採用活動を進めるにあたり、求める人物像に近しい人材を採用することが重要なのは当然ですよね。
そのための方法として " 採用ペルソナ " という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
ペルソナは「採用要件を具体的な人物像として設定したもの」です。
しかし、それがわかっても
「どうしてペルソナを設定すると良いのか?」
「実際にどうやって考えながら設定をするのか?」
「設定したペルソナを、効果的に使うにはどうしたら良いのか?」
等、わからないことがたくさんありますよね。
今回は、そんなお悩みを解決すべく、ペルソナを設定する理由・フレームワークを用いた具体的な設定方法・採用ブランディングへの活かし方をご紹介します。
採用を成功に繋げるには、採用戦略とともにペルソナを設定すると良いです。
以下の記事も参考にしながら、ミスマッチをなくす採用を目指しましょう。
【参考】分析方法を徹底解説!採用歩留まりが低下しやすい項目と9つの改善策
【参考】【改善策4選】3年分の内定承諾率から考察!内定承諾率を上げるコツ
新卒採用におけるペルソナとは?
「ペルソナ…。名前に聞き覚えはあるけど、具体的にどんな意味だっけ?」
「マーケティング用語じゃないの?新卒採用ではどう使うんだろう…」
ペルソナについてよく分からなくても大丈夫です!
ここではまず「新卒採用におけるペルソナとは何か」から解説していきます。
概要
ペルソナとは「該当する商品やサービスを購入する典型的なユーザー像」のことです。
主にマーケティング分野で用いられる言葉で、現在では様々な企業で用いられています。
そこから現在では、採用分野でも「ペルソナ」という概念を用いる企業が増えてきています。
新卒採用分野における「ペルソナ」とは「採用したい典型的な架空の学生像」のことです。
ペルソナ設定では、年齢、学歴、所属サークル、趣味、休日の過ごし方など、採用要件では見られないような項目まで具体的に想定します。
それによって、求める人材についての認識を社内で擦り合わせやすくなり、また、採用したい学生へのアプローチ方法が分かりやすくなるという効果があります。
ペルソナを設定することによって、自社にフィットする人材の理解を深められ、結果的にミスマッチを防ぐことが可能です。
厚生労働省が調査した新規大卒就職者の離職状況を見ると、新卒採用で就職した学生の入社3年以内の離職率が約3割であると分かります。
- 2018年卒 新卒就労者:3年目までの離職率は31.17%
- 2019年卒 新卒就労者:2年目までの離職率は21.46%
- 2020年卒 新卒就労者:1年目までの離職者は10.55%
すぐに離職してしまっては、採用にかかったコストが無駄になってしまいます。
このようなミスマッチを防ぐためにも、ペルソナの設定は重要です。
「ペルソナ」と「ターゲット」の違いは?
「ペルソナ」と混同されやすい用語として、「ターゲット」があります。
どちらもマーケティング用語から派生したものであり、採用したい人材をイメージするために新卒採用活動でも利用されます。
一方で、「ペルソナ」と「ターゲット」は違う内容を示す言葉であるため、使い分けに注意が必要です。
「ペルソナ」は、架空の人物を設定し、求める人材要件に当てはまる人物の趣味や行動特性、価値観などを詳細に想定します。
「ターゲット」は、採用要件のことを意味しており、実際に採用の合否を決める際に使用するため、スキルや能力、経歴などに幅を持たせながら設定します。
ペルソナを設定するメリット
なぜ、採用においてペルソナを作成することが大事なのでしょうか。
主なメリットとして、
①採用基準のズレを小さくできる
②内定承諾後のミスマッチを防止できる
③ターゲット学生のニーズに合わせて魅力を訴求できる
の3点が挙げられます。
①採用基準のズレを小さくできる
人材採用は、人事部に限らず様々な部署の協力が不可欠です。
そこで大事になるのが「採用基準」を、各部署・社員で明確にしておくことです。
ペルソナを明確に決めておけば、採用すべき人材が明確になり、面接官ごとの選考の「ズレ」がなくなります。
もし明確な採用基準を決めていないと、面接時の判断基準がなくなり、面接官の負担が大きくなるでしょう。
自社が本当に求める人物が採用できない、という可能性も十分にあります。
そのため採用においては「採用基準」を明確にすることが重要です。その採用基準を明確にするために重要なのが「ペルソナ」なのです。
【参考】【保存版】採用基準の決め方を解説!初心者向けのテンプレート付き
②内定承諾後のミスマッチを防止できる
内定承諾を獲得したものの、自社の組織風土に合わず学生が早期に離脱してしまう事態はできるだけ防ぎたいですよね。
自社が求める人物像を的確に把握して採用することで、早期離脱を防ぎ長期的に活躍する人物を採用できます。
③ターゲット学生のニーズに合わせて魅力を訴求できる
自社のカルチャーや事業内容によって、企業の特徴や強みはそれぞれ異なります。
ですが、その特徴や強みを全て一律に押し出したとしても、魅力が伝わらない可能性があります。
例えば、「入社年次関係なく、実力に応じて裁量権の多い仕事を任せられる」という自社の特徴があったとします。
その場合、「自己成長意欲の高い体育会系出身者」には魅力を伝えられますが、「周囲と協調しながら仕事をしたい文化系サークル出身者」には魅力を伝えられない可能性もあります。
採用ペルソナを設定することで、自社の特徴や強みを最大限伝えることが可能です。
ペルソナの設定方法・作り方を全7ステップでご紹介!
では早速、採用ペルソナを作ってみましょう。
今回は、採用ペルソナの作り方について、フォーマットと例を用いながら説明していきます。
具体的な項目の例もお伝えしますので、ぜひ一緒に設定してみてください。
全体の流れは以下の通りです。
①採用する目的を再確認する
②自社の情報を改めて整理する
③求める人物像の「設定理由」を確認する
④具体的な項目に基づき、ペルソナを設定する
⑤設定したペルソナを基に他部署とすり合わせる
⑥採用市場に応じて、募集と選考を実施する
⑦ペルソナの修正を行う
各手順の詳細を確認していきましょう。
①採用する目的を再確認する
では早速「採用ペルソナを作ってみましょう」、となる前に1つ確認する事があります。
それは「なぜ採用を行うのか?」という目的を明確にすることです。
通常、事業計画に基づいて人事計画を立て、さらにそこから採用計画を立てていきます。
また、採用の目的次第で応募者に求める要素や要素の優先順位が変わってきます。
事業計画に沿う採用計画を立てるためにも、時期に応じた求める人物像を満たす候補者を採用するためにも、「採用する目的」を再確認し、ゴールを明確にしてみましょう。
②自社の情報を改めて整理する
「自社に合ったペルソナ」「求める人物像にあったペルソナ」を設定するためには、自社についての情報をきちんと整理しておくことが不可欠です。
そうすることで、短・中・長期を見据え自社が必要とする人材やその人材に求めることを考えやすくなります。
「なぜその経験を持った人がいいのか?」「なぜその志向を持った人がいいのか?」についての思考がしやすくなると、より納得感のある精度の高いペルソナ設定が可能になります。
具体的に整理してみると良い項目は以下です。
- 理念
- ビジョン
- 事業内容
- 募集職種
- 業務内容
- 企業風土
- 社風
- 働き方
また、新卒で入社してきて間もない社員に対し「なぜ新卒で自社に入社しようと思ったのか」を聞くと、自社が求めている人物像と入社してもらいやすい学生の特徴が分かるのでおすすめです。
③求める人物像の「設定理由」を確認する
採用目的を明確にし、自社の情報を整理した後は、現在設定している求める人物像を確認します。
まだ求める人物像を決めていない場合は、この段階で採用要件をまとめ、評価基準を設けましょう。
「人物像を決めるのが難しい・・・」という場合は、現場社員や経営層へヒアリングを行い、どんな学生を採用したいのかを明確にするのがおすすめです。
学生は人事部ではなく、他の部署に配属されることがほとんどのため、現場社員の声をしっかり聞くことで、求める人物像の「設定理由」がより明確になります。
詳しい具体例はこの後ご紹介します。ぜひ参考にしてください。
④具体的な項目に基づき、ペルソナを設定する
次に、②~③で整理した内容を参考にしながら採用要件を具体化してペルソナを作ります。
フォーマットを作成する際には、以下の項目を参考にしてみてください。
ペルソナ設定のフォーマットを作成する際には、③で考えた「求める人物像の設定理由」を参考にすると思考がスムーズになります。
例えば、求める人物像として「協調性」をあげている場合を考えてみましょう。
その理由が、 「チームで取り組む仕事である」 「関わる人の数が多い」 といったことあれば、学生時代にチーム経験をしていたり、人を巻き込む経験をしていたりする学生をペルソナと設定すると良いでしょう。
ペルソナを設定する際は、漠然と考えるのではなく理由とともに考えることでより質の高いペルソナを設定することができます。
【参考】 採用要件を明確に定義する方法!評価基準の設け方などを解説
採用ペルソナを設定する際の注意
ペルソナ設定の際には、評価基準が闇雲に狭まってしまわないように気をつける必要があります。
例えば、「チームで取り組む仕事が多いから、協調性のある学生を求めている」とします。
チームで取り組んだ経験の例としては、「体育会部活所属経験」「長期インターン経験」「学生団体所属経験」等があげられます。
このように、1つの要素からも多くの経験が想定できます。
そのため、 ” ペルソナとして「体育会部活所属経験」を定めたから絶対にその経験が必要 “ ではなく、 “ 必ずしもペルソナと同じ経験をしていなくても、求めている要素を持っていれば良い “ ということを念頭に置くように注意しましょう。
⑤設定したペルソナを基に他部署とすり合わせる
ペルソナを設定したら、他部署とすり合わせを行います。現場の求める要件と大きくズレていた場合、採用そのものが失敗しかねません。
他部署とすり合わせを行うことで、求める人物像に対する認識のズレを無くすことに繋がります。
ここで認識のすれ違いがあった場合は、採用要件の見直しやペルソナの再設定をしましょう。
ペルソナは『絶対的な採用基準』ではなく、あくまでも『採用要件の認識を統一させるための材料』です。
求める人物像に対して、どのような学生なら条件に当てはまるのかを示す具体例として活用しましょう。
よりイメージを持ちやすくするために、いくつかのペルソナを作成することも効果的です。
⑥採用市場に応じて、募集と選考を実施する
ペルソナのすり合わせを行った後は、募集要件や選考基準に落とし込んでいきます。
同じ「主体性がある」という条件でも、その程度は人によって異なります。
そのため、求める人物像に『主体性がある』と記載するだけでは選考の判断が難しいです。
どの程度の主体性を持っていると自社の求める人物像に近いのかを分かりやすくするためにも、選考基準ごとにペルソナを作りましょう。
また、募集要件を設定する際は新卒サービスごとに設定することをおすすめします。
特にダイレクトリクルーティングや人材紹介の場合、ペルソナの条件が厳しすぎると母集団形成ができないこともあるので、募集要件とともにペルソナも適宜変更していきましょう。
採用要件の優先順位を付ける際には、業務に必要かつ先天的に持っている要素にフォーカスすることがおすすめです。
性格や価値観などの先天的な要素を採用で見極め、能力やスキルなどの後天的に身に付けられる要素を入社後の育成で伸ばしていくことで、ミスマッチを防ぎ長期的に社内で活躍する人材を採用できることになります。
作成したペルソナと実際に出会える学生を照らし合わせながら、現実的な募集要件や選考基準を設定しましょう。
【参考】ダイレクトリクルーティングとは?特徴や他サービスとの違いを紹介
⑦ペルソナの修正を行う
採用活動が終了したら、ペルソナの修正、振り返りを行いましょう。
多くの企業は、年度によって採用したい人材や求める能力、スキルが異なってくるはずです。
そのような場合に「前年と同じペルソナでいいや」とペルソナを修正しないでいると、学生とのミスマッチに繋がり、早期退職のリスクが高まります。
必ず現場や経営陣とコミュニケーションを取り、設定したペルソナが問題ないかを確認するようにしましょう。
採用ペルソナの例・テンプレートシートを紹介
上記の設定方法を踏まえて、フォーマットに沿ってペルソナを作成してみましょう。
まずは採用ペルソナのテンプレートを紹介します。
どの企業、業界でも使えるものとなっておりますので、こちらのテンプレートを参考に、自社でカスタマイズしてご利用頂けますと幸いです。
【保存版】採用ペルソナのテンプレートを大公開!
採用ペルソナを立てる際のテンプレートを紹介しました。
下記のテンプレートは、面接前に記載して頂き、実際の面接時にお手元に置いておくのがおすすめです。
上記のテンプレートを用いながら、採用ペルソナを立てましょう。
その際重要なのが「立てたペルソナの中で、優先順位をつける」ことです。
例えば、「学歴はそこまで重要視しないが、志望業界/業種だけは立てたペルソナとマッチしていることが必須」といった具合に、各項目の中でも優先順位を付けましょう。
立てたペルソナすべてに当てはまる学生は、ほとんど存在しません。
ペルソナの中でも優先順位を決め、それを社内で共有しておくことが重要です。
では実際にどういったプロセスで採用ペルソナを決めて行けばよいのでしょうか。
ここでは、上記で紹介したペルソナのテンプレートシートを用いながら、業界別に3例ご紹介します。
採用ペルソナの立て方を手っ取り早くしりたい!という方は、下記より無料の資料をダウンロード頂ければと思います。
⑴ A社(人材)
まず人材会社で具体例を紹介します。
STEP① 自社の情報を整理する
はじめに自社の情報整理をします。
項目に沿って、表を埋めていくとスムーズに進めることができます。
この際、できるだけ簡潔にまとめておくことで次のステップが取り組みやすくなります。

STEP② ペルソナに求める経験や素質を具体化する
①で整理した情報をもとに、ペルソナを具体化します。
まず、自社情報から特に重要と思われる要素をピックアップします。
A社の場合、以下のような要素を重要なものとしてピックアップできます。
- チームワーク主義
- 上下関係
- ノリの良さ
- 忙しいと残業が多くなりがち(多忙)
- 関わる人が多い
- 営業として、企業/求職者双方と関わる(→どちらとも円滑にコミュニケーションをとり、ニーズを引き出す力が必要)
これらを分類し、ペルソナに求める経験や素質を具体化します。
STEP③ 実際のペルソナを設定する
②で考えた経験や素質をもとに、実際のペルソナを設定していきます。
その際には、具体的に仮説を立てるよう意識してみてください。
例えば、下記のペルソナは
「体育会部活動の中でも、特にチームワークがしっかりしていて多忙さにも耐性があると良さそう。また、受け身ではなく主体的に行動した学生が良いのではないか。」
「協調性を持っている学生は、チームで何かに取り組んだことがある学生や多くの人と一緒に活動してきた学生なのではないか。」
「コミュニケーション能力が高い学生の性格は、ノリが良くて友人が多そうだ。人と話すことが好きだろうから、コミュニケーションが活発な企業を選ぶのではないだろうか。」
といった仮説を立てながら設定しました。
漠然と考えるのではなく仮説とその理由とともに考えることでより質の高いペルソナを設定することができます。
いかがでしょうか? 同じようにもう一例考えてみましょう。
⑵ B社(IT)~エンジニア採用におけるペルソナ設定方法~
次にIT企業におけるエンジニア採用の事例を紹介します。
STEP① 自社の情報を整理する
まずは上記の例と同じように、自社の情報を整理しましょう。
STEP② ペルソナに求める経験や素質を具体化する
B社の場合、特に重要と考える要素は
・事業内容(システム基盤の構築・運用)、募集職種(システムエンジニア)
→ 興味があり、かつマッチ度が高い
・愚直に品質を高めようとする姿勢
→ 基礎から最新技術まで学び続ける意思がある
といった要素を重要なものとしてピックアップしました。
これらから、ペルソナに求める経験や素質を具体化します。
STEP③ 実際のペルソナを設定する
それでは、②で考えた求める経験や素質をもとに、エンジニア採用におけるペルソナを設定しましょう。
下記のペルソナシートは、
「ITへの興味、特にエンジニア職について関心がありそうな学生が良い。関心が強い学生は、その勉強をしていたり長期インターンに取り組んだりしているのではないか。」
「業務に愚直に取り組めそうな学生は、何事にも丁寧に取り組む人だろう。うちは品質重視だから、きちんと技術を身につけたいと思っている人と合うのではないか。」
「向上心が高い学生は、学生時代から勉強熱心な可能性が高そうだ。」
といった仮説を立てながら考えました。
同じようにして、もう1社の例を見てみましょう。
こちらについては、詳細の説明は記載しておりませんので、どのような仮説を元に作成しているのか、想像しながら読んでみてください。
⑶ C社(小売)
最後に小売業の事例で紹介します。
STEP① 自社の情報を整理する
まずはこれまでと同じように自社の情報を整理します。
STEP② ペルソナに求める経験や素質を具体化する
次にペルソナに求める経験や素質を具体化しましょう。
小売業であればコミュニケーションが特に重要です。
選考の場では「聞かれた質問にしっかり答えられているか」等をみて、学生の素質を確認するようにしましょう。
STEP③ 実際のペルソナを設定する
最後にこれまでの情報をまとめ、実際のペルソナを設定します。
ペルソナ設定について、イメージを持てたでしょうか?
自社のペルソナ設定の際に、ぜひ上記のフォーマットに沿って考えてみてください。
ペルソナを設定した後に行うべき施策3選
ペルソナは設定しただけでは意味が無く、実際に実行してはじめて意味を持ちます。
下記の3点を行うことで、新卒の採用活動を成功に導きましょう。
1、使用する採用媒体の設定
まず使用する採用媒体を決定しましょう。
その際大切なのが「設定したペルソナが使用している採用媒体を選定すること」です。
例えば、文系職種の採用を行っているにも関わらず、登録している学生のほとんどが理系である採用媒体を使用してしまうと、自社の要件にあった学生にアプローチすることは難しくなります。
採用媒体を導入する際は、自社が定めた人物像から逆算して検討することがおすすめです。
具体的には、その採用媒体を運営している企業に「登録している学生の特徴」を前もってヒアリングしておくと採用活動がスムーズに進みます。
採用媒体によって「理系学生が多く在籍している」「比較的高学歴な学生が多い」など、特徴が異なるため、各採用媒体の特徴を吟味して使用する採用媒体の設定を行いましょう。
2、ペルソナが興味を持ちそうなスカウト文を送信する
使用する採用媒体を決定したら、定めたペルソナに対してアプローチを行いましょう。
その際重要なのが「各ペルソナに合わせたスカウト文の送信」を行うことです。
例えば、英語が得意な学生ペルソナに設定していれば「グローバルに働きたい人必見!」といった文言を入れるのがよいでしょう。
「スカウト文を送信する経験が無いので、どの様にやったらよいのか分からない・・・」とお悩みの方は下記の記事にてスカウト文の送信方法が解説されているので、合わせてご覧ください。
【参考】スカウトメールの返信率をグッと高める8つの方法を紹介!
【参考】2,500回のABテストで分かった、開封率の高いスカウトタイトルとは?
3、選考体験を向上させる
採用媒体の決定とスカウト文の送信が完了したら、適性検査や面接などの選考に移ります。
学生は選考を通して、社風などの見極めを行うため、選考時の印象は非常に重要です。
例えば「面接官の態度が大きい」「一方的に質問を行うのみで、逆質問の時間を取らない」といったケースでは、選考を通じて学生の志望度が下がってしまいます。
設定したペルソナがどんな選考体験を求めているのかを分析することが、内定承諾まで導くためには重要です。
採用ペルソナを設定する際の4つの注意点
①社内にペルソナを共有する
採用には採用担当者以外の現場社員や役員など様々な社員が関わることが多々あるため、採用ペルソナは共通認識となります。
全体で共通の認識を持ったうえで協力して求める人物像を採用するために、完成したペルソナはしっかりと社内に共有するようにしましょう。
また、学生が実際に入社する際に配属するのは各部署の現場となるので、社内に共有して各部署の反応を見ることで採用ペルソナのブラッシュアップを最適化することもできますね。
②運用後にペルソナの修正を行う
実際にペルソナを選考基準に落としこんで運用したら、運用した結果からペルソナの修正を行うことが必要になります。
例えば、このような想定してなかった場合が出てくる可能性がありますよね。
- ペルソナの想像が高すぎた
- 応募者が集まらなかった
- 思うような人が見つからなかった
この場合、社内全体で理想的なペルソナを設定できたとしても再考せざるを得ないため、採用状況に合わせて再度人材要件を設定し直しましょう。
③ペルソナは必ず複数用意する
またペルソナは1つだけでなく、2つ以上用意することが重要です。
というのもペルソナを絞り過ぎると、採用活動で重要な母集団の形成ができなくなってしまいます。
また「営業部と経理部」「総合職と専門職」などで求める素養は異なることが多いため、ペルソナを1つに絞ると採用要件にマッチした学生に出会いづらくなります。
母集団形成を成功させ、各部署にマッチした学生を採用するためにも、ペルソナは複数用意するようにしましょう。
④ペルソナを細かく設定し過ぎない
ペルソナを細かく設定し過ぎると、自社にマッチした新卒学生が集まりにくいという問題が発生することもあります。
そのためペルソナは細かく設定しすぎず、複数のペルソナを用意しておくのがよいでしょう。
資格や志望業界など、必要最低限の条件を示しておき、人物面は面接で見極めるという柔軟な姿勢も重要になります。
『ペルソナ』と『求める人物像』は何が違う?
求める人物像では、ある程度抽象的にターゲットとなる学生を設定します。
具体的には 「理系」 「主体性がある人」 「組織内で成果を挙げた経験」 など自社が求める人物の条件を決め、実際に候補者を選定する際は、求める人物像に当てはまっているかを判断します。
一方でペルソナでは、ピンポイントに人物像を設定します。
「〇〇大学理工学部在学中」
「アルバイト先で業務効率改善のため社員に提案し、自らマニュアルを作成した」
体育会野球部でパフォーマンスの数値分析をして、練習を設定。その結果、全国大会で1位に」
など、求める人物像を具体化したものがペルソナです。
実際の採用活動では、上記のように細かくペルソナ設定を行うことは稀ですが、1つの具体的な合否の判断基準としてペルソナは活用されます。
ペルソナのニーズを採用ブランディングに活かす
採用ブランディングとは
就活を行う学生や求職者、候補者のニーズを理解した上で企業イメージを発信し、対象者からの共感や信頼を得ることで企業イメージを高め採用力を強化することです。
労働人口の減少や企業の慢性的な人手不足により、採用活動は競争がますます激しくなっています。
従来の求人広告媒体のような”待ち”の手法では質量ともに十分な母集団が確保できず、SNSやダイレクトリクルーティングといったサービスを活用する企業も増えました。
候補者に直接アプローチできる手法のため、自社の魅力をしっかりと届ける力が必要になります。
発信する情報は、自社の強みや企業理念、事業内容や福利厚生など多岐に渡ります。
ペルソナとして設定した学生に対して、どのような情報を発信すれば自社の魅力を届けられるかを考え、求める学生との適切なマッチングを実現し、自社が求める人物像にあった学生を採用しましょう。
【参考】 注目の採用ブランディングとは?注意点や成功のポイントをご紹介!
ペルソナを採用ブランディングに活かす方法
それでは、作成したペルソナをどのように採用ブランディングに活かせば良いのかを確認していきましょう。
実際の手順は、以下の通りです。
①ペルソナのニーズを掘り下げる
②自社の強みとすり合わせる
③メッセージやコンテンツを作成する
④ペルソナに届ける
各項目について、詳しく確認していきましょう。
①ペルソナのニーズを掘り下げる
まずは、設定したペルソナの求めていることを掘り下げます。
ペルソナのプロフィールから、「仕事に対してどのような価値観・希望を持っているかの想像を膨らませていきます。
例として、上述のA社のペルソナのニーズを考えてみましょう。
「とにかく成長したい!若手のうちから、自分がチームを主導するような機会が欲しい」
「部活やアルバイトの経験がすごく楽しかったので、たくさんの人と一緒に仕事ができたら嬉しい
「人の笑顔が大好きなので、相手が本当に求めていることを提供できる仕事がしたい」
といったニーズが考えられるのではないでしょうか。
ペルソナのニーズについて考えるときには、一旦自社のことは置いておいて、「ペルソナになりきって考える」ようにしましょう。
そうしないと、自社に都合の良いニーズだけを汲み取ってしまう可能性があります。
次のステップで、考えたニーズが自社の強みとマッチするかについては検討を行います。
あらゆる可能性を考慮した上で、自社の強みとすり合わせを行うためにもこの段階では広く考えることを意識してみてください。
②自社の強みとすり合わせる
次に、①で考えたペルソナのニーズと自社の強みがマッチするかの確認をします。
この手順を踏むことで、 「ペルソナのことをきちんと考えられている」「自社の魅力が伝わる」 メッセージやコンテンツを作成することができます。
ペルソナ作成の際に確認した自社の情報も参考にしながら、 「そのペルソナのニーズは自社で満たすことができるか?」も含めて確認をしてみましょう。
同様に、A社について考えてみましょう。
③メッセージやコンテンツを作成する
①②で「ペルソナのニーズ」と「自社の強み」の確認を行いました。
ここから「ペルソナに対して、自社の魅力をどのように伝えるか」を検討します。
ニーズを十分に加味した上で、伝えたいメッセージやペルソナが参加したくなるコンテンツを作成していきます。
それでは、A社を例にして考えてみましょう。
ペルソナのニーズと自社の強みが合致した、上記の3点について魅力を伝えられるコンテンツを設計します。
例えば、このようなコンテンツが考えられます。
- 実力で評価され、チームリーダーをつとめている社員の座談会(新卒2年目)
- 営業体験のインターンシップ(営業職の説明、社員を相手に営業体験をしてみる)
- 社長講話(理念の背景にある思いについて 等)
伝えたいメッセージを軸に、学生が参加したいと思う かつ 自社に魅力を感じてくれそうな内容を考えてみましょう。
④ペルソナに届ける
メッセージやコンテンツを作成したら、今度はそれを届ける段階に入ります。
ペルソナのニーズに沿って考えたのですから、ペルソナに近しい人材に届けられるサービスを利用すると良いでしょう。
ペルソナを採用ブランディングに生かすためには、ダイレクトリクルーティングツールがおすすめです。
ダイレクトリクルーティングは、企業から学生に逆求人ができるサービスです。
「学歴」「経験」「スキル」「価値観」等を指定して自社に合った学生にアプローチすることが可能です。
加えて、学生のプロフィールを見てスカウトを送信することができるので、自社にフィットした学生に出会いやすいというメリットがあります。
ペルソナに近しい学生を探す際に、上記の条件を指定したりプロフィールを確認したりすることで、より早く確実なアプローチができます。
また、自社からアプローチができるため、いつどのくらいの数の学生に会いたいのかといった部分のコントロールも可能です。
さいごに
採用ペルソナの設定とポイント・具体例、設定したペルソナを採用ブランディングに活かす方法を紹介しました。
自社の求める人物像に沿ったペルソナを設定し、ペルソナに近しい学生にメッセージを届けることで、効率よく選考を行うとともに、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
今回ご紹介した内容を参考に、ペルソナ設定を試してみてください。