採用コンセプトとは、採用候補者と採用担当者に企業が大切にしている考え方や価値観を一言で伝えるものです。
企業によっては毎年採用コンセプトを設定する企業もありますが、採用コンセプトを考える上で必要な手順やメリット、考え方がわからず、自社でも設定すべきかわからない企業もあるのではないでしょうか。
本記事では、そんな方のために必要な考え方から具体的な事例まで徹底的に解説するので、ぜひ参考にしてください。
採用コンセプトとは、企業の求める人物像・事業内容を一言で表したものを指します。
採用コンセプトを作る目的は2点あります。1点目が社内の採用担当者と採用候補者に自社が大切にしている価値観を伝えて企業文化を統一させること、2点目が自社が採用で大切にしている考えを候補者に端的に伝えることです。
実際の採用コンセプトには次のようなものがあります。
どの採用コンセプトも仕事内容や求める人物像を簡単に理解させるものになっていることがわかるでしょう。
採用キャッチコピーと採用コンセプトの違いはその目的にあります。採用キャッチコピーの目的は自社の求める人物像の注意を引くことで自社への応募数を増やすのに対し、採用コンセプトの目的は社内外に自社の採用指針を示すことです。
つまり、採用コンセプトが採用活動の設計図であるのに対し、採用キャッチコピーは自社の売り文句です。
採用キャッチコピーの目的は、自社の求める人物像の注意を引くことで自社への応募数を増やすことであり、採用活動の設計図です。その一方で、採用コンセプトの目的は、社内外に自社の採用指針を示すことであり、採用活動における自社の売り文句です。
採用キャッチコピーについて詳しく知りたい方は次の記事を参考にしてください。
【参考】【2024年最新版】採用キャッチコピー事例15選!作り方も解説!
採用メッセージとは、採用コンセプトや採用キャッチコピーを作成するまでに至った想いを具体的に説明するものです。20字前後でまとめる採用コンセプトとは異なり、採用メッセージは200字程度で書くことが多いです。
採用メッセージには2つの役割があります。
効果的な採用メッセージを作成できるとターゲット人材から関心を持ってもらえるため、採用コンセプトの作成と並行して作成することをおすすめします。
採用コンセプトを作るメリットはどのようなものがあるでしょうか。
ここでは次の3つについて解説します。
▼採用コンセプトを作る3つのメリット
採用コンセプトを作ることで自社と他社との違いを簡潔に説明することが可能です。
採用コンセプトは、自社の強みや文化を鑑みてわかりやすく独自で表現しているため「自社の企業文化」「持っていて欲しいマインド」など他社にはないメッセージを読み手に伝えることができます。
採用コンセプトを通じて企業が大切にしている価値観を採用候補者に伝え、共感を呼び起こすことで他社と差別化された魅力的な採用活動を展開することができます。
採用コンセプトは企業の「求めるマインドセット」や「どのような働き方を求めているか」がはっきりと示されているため、求職者は採用コンセプトを読むことで応募するより前に自ら企業との適合度を図ることができます。
その結果、あらかじめ企業との相性が良い採用候補者が応募するため企業と求職者の間のミスマッチを減らすことができます。
採用コンセプトを策定することで得られるメリットは何も採用上だけではありません。
採用コンセプトは企業が求めている人物を示すだけでなく、企業の方向性や社会的な役割を伝える場でもあります。その結果、企業イメージやブランドを向上させることができるでしょう。
採用コンセプトはどのように設定すれば良いのでしょうか。
ここでは、採用コンセプトの作り方を5ステップに分解し、それぞれについて詳しく解説します。
▼採用コンセプトの作り方
まずは、求める人物像を明確にしましょう。
求める人物像が曖昧なまま採用コンセプトを設定すると、採用担当者によって採用する人材がバラバラになってしまいます。その結果、望む人材を採用する確率が減少することに加えて、ミスマッチによる早期退職の増加につながる可能性が高いでしょう。
求める人物像は、自社の社員の特徴や企業のビジョンのように複数の内容を言語化することが重要です。具体的には次のような内容を考えてみましょう。
次に競合他社がどのような採用コンセプトを掲げているかを調査・分析をしましょう。
採用コンセプトを策定する上で、競合を調査することは差別化や求職者が求めている条件を適切に把握することができます。せっかく設定した採用コンセプトが他社と似ている場合、求職者に響かず埋もれてしまいます。
他社のキーワードやテーマ、ターゲット層をしっかり把握しましょう。
次に自社のポジション・魅力を整理しましょう。自社の成り立ちや価値観、カルチャーを整理することで求職者に何を伝えるべきかが明確になります。
自社のポジションを整理する際には、具体的には次のようなことを整理しましょう。
これらの項目を整理することで傍から何が求められているかが明確になるでしょう。また、「○○業界 カオスマップ」と調べることで第三者の分析を元に自社の立ち位置を考えることができます。
今まで洗い出したものを元に採用の軸を洗い出しましょう。
例えば、「業界シェアNo.1になるために顧客のニーズをうまく聞き出せるコミュニケーション力が高い人」や「既存事業を発展させて新たな事業に乗り出すために、立ちはだかる壁を乗り越える忍耐力が高い人」のような軸を立てましょう。
このような軸を考えることで、受け手に刺さる採用コンセプトの伝え方を考えやすくなります。
先ほど作成した採用の軸を、25字以内を目安に短い言葉にまとめましょう。簡潔にまとめることで、企業が求める人物像や価値観をわかりやすく伝え、より効果的に共感を呼ぶ採用コンセプトを策定することができます。
このとき、まとめ方には2種類の方法があります。「企業のイメージを直接的に喚起させる採用コンセプト」と「文法を巧みに扱った採用コンセプト」です。
次の見出しで事例をあげながらそれぞれ紹介していきます。どちらのまとめ方がより自社の魅力を伝えられるのか、ぜひ参考にしてみてください。
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採用コンセプトには大きく次の2種類に分けることができます。
ここでは、14の企業が設定している実際の採用コンセプトの事例とその特徴、採用コンセプトから考えられる求める人物像を考察していきます。
企業の採用コンセプトを直接的に喚起させる採用コンセプトにはどのようなものがあるでしょうか。ここでは8つの事例を紹介します。
次の感動を、共につくろう。
◎特徴
あえて”新たな”ではなく”次の”とするこで、多くの人が利用したであろうSONY製品の社会的インパクトの大きさを感じさせつつ、利用者目線の感動を他の人にも与えたいと共感させることができる採用コンセプトとなっています。
君の夢は、君が創る。
◎特徴
「君の」と対象を個人に絞ることで、企業という組織を創る一人一人に寄り添う姿勢が伝わりやすくなっています。
【参考】株式会社ニトリ「新卒採用サイト」
「未来創発」激しく変化する時代。社会を見据え、確かな未来を切り拓く。
◎特徴
独自に作成した四字熟語の後にその意味を解説する形で文章を繋げることで、読み手が感じた疑問をすぐ解決し印象に残りやすくなっている。
【参考】株式会社野村総合研究所「未来年表 2024-2100」」
【参考】株式会社野村総合研究所「新卒採用向け総合案内サイト」
挑戦者よ、世界を揺らせ
◎特徴
企業における業務の影響力の大きさを「世界」と表現することで、文字通り読み手の心を揺れ動かしている。
【参考】株式会社三井住友フィナンシャルグループ「RECRUITIING SITE」
変化の中心で働く
そんな変化の激しい業界の中で、世界の最先端な技術についていくためにタフな状況でも楽しめる人物を求めていることがこの採用コンセプトから読み取れます。
◎特徴
技術革新の激しい昨今の世の中で、アクセンチュアで働くとはどういうことかを端的に表している。
冒険はつづく。挑戦者、求む。
◎特徴
採用コンセプトにある2つの文章では、自信を持って断言しています。このようにすることで、ドコモがビジネスにおけるリーダーであることを強調し、新たなキャリアを求める採用候補者に魅力的な印象を与えています。
【参考】株式会社NTTドコモ「新卒採用」
変化の穂先であれ。
◎特徴
あえて多くは語らないことで、企業が求職者に求めるマインドを端的に表現しています。
【参考】株式会社みずほフィナンシャルグループ「採用情報サイト」
次なる日本の創造 Dear Japan
◎特徴
日本各地に張り巡らされた鉄道網を活用して次世代の日本を支えていくビジネス規模の大きさを直接的に表現できています。
読み手の記憶に残るような採用コンセプトはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは6つの事例を紹介します。
世界を変える、変わらぬ信念。
◎特徴
句点を挟んで「変える」、「変えない」と対比することで、何を変えて何を変えないかを協調しています。
【参考】株式会社NTTデータ「新卒採用」
どうなるかじゃない、どうするかだ。
◎特徴
主語を省略しつつも句点の前半で否定し、後半で断定しています。このように表現することで、自社で働くためにはどのようにあるべきかを力強く、簡潔に表現することができています。
【参考】本田技研工業株式会社「新卒採用」
やさしさをつくる、強い人。
◎特徴
「やさしさ」をひらがなで表し、「強い」を漢字で表現することでそれぞれの意味合いを強く印象付けるものとなっています。
娯楽の世界で、これからも変わらず、変わり続ける。
◎特徴
2つ目の句点を挟んで「変わる」という単語をもとに否定と肯定の対比構造を作っています。このような対比構造は読み手に「娯楽」という核は変わらず持ちつつ、人々の娯楽を満たすために企業として変わっていくことを印象づけることができています。
知のめぐりをよくする。
◎特徴
日々私たちの中を絶えず流れる血の流れを表す「血のめぐり」を、自社の事業内容である「知」と合わせています。このように、人々が日常的に使用する単語を自社の特徴と合わせることで、採用コンセプトを見た人がどのようなものであるかを端的に理解させることができます。
原動力は好働力
◎特徴
「行動力」を「好働力」と表しています。
このような表現は、日々の業務を楽しみながら行っている人が多い職場であることを印象付けることができます。また、原動力と好働力という似た響きを持つ単語を並べることで記憶に残りやすいキャッチーな表現にすることが可能です。
【参考】Sky株式会社「新卒採用サイト」
採用コンセプトとは社内で採用人物像の共通認識を図るものでした。
企業ごとに求める人物像は異なりますが、大別すると次の5つの能力を有する人に分けることができます。
▼採用人物像
14の企業の採用コンセプトについて、求める能力別に事例を紹介します。ぜひご参考にしてください。
1.チャレンジ精神
2.チームワーク力
3.リーダーシップ力
4.主体的行動力
5.柔軟性
「せっかく採用コンセプトをつくったのに、思ったような成果が出ない…」ということにならないよう、ここでは採用コンセプトをつくるうえでよくある失敗パターンについて解説していきます。
▼採用コンセプトをつくるうえでよくある失敗パターン
採用コンセプトを作っても、それが面接官や現場社員からの意見を取り入れていないものだと十分な成果は見込めません。「経営陣は◯◯を求めているけど、現場は△△を見ている」というズレが生じるのはよくある失敗です。
会社の役員が求める人物像と現場の求める人物像を一致させたうえで、採用コンセプトを作ることが大切です。
「トレンドは『変革力』だから自社でも採用コンセプトとして掲げていこう」といったコンセプトづくりは、求職者に刺さらないだけでなく入社後のミスマッチにもつながります。
業界や社会のトレンドではなく、自社の今後の方向性を踏まえたうえで、採用コンセプトを作成していきましょう。
「求めるような学生になかなか出会えない」「母集団形成がうまくいかない」といったお悩みを抱えている新卒採用担当の方におすすめしたいのが、Matcher Scoutです。
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Matcher Scout をおすすめする理由
以上の理由より、待っているだけでは会えないような優秀な学生層にアプローチできるため、効率的に採用活動を進めることができます。
ご興味をお持ちいただけましたら、まずはお気軽にお問い合わせ・資料請求をお願いいたします!
詳しくは以下の資料で詳しく説明しているので、是非ご覧ください。
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【導入事例】利用チャネルの中で最も多い内定数!工数をかけなくても多くの優秀な学生にお会いできました
採用コンセプトの具体例から作成方法まで解説しましたが、いかがでしたか?
採用コンセプトを作成することは簡単ではありませんが、作成することで得られるメリットは大きいでしょう。本記事を参考に自社に適した採用コンセプトを作成していただけたら幸いです。