就活早期化に伴う優秀な学生の囲い込みのために、企業自らが学生にアプローチする攻めの採用手法を導入する企業が増えています。そのような状況のなかで、ダイレクトリクルーティングを検討しているご担当者さまも多いです。
本記事では、ダイレクトリクルーティングを新たに導入するか迷っている方に向けて、メリット・デメリットや、そのほか採用手法との特徴比較、代表的なサービスなどをご紹介していきます。導入検討時のご参考になれば幸いです。
ダイレクトリクルーティングとは?
ダイレクトリクルーティングとは、ダイレクトリクルーティングサービスに登録している学生データベースのなかから、企業側が自社の採用要件に合致した人材に直接スカウトを送る採用手法です。
人材紹介やナビ媒体といった求職者からの応募を受ける「待ち」の採用手法と比較し、ダイレクトリクルーティングは企業自らがアプローチできる「攻め」の採用手法と呼ばれています。
ダイレクトリクルーティングが注目されている背景
「売り手市場による採用難」や「インターンシップの定義改正」によって採用競争が激化しています。その結果、早めの段階で学生との接点を持ち、選考を行い、内々定を出す企業が顕著に増加し、就活が早期化しています。
株式会社学情が行った2026年卒の採用に関するアンケート結果では、従来の採用スケジュールでは選考を開始する時期であった2025年3月(=大学3年次・院1年次)には、約68.8%の企業が既に内々定出し開始している予定だということが分かりました。
【参考】株式会社学情『2026卒採用』
このような就活が早期化している現状において自社の採用要件とマッチする人材を獲得するためには、企業が自社の求める人材との接点を今までよりも多く持っておく必要があります。
そこで活躍するのが、ダイレクトリクルーティングです。
企業自らが求める人材を見つけ、アプローチすることで、今までよりも幅広い層の学生と接点を持つことが可能になります。
特に就活早期は「まだどの企業が良いか分からない」「業界を幅広く見ている」という学生も多いです。そのような学生に自社の名前を知ってもらい、応募に繋げようと、新たにダイレクトリクルーティングを導入する企業が増えています。
ダイレクトリクルーティング以外の採用手法と特徴比較
「他の採用手法と比較して、ダイレクトリクルーティングを導入するか決めたい」という方に向けて、ここではダイレクトリクルーティング以外の採用手法との特徴を比較していきます。
応募数、費用、工数などを比較した以下の特徴比較表も参考にしながら、ぜひ自社に合った採用手法選びの参考にしてみてください。
【ナビ媒体とダイレクトリクルーティングの違い】
企業情報や採用情報を掲載して、候補者からの応募を待つナビ媒体。主な新卒ナビ媒体として「マイナビ」や「ONE CAREER」などが挙げられます。
ナビ媒体は、既に自社に興味を持っている学生からの応募を促す採用手法です。母集団の質をコントロールしにくく、必ずしも自社の採用要件に適った学生が集まるとは限りません。
そのため、採用要件に合致する学生にスカウトを送るダイレクトリクルーティングに比べると、選考負担が増える可能性があります。
また、学生からの応募を待つナビ媒体は、企業知名度が高い場合は応募が集まりやすく有利ですが、知名度が低い場合はなかなか集客に繋がりにくいです。
▼ナビ媒体がオススメな企業の特徴
- 学生からの応募数と選考通過率に困っていない
- 大手企業で学生認知度が高い
【人材紹介とダイレクトリクルーティングの違い】
人材紹介は、担当エージェントを介しながら、自社の採用要件に合致した求職者を紹介してもらう採用手法です。主な人材紹介サービスとしては「doda新卒紹介サービス」や「リクナビ就職エージェント」などが挙げられます。
人材紹介では、自社の条件に合った学生の選定や選考参加への意欲付けなどをエージェントが行ってくれるため、自社での運用負担が少ないです。そのためダイレクトリクルーティングを運用するよりも工数削減が期待できます。
一方で、企業あたりに紹介してもらえる学生数が限られており、また、1名あたりの採用コストが100万円程度と他の採用手法に比べて高くなる傾向があります。応募数や費用への心配がある場合は、ダイレクトリクルーティングを検討したほうが良いでしょう。
▼人材紹介がオススメな企業の特徴
- 工数負担を少なく、ある程度自社に合った人材と接点を持ちたい
- 費用はかかってもいい
【リファラル採用とダイレクトリクルーティングの違い】
内定者や社員に知り合いの求職者を紹介してもらうリファラル採用。基本的には社内で運用する形になりますが、「MyRefer」や「Refcome」などの支援サービスを利用することもできます。
リファラル採用を行う最大のメリットは、1名あたりにかかる採用コストを0円〜30万円程度に抑えることができる点です。自社でインセンティブの額を設定できるため、費用面の懸念が大きい企業にオススメです。
リファラル採用では求職者を探す範囲が内定者や社員の交友関係に限られるため、自社の社風とマッチした人材を集めやすい一方、紹介数が限られてしまうというデメリットもあります。応募数を担保したい場合は、自社から学生にアプローチできるダイレクトリクルーティングを利用する方が良いでしょう。
▼リファラル採用がオススメな企業の特徴
- 費用を抑えたい
- 採用予定人数の枠が少ない
ダイレクトリクルーティングを導入する5つのメリット
まずはダイレクトリクルーティングのメリットから紹介していきます。
▼ダイレクトリクルーティングを導入するメリット
①自社にフィットする学生へ主体的にアプローチできる
②採用コストをおさえられる可能性がある
③採用のノウハウを蓄積できる
④理系・エンジニア志望の学生と出会う可能性が高まる
⑤海外人材などの採用も行える
以下で詳しく解説していきます。
メリット①自社にフィットする学生へ主体的にアプローチできる
ダイレクトリクルーティングの最大の特徴は、会いたい学生に企業から直接アプローチできることです。
従来の採用手法とダイレクトリクルーティングではどのような点が異なるのでしょうか。 以下の図は、各採用手法の特徴をプロットしたものです。
ナビ媒体や採用イベントでは、自社にエントリーする学生をコントロールすることができません。それ故たくさんのエントリーが集まったとしても、自社にフィットする学生がいなければ、選抜する工数が多くかかってしまいます。
人材紹介を利用した場合は、自社に合った学生に絞って接点をつくることができるものの、学生と会えるか否かは人材紹介会社の紹介量に依存します。言い換えれば、人材紹介会社が自社にフィットする学生を紹介してくれない限り、学生と会うことができない、「待ち」の採用手法なのです。
その点でダイレクトリクルーティングでは、「自社にフィットする学生に絞ってアプローチできる」「自社からアプローチする《攻め》の姿勢で採用ができる」ため、ナビ媒体や人材紹介の課題をクリアできます。
メリット②採用コストをおさえられる可能性がある
ナビ媒体は前金型で、採用人数に関係なく広告掲載料が発生します。ナビ媒体経由で採用人数が多くなればなるほど1人あたりの採用単価は下がっていきますが、仮に採用人数が0人だったとしてもコストがかかります。
人材紹介は成功報酬型で、1名採用あたり100万円前後の費用がかかります。人材紹介会社の担当者が学生の選定を行ってくれるため工数は削減できますが、その分金額は上がります。
ダイレクトリクルーティングの料金体系は、事前にサービス利用費を支払う前金型と、内定承諾の数だけ支払う成功報酬型の2つがあります。
前金型は、採用人数に関わらず費用がかかるためリスクがありますが、成功報酬型よりも安い価格でダイレクトリクルーティングを利用することできます。前金型では採用できる人数が設定されていることが多く、設定人数以上に採用する場合はプラスで料金がかかるため注意が必要です。
成功報酬型は、内定承諾が出るまで費用がかからないため、リスクなくダイレクトリクルーティングを利用できます。一方で、前金型よりも比較的高く料金設定されている場合が多いです。
ダイレクトリクルーティングの利用初年度はリスクの少ない成功報酬型を利用し、採用数の目安がついた翌年度以降に前金型を選択することで、他の採用手法よりも費用のリスクを低く、安く利用できるでしょう。
メリット③採用のノウハウを蓄積できる
人材紹介会社に任せっきりになってしまうと、集客や選考プロセスの中で学生と接触する機会が失われてしまい、採用に関するノウハウを自社に蓄積できません。
人材紹介会社が頼れなくなってしまったとき「採用目標を達成するために何をするべきかが分からない」という状況に陥ってしまうリスクがあります。
ダイレクトリクルーティングでは、学生の自社に対する興味を喚起をするところから、内定承諾をしてもらうところまでを一貫して取り組むことになります。
「自社の採用上の競合優位性をつくれること」や「学生に自社の魅力を適切に伝えられること」など、採用するのに必要な能力は挙げていけばキリがありません。
▼効率的な採用に必要なナレッジの例
- どのような魅力を訴求すると、学生は魅力に感じてくれるのか
- どのようにコミュニケーションを取れば学生は心を開いてくれるのか
- 内定後どのようなフォローをすれば、承諾してくれるのか など
これらに対するノウハウは一朝一夕で見つかるものではなく、地道に試行錯誤する中で徐々に見えてくるものです。
ダイレクトリクルーティングでは採用活動を自社で完結させるため、これらのノウハウが自社にたまります。その結果として、自社の採用の地力を高めることができるでしょう。
メリット④理系・エンジニア志望の学生と出会う可能性が高まる
自社にフィットした人材にアプローチをするので「理系職やエンジニア志望の学生」と出会える可能性が高まります。
「エンジニア不足に悩んでいる・・・」「理系の学生を採用したい」という場合は、学生の学部・経験まで細かく見て判断できるダイレクトリクルーティングがおすすめです。
メリット⑤海外人材などの採用も行える
グローバル化が進むなか、多様なバックグラウンドを持つ候補者を求めている企業様も多いのではないでしょうか。
ダイレクトリクルーティングでは、特定のスキルや経験を持った人材に対して自社からアプローチできるため、日本国内のみならず、海外大学に通う求職者へとコンタクトすることも可能です。
またダイレクトリクルーティングのスカウトサービスを提供している会社の中には、海外からの留学生に特化したサービスや、グローバル人材に求めるスキルで絞り込み、求職者データベースの中から検索ができる機能があるものもあります。
ダイレクトリクルーティングを導入する4つのデメリット
ここからは、ダイレクトリクルーティングのデメリットを紹介していきます。
▼ダイレクトリクルーティングを導入するデメリット
①運用に工数がかかる
②学生の志望度を上げる作業が必要
③ノウハウがないと成果を出すのは難しい
④出会える候補者の数に限りがある
以下で詳しく解説していきます。
デメリット①運用に工数がかかる
ダイレクトリクルーティングのデメリットは、なんと言っても運用にかかる工数です。
▼ダイレクトリクルーティング運用に必要な作業
- データベースから自社にフィットする学生を検索
- 一人ひとりに合わせたスカウト文章を作成し、送信
- 返信をくれた学生と個別で日程調整
- 運用ノウハウの蓄積
現状の人的リソースでは運用できない場合、別途ダイレクトリクルーティングの運用チームを組成したり、自社で取り組む必要のない雑務をアウトソースすることは可能です。
弊社が独自で作成したダイレクトリクルーティング工数算出表では、1名採用にかかる事務作業の時間を簡単に算出できます。ぜひこちらを利用しながら、自社の採用にかかるダイレクトリクルーティングの運用工数を概算してみてください。
デメリット②学生の志望度を上げる作業が必要
2つ目のデメリットは学生の志望度を上げる難易度が高いところです。
新卒ナビ媒体や新卒紹介経由で会う学生は、既にある程度自社に興味を持っている状態です。そのため、企業について既に知っている場合が多く、特段苦労することはないでしょう。
しかし、ダイレクトリクルーティングで学生と接触する場合はそうはいきません。
最初から自社に興味を持っていることはあまりなく、学生に合わせて自社の魅力を訴求し、興味を喚起する必要があります。
上述した通り、学生の興味を喚起するコミュニケーションを会得するのには試行錯誤を要し、それができるようになるまでは苦労をするかもしれません。
デメリット③ノウハウがないと成果を出すのは難しい
3つ目のデメリットとしては「ノウハウがないと成果を出すのが難しい」ことが挙げられます。というのもダイレクトリクルーティングは「候補者が興味を持つ仕掛けづくり」が何より重要だからです。
まずは自社の強みを整理し、学生にアピールする点を明確にするのがおすすめです。
その後、自社の魅力を最大限アピールしたスカウト文を送信し、学生に興味を持ってもらいましょう。
デメリット④出会える候補者の数に限りがある
デメリット①でも挙げた通り、ダイレクトリクルーティングでは膨大なデータベースの中から求職者一人ひとりのプロフィールを読み、自社とフィットする人材を探すことが基本です。
また採用担当者様も、ダイレクトリクルーティングのみに集中して採用を行うことは難しく、他の採用手法や会社説明会運営など、他の業務と並行して行わなければなりません。
スカウト送信には工数がかかるため、送信できるスカウト数は限られます。
ダイレクトリクルーティングでは、自社とマッチする学生と出会いやすいというメリットがある一方で、その分ナビ媒体のように大量の学生と出会うことは難しい採用手法です。
はじめてのダイレクトリクルーティングならMatcher Scout
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ダイレクトリクルーティングはこのような企業にオススメ
採用を成功させるには、自社に合った採用手法を選ぶことが肝心です。自社の採用における弱点を克服、または強みをより活かせるような採用手法を選びましょう。
▼ダイレクトリクルーティングがオススメな企業の特徴
- 母集団の数を増やしたい
- 自社にフィットする学生に会いたい
- リスクを少なく採用を行いたい
- 効率的に採用目標を達成したい
以下で詳しく解説していきます。
母集団の数を増やしたい
ダイレクトリクルーティングでは、自社から学生にアプローチします。
そのため学生に送信するスカウトの量を調整することで、母集団の量をコントロールすることが可能です。
「説明会への集客がなかなかうまくいかない」「採用市場における自社の認知度が低い」 このような場合にダイレクトリクルーティングを導入することで、母集団形成を成功させることができます。
自社にフィットする学生に会いたい
たとえ母集団の量を獲得できたとしても、そのなかに自社にフィットする学生がいなければ採用には至りません。
したがって、自社にフィットする学生にアプローチし母集団形成をしていく必要があります。
ダイレクトリクルーティングでは、学生が大学時代に頑張ったことや将来の目標などが記載されたプロフィールを読み、自社に合いそうな学生を見つけることができます。
リスクを少なく採用を行いたい
一般的な採用媒体では、採用結果に関わらず特定の期間ごとに掲載料などの料金が発生します。
新たな採用媒体を導入する場合、基本的にどれだけの結果が得られるか不明瞭な状態で支払いを行わなければいけないというリスクがあります。
ダイレクトリクルーティングサービスは成功報酬型の料金形態が主なため、「せっかくお金を払ったのに一人も採用につながらなかった」ということが起きません。
リスクを少なく採用を行えます。
効率的に採用目標を達成したい
上述したように、ダイレクトリクルーティングでは自社に必要な量や質に合わせ、学生へアプローチすることが可能です。
自社の採用における弱点の克服や、強みの強化など、状況に合わせて最善の形にカスタマイズした採用を行えます。
また、ダイレクトリクルーティングの運用に伴い、採用ノウハウを蓄積できます。学生に対して効果的な訴求など、採用全体に応用できるコツを掴むことで効率化に繋がります。
ニーズ別|代表的なダイレクトリクルーティングサービス3選
ここでは、新卒ダイレクトリクルーティングの代表的なサービスを、採用ニーズ別に3つご紹介していきます。
気になるサービスがありましたら、ぜひ検討してみてください。
運用工数や費用リスクを最低限におさえるならMatcher Scout
「初めてのダイレクトリクルーティング運用、どうしたらいいか分からない」「費用のリスクは最低限に押さえたい」このようなニーズをお持ちの場合は、最安採用単価30万円で運用代行まで利用できるMatcher Scoutがオススメです。
国内最大級のOB訪問サービス「Matcher」に登録する学生のデータベースの中からスカウトを送ることができるため、情報感度が高く、就活意欲の高い、主体的な学生と出会うことができます。
初めてのダイレクトリクルーティング運用には、運用代行で工数をかけずに始められ、さらに採用するまで0円で利用できる成功報酬型がオススメです。
費用リスクを最低限に押さえたい場合は、運用代行で社内人件費もかからず、最安採用単価が30万円の前金型をオススメしています。
さらに、貴社のニーズに合わせてオプションも追加することが可能です。詳しくはこちらからお問い合わせください。
出会える学生の総数を増やしたいならOfferBox
中小企業やスタートアップ企業では、自社の認知度がまだ低く、なかなか求職者からの応募が来ないというお悩みがあるかと思われます。この場合、出会える学生の総数を増やしたいというニーズに答えられるサービス選びが軸となります。
登録学生数が24.5万人のOfferBoxは、オファー開封率が82%と高い水準のため、自社の存在を学生に認知してもらいやすいです。
成功報酬型では38万円/名、前金型では採用枠制限ごとに75万円〜250万円で利用できます。
【参考】OfferBox 公式HP
就活後期に優秀層へアプローチするならABABA
近年の就活の早期化を逆手に取ったダイレクトリクルーティングサービスが、他企業の最終面接まで進んだ学生にスカウトを送れるABABAです。
登録している学生が「どの企業で」「どの段階まで選考に進んだか」が可視化されているため、ESや一次面接などの選考をスキップして工数を削減することもできます。
また、採用活動の開始時期が遅れてしまった企業でも、優秀な学生にアプローチすることが可能です。
【参考】ABABA 公式HP
ダイレクトリクルーティングのよくある失敗パターン
この記事を読んでいる方の中には「すでにダイレクトリクルーティングを導入しているが、うまく進められない」とお悩みの方もいるかもしれません。
ここからはダイレクトリクルーティングを導入したが、採用活動がうまく進まない企業がよく陥る“失敗パターン”をご紹介します。
▼よくあるダイレクトリクルーティングの失敗パターン
- 自社に合わない候補者にアプローチしてしまう
- スカウト送信段階から厳選してしまう
- 自社への志望度を高く見積もってしまう
自社に合わない候補者にアプローチしてしまう
よくある失敗パターン1つ目は「自社に合わない候補者にアプローチしてしまう」ことです。
ダイレクトリクルーティングを始めるタイミングで、あいまいなターゲティングをしてしまうと、自社に適さない学生にスカウトを送ってしまう状況に陥ってしまうかもしれません。
ダイレクトリクルーティングを始める際にはかならず丁寧に採用ペルソナを設計し、候補者の要件を決める必要があります。
スカウト送信段階から厳選してしまう
よくある失敗パターン2つ目は「スカウト送信段階から候補者を厳選してしまう」ことです。
もちろん入社する新卒学生の能力は高ければ高いほど良いかもしれません。
しかし、現在採用市場は売り手市場です。
そのため「条件を絞りすぎて、スカウトメールを送ったが誰からも反応がなかった」というパターンも考えられます。
内定辞退や選考辞退を前提とした母集団を形成する必要があるのです。
自社の現状を理解したうえで、スカウトを送る必要があります。
自社への志望度を高く見積もってしまう
よくある失敗パターン3つ目は「自社への志望度を高く見積もってしまう」ことです。
スカウトを受け取った時点での学生の企業に対する志望度は、ほぼ0といってよいでしょう。
そのため、スカウトを承諾したからといって「自社に入りたいと思っている!」と考えるのは避け、丁寧に志望度を醸成していく必要があります。
スカウト送信後にはいきなり選考に進んでもらうのではなく、自社の理解を深めてもらうためのカジュアル面談を実施することがおすすめです。
ダイレクトリクルーティング運用を成功させるコツ
ここからは、実際にダイレクトリクルーティングを導入した際に気をつけるべきことや、運用を成功させるコツをご紹介します。
こまめな連絡を行う
ダイレクトリクルーティングでは自社から学生にスカウトを送り、アプローチを行います。
スカウトを受け取った学生は『自分に対して興味を持ってくれている』という点に好感を持つ場合が多いです。
こまめに学生に連絡を取ることで、スカウトの特別感がより一層強まり、自社への興味や関心も大きくなる可能性があります。
一方で、返信があまりにも遅い場合や、文章内容が使いまわせるテンプレートの場合は、せっかく醸成した特別感が薄れてしまいます。
ダイレクトリクルーティング運用の際は、学生へのこまめな対応を行うことが大切です。
コミュニケーションに一貫性を持たせる
「スカウトに記載していたイベント内容に期待して参加したら、実際には違う内容だった」
「プロフィールを読んだ旨がスカウトに記載されていたのに、面接官はプロフィール内容を知らないようだった」
まさか?と思うかもしれませんが、こちらは実際にあった事例です。
イベント内容が変更になることや、面接官の急な変更など、様々な理由で事前にスカウトなどで伝えていた内容とは異なるものを実施しなければいけない場合もあると思います。
そのような場合には一言学生に伝えることが大切です。
ダイレクトリクルーティングでは、スカウトが持つ特別感をいかに持続させ、自社に興味を抱いてもらうかが大切です。
齟齬をなくしてコミュニケーションに一貫性を持たせることは、ダイレクトリクルーティング運用の成功に繋がります。
スカウト運用を常に改善していく
スカウトを送る時期や対象の年卒などによって、効果的な訴求が異なります。また、自社の魅力の伝え方を変更することによって、スカウトの開封率や承諾率などが大きく変化します。
▼スカウト運用改善で見るべきポイント
- 自社がアプローチしたい学生にはどのような訴求が響くのか
- スカウトが承諾されやすい時期はいつなのか
- どのようなイベント内容だと集客しやすいのか
このように、効果的なスカウト運用を行うために改善意識を持って取り組むことが大切です。
社内の理解を得る
また社内の理解・協力を得るというのも重要です。
ダイレクトリクルーティングは、運用するのに大きな工数がかかり、1人で運用するのは困難といえます。
時には、他部署の社員と協力する必要もあるため、社内の理解・協力体制は必要不可欠です。
ダイレクトリクルーティングによる採用活動を成功させるためにも、運用前から社内の協力体制を構築しておくようにしましょう。
さいごに
本記事では、ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリットをお伝えしました。
冒頭でもお伝えしましたが、ダイレクトリクルーティングを利用すれば新卒採用の課題が全て解決できるというわけではありません。
ダイレクトリクルーティングの特徴を理解した上で、自社の採用課題が解決できるかを考えて導入を検討しましょう。