試用期間中に会社都合で解雇したい場合は、慎重に判断しなければ不当解雇にあたる場合があります。
本記事では、
について、具体的な裁判事例を紹介しつつ詳しく解説しています。
注意点を踏まえて、今後の採用活動に活かしましょう!
試用期間とは、採用者に自社の社員としての適性があるかどうか見極めるために設けられるお試し期間のことです。
1~6ヶ月程度の期間を設け、採用者に実際の業務に取り組んでもらい、パフォーマンスや業務態度を評価します。
試用期間中の労働契約は、通常の労働契約とは異なり、企業側に従業員を解約する権利が付与された契約(解約権留保付きの労働契約)であるとされています。
つまり、試用期間中において、採用者に業務適性がないとされた場合、企業側は採用者を解約する権利を有しているということになります。通常の解雇より広い範囲において解雇の自由が認められているということです。
しかしながら、採用者を解約する権利が認められているからといって、試用期間中に好き勝手に採用者を解雇できるわけではありません。労働契約自体は成立しているという状態になるため、一定程度厳格な解雇規制が敷かれることになります。
試用期間中の解雇について解説している厚生労働省の見解によると、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められるような場合にのみ、解約権の行使が相当であるとされています。
試用期間中の場合であっても、採用者に対して、労働時間・給与・待遇などの諸条件を含む雇用条件を提示する必要があります。
試用期間中の雇用条件についてはいくつか注意すべき点があり、主に以下の3点が挙げられます。
▼試用期間中の雇用条件について注意するべき点
試用期間の長さについて明確な法規定はなく、企業側が自由に設定します。
一般的には、3~6ヶ月程度に設定している企業が多いです。
▼実際の企業における試用期間の設定例
試用期間は3~6ヶ月程度を目安に設定し、最大でも1年以内に設定するのが望ましいといえます。
【参考】ソフトバンク株式会社『募集要項』
【参考】日本航空株式会社『職種別募集要項|新卒』
【参考】株式会社NTTデータ『募集要項』
【参考】三菱商事株式会社『新卒採用』
試用期間中の給料について、留意しておくべき点として以下2つが挙げられます。
▼試用期間中の給料について留意しておくべき点
試用期間中も、採用者とは正式な雇用契約を結んでいる状態です。試用期間中=仮の契約だと考えて給料を支払わないと違法行為に当たるため、注意しましょう。
ただし、企業・従業員双方が合意した上であれば、給与・待遇が試用期間中と本採用後とで異なっていても問題ありません。減額の程度は企業側に任されており、例えば月給20万円の場合、試用期間中は19万円に設定しておくことが可能です。
また、都道府県労働局長の許可を取れば、試用期間中の給与設定を最低賃金の20%まで減額することができます。この減額率は、採用者の経歴や能力、職務内容を総合的に考慮して企業側が決定します。
▼東京都最低賃金(1013円)を減額したい場合
減額率:15%に設定
減額する額:1013×0.15=151.95 151円
試用期間中の賃金:1013-151=862 862円
以上で挙げた項目(減額率・減額後の賃金)を厚労省が定める申請書に記入し、所定の労働基準監督署に提出するという流れになります。
試用期間中の給与・待遇を本採用後のものとは別に設定する場合には、採用者との合意が必須であるため、異なる旨を雇用契約書・就業規則などでしっかりと明示しておくようにしましょう。
試用期間中であっても、事業主側は採用者を各種保険(労働保険・社会保険)に加入させる必要があります。労働保険や社会保険は法によって定められた強制加入のものであるため、従業員が加入要件を満たす場合には、企業側が加入義務を負うことになります。
試用期間中だからといって各種保険に加入させない場合、罰則を受けることになってしまうため注意しましょう。
以下の条件を満たしている場合のみ、試用期間の延長を行うことが可能です。
▼試用期間を延長できる条件
試用期間の延長は、労働者を非常に不安定な立場に追いやるため、理由や合理的な根拠なく延長を行った場合、不当だと判断される可能性があります。
試用期間を延長するべき合理的な理由は主に以下の2点が挙げられます。
▼試用期間を延長すべき合理的な理由
また、繰り返し試用期間の延長を行った場合、トータルの労働時間が長くなりすぎてしまい、試用期間ではなく通常の労働期間だと判断される場合もあります。試用期間の繰り返しの延長はできるだけ避けるようにしましょう。
結論から言えば、会社都合による試用期間中での解雇は可能です。しかしながら、先にも述べた通り、解雇理由には一定の合理性が必要であるため、試用期間で解雇したい場合には慎重な判断が必要であると言えます。
ここでまず気を付けてほしいのが、”試用期間中の解雇”は「本採用拒否」と「試用期間中の解雇」の2種類があり、後者は特に注意が必要だということです。
それでは、「本採用拒否」と「試用期間中の解雇」にはどのような違いがあるのでしょうか。詳しく解説します。
本採用拒否とは、試用期間の終了と同時に解雇する場合を指します。
例えば、3か月という試用期間を設定していたが、入社後3か月が経過してから解雇する場合がこれに当たります。
試用期間中の解雇とは、予め設定した試用期間の終了を待たずして解雇する場合を指します。例えば、3か月という試用期間を設定していたが、2か月で採用者を解雇した場合です。
以上2種類を比べた際、試用期間の途中で解雇する場合は本採用拒否に比べて不当解雇になりやすいです。もしも採用者から訴えられた場合、「採用者の適性を見極めるために設けた試用期間を待たず、性急に解雇した」と判断される可能性が高いからです。
本採用拒否ではなく、試用期間の途中で解雇したい場合には、まずは労働問題に詳しい弁護士事務所などに相談してから進めるのがおすすめです。
それでは、実際にどんな場合に試用期間中の解雇が認められるのでしょうか。
具体的には、以下の3つのケースが挙げられます。
▼試用期間中の解雇が認められたケース
試用期間中の社員が、業務外の理由で病気や怪我を被り、業務の継続が困難になった場合、正当な事由として解雇することが可能になります。
ただし、病気や怪我をしたからといって直ぐに解雇できるわけではなく、適切な手続きを踏んだ上での対処が必要です。
手順は以下の通りです。
▼病気や怪我を理由に解雇する手順
病気や怪我を理由に就業困難になった場合でも、すぐに解雇できるわけではないので注意しましょう。
企業側が指導をしているにも関わらず、正当な理由がない遅刻・欠勤を繰り返している場合には正当な解雇事由として認められます。ただし、どれくらいの期間中に、何回遅刻・欠勤をすれば解雇できるという絶対的な規定はありません。
また、企業側が勤怠不良に対して指導をしないまま解雇してしまうと、不当解雇にあたってしまう場合があります。勤怠不良が生じた場合には、欠勤理由の確認を行った上で、書面で注意指導を行うなど、適切な指導を行いましょう。
採用者が学歴・職歴・犯罪歴などその他重要な経歴について、企業側に虚偽の申告をしており、それが重大な経歴詐称に該当する場合は、正当な解雇事由に当たります。
解雇が認められる重大な経歴詐称とは、新たに発覚した事実が予めわかっていれば、採用者を採用しない・同一条件では契約を結ばなかった場合を指します。
例えば、実際にはシステムエンジニアとしての業務経験がないのにも関わらず、経歴を詐称して企業側を誤認させ、不当に賃金を得ていた場合などがこれに当たります。
ただし、学歴・職歴・資格を除く些細な部分の詐称では、重大な経歴詐称に当たらず、解雇が認められない場合もあるため注意が必要です。
一方で、以下のような場合は試用期間中の解雇が違法とされる場合があります。
▼試用期間中の会社都合での解雇が違法とされたケース
繰り返しになりますが、適切な指導を行わずに解雇を行った場合、不当解雇に該当する可能性があります。
以下に、必要な指導が見受けられなかったために不当解雇に当たってしまった事例を挙げます。
【有限会社X設計事件 平成27年1月28日判決】
▼概要
土木関連の会社に図面作製の経験者として採用された従業員が能力不足を理由に試用期間満了後に解雇されたが、不当解雇と判定されたケース。
▼能力不足の内容
▼判決の理由
従業員に図面作製の適性がないとはいえず、また、会社からの具体的な指導も見受けられなかったとして、不当解雇として判決が下っています。
一度きりの軽微なミスや遅刻を理由に解雇を行うことは、違法となる可能性が高いです。解雇の決定をする前に、適切な指導を行い、労働者と話し合いを行う必要があるでしょう。
業務上のノルマ達成状況や売上など、成績のみを理由に解雇を行った場合、不当解雇に該当する可能性が高いでしょう。
ノルマの達成状況や売上の成績は、労働者の能力や勤務態度だけではなく、マーケットの状況や社会状況、指導者の方針など、様々な要因が混在しています。業務上の成績の悪さだけで解雇を判断した場合は、解雇が無効になる可能性が高いです。
採用者に業務遂行に必要な能力が備わっておらず、期待していた結果が出ない場合が能力不足に当たります。
能力不足を理由に解雇する場合は、慎重な判断が必要です。
過去の裁判例を参照すると、企業側の指導の有無などの状況の違いによって、同じ”能力不足”で解雇した場合でも不当解雇に当たっているケースが見受けられるためです。
能力不足で解雇する場合は、不当解雇にあたる場合があるため、以下3つのポイントに注意しましょう。
▼試用期間中に能力不足で解雇する場合の注意点
「試用期間中に従業員を解雇したい…」と考えた場合、まずは会社側から指導を行いましょう。それでも改善が見られない場合、すぐに解雇するのではなく、試用期間満了まで待った上で解雇する方が安全です。
また、新卒・未経験者を解雇したい場合には、不当解雇にあたるかどうか判断が難しいため、専門の法律事務所・弁護士に相談してみましょう。
次の見出しから、試用期間中に能力不足での解雇が認められたケース・違法とされたケースについて解説していきます。
同じ「能力不足」による解雇でも、認められたケースと違法となったケースがあります。その違いはどこにあるのでしょうか。
本章では、まずはじめに、能力不足での解雇が認められたケースについてご紹介します。
▼試用期間中に能力不足での解雇が認められたケース
能力不足で解雇する場合でも、会社側から十分な指導があり、解雇を忌避する努力が行われている場合には、正当な解雇事由として認められるケースがあります。
以下に、具体的な事例として、日本基礎技術事件を挙げます。
【日本基礎記述事件 平成24年2月10日判決】
▼概要
建築会社に新卒で採用された技術者が、能力不足を理由に試用期間中に解雇されたが、正当な解雇として認められたケース。
▼能力不足の内容
▼判決の理由
判例の詳しい内容は以下の記事をご参照ください。
新卒社員の研修態度の悪さに対して、会社側が解雇を忌避する努力、つまり十分な指導を行っていた点が重要な点になります。
業務上期待されていた能力が採用者に不足していた場合には、試用期間中の解雇でも正当とされる場合があります。
具体的な事例として、リーディング証券事件を挙げます。
【リーディング証券事件 平成25年1月31日判決】
▼概要
証券アナリストとして採用された韓国国籍の従業員が、ネイティブレベルの日本語が備わっていないとして試用期間の途中で解雇され、判決で有効とされた事例。
▼能力不足の内容
▼判決の理由
当該従業員が入社後に作成したアナリストレポートの出来栄えは、企業が求めていたレベルには到底達していなかったこと。
また、採用時に即戦力としての採用を決定づけたレポートに関して重大な秘匿があったことを踏まえて、解雇が有効と判断されています。
このように、採用の過程で、人材の判断を誤らせるような事実が発覚した場合は、試用期間中の解雇も正当とされる可能性があります。
能力不足を理由にした解雇は、基準が厳しく、不当解雇と判定されやすいです。
特に、①新卒・未経験社を能力不足で解雇する、②試用期間の途中で解雇する場合は不当解雇とされる可能性があります。
以下で詳しく見ていきましょう。
▼試用期間中における能力不足での解雇が違法とされたケース
新卒・未経験者を能力不足で解雇する場合には、不当解雇になりやすいです。
新卒や未経験者については、裁判所は「はじめは仕事ができないのは当然であり、企業側の指導により育成すべき」という考えを取っています。そのため、能力不足は解雇事由として不十分だとされる可能性が高いです。
以下に、未経験者を試用期間中に解雇したことが不当解雇に当たった事例をご紹介します。
【社労法人パートナーズ事件 平成25年9月19日判決】
▼概要
社労士の未経験者として採用された従業員を、能力不足を理由に試用期間の途中で解雇したが、不当解雇と判定された事案。
▼能力不足の内容
▼判決の理由
【参考】栗坊日記「解雇145(社会保険労務士法人パートナーズほか事件)」
予め設けられた試用期間が満了する前に、能力不足で解雇する場合も不当解雇と判断される可能性が高いです。そもそも試用期間は採用者の適性を見極めるために設けられている期間であり、期間の途中で解雇する場合、企業側が十分な指導をしなかったと判断されるリスクがあるためです。
具体的な事例としてニュース証券事件を挙げます。
【ニュース証券事件 平成21年1月30日判決】
▼概要
かつての営業経験から、即戦力として採用された従業員が、成績不振を理由に試用期間の途中で解雇されたが、試用期間満了前に能力不足と判断するのは性急すぎるとして不当解雇に当たった事例。
▼能力不足の内容
▼判決の理由
以上に挙げたケースのように、試用期間満了前に能力不足で解雇してしまうと、例え経験者枠としての採用であったとしても、能力の有無を判断するには不十分だとして不当解雇に当たるリスクがあります。
採用者に対して期待するパフォーマンスが見られない場合、まずは指導を行ってから解雇を検討しましょう。
また、もし解雇をするという結論に至った場合には、試用期間満了を待つようにするのが安全です。
試用期間中に解雇したい場合、どのような手順を踏めばいいのでしょうか。
具体的には、以下3つの手順が必要です。
▼試用期間中に人材を解雇する手続き
まず、試用期間中の解雇を決定する前に、解雇要件を満たしているか確認します。解雇要件に合致することの確認が取れた場合には、該当従業員を解雇する旨を経営幹部に共有し、解雇の方針を決定します。
解雇の種類と、その要件は以下の通りです。
▼解雇の種類・要件
| 解雇の種類 | 定義 | 具体事由 | 解雇要件 |
| ①普通解雇 | 社員が重大な規律違反を犯した際に、企業側から一方的に労働契約解除を行う行為 | 就業者が、能力不足や経歴詐称・度重なる遅刻・欠勤をした場合 |
|
| ②整理解雇 | 事業縮小など、経営側の事情によって、人員整理のために労働者を解雇する行為 | 経営難により人員を削減する必要がある場合 |
|
| ③懲戒解雇 | 社員が重大な規律違反を犯した際に行われる解雇。最も重い処置であり、要件の判断が厳しい | 社員が、横領や重度のセクハラなど、犯罪行為や重大な規律違反を起こした場合 |
|
法的に正当な解雇だと認められるためには、上記要件に加えて、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められることが必要になります。
▼労働基準法 第16条
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
【出典】e-Gov「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成三十年法律第七十一号)」
この要件は、労働基準法16条の規定によって明記されており、企業側からの解雇を厳しく縛る条件となっています。十分に要件を考慮せずに社員を解雇してしまうと、後にトラブルや訴訟に発展する可能性が出てきてしまいます。
不当解雇に当たらないようにするために、慎重に判断していきましょう。
解雇要件を把握し、経営幹部と共有を図ったら、該当社員に対して解雇予告をするか、または解雇予告手当の支払いを行います。人材を解雇したい場合、解雇の30日前に解雇予告を行うか、または30日以上の平均賃金を支払う必要があります。これは、労働基準法第20条により規定されています。
▼労働基準法第20条
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
【出典】e-Gov「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律(令和六年法律第四十二号)」
解雇予告の通知方法に関して、法律上特に規定されていません。そのため、従業員に解雇する旨が伝わっているのであれば、口頭でも、書面でも、メールでも、法的には問題がないということになります。
しかし、確実に予告をした証拠が残る書面による方法がおすすめです。証拠がないことで、後に要らぬトラブルに発展するのを防ぐことができるでしょう。具体的には、解雇予告通知書を作成した後、以下のような方法があります。
▼解雇予告通知書を作成した後にするべきこと
解雇予告・解雇予告手当を実施しない場合の解雇は、不当解雇にあたるため、必ず実施するようにしましょう。
試用期間開始後14日以内の従業員を解雇する場合には、上にあげた解雇予告・解雇予告手当は必要ありません。
▼労働基準法 第21条
前条の規定(解雇予告・解雇予告手当の実施義務)は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 日日雇い入れられる者
二 二箇月以内の期間を定めて使用される者
三 季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者
四 試の使用期間中の者
試用期間開始後14日以内の従業員を解雇する場合には、解雇通知書のみを作成して交付することになります。
ただし、解雇予告・解雇予告通知が不要なだけで、解雇要件の厳しさは通常の解雇と同様なため、注意しましょう。
【出典】e-Gov「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律(令和六年法律第四十二号)」
最後に、解雇当日になったら解雇通知書を交付します。方法としては、解雇予告の場合と同じく、書面による通知がおすすめです。
なお、従業員から解雇理由証明書の請求があった場合には、解雇通知書とは別に、解雇理由証明書を作成する必要があります。請求があった場合には、漏れなく対応しましょう。
▼労働基準法第22条2項
労働者が、第二十条第一項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
【出典】e-Gov「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律(令和六年法律第四十二号)」
ここまで、試用期間に会社都合の解雇が認められたケースと違法となったケース、解雇する際の手順についてご紹介しました。
最後に、試用期間に会社都合で人材を解雇する際の注意点やポイントについて解説します。
▼試用期間に会社都合で人材を解雇する際の注意点・ポイント
解雇するべき明確な理由があったとしても、まず初めに労働者本人と直接話し、事情をヒアリングするようにしましょう。労働者が重大な問題を起こしていたとしても、何か事情が合った場合も考えられます。
そのため、話を聞かず一方的に解雇してしまっては、かえって重大なトラブルを引き起こしてしまう場合もあるでしょう。
試用期間中に解雇を検討している際に抑えておくべきポイントは、「試用期間での解雇は本採用後よりハードルが低い」ということです。
実際に、最高裁でも以下のように述べられています。
「右の留保解約権に基づく解雇は、これを通常の解雇と全く同一に論ずることはできず、前者については、後者の場合よりも広い範囲における解雇の自由が認められてしかるべきものといわなければならない。」
【出典】最高裁ホームページ『昭和48年12月12日 最高裁判所大法廷 判決 』
ここから、試用期間での解雇は厳格な規制があるものの、本採用後の解雇と比較するとハードルが低いことがわかります。
解雇理由をしっかりと言語化することで、解雇の妥当性を高めることが重要です。解雇理由をしっかりと言語化できない場合、トラブルに繋がってしまうおそれがあります。
トラブルを防ぐためにも、試用期間中に最低限身に着けてほしい能力や、期待する成果などを具体的に設定し、それを書面で共有しておくことが大切です。
「自社にマッチした人材になかなかで会えない」「採用後のミスマッチを感じる」
こんなお悩みを抱える採用担当の方はいらっしゃいませんか?
そんな方におすすめしたいのが、Matcher Scoutです。
Matcher Scoutとは、採用担当者の煩雑な業務負担を極限まで削減した新卒採用向けのダイレクトリクルーティングサービス。OB・OG訪問アプリ「Matcher」に登録している学生の中から、採用要件にマッチした学生に弊社の担当者が代理でスカウトを送信します。
Matcher Scout をおすすめする理由
以上の理由より、待っているだけでは会えないような優秀な学生層にアプローチできるため、効率的に採用活動を進めることができます。
ご興味をお持ちいただけましたら、まずはお気軽にお問い合わせ・資料請求をお願いいたします!
詳しくは以下の資料で詳しく説明しているので、是非ご覧ください。
【サービス説明資料】3分でわかるMatcher Scout
【導入事例】利用チャネルの中で最も多い内定数!工数をかけなくても多くの優秀な学生にお会いできました
いかかでしたか?
今回の記事では、試用期間の解雇はそもそも可能なのかどうか、不当解雇に当たるのはどんな場合か、具体的な事例を用いてご説明してきました。
試用期間中の解雇は、不当解雇にあたりやすいため、慎重に判断していきましょう。