感染症の流行も落ち着いてきた現在、対面の面接を行う企業も増えてきました。
そんな今だからこそ、採用活動をこのままオンラインで実施するのか、それとも対面も実施した方がよいのか迷った経験のある担当者様も多いのではないでしょうか?
今回は、Web面接(オンライン面接)と対面面接、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
それぞれの特徴を理解することで、自社が取るべき対応を見つけましょう!
Web面接とは、オンライン通話ツールを使用して行う面接のことです。
学生は出社せず、自宅や大学などの場所から面接に参加します。
こちらは実際にMatcher Scoutで「オンライン開催」を訴求したスカウトメールの開封率の差を示したグラフです。
学生にとっても移動が少なく、隙間時間で参加できるオンライン開催は人気だといえるでしょう。効果的なWeb面接を行うことで、通常は出会えなかった学生へアプローチすることも可能になります。
新型コロナウイルス感染症の流行も以前より落ち着き、現在対面での面接も再開している企業もあります。
では、現在どれほどの企業がWeb面接を実施しており、学生はWeb面接、対面面接のどちらを望んでいるのでしょうか?
以下で詳しく見ていきます。
【参考】PR TIMES「24卒採用の面接は「対面形式のみ」を予定する企業が27.4%で最多。対面実施に舵を切る傾向に。」
2024卒採用の対面面接とWeb面接の実施比率を見てみると、対面のみ(対面:Web=10:0)実施の企業が27.4%で、2023卒採用の25.6%を超えました。
Web面接のみ(対面:Web=10:0)実施の企業は4.2%と、2023年卒採用の4.8%を下回る結果となりました。
これにより、全ての面接をWebで実施する企業が減り、全ての面接を対面で実施している企業が増加していることが読み取れます。
その一方で、対面とWebの面接を同じくらい利用している(対面:Web=5:5)と答えた企業は2023年卒採用の24.3%とほぼ変化のない24.0%となっており、Web面接を活用している企業は2024年卒採用でも一定数いることが分かります。
では、一次面接と最終面接で、対面面接とWeb面接の実施比率に違いはあるのでしょうか。
2024年卒採用において、一次面接はWeb面接のみの実施(対面:Web=0:10)の企業を受けた学生の割合は文系の学生が39%、理系の学生が53%という結果となりました。一次面接でのWeb面接実施率は対面面接よりも高い傾向であることが読み取れます。
【参考】「HR総研」第151回 【24卒採用】最終面接に「対面形式」回帰の流れも、理系は“オンライン派”多数。面接は“志望度向上の場”に
【参考】「HR総研」第151回 【24卒採用】最終面接に「対面形式」回帰の流れも、理系は“オンライン派”多数。面接は“志望度向上の場”に
コロナウイルスが落ち着いた今、一次面接はWeb面接で実施し、最終面接は対面面接で実施する企業が増えているようです。
では、学生はWeb面接と対面面接、どちらを希望しているのでしょうか。
【参考】「HR総研」第151回 【24卒採用】最終面接に「対面形式」回帰の流れも、理系は“オンライン派”多数。面接は“志望度向上の場”に
このグラフより、オンライン形式を希望している学生は文系が32%、理系が37%、対面形式を希望している学生は文系が37%、理系が28%という結果になりました。
それぞれの面接形態を選んだ理由を、以下のようにあげています。
ここまでWeb面接・対面面接の実施状況や学生の動向を見てきましたが、結局のところ、Web面接と対面面接、どちらが良いのでしょうか?
結論からいうと、一次面接はWeb面接で行って最終面接は対面面接で行うなどWeb面接と対面面接の併用がおすすめです。
併用することで、Web面接のメリットである「企業・学生ともに交通費などの費用が抑えられる」「効率よく面接ができる」こと、対面面接のメリットである「会社の雰囲気・誠意を伝えやすい」「学生の雰囲気・熱意が伝わりやすい」ことの両方を実現することができます。
それによって企業は採用活動がしやすくなるだけでなく、学生にとっても選考に参加しやすくなるでしょう。そのため母集団の増加や学生の選考への満足度が上がることも期待できます。
次の表は、Web面接と対面面接について6つの点から比較した表です。
Web面接(オンライン面接)は、場所の指定がないため日程調整も柔軟に対応しやすいことが大きな特徴です。
対面面接は、同じ空間で会話を行うことができるため、意思の疎通がしやすい点や、自社の雰囲気が学生に伝わりやすい点が特徴です。
以下では、Web面接(オンライン面接)と対面面接のメリット/デメリットをより詳しく解説していきます。
まずはWeb面接のメリットです。
▼Web面接を行うことによる企業側のメリット
Web面接だと移動が必要ないため、コストも抑えられ、地方や海外の学生が選考に参加しやすくなります。
そのため応募者の数が増え、今まで出会えなかった学生に出会いやすくなります。自社との相性が良い優秀な学生を見つけられる可能性が高まるでしょう。
Web面接は隙間時間での面接や即日面接が可能になります。
これによって、対面で行う従来の面接よりも、日程調整から実際に面接を行うまでにかかる時間が短縮化されます。
また、候補者に提示できる日程が増え、日程調整がしやすくなることも特徴です。内定までにかかる所要時間も短縮でき、早期に内定を出すことが可能です。
内定を貰った時点で就職活動を終えようとしている学生もいるため、内定承諾を得やすくなるでしょう。そのため、優秀な人材を早いうちに確保することができます。
オンライン開催のため、面接会場を抑える必要や、会場設営する必要がありません。地方主要都市など遠方まで面接のために出張しなくてよいため、移動コストがかかりません。
移動費用を抑えるだけではなく、移動に当てていた時間を別の業務に当てることができるため、全体的な採用工数を下げることにも繋がります。
Web面接は応募者にとっても企業にとっても負担が少ないため、従来よりも気軽に面接を開催できます。
面接の回数を多くする、またはカジュアル面談を行うなど、学生の本質を見極める機会を多く設けることも視野に入れるといいでしょう。
学生と接する機会を多く設けることで、より学生と自社の相性を見極めることができるため、ミスマッチを減らせます。
Web面接の様子を画面録画をしておくと、見直しや共有ができます。
どのように面接を行えば良いのかを面接官の間で確認し合えるため、選考基準や質問方法などに関する認識のすれ違いを無くし、面接の質を管理することが可能です。
録画したデータを用いながら面接の振り返りを行う際は、複数名の面接官と一緒に話し合う機会を設けると効果的です。
異なる視点から、自分では気づけない点について良いところ・悪いところを指摘し合えます。また、ベテラン面接官が今まで溜めてきたノウハウの言語化と共有にも繋がります。
面接の画面録画を行う際は、学生にその旨を断ることを忘れないようにしましょう。
次に、Web面接を行うことでのデメリットをご紹介します。。
▼Web面接(オンライン面接)のデメリット
今までに行ったオンラインでのビデオ通話を思い出してみてください。相手の表情や仕草などを見ることが難しかった記憶があると思います。
特に一度も会ったことのない学生相手にオンラインで面接して、相手の雰囲気を感じたり、本質を見極めるのはなかなか難しいです。
対面でのコミュニケーションとは別物であることを念頭に置いておきましょう。
面接官が学生の雰囲気を掴むことが難しいのと同様に、Web面接では学生も会社の雰囲気を感じることが難しいです。
実際にオフィスへ出向き、職場や働く人々の姿を見ることは学生が実際にそこで働くイメージを持つことにも繋がります。Web面接を行う際は、従来の面接よりも会社の雰囲気を伝えられるような工夫を行いましょう。
ネットワーク環境が不安定で通話がつながらず、Web面接の日程を再調整しなければならないということも起こりえます。
また、自分の声が途切れたり、ラグがないかなどの確認も行いましょう。コミュニケーションがスムーズに行えないストレスがかかり、また、後日面接しなおさなければならなくなると負担が大きくなってしまいます。
学生にとっても企業にとっても、将来を決める重要な選考プロセスであるにもかかわらず、そのようなトラブルによって十分な面接が行えないのは残念です。
使用するツールを事前に説明するなど、学生に対する事前のフォローも行い、学生、採用担当共に、通信環境に気をつけて面接に挑みましょう。
対面での面接では会議室などを使用しますが、Web面接の場合は場所を選ばずに面接を行うことが可能です。
どこからでも繋げられるからといってデスクにて面接を行うと、周りにいる社員同士の会話などから意図せずに社外秘の情報が漏れてしまう可能性があります。
大きなトラブルに発展しかねないため、Web面接を行う場所には注意しましょう。
ここからは対面での面接を行う際のメリットをご紹介します。
▼対面面接のメリット
面接では、学生が自社にフィットしているかの判断の他に、学生の自社への志望度を高めていくことも必要です。
対面面接は基本的に社内の会議室などで行われます。面接日に自社オフィスを訪れて働く人の姿を見ると、「自分が働く姿」が想像しやすくなり、入社意欲が高まる可能性があります。
Web面接よりも、対面面接の方が学生の本質を見抜きやすくなります。
対面面接では、実際に学生と会って話をすることでWeb面接を行う場合よりもコミュニケーションが取りやすく、質問への受け答え以外にも表情や姿勢、声の抑揚などの情報が伝わりやすいため、学生がどのような人物なのかを想像しやすくなります。
学生の雰囲気が掴めると、自社の社風と合っているのかなどを確認することができ、結果的に入社後のミスマッチを防ぐことに繋がります。
次に、対面面接を行うことの企業側のデメリットをご紹介します。
▼対面面接のデメリット
オンラインとは異なり、対面で面接を実施する場合は移動に時間やお金がかかります。
特に地方出身の学生の場合、移動時間も長く、宿泊などをする場合は金銭的負担も大きくなります。面接にかかる負担が大きいと、選考参加への歩留まりが低くなってしまう場合があります。
対面面接では移動が伴うため、時間の融通が利きにくくなってしまいます。授業の合間などの隙間時間に参加しづらいため、学生の面接の日程調整率が低くなる可能性があります。
そのため、自社とフィットする学生と出会う間口を狭くする点が懸念されます。
通信速度が遅いと画面が荒く、音声も聞こえにくくなります。
学生の発言を何回も聞き直す必要が出てきてしまうなど、通信環境が良くないことは、企業のイメージを悪くすることにも繋がるため、注意が必要です。
オンラインビデオ通話では基本的に10Mbps以上の通信速度が必要になります。
通信速度測定ツールなどを使用して、適切な環境で通話が行えるように事前に準備をしておきましょう。
雑多な背景で、色々な声が聞こえる環境で面接が行われた場合、学生は自分の選考が十分に大切にされていない印象を受けてしまいます。
背景は白で、物の映り込みや周りの環境音に注意しましょう。
また、学生にスーツを指定したら面接官もスーツをきてくるなど、オンラインだからといって気を抜かないようにしましょう。
オンラインでは表情などが伝わりづらいため、リアクションはいつもより大きく、声のトーンも明るくなるように意識が必要です。
カメラの位置も確認し、目線と同じ高さにカメラが来るように設定しましょう。カメラの位置が目線より下にあると、顔の印象も暗くなり、また、圧迫面接のような雰囲気になりやすいです。
学生は慣れないWeb面接に緊張しているはずです。できるだけ明るい印象を与え、学生が本来の力を出せるような環境を整えるようにしましょう。
Web面接をスムーズに実施するためには、学生に事前準備をお願いすると良いです。
使用するツールや準備しておくことなどを事前にメールで伝えることで、当日のトラブル予防に繋がります。
上記を面接日の2日以上前には共有しておきましょう。
また事前連絡を行う際は簡素にならないように、「学生と会えることを楽しみにしている」などの文章を挿入するようにしましょう。
Web面接を行う際は、以下の点に気をつけると効果的に学生を見極めることが可能です。
これらの内容を意識しながら、Web面接を行いましょう。
Web面接は、対面の面接と比べて場の雰囲気を作りにくいです。そのため、学生が話しやすいような環境をつくることが重要になります。
話しやすい環境をつくるには、以下の二つがおすすめです。
アイスブレイクを実施して学生と面接官が打ち解けた状態で面接をすることで、学生はリラックスした状態で選考に臨むことができ、学生の本音も引き出せる可能性があります。
また、ただ学生の話を聞くだけでなく、頷き、相槌を打つことで学生に対してしっかり聞いていることを示すことができ、学生に真摯に向きあっている印象を与えることもできます。
前述の通り、Web面接と対面面接ではそれぞれメリット、デメリットがあります。
そのため、Web面接と対面面接をそれぞれ使い分けることが有効です。
その際、それぞれの面接で評価する点を設定し、評価しきれない点をそれぞれの面接で補っていきましょう。
例えば、Web面接では「学生の話の内容」を評価ポイントとして設定し、対面の面接では「自社への熱意や学生の雰囲気」を評価ポイントとして設定すると、より面接の形態を使い分ける効果があるでしょう。
ここではWeb面接(オンライン面接)で利用できるツールを12個ご紹介します。
ツール選びのポイントとなるのは、以下の点です。
自社のWeb面接で重視するポイントは何かを考えながら、利用するツールを選びましょう。
特徴
費用
特徴
費用
特徴
費用
特徴
費用
※1ドル140円で計算
【参考】Gather
特徴
費用
※1ドル140円で計算
【参考】Google「Google Meet」
特徴
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特徴
費用
【参考】Microsoft「Microsoft Teams」
特徴
費用
【参考】Microsoft「Skype」
特徴
費用
特徴
費用
【参考】ZOOM
特徴
費用
※1ドル140円で計算
【参考】Whereby
特徴
費用
オンラインは場所に囚われず、スピーディーに面接をすることができます。
一方で、相手の雰囲気が伝わりづらいなど、対面よりも難しさがあることも現状です。
最終面接は対面で行うなど、オンラインと対面で使い分けることが大切です。
状況に合わせた面接方法を選ぶことで、より効果的な選考が行えるようにしましょう。