋がります。
そのためには、ミーティングを必要な時に組めるかといった柔軟性も大切です。
運用開始後、調整率等の数字が振るわないこともあります。
そんなときにどこをどう改善すればいいのか、代行サービス側から提案や改善があれば安心ですね。
スカウト文章のA/Bテストを実施するなど、数字を改善する手立てが確立されていると結果につながりやすい運用が可能です。
「自社が採用したい学生」と、該当するスカウト代行サービスに登録している学生がマッチしているかも非常に重要です。
例えば「理系の学生を採用したい」というニーズがあるにも関わらず、登録している学生の内9割が文系といったスカウト代行サービスに登録してしまうと、自社のニーズとミスマッチが起きてしまいます。
ミスマッチが起きないようにするためには「サービスに登録している学生の特徴」を、前もって代行業者に確認しておくのがおすすめです。
一口にスカウトメールと言っても、様々な種類があります。
スカウト代行業者が具体的にどんなスカウト文を送信してくれるのか、下記にて解説していきます。
まず一斉送信タイプが挙げられます。
こちらは、対象に対して同じ文章を送るものです。
多くの人にアプローチできるのが強みですが、スカウト文の文面に特別感がないため、受け取った候補者が企業側の熱を感じにくいというデメリットもあります。
一方個別送信タイプのスカウト文は、1人1人に対し、個別でメールが送られます。
具体的には「あなたの○○という資質が、弊社にマッチしていると感じました」など、求職者の特性を直接見て、メールを送信したりします。
1人1人に対し個別の文章を送るので、求職者は企業からの熱を感じやすいでしょう。
ただし、工数が非常にかかるため、採用担当者の負担が増えます。
そのため「個別送信タイプのスカウト文」を送る場合は、スカウト文の作成を代行して行う「スカウト代行サービス」に登録するのがおすすめです。
スカウト代行サービスに運用を任せきりでは採用成功には至りません。
ここではスカウト代行サービスを活用して、採用を成功させる2つのポイントをお伝えします。
代行サービス側に、自社が抱えている採用課題や採用目標などを、包み隠さず正しく伝えましょう。
スカウト代行サービスは、運用ノウハウやスカウトに関する知見を持っていますが、正しい情報がなければ適切な運用はできません。
スカウトを成功させるためにも、正確な情報共有を心がけましょう。
スカウト代行サービスに全てを任せきりにするのはNGです。
採用担当者からも積極的にコミュニケーションを取り、情報共有をしましょう。
スカウトした学生と面談してみての感想や、他媒体で上手くいった例、採用状況などの情報を共有することで、より採用ターゲットに沿った学生にスカウトを送信できたり、効果的なスカウトメールを送ることができます。
いかがだったでしょうか。
今回は、スカウト代行サービスでできることと利用に際するポイントをご紹介しました。
エン転職、ビズリーチ、マイナビ等を筆頭に、多くの選択肢があるスカウト代行サービスですが、本記事を参考に企業を選んでいただけたら幸いです。
スカウト代行サービスによって自社の採用を底上げできるのではないかと感じた際には、こちらの記事を参考にダイレクトリクルーティングの活用を検討してみてください。
【参考】採用ペルソナの設定方法を具体例・フォーマットを用いて解説します