「採用要件設定時に決めた項目を写すだけで、募集要件は書き終えられる」
そんな風に思っていませんか?
募集要項は、自社へエントリーする候補者が必ず目を通す項目です。
そのため募集要項を魅力的にかけるか否かで、母集団形成の成功が左右されるといっても過言ではありません。
今回は、すぐに実践できる魅力的な募集要項の書き方をご紹介します。
そもそも「自社の採用で改善するべき箇所はどこなのか」また「どのような学生に向けて採用要件を書くのか」を知りたい場合は、以下の記事もオススメです。
【参考】分析方法を徹底解説!採用歩留まりが低下しやすい項目と9つの改善策
【参考】【新卒】採用ペルソナの設定方法を具体例・フォーマットで紹介します
【テンプレート】募集要項
まずはじめに、募集要項のテンプレートをお見せします。
テンプレートを参考にしながら、各項目をどのように書くと良いのかをこの記事を通して確認していきましょう。
募集要項とは
募集要項とは、自社が募集している職種や雇用の際の条件などを記載した項目のことです。
業務内容や給与、勤務地が書かれていない企業の選考を受けようとは思えないですよね。
「どのような条件」で「どのような内容」の仕事をするのかという認識を、企業と候補者の間で一致させておくことで、ミスマッチや早期離職を防ぐことが可能です。
また募集要項を明示することは、法律で義務付けられています。
募集要項と応募要項の違いとは
募集要項と似ている言葉として「応募要項」があります。
「募集」には集めるという意味があり「応募」には募集に応じるという意味があります。
そのため「募集要項」は、企業目線で人材に求める条件などの項目を記載しているのに対し、「応募要項」は応募者目線で応募に必要な項目が設けられている場合が多いです。
採用活動において職種や報酬などを記載するもののことは、一般的に「募集要項」と呼びます。
募集要項の書き方によって応募数が変わる?
職種や給与などを募集要項で端的に記載するよりも、それらが魅力的に映るような書き方をする方が、応募数が増えやすいです。
募集要項を具体的に記述することで、応募者が他社ではなく自社にエントリーする意味を明示することができます。
例えば募集職種欄で「営業職」と記載するよりも、「自社製品の魅力を隅々まで理解し、お客さまの生活を豊かにするご提案を行う営業職」と記載した方が応募したくなりますよね。
少子高齢化などによって新卒採用が激化する中、自社の求める人材の獲得に苦労する採用担当者様も多いのではないでしょうか。
募集要項の魅力的な書き方を実践することで、母集団形成の成功に繋げましょう。
【必読】必ず記載が必要な項目を紹介
募集要項には「必ず記載が必要な情報」があります。
募集要項に記載をしなければならない必須項目は以下の7つです。
- 業務内容
- 勤務時間
- 勤務地
- 給与
- 福利厚生
- 休日休暇
- 試用期間
厚生労働省のホームページには「ハローワークや職業紹介事業者への求人申込み、自社HPでの募集、募集広告の掲載等を行う際」に求人票や募集要項において労働条件を明示する必要があると記載されています。
求人を行う際には、必ず募集要項に労働条件を記載しましょう。
募集要項の書き方を紹介
下記のグラフは学生が企業選びの際にどの項目を見ているのかについてのアンケート結果を示したものです。
【参考】キャリタス就活2023「2月1日時点の就職意識調査」
仕事内容・職種や福利厚生、勤務地、勤務時間など募集要項に記載される内容に対する学生の関心度が高いことが分かります。
ここでは、今までご紹介した募集要項を魅力的にするコツを踏まえた上で、実際に各項目でどのような記述をすれば良いのかを例文も交えてご紹介します。
こちらのテンプレートを埋めていくように、募集要項を考えましょう!
▼募集要項テンプレート
募集職種 | |
応募資格 | |
選考フロー | |
勤務地 | |
勤務時間 | |
給与 | |
福利厚生 | |
休日休暇 | |
試用期間 |
募集職種の書き方
「どの職種を募集しているのか」について記載する項目です。
BAD例では、募集要項を魅力的にするコツ⑥でご紹介したように「応募者のニーズに合った訴求を行う」が実践できていません。
応募者は募集職種の欄を見て、どのような仕事を行うのかという想像がしたいはずです。
そのニーズに応えるためにも「何を行う職種なのか」「どのような能力が身に付くのか」などを記載すると良いです。
他にも下記のような内容を記載することもオススメです。
- 教育支援制度など、その職種に必要なスキルを磨ける環境
- 裁量権の大きさがあり、担当する業務は能力に応じて拡張できること
- 経営に近いところで業務を行えること
- (総合職の場合)適性や相性を見た上で配属が決まること
特に新卒採用で募集職種を記載する際には、専門用語などの使い方に注意が必要です。
未経験者を対象としている場合は、分かりやすい言葉を使用するか、もしくは用語の解説を載せるようにしましょう。
募集対象の書き方
「どのような人物が応募可能か」について記載する項目です。
新卒採用の場合では「202●年3月卒業予定の方」というように、募集対象を絞る場合があります。
- 募集学部または学科を絞る
- 最終学歴卒業後●年以内未満も応募可能であると伝える
- 学歴不問であると伝える
募集する職種などに応じて「応募するために必要な条件」を募集対象欄にて伝えましょう。
募集対象欄で求める人物像を記載すると、自社選考へ応募する心理的ハードルが高まり、応募者数が減ってしまう恐れがあります。
そのため募集対象欄では、「どのような人物を採用するのか」ではなく、あくまでも「どのような人物なら応募できるのか」について記載しましょう。
選考フローの書き方
「どのような流れで選考するのか」について記載した項目です。
エントリーから内定までの流れを記載する際に図などを用いると、視覚的に分かりやすいです。
面接など複数回実施されるものがある場合は、「実施回数」「各回の面接担当部署名」などを記載すると選考の流れが伝わりやすくなります。
また新卒採用に応募する学生は、複数社を同時に受けている場合がほとんどです。
できるだけ早く内定を貰える会社に応募したいという学生も多いため、エントリーから内定までにかかる所要時間を記載しても良いでしょう。
勤務地の書き方
「どこで勤務するのか」について記載する項目です。
オフィス名や住所名のみを端的に記載することも可能ですが、その勤務地の魅力を伝える方が自社で働く様子を応募者が想像しやすくなります。
- オフィスのこだわりポイント
- 立地の特徴
- オフィスについて紹介されているページリンク
以上のことを勤務地欄に記載すると良いでしょう。
採用となった場合、長い時間を過ごすことになる勤務地。
その魅力をアピールすることで自社への志望度を高められます。
勤務時間の書き方
「どの時間帯で働くのか」について記載する項目です。
勤務時間には「時間帯」「休憩時間」「実働時間」を含めるようにしましょう。
その他「残業時間」や「勤務時間に関わる制度」などを記載すると良いです。
特に「残業時間」は、ミスマッチを防ぐためにも記載することが重要です。
実際にどれだけ働くのかという目安を応募前に知っておくことで、自社で働いた際のワークライフバランスなどを想像しやすくなります。
給与の書き方
「どれだけの報酬があるのか」について記載する項目です。
実際の給与を想像しやすいように、できるだけ詳細を記載しましょう。
賞与や昇給の回数、社員の平均年収などの情報があると、初任給だけではなく、将来どれほど稼げるようになるかなどもイメージしやすくなります。
福利厚生の書き方
「どのようなサポートなどがあるか」について記載する項目です。
企業によって違いの出やすい福利厚生は、自社らしさをアピールできるポイントです。
できるだけ具体的に、福利厚生の内容を記載するように意識しましょう。
例えば上記の例では「シャッフルランチ」など、独自制度のため名前だけでは福利厚生の内容が伝わらない場合があります。
内容が伝わらなそうなものは補足を付け足すなど、自社の魅力がしっかり伝わるように記載しましょう。
また「通勤手当」や「住宅手当」など企業によって上限支給額などがあるものは、自社ではどこまで補助されるのかを説明すると良いです。
休日休暇の書き方
「どれほど休日や休暇があるのか」について記載する項目です。
休日休暇を記載する際は、期間や取得率を示すと良いです。
例えば「完全週休2日制」と記載されていても、企業によっては平日の中に休みがある場合があります。
「パートナーや友人と予定を合わせやすいように土日休みの企業が良い」
「趣味のために平日休みがある企業が良い」
など、プライベートを考えながら企業選びをしている学生もいます。 ワークライフバランスを応募前からイメージしやすくなるように休日休暇の詳細を記載し、ミスマッチを予防しましょう。
試用期間の書き方
「試用期間の有無」について記載する項目です。
試用期間の有無についての記載がないと、最悪の場合トラブルに発展する恐れも。
試用期間がある場合は、「期間」と「試用期間と本採用後の労働条件変更」について明記しましょう。
また試用期間がない場合でも項目は削除せず、「試用期間なし」と記載すると良いです。
募集要項を魅力的にする6つの書き方
「どうすれば応募したくなる募集要項が書けるの?」
このような疑問にお答えするために、ここでは募集要項を魅力的にする書き方を6つご紹介します。
募集要項を書く際は、これらのコツを意識しましょう!
① 業務内容を詳しく伝える
応募者がエントリーする際に、ある程度「どのような仕事をするのか」というイメージができている必要があります。
特に新卒採用の場合は就労経験のない応募者がほとんどのため、職種名から実際の業務内容を想像することはなかなか難しいです。
2022年卒の学生の就活観を調査したアンケートでは、「楽しく働きたい」という回答が34.8%と最も多い結果となっています。
「楽しく働けるかどうか」には、「どのような環境」で「どのような仕事をするのか」が大きく関係しています。
たとえ総合職の採用だったとしても、想定される初期配属先の職種と業務内容の詳細を記載し、応募者が働く姿をイメージしやすいように工夫しましょう。
② 自社の強みをアピールする
なぜ他社ではなく自社で働くのか、という動機をいかに醸成できるかによって内定辞退率が大きく変わります。
労働条件を提示する募集要項では、「業務内容」「給与」「福利厚生」など、競合他社と比較できる項目が多いです。
ここでいかに「自社らしさ」や「自社で働く魅力」をアピールできるかが、応募者の自社への志望度を左右します。
以下のような点を整理し、募集要項で自社の強みを訴求できるように意識して文章を書きましょう。
- 事業の独自性はどのような点か
- 自社でしか経験できないことは何か
- どのような社内環境か
- 自社ならではの制度はあるか
【参考】すぐできる内定辞退対策12選!主な辞退理由から対策を立てる!
【参考】【改善策4選】3年分の内定承諾率から考察!内定承諾率を上げるコツ
③ 数値を提示する
ただ漠然と自社の魅力を説明するだけでは、訴求に説得力が生まれません。
「組織をリードする人材になるための成長環境があります」
「25歳で役員になった先輩も!組織をリードする人材になるための成長環境があります」
これらの2つの文章では、具体的な数値が提示されている後者の方が成長環境への説得力や信頼性がありますよね。
以下のような数値を提示することで、自社の魅力が伝わりやすくなります。
- 製品の売り上げ率
- プロダクトのユーザー数
- 事業の成長率
- キャリアパスの事例
- アワードなどの受賞歴
募集要項を記入する際は、数値化できるものがないのかを確認するようにしましょう。
④ 文章表現を工夫する
例えば「みらいをかんがえる」という同じ文章でも、以下のようなバリエーションで記載することができます。
「未来を考える」
「未来をかんがえる」
「ミライを考える」
「ミライをかんがえる」
これらの文章から、それぞれ違うイメージが想像できませんか?
例えば「ミライ」をカタカナで表現すると、科学的なイメージになります。
「かんがえる」を平仮名で表現すると、柔軟に思考する様子が連想されます。
このように、漢字・カタカナ・平仮名の使い分けによって、読み手の印象を操作することが可能です。
自社がこだわる要素にまつわる文章を作る際は、どのように表すのが最適なのかを考えるようにしましょう。
また幅広く人材を募集したい場合は、専門用語を使いすぎないことも大切です。
せっかく業務内容を説明していても、学生が記載されている意味を理解できなければ、応募者が働く姿をイメージすることは難しいです。
どのような文章で表現するのか、募集要項を書く際に意識すると良いでしょう。
⑤ 応募への心理的ハードルを下げる
募集要項を見ている応募者は、自社へのエントリーを考えている場合がほとんどです。
「活躍できそう」「楽しそう」「成長できそう」などの印象を与えられるような募集要項を作成することで、応募数の増加に繋がります。
例えば「研修制度が整っているため未経験からでも優秀なエンジニアへと成長できる」という文章がエンジニア職の説明欄に記載されていたら、応募しやすくなりますよね。
一方で、専門的なスキルを有した人材のみにターゲットを絞りたい場合は、必要なスキルや能力などを記載すると良いでしょう。
⑥ 応募者のニーズに合った訴求を行う
母集団形成時において大事なことは「自社が求める人材に応募してもらう」ことです。
そのため自社採用におけるターゲットへの理解を深め、どのような訴求がターゲットにとって効果的かを知っておく必要があります。
例えば成長意欲の高い人材を欲している場合、成長を支える環境が自社にあるという訴求を行うと効果的です。
応募者のニーズに合った訴求を行うためには、採用ペルソナを設定することをオススメします。
採用ペルソナの詳しい設定方法については、以下の記事で解説しています。
【参考】【新卒】採用ペルソナの設定方法を具体例・フォーマットで紹介します
募集要項作成時のNG行為5選
以下では、募集要項作成時に注意するべきNG行為を5点紹介します。
募集要項を掲載する前に、以下の項目に当てはまっていないかを確認しましょう。
一方の性別のみ優遇する
「今年は男性4名、女性2名を採用目標にしよう」
「営業職は男性のみ募集しよう」
「女性に応募してもらいたいから、女性が働く姿の写真のみ載せよう」
以上のようなことは、男女雇用機会均等法にて禁止されています。
男女のどちらかを募集や採用において有利にすることや、性別によって募集や採用の条件を設けることは避けましょう。
ただし警備員をはじめ、防犯上の理由などがある場合は、職種によって性別を限定して募集できる場合もあります。
限定した年齢のみを募集する
雇用対策法では、年齢制限を設けた求人を行うことを禁止しています。
例えば「20代前半をターゲットにしたSNSマーケティングを行うので30歳未満限定」などの募集方法は法律違反です。
一方で、「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合」というような例外事由が設けられています。
新卒採用は上記の事由に当てはまるため、年齢制限を設けて募集することも可能です。
【参考】厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」
国籍などに関する差別的な条件を設定する
性別や年齢の他にも、国籍や家庭環境、容姿、宗教や思想などに関する差別的な条件を設けないように注意しましょう。
「営業職なので華やかな容姿の人を募集」
「オフィスが神奈川なので神奈川県出身者を募集」
このような条件を設けた場合、行政から罰則を受ける可能性があります。
募集要項が抽象的すぎる
例えば「福利厚生あり」「月給250,000円程度」など募集要項を抽象的に記載すると、トラブルに繋がりかねません。
特に給与については残業時間や賞与、昇給などによって変動が多いため、なかなか具体的に記載することが難しいですよね。
そういった場合は、「初任給を記載する」「基本給と残業手当を分けて記載する」「賞与が別途であることを記載する」などの対応を取りましょう。
他社と似たような訴求をしている
募集職種欄での業務紹介や、福利厚生、勤務地など、募集要項では自社ならではのポイントをアピールできる項目がたくさんあります。
募集要項は自社に興味を持った求職者のほとんどが確認します。
自社への志望度を高めるチャンスを逃さないためにも、なるべく具体的に募集要項を埋めていきましょう。
効率の良い学生へのアプローチならMatcher Scoutがオススメ
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といったメリットがあります。
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Matcher Scoutについての詳しい説明は、下記からご覧ください。
おわりに
いかがでしたか。
本記事では、魅力的な募集要項の書き方のコツや募集要項作成時のNG例などをご紹介しました。
自社で働いている姿を想像しやすい募集要項を作成することで、応募者の志望度を高め、ミスマッチを予防しましょう。