本記事では、求人票でのルールやNG表現をご紹介いたします。効果的な求人票を作成し、採用成功につなげましょう。
新卒採用の求人票とは、企業が採用を行う際に提出する書類のことを指します。
提出先は公共職業安定所(ハローワーク)や民間の人材会社、学校の就活課などです。
また、上記の提出先以外にも就活エージェントや求人広告、学校のキャリアセンター、就活ポータルサイトなどへ求人情報を掲載する募集要項を求人票と呼ぶ場合もあります。
求人票と同様に労働条件の明示に用いられるものとして、募集要項があります。
両者の大きな違いは、募集要項では必ずしも書類であるとは限らない点です。
求人票は、求人媒体へ提出する「書類」のことを指すのに対し、募集要項は求職者への「情報そのもの」を指しています。
以下の記事では募集要項について詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
求人票を活用することで得られるメリットは以下のようなものがあげられます。
このようなメリットを得られるため、現在では多くの企業が求人票を活用しています。
求人票の掲載のみで採用に十分な学生を確保することは難しいですが、求人票を最大限活用し、学生の企業認知度を上げることで採用成功につなげましょう。
良い求人票とNGな求人票のそれぞれの特徴を確認して、求人票をより効果的なものにしていきましょう。
また職業安定法の他にも、求人票についてのルールを定めている労働関連法を守ることが求められています。
以下の項目は求人票に記載する義務があります。
求人票を作成する際には、必ずこれらの項目の記載があることを確認しましょう。
業務内容について具体的に記載することが大切です。これまで業務に携わったことがない人でも、業務を行うイメージができるような内容を記載することで、興味を持ってもらうことができるでしょう。
契約期間が無期雇用か有期雇用かを明確に記載しましょう。
有期雇用の場合には、期間の定めを明確にしておく必要があります。
また、解雇事由などの退職についての取り決めも記載しておきましょう。
試用期間の有無を記載してください。
試用期間がある場合は、その期間について明示する必要があります。
また、試用期間中に給与や勤務地が異なる場合は必ず明記しましょう。
求人票での誤解を無くし、入社後のトラブルを防ぐことにつながります。
実際に勤務する場所や転勤の有無について記載する必要があります。
勤務場所の候補が複数ある場合には、全てを記載しましょう。
また、通勤の便を企業選びにおいて重要とする求職者もいるため、市区町村や最寄駅を記載すると親切です。
定時での就業時刻・休憩時間や休日や残業などの時間外労働について記載してください。
残業の有無や休日出勤の有無を重要視する求職者は多いため、これらの項目を記載することで効果的な求人票になるでしょう。
固定残業代を採用している場合には、次の項目の記載に注意をしましょう。
上記の項目を正確に記載する必要があります。
また、「約」や「程度」などの曖昧な表現はNGです。
固定残業代の記載例:固定残業代50,000円(35時間分)を含む ※超過分は別途支給いたします
残業が発生する場合は、月平均の残業時間を具体的に記載すると効果的です。
いつ、どのような状況で残業が発生するのかを明確に記載すると、求職者は企業で働くイメージがしやすいでしょう。
基本給は、残業代や各種手当を除いた月額の給与を指します。
また、各種手当や賞与、残業代についても必ず記載をするようにしましょう。
社会保険は、健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険、雇用保険の4つです。
全てに加入が可能な場合には、「社会保険完備」と記載しましょう。
一部の保険のみ加入可能な場合には、「健康・厚生年金あり」など加入できる保険のみを記載するようにしてください。
また、フルタイム雇用の場合には健康保険、厚生年金保険、雇用保険への加入が義務付けられています。
求人票には募集者の氏名または名称を明示する必要があります。
企業名や募集者の氏名を明記しましょう。
派遣労働者として雇用する場合は、雇用形態を「派遣労働者」として明示する必要があります。
求人票を作成する際には、次のような労働関連法を守ることが重要です。
職業安定法においては、記載義務のある項目の他に、的確表示や苦情処理、個人情報の保護や秘密保持について定めています。
また、以下の表では労働関連法について定められている内容をまとめています。
それぞれの労働関連法でどのようなことが定められているのかを確認してください。
求人票には記載が義務付けられている項目の他に、記載してはいけない禁止事項があります。
禁止事項を記載してしまうと、掲載媒体の審査に通らない可能性や、掲載後に求職者が企業に対して悪いイメージを抱く可能性があります。
禁止事項は次のようなものがあります。
NG表現の例とともに禁止項目を確認していきましょう。
最低賃金法で、都道府県別に時間額や日報が定められています。
この金額を下回っている募集は禁止されています。
また、最低賃金は毎年10月に改訂されるため、求人票を定期的に更新し、最低賃金未満の求人を行わないように気を付けてください。
居住地や会社への通勤時間を選考条件として求人を行うことはできません。
また、出身地や自宅通勤か否かなどを言及するような表現もやめましょう。
NG表現例
差別にあたる表現は求人票の記載が禁止されています。
上記に注意をして求人票を作成することが求められます。
男女雇用機会均等法では、性別による求人の差別を禁止しています。
一方の性別のみを限定した求人や性別によって給与や待遇などの雇用条件が異なる求人は禁止されています。
NG表現例
雇用対策法によって、求人では年齢に関わりなく均等な機会を与える必要があるとされ、年齢制限の禁止が義務付けられています。
年齢を選考基準として応募を断ったり、書類選考や面接で採否を決定する行為は法の規定に反します。
また一部例外があるため、事前に例外事由にあたるか確認する必要があります。
【参考】厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」
NG表現例
国籍を選考基準として採用を行うことは禁止されています。
また、求人票に国籍不問と記載することもできません。
語学力を応募資格として設ける場合には、経験や能力の箇所に記載してください。
NG表現例
身体的・精神的障害を選考基準として求人を行うことは禁止されています。
また、特定の人に対して差別や優遇を行うことも禁止です。
NG表現例
令和4年職業安定法の改正によって、求人票の情報を正確に表示する義務が課せられています。
事実と異なる内容や誇大な内容を求人票に記載することは禁止されています。
そのため、求人票の記載は誤解を生まないよう正確で明快な表現を心がけましょう。
次に、求人票を効果的にするためのステップをご紹介いたします。
ステップは以下の通りです。
①求める人物像を明確にする
②記載する内容を決定する
③求人票のデザインを考える
④誤った表現がいない確認する
⑤定期的に情報の更新を行う
採用におけるペルソナとは「採用したい典型的な架空の学生像」のことです。
ペルソナを設定することで、自社にあった学生の特徴を理解しやすくなります。
ペルソナを設定する際には次のような流れで行うと良いでしょう。
以下の記事では、ペルソナの設定方法について詳しくご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
【参考】【新卒】採用の「ペルソナ」とは?フォーマットで設定方法を紹介
ペルソナを設定することができたら、次にターゲットを明確にしましょう。
ペルソナとターゲットは混同されやすい用語ですが、違う内容を指しているため使い分けを行う必要があります。
ペルソナは、架空の人物を設定して求める人物像にあった人物を詳細に想定します。
ターゲットでは、実際に採用する合否を判断する際の基準となります。
そのためペルソナと比べて、スキルや能力、経歴などに幅を持たせて設定することがポイントです。
また、採用するターゲットを明確にしておくことで、自社にどのような社員を採用したいのか具体的にイメージができるようになります。
ターゲットを明確にするために、以下のポイントを意識して考えると良いでしょう。
設定したターゲットに伝えたい情報を考え、求人票に記載する内容を決定しましょう。
記載義務のある項目に加え、ターゲットに伝えたい自社の魅力などを記載することで効果的な求人票を作成することができます。
記載する内容が決まったら、求人票のデザインを考えましょう。
求人票では他社との差別化を図ることで、求職者の印象に残りやすくなります。
白黒の場合には、情報が伝わりやすいようにインデントや見出しを工夫することが効果的です。
カラーの場合には、伝えたい情報を色分けしたり、レイアウトを工夫すると良いでしょう。
求人票が完成したら、誤った表現がないか確認を行いましょう。
また、記載内容がわかりやすいものになっているかも合わせて確認するようにしてください。
求人票を掲載したら、定期的に情報の更新を行うことも重要です。
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求人票を掲載しているが、思うように応募者が集まらないと悩んだことはありませんか?
その解決策として、求人票を定期的に更新することがおすすめです。
本項では、求人票の書き換えを行う際に、確認すべきポイント3選をご紹介いたします。
求人票を掲載している求人媒体が自社にあっているか、確認しましょう。
求人媒体は年々多様化しており、職種に合わせて媒体を選ぶ必要があります。
求人媒体ごとに適性があるため、自社に最適な媒体を選ぶことが大切です。
求人票の内容がわかりやすいものになっているのか、確認してください。
求職者は求人票の情報から企業を判断するため、具体的な業務がイメージしやすいように
表現をわかりやすいものにすることが効果的です。
また、誤解を生まない表現を心がけることで、求人票での認識齟齬によるトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
自社の魅力を伝えることを意識することで、他社との差別化を図ることができます。
求職者は複数の求人票を比較して求人に応募するため、他社にはない自社の魅力を伝えることでより効果的に求人票を活用することができるでしょう。
求職者が求人票で何を見ているのかを意識することで、より効果的な求人票を作成することができます。
山形労働局がハローワークを利用している1670名を対象に行った調査(平成29年)によると、以下の項目を求人票で重要視していることが読み取れます。
労働条件以外で知りたい内容として以下の項目があげられます。
以上のアンケートの結果をもとに求職者が求めている情報を記載することで、より効果的な求人票を作成することができるでしょう。
また、求職者が応募したいと感じる情報には以下のようなものがあります。
対して、求職者が応募を躊躇うと感じる情報は以下のようなものです。
【参考】はたらくみんなの声
効果的な求人票にするためには、求職者に応募したいと感じる求人にする必要があります。
求人票に求職者が応募を躊躇うと感じる情報が多く含まれていないか、見直す必要のある条件はないかなどを検討してみましょう。
いかがでしたか?
この記事のポイントは以下の通りです。
上記のポイントを押さえて、効果的な求人票を作成しましょう。