新卒採用の面接で聞くべき質問集を紹介しながら、「各選考段階において学生にどのような質問をし、どのような面を見極めていくべきなのか」という疑問にお答えしていきます。
▼この記事でわかること
本記事では、新卒採用面接の基本となる流れや質問をご紹介しています。さらに踏み込んだ質問をして学生の本質を見極めたい、という方は以下の記事も参考にしてみてください。
【参考】【最新版】面接で本質を見抜く質問とは?すぐに使えるキラー質問集
効果的な面接を行うために、まずは面接の構成をきちんと把握することが大切です。
それぞれの段階のポイントを抑えて、効果的な面接が進められるように準備をしましょう。
当然のことですが、候補者から事前に提出された履歴書やエントリーシートを読み込み、学生の情報を事前に把握しておきましょう。
候補者との共通点を把握しておくことで、候補者の緊張をほぐすことができるからです。
また、候補者についての情報をインプットしておくと、面接中に候補者に質問をして確認したい点をリストアップすることができ、効果的なコミュニケーションをとることができます。
面接に来た候補者は緊張していることが多いです。
緊張したままではその人本来の姿が見られないため、緊張をほぐし自然な姿や本音を引き出す必要があります。そのため、いきなり本題へ入るのではなくまずは自己紹介を含めたアイスブレイクを行います。
例えば交通状況の話や最近世間で話題になったこと、もしくは自己紹介などをしながら、お互いが話しやすい環境をつくるためのウォーミングアップをしましょう。
【参考】【面接官必見】アイスブレイクのネタ・質問13選|オンライン面接も
次は候補者への質問です。
過去・現在・未来に関する質問、志望理由などの質問を通して相手のことを引き出し、理解を深めていきます。
一方的な質問ではなく会話をするように進めることで、候補者のいつも通りに近いコミュニケーションの仕方を見ることができます。
こちらからの質問が終わったら、質問がないか伺ってみましょう。
質問内容によって、自社や志望職種への理解度の深さや、働くイメージが持てているかどうかが浮き彫りになります。
志望理由はある程度用意してくるものですが、志望度が高いほど働くイメージの解像度が高い質問がされる傾向にあります。
新卒採用活動におけるクロージングとは、一般的に自社への学生の志望度を醸成するためのフォローを指します。
面接の後半になるにつれて大切なのが、クロージングの仕方です。選考中に志望度が上がる学生も多々見受けられるため、特に最終面談直前、最終面談時に効果的になります。
クロージングでは、「納得感の醸成」「感動を与える」「安心感を醸成する」ことが必要です。
候補者の納得感を醸成することが志望度の向上や内定承諾につながります。
候補者自身が納得した意思決定を行えるように、採用担当者はまず「理性」に訴えかけましょう。
具体的に、候補者のどのような点が印象的だったか、評価が高かったかなどを論理的に納得できるように伝えてみましょう。
上記の「納得」が理性に働きかける手段だとすると、「感動」は感情に訴える手段です。
例えば、期待していることや採用担当者の気持ちを伝えるなどです。
感情に訴えかけることで、選考というプロセスを通じて候補者と真剣に向き合っている姿勢を伝えられると良いでしょう。
いくら納得感や感動が伝わっても「この会社でやっていけるのだろうか?」と不安な状態では候補者は内定承諾につながりません。
面接の逆質問を通じて相互理解や不安払拭(ふっしょく)を行う以外にも、機会が必要であればこのようなコンテンツを用意してみてください。
▼相互理解を促進するためのコンテンツ例
面接が終わったらそれで終わりではありません。面接の振り返りを行いましょう。
▼振り返りするべきポイント
特に、なぜ合格(不合格)にしたのかという検討を繰り返し、各面接官のノウハウや主観を蓄積することをオススメします。
なぜなら、面接官ごとの判断のずれによって内定辞退や入社後のミスマッチにつながる恐れがあるからです。
面接官同士の主観をその都度すり合わせ、時間をかけて組織の主観を作り継承していくことが強い採用チームを作る一助となるでしょう。
すり合わせが難しい場合は、必須質問項目、採用要件、選考合否の判断などを記載した面接担当者全員で共有できるログを作成して知見をためていきましょう。
次からは面接で効果的な質問とポイントをご説明します。
キャリアリサーチLabが行った調査によると、「30〜59分」の面接を「2回」実施するという回答が最も多い結果でした。
面接時間
面接回数
【参考】マイナビ キャリアリサーチLab『2024年卒企業新卒採用活動調査』
以下では具体的な質問例と共に、『①選考序盤〜中盤』『②選考中盤〜後半』の二つの段階に分け、候補者に聞いておきたいポイントについて解説します。
自社で実施する面接の時間と回数を加味しながら、各選考段階でどのような質問をしていくべきなのかの調整を行っていきましょう。
相手のことをよく知らなければ、自社にフィットする人物かどうか判断ができません。
そのため、選考の序盤〜中盤では、相手がどのような人物であるか、どのような能力/スキルを持っているのかが把握できる質問を行うことが大切です。
質問例:
この質問を通して、自社が求める強みと一致しているのか、また強みが一致している場合にどのような仕事で発揮できるのかを推測できます。
また、弱みについては強みや入社後の育成で補えるものなのかを判断できます。
質問例:
この質問では、成果を出す思考や行動のプロセスを聞くことで、社内で活躍できるかどうかを見極めます。
また、努力の仕方も把握できるので社内の働き方とマッチするのかも見極めることができる質問です。
質問例:
これらの質問は、学生にとって自社で働くことがベストな環境であるのか、本当に自社にフィットしているのかを把握できる質問です。
過去のエピソードや体験に関する質問からは、学生がどのような時にモチベーションが上がるのか知ることができるので、実際に自社で働く際に、満足度高く働き続けられるかどうかの判断材料になります。
現在の就職活動や、将来の目標に関する質問からは、学生が求めることが自社で実現できるのか判断できます。
候補者が自社にフィットしているのか把握することで、採用後のミスマッチを予防しましょう。
質問例:
相手を知るだけでなく、コミュニケーション能力を把握したい場合はこのように時間を制限して質問する方法も有効です。
質問例:
こちらの質問では、求職者が抱いている自社へのイメージを把握できます。
候補者のことを把握するだけでなく、企業イメージと実際のギャップの大小を理解することでクロージングの仕方を検討できる材料にもなります。
志望動機や学生時代に頑張ったことなどの典型的な質問とは別に、学生の思考の深さを測る意図で行う、難度の高い質問をキラー質問と呼ぶことがあります。
質問例:
これらはその場で回答を考えなければいけない質問のため、普段学生がどのようなことを考えているのかという素の部分が表出しやすくなります。
これまでに紹介した質問に合わせながらキラー質問を行うことで、学生のより本質的な部分を見極めることができます。
【参考】 【質問例あり】面接で学生の本音や本質を見抜くための3つのポイント
序盤の【クロージング(志望度の醸成)】でクロージングの重要性とポイントについてお伝えしました。
特に、納得感と安心感を醸成するために、相手の考えや価値観を把握することがとても大切になってきます。
質問例:
相手の返答によって、入社意欲が高いのかどうかを採用担当者が検討できます。
また、辞退理由をあらかじめ聞いておくことで早めに予防策を準備することもできる質問です。
人によっては正直に答えづらい質問かもしれませんので、相手の緊張をほぐして素の状態で答えられる雰囲気づくりを心がけましょう。
面接の終盤に学生からの質問を受け付けている企業も多いと思います。
「逆質問」と表現されることもありますが、実施することでいくつかメリットを得ることができます。
このようなことができるため、逆質問で学生の不安を解消しながら、学生がどの程度準備をしてきたか、志望度があるか、面接前に考えてきたかを把握していきましょう。
実際に学生がよくする逆質問とそれらの意図を解説していきます。
■入社後に活躍するために必要なことを聞く
質問例:
このような質問からは学生の意欲を読み取ることができます。
将来、社内でどのような成長をすることができるのかを知ることや活躍するためには何が必要か把握するための質問であると言えます。
■やりがいを聞く
質問例:
これらは企業との相性を学生が見極めたいという意図のある質問です。
社員の感じるやりがいを聞くことで、自身が会社の中で同じモチベーションで働いていくことができるのかを確認しようという意図があります。
■会社の特徴に関する質問
質問例:
これらの質問には、会社のことをより詳しく知りたいという意図があります。
自らの企業研究の成果を示しつつ、新しい情報を得るためにされる質問です。
面接で学生の人となりを見抜き、志望度を高めるためのポイントについて解説します。
候補者を適切に評価するには、面接評価基準を明確にした面接の評価チェックシートを作成すると効果的です。
評価基準をしっかりと設定することで、求める人物像についての認識を採用担当者と面接官の間で擦り合わせられ、見るポイントが明確になるので客観的な評価が行いやすくなります。
また、面接官が評価理由を明文化することにより、エントリーシートでは見られないような学生の人柄などを可視化できます。
面接内容とそこから得た印象や知見などを評価チェックシートとして残し、高評価学生の共通点などを把握することで、次年度の採用活動に生かすことも可能です。
採用面接の評価チェックシートを作るためには、以下のことを行います。
面接評価チェックシートが指標となって採用合否を決定することになるため、シート作成時は慎重に基準を設定する必要があります。
一度作成したら満足するのではなく、自社が求める学生を適切に採用できるよう常に改善していけるように意識しましょう。
以下は、面接評価チェックシートの例です。こちらを参考にしながら作成してみてください。
面接では企業が学生を評価していると思いがちですが、学生も会社を評価し、入社する会社を選んでいます。
候補者にとって、面接官は会社を代表する存在です。
面接官の態度や姿勢によっては、会社そのものの心象を悪くする恐れがあります。
実際に、「こちらはあいさつや自己紹介を行ったが、面接官からはあいさつや自己紹介がないままに面接が始まった」といった理由で志望度が下がるケースがあります。
面接の初めに自らあいさつを行い、自己紹介を行うことで、学生に安心してもらえるような環境作りをしましょう。
キャリアリサーチLabの調査によると、面接実施にあたり特に工夫していることとして「学生がリラックスできる雰囲気づくり」と回答した企業が最も多く全体の65.9%でした。
【参考】マイナビ キャリアリサーチLab『2024年卒企業新卒採用活動調査』
学生がリラックスできる雰囲気づくりが行えると、学生の本来の様子が見えやすくなるため、入社後のミスマッチを予防することに繋がります。
そのため、自己紹介後にいきなり面接を始めるのではなく、まずは面接日の気候や候補者の出身地など候補者が気軽に行える会話から始めることがオススメです。
候補者にとって面接官は、会社の雰囲気を知るための重要な判断材料です。
会社を代表しているという意識をもって、言動には特に気をつけなくてはいけません。
以下では、面接においてタブーとされる行動や質問をご紹介します。
不快な思いをさせないのはもちろん、候補者にとって自社に入社したいと思えるような面接ができるように細部まで注意しましょう。
面接では、候補者との信頼関係を築くことが大切です。
面接中に学生が不信感を抱くような行動を取ると、自社に対する入社意欲が低下してしまいます。事前の準備をきちんと行い、真摯(しんし)な態度で面接に挑むようにしましょう。
上記二点は、面接で聞くことがタブーとされている話題です。
これらの話題に関する質問をすると、候補者に対して不快感を与えてしまう可能性が大きいです。
学生のことをよく知りたいと思うばかりに、相手に踏み込みすぎないよう注意しましょう。
コロナ禍により、採用活動でオンライン面接を導入する企業は急速に増加しました。
以下では、オンライン面接での注意点と、画面越しのコミュニケーションのポイントをご紹介します。
オンライン面接を行う上で、ネットワーク環境の整備は欠かせません。
接続トラブルを防ぐため、事前に本番と同じ環境でテストを行いましょう。
応募者にも安定した通信環境から参加するように伝えておくほか、万が一トラブルが発生した際の緊急連絡先や対応方法についてもあらかじめ伝えておくことが大切です。
スマートフォンでのテザリングなど予備の通信手段も用意しておくとより安心でしょう。
また、公共Wi-Fiの利用は避ける・応募者の個人情報が漏れてしまわないよう個室で面接を行うなど、セキュリティ面の配慮も重要です。
対面での面接と比較して、オンライン面接は空気感や温度感・雰囲気などが伝わりにくいという特徴があります。
など、相手を不安にさせない非言語コミュニケーションを意識しましょう。
また、目線にも配慮が必要です。
カメラが自分の目線よりも下にあると上から目線になってしまい、威圧感を与えてしまう可能性があります。
オンライン面接では、電波状況やマイクの性能によって音声が途切れたり聞き取りづらくなることがあります。
面接開始時に音声がきちんと届いているか確認したうえで、聞き取れなかった場合は遠慮せずに聞き返してよい旨を伝えるようにしましょう。
また、面接場所は雑音が入らない環境を選びましょう。
面接の通過率が低い場合は、母集団形成がうまくいっていない可能性があります。
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今回は効果的な面接を進めるために、面接の構成要素とポイント、効果的な質問についてお伝えしました。
面接は選考の中でも候補者と直接接することのできる貴重な機会です。
「なんとなく」面接をするのではなく、各フェーズにおいて何をすべきなのかを明確に把握しておくと、採用成功の可能性が上がるでしょう。
今回の記事を参考に内定承諾につながる効果的な面接の設計を行ってみてください。