新卒採用において、インターンシップは欠かせないイベントになっています。インターンシップに参加する学生を受け入れるには準備やリスクがあります。本記事では、それぞれ詳しく解説します。
インターンシップとは企業が学生を受け入れて、実際に仕事を体験させる制度のことを指します。学生がインターンシップに参加する目的として、将来のキャリアについて考えることが挙げられますが、企業は優秀な人材へアプローチできることに加えて、自社の学生に対する認知度の向上が期待できるでしょう。さらに、入社後のミスマッチによる早期離職を防ぐこともできます。
株式会社マイナビの調査によると、インターンシップの参加率・実施率は年々増加傾向にあることから自社で導入することを考えている企業も多いことでしょう。
【参考】マイナビキャリアリサーチLab『2024年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査』
25年卒以降は以下の条件を満たした就業体験は、インターンシップとして採用活動開始に活用してもよいということになりました。
▼採用活動に利用可能なインターンシップの条件
【参考】文部科学省・厚生労働省・経済産業省『インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方』
アルバイトとは本業や学業のかたわら、収入を得るために仕事をすることを目的としているのに対し、インターンは仕事の適性を測ることを目的としています。このように、インターンシップとアルバイトでは参加する目的が異なります。
インターンシップの開催するメリットに次のようなものがあります。
▼インターンシップを開催するメリット
それぞれについて詳しく解説します。
インターンシップを通じて、学生の適性や能力を直接確認できるため、自社に合った人材を見極めることができます。また、インターン生が企業文化に馴染んだ状態で入社するため、ミスマッチが減り、採用コストや早期離職のリスクを抑えることができます。
学生に対して企業の魅力を直接伝える機会となるため、企業ブランドの向上につながります。特に業界内で知名度が低い企業でも、インターンシップを通じて優秀な学生にアピールし、応募者数の増加につなげることができるでしょう。
学生はフレッシュな視点を持っているため、従来の業務プロセスや課題に対して新しいアイデアを提供してくれることがあります。特に、デジタルネイティブ世代の視点は、企業のDX推進やマーケティング施策において有益なヒントを与えることが期待されます。インターンシップは、単なる採用手法にとどまらず、企業の成長にも貢献する有効な取り組みとなります。
インターンシップの開催するデメリットに次のようなものがあります。
▼インターンシップを開催するデメリット
それぞれについて詳しく解説します。
インターンシップの運営には、人件費や教材の準備、業務サポートの時間など、多くのリソースが必要です。特に短期間のインターンでは、インターン生が戦力化する前に終了するため、教育コストがかかるだけで終わってしまう可能性があります。
インターン生には、企業の内部情報や業務プロセスをある程度公開する必要があります。そのため、機密情報の漏洩リスクが伴います。競合他社に情報が渡る可能性や、SNSなどで意図せず情報が拡散されるリスクもあるため、情報管理には慎重な対応が求められます。
インターンシップを採用活動の一環として行う企業も多いですが、必ずしも参加者がその企業を志望するとは限りません。インターン後に他社へ流れてしまうケースもあり、採用につながらない場合は投資対効果が低くなる可能性があります。
インターンシップの開催内容は「プロジェクト型」と「就業型」の2つに分られます。
それぞれについて詳しく解説します。
プロジェクト型のインターンシップでは学生を4〜5名のグループに振り分けて、テーマを与えて話し合いを行い、最後にプレゼンテーションを行ってもらいます。企業から与えられるテーマは実践的な課題が多く、商品開発・新事業の提案など多岐にわたります。
このインターンシップでは開催されたプロジェクトなどが口コミで広がることで、企業の広報活動につながったり、学生の企業に対する理解を促進することでミスマッチの防止を図ることができます。
以下にプロジェクト例を紹介します。
学生に実際に企業で一定期間働いてもらい実戦経験の中で多くのことを学んでもらう形式です。社員による指導が必要なため、社員の成長や学生の柔軟な思考が企業の成長につながることでしょう。
しかし、学生の管理や業務の準備など、プロジェクト型のインターンシップに比べて企業側の負担が大きい点には注意する必要があります。
インターンシップの受け入れまでに必要な準備に以下のようなものがあります。
▼インターンシップの受け入れに必要な準備
インターンシップは自由度が高いため、何から決めれば良いか悩む方も多いでしょう。「他社がやっているから」という何となくの理由で始めてしまうと、募集対象の学生像や募集方法、開催内容を考えることが難しく、効果的な施策にならない可能性があります。
重要なのは、「なぜ自社がインターンシップに取り組むのか?」を明らかにすることです。他社を参考にしつつも、自社にとって最適なアプローチが何であるか考えると良いでしょう。
短期インターンシップの場合、参加する学生を最大化できるような日程を選定する必要があります。夏・冬休みのような、学生が時間にゆとりのある長期休暇にインターンシップを開催すると参加候補者は多くなるでしょう。しかし、長期休暇に短期インターンシップを開催する企業も多いので、複数日程開催するなど柔軟に対応する必要があるでしょう。
長期インターンシップの場合、一定期間にわたって継続的に実施されるため、特定の開催日程を決める必要はありません。しかし、インターン生の教育時間を確保するためにも繁忙期にインターンシップの募集をかけることは避けた方が良いでしょう。
インターンシップを成功させるためには、開催内容に加えて当日参加する社員の予定を確保する必要があります。当日参加する社員の役割には、次のようなものがあります。
当日参加する学生の成果物に対して、実際に業務を行っている社員からフィードバックをするようにしましょう。これによって、学生が業務に際して求められているものを明らかにでき、入社後のミスマッチを防止できます。
インターンシップに参加する学生からさまざまな質問が発生することがあるでしょう。社員が質問対応をすることで、入社前後のギャップや必要なスキル等について説得力のある説明ができます。会社の信頼感向上に繋げることができるので、非常に重要な役割となります。
インターンシップの開催に際して、さまざまな費用が必要になります。具体的には以下の3つになります。
企業がインターンシップの募集をするためには、外部サービスを利用して広告を掲載することが一般的です。この場合、月額約3万円〜30万円程度が相場になります。新卒採用の求人掲載も同時に可能なサイトでは、20万円以上のサイトが多くなっているようです。
また、初期費用や広告掲載料自体は無料で、採用が決定した時点で費用が発生する「成果報酬型」のサービスもあります。成果報酬型の場合、文系の学生で採用一人当たり約10万円、理系では15〜25万円程度が相場と言われています。
インターンシップ開催で最も大きい費用は交通費になります。本社の位置によって交通費の大きさは異なりますが、多くの企業は関東圏に位置しているため学生は交通費を抑えられます。しかし、地方の学生にとってはとても負担の大きいものとなります。
近年では、学生の費用負担の多さが問題となっていることから、企業が交通費を負担するケースが多くなっています。特に地方から参加する学生に対しては、交通費の申請をすれば全額支給するなど、非常に積極的な姿勢を見せています。
インターンシップに参加した学生に給与が発生するものがあります。有給のインターンシップにおける給与の相場は、以下のようになっています。
▼インターンシップの給与相場
ただし、有給のインターンシップは無給のインターンシップに比べて少なく、全体の約3割程度にとどまっています。
オンラインで開催する場合は、ミーティングリンクを事前に共有する必要があります。また、対面開催の場合は参加する学生を収容できるスペースの確保が必要となります。当日確保できていなかった等がないよう、事前に確保しましょう。
インターンシップを開催する際に法的な理由から準備する書類はありませんが、誓約書と雇用契約書の2書類を用意すると良いでしょう。
それぞれが必要な理由について詳しく解説します。
インターンシップを開催する際、社外秘のデータ等を利用する場合があるでしょう。これらを学生が情報を漏洩してしまった場合、企業の信用や存続に大きな影響を与えてしまいます。これを防ぐために、知り得た企業の機密情報や個人情報を外部に漏らさないことを約束する誓約書を用意すると良いでしょう。
インターンシップに対して報酬を支払う場合は、雇用関係が成立するため、雇用契約書を作成する必要があります。「アルバイト契約」「業務委託契約」など、インターンシップの形態に合わせて選びましょう。
せっかくインターンシップを企画しても、応募者が少なければ意味がありません。競争が激しい売り手市場で、どうすれば学生の注目を集めることができるのでしょうか。
ここでは、インターンシップの集客方法について、5つの例を紹介します。
▼インターン生の集客方法
インターンシップ情報サイトや就活サイトは、インターンシップを探す学生にとって、最も一般的な情報源です。学生は業界や職種などの条件で絞り込みができるので、自分に合ったインターンシップを見つけやすいのが特徴です。
メリット:
デメリット:
自社のホームページやSNSは、インターンシップの情報を直接的に発信することができる媒体です。自社の魅力やインターンシップの様子などを写真や動画で紹介することで、学生の興味を引くことができます。
メリット:
デメリット:
大学やキャリアセンターは、インターンシップの情報を大学生に提供する機関です。自社のインターンシップに興味がある学生や、自社が求める人材に近い学生を紹介してくれることもあります。
メリット:
デメリット:
イベントやセミナーで宣伝することで、自社のインターンシップの内容や魅力を直接的に伝える事ができ、インターンシップの募集を効果的に行えます。昨今ではオンラインでの開催が増えています。全国の学生にインターンシップの情報を届けることができるだけでなく、自社のインターンシップの内容や魅力を動画やスライドで詳しく説明することができます。
メリット:
デメリット:
ダイレクトリクルーティングは、自社に登録されている就活生のデータをもとに学生に直接アプローチする方法です。
メリット:
デメリット:
インターンシップを実施する際は、労働関連法令に抵触しないよう、注意が必要です。
インターンシップにはさまざまなリスクも常について回るため、それらに対する対策もしっかりと行わなければいけません。
▼インターンシップ中に起こりうるリスク
▼リスクを避けるための対策
以上が、インターンシップを導入するにあたって、企業側に必要なリスク管理のポイントです。法的なトラブルを避けるためには、事前の準備や対策が欠かせません。
さて、最後に、インターンシップの成功事例を2つ紹介します。ぜひ、コンテンツや募集方法などを参考にしてみてください。
まず、口コミ就活情報サイト「楽天みん就」の、インターンシップの人気企業ランキングにおいて、5年連続で1位を獲得した「ニトリ」の魅力的なプログラム内容を紹介します。
インターンシップ参加志望理由別ランキング「プログラムが面白い」においても3位にランクインしていることから、学生からの満足度が高いことがうかがえます。
ニトリのインターンシップには、3つの特徴があります。
事業内容を一方的に説明するのではなく、自己分析や就活の進め方など学生の就職活動の軸や価値観を見つけることをサポートするとともに、流通業界や分業の仕組みを学ぶ機会を提供しています。
「就活の進め方からレクチャーしてくれるサマーインターンだった。就活生を一から応援してくれる姿勢が伝わってきた」(文系・早慶クラス)
ニトリは自社アピールを控えめにし、学生がインターンシップを通じてニトリに関心を持ってもらおうという意図を持っているのです。
インターンシップ後や面接後には、学生に個別のフィードバックやリクルーターを提供するサービスを行い、他社との差別化を図っています。
「長期間のインターンシップでやりがいがあった。リクルーターがついて、会社の理解も深めることができた」(文系・上位国公立大)
「自分の興味のある部門に参加でき、社員さんからのフィードバックがよかった」(文系・上位私立大)
このように、ニトリは、インターンシップを学生のキャリア支援として捉えており、囲い込みを目的としていません。
このような姿勢が、学生からの人気の理由となっているのではないでしょうか。
ニトリのインターンシップには、「キャリアデザイン」「イノベーティブ」「IT」「低学年」と多彩なコースがありますが、なかでも人気な「キャリアデザインコース」のプログラム内容を紹介します。
「キャリアデザインコース」の内容は、大きく分けて2つの部で構成されています。
YouTubeで学生の就職活動に役立つ動画を見せ、オンラインで質問に答えるコーナーを設けています。
また、9月以降には、業界研究セミナーを行い、社長自らも登壇して流通業やチェーンストアの使命などを話します。
4つの就業体験から選んでグループワークをする仕事体験です。
このように、ニトリのインターンシップは「学生目線である」「フィードバックが手厚い」「業務体験型である」ことから、面白くてためになるという口コミが学生の間で広がっています。
【参考】ニトリ新卒HP『ニトリを体験するINTERNSHIP』
【参考】東洋経済ONLINE『「学生からウケがよい」インターンシップTOP10社』
【参考】楽天グループ株式会社『楽天みん就 2025年卒 インターン人気企業ランキング』
【参考】東洋経済ONLINE『「学生からウケがよい」インターンシップTOP10社 2年連続首位のニトリが支持される理由とは』
株式会社サイバーエージェントは、人気のインターネットテレビ局「ABEMA」を運営するほか、インターネット広告事業では国内で最も多くのシェアを持っている企業です。
同社では、エンジニアの学生向けに様々なインターンシップを提供しており、参加者からの満足度が高く、「参加してよかったエンジニアサマーインターンランキング」で第3位にランクインしています。
【参考】株式会社サポーターズ『参加してよかったエンジニアサマーインターンランキング2023』
インターンシップの内容は豊富で、参加者は自分の興味やスキルに合わせて選ぶことができます。
また、社員からの丁寧な指導やフィードバック、そして他の参加者との刺激的な交流が、インターンシップの魅力の一つとなっているようです。
インターンシップの内容は以下の通りです。
【インフラエンジニア向けクラウド技術体験型インターン】
【ゲームクライアント向け開発型インターン】
【Go言語やサーバーサイド開発が学べるインターン】
【アプリケーション開発にチームで取り組むインターン】
【全職種向け実践就業型インターン】
【参考】CyberAgent|エンジニア採用広報『サイバーエージェントの2023年サマーインターンシップを一挙紹介!』
「求めるような学生になかなか出会えない」「母集団形成がうまくいかない」といったお悩みを抱えている新卒採用担当の方におすすめしたいのが、Matcher Scoutです。
Matcher Scoutとは、採用担当者の煩雑な業務負担を極限まで削減した新卒採用向けのダイレクトリクルーティングサービス。OB・OG訪問アプリ「Matcher」に登録している学生の中から、採用要件にマッチした学生に弊社の担当者が代理でスカウトを送信します。
Matcher Scout をおすすめする理由
以上の理由より、待っているだけでは会えないような優秀な学生層にアプローチできるため、効率的に採用活動を進めることができます。
ご興味をお持ちいただけましたら、まずはお気軽にお問い合わせ・資料請求をお願いいたします!詳しくは以下の資料で詳しく説明しているので、是非ご覧ください。
【サービス説明資料】3分でわかるMatcher Scout
【導入事例】利用チャネルの中で最も多い内定数!工数をかけなくても多くの優秀な学生にお会いできました
いかがでしたか?
本記事では、政府の就活ルール見直しでインターンシップの重要度が高まる中、その種類や動向、2025年卒以降の変化、学生の求めること、プログラムの作成方法などを詳しく紹介しました。
本記事を参考にして、学生のニーズを把握し、自社にぴったりのインターンシッププログラムを作って、採用につなげましょう。