新卒3年目以内の離職率が高くなっている現在。
「離職率が高くて困っている・・・」という悩みは、どの企業も抱える共通の悩みになっています。
本記事では、離職率の平均を日本全体・業界別・企業規模別に紹介した後、離職が生じる原因と対策を紹介しています。
離職率の高さに悩む企業の方は必見の内容です。
離職率とは 「ある時点で働いていた人のうち、一定期間後に退職した人の割合」のことをいいます。
通常、事業年度を基準にして、期首から期末の1年間(4/1〜翌年3/31)で離職率を算出している企業が多いようです。
企業の働きやすさを示す指標として注目されています。
離職率の計算方法には、法的に定められた絶対的なものはありません。
ここでは、厚生労働省が定めている離職率の計算方法をご紹介します。
厚生労働省によると、離職率とは「常用労働者数に対する離職者数の割合」を指します。
※常用労働者とは…期間を定めずに雇われている、または1ヶ月以上の期間を定めて雇われている者のこと(正社員だけでなく、契約社員なども含む)
※離職者とは…一定期間内における退職者または解雇された者。
離職率は以下の計算式で算出できます。
離職率=調査対象期間内の離職した人の数÷起算日の従業員数×100
決算月が3月で、4月1日に従業員が200名いる会社の場合で考えてみましょう。
上記の会社で4月1日〜翌年の3月31日までに30名が退職をすると、離職率は30÷200×100=15で15%になります。
「自社の離職率をしっかりと把握しておきたい」という方は、上記の式を使うのがおすすめです。
【参考】厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況ー主な用語の定義ー」
離職率と似た意味の言葉に「定着率」があります。
定着率とは「入社した従業員が一定期間後に会社に残っている割合」を示し、離職率と真逆の意味を持つ数値です。
定着率は以下の計算式で求められます。
定着率=調査対象期間後に勤務している人数÷起算日の従業員数×100
離職率に関して判断する上で注意してほしいのは、必ずしも離職率が高い=悪い企業で、離職率が高い企業=良い企業というわけではないという点です。
例えば、元々の採用者数が少ない企業の場合、退職者が数人であっても離職率が高くなってしまうことがあります。
また、例え離職率が低い企業であっても、実は従業員が転職活動に時間を避けないほど忙しいブラック企業である可能性もあるのです。
自社の離職率を算出し、その結果だけを見て、「平均より離職率が高いから問題かもしれない…」と思うのではなく、例えば、同業他社かつ採用人数が同じくらいの企業と比較して、自社の離職率に問題があるのかどうか判断していくのが良いでしょう。
日本企業における離職率は一般的にどのくらいなのでしょうか?
厚生労働省が実施した調査によると、日本企業の平均離職率は15.2%であることがわかっています。
過去からの推移でみると、離職率は13〜15%で推移していることがわかります。
2020年以降、平均離職率は若干の増加傾向にあるようです。
この数値は、正規雇用・非正規雇用労働者全てを含みます。
【参考】厚生労働省「令和4年雇用動向調査結果の概況ー入職と離職の推移ー」
では、新卒社員の離職率はどれくらいなのでしょうか。
まず、新卒全体の離職率を検討してから、業界別・事業所規模別の離職率について検討していきます。
新卒(大学卒)の3年以内の離職率の推移は以下の通りです。
新卒3年以内の離職率は、30%台の前半で推移していることがわかります。この流れは令和以前から変わっておらず、大体同じくらいのところで推移しています。
【参考】厚生労働省「新規学卒者の離職状況ー学歴別就職後3年以内離職率の推移ー」
他の年代と比較しても、新卒の離職率は特に高いことがわかっています。
厚生労働省が実施した年齢階級別の調査によると、男女ともに新卒の年代(20〜24歳)の離職率が一番高いです。
新卒の離職率は他年代と比較しても高く、一番辞めやすい時期だといえます。
企業は、新卒の離職対策に特に力を入れる必要がありそうです。
【参考】厚生労働省「年齢階級別の入職と離職 令和3年1年間の入職率」
次に、新卒の離職率を業界別にみていきます。自社が所属する業界の離職率平均と比較して、自社の立ち位置把握に繋げましょう。
業界・業種別の新卒3年以内離職率は以下の通りです。
【参考】厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します」
サービス業や教育業、医療・福祉などの業種では、新卒の離職率が全体平均を大きく超えています。
これらの業種は夜勤や休日出勤があることや在宅ワークができないことなどから、ライフワークバランスを保ちにくい傾向があります。
繁忙期や忙しい時間帯などは勤務時間が長くなりやすいことや肉体労働が多いことなども、離職率の高さにつながっているでしょう。
一方で、電気・ガスなどのインフラ業界や製造業では離職率が低い傾向にあります。
これらの業界は給与水準が比較的高く、休暇が取りやすいことが特徴です。
人々の生活に欠かせない事業を展開しているため、業績が景気に左右されにくく安定している点も離職率が低い要因です。
次に、事業所規模別に新卒3年以内の離職率をみていきます。
以下は会社規模別の離職率です。
【参考】厚生労働省「新規学卒就職者の事業所規模別就職後3年以内離職率」
従業員数の少ないベンチャー企業やスタートアップ企業は、離職率が高い傾向にあり、反対に会社の規模が大きくなるほど、3年後の離職率は低くなります。
これまでで、新卒社員の離職率が特に高く、離職率の対策が必要であることがわかりました。
それでは、一体なぜ新卒は入社後すぐに辞めてしまうのでしょうか。
【出典】THE ADECCO GROUP「新卒入社3年以内離職の理由に関する調査」
上の表は、入社後3年以内に離職した新卒に聞いた退職理由を示しています。
調査結果に上がった退職検討理由を見ると、仕事内容への不満・待遇や労働条件に対する不満・人間関係への不満の大きく3つに分けられることがわかりました。
以下でそれぞれを詳しく見ていきます。
第一志望として入社した企業であっても、配属先や業務内容が入社前のイメージと異なる場合があります。
また、ミスマッチが起きた結果、「思っていたのと違う」「やりたいことができない」と感じてしまい、結果として仕事へのやりがいを感じなくなってしまう場合も考えられます。
実際、新卒が仕事を「辞めたい」と思った理由の1位に「仕事の意義を感じない」が挙げられています。
【参考】リクルート「新人・若手の早期離職に関する実態調査の結果を発表」
そういった際に当初の希望が実現できる企業に転職するために、退職を決断するパターンが少なくありません。
新人・若手は、仕事のやりがいよりもプライベートを重視する傾向が見られます。
リクルートが実施した調査によると、新人が仕事の対価として求めているものの上位は「プライベートをさらに充実させる」「高い収入を得る」でした。
また、新卒は、上司世代と比較してよりライフ・ワークバランスを重視する傾向も見られます。
【参考】リクルート「新人・若手の早期離職に関する実態調査の結果を発表」
新人は、育成担当者が想定している以上の待遇を希望している場合があります。労働条件を理由とした離職に繋がらないよう、新人が臨む待遇をヒアリングするなどして理解の齟齬がないか確認しましょう。
一度、競合他社・年齢別の平均年収と自社の待遇を比較し「著しく待遇が悪くないか」を確認することをおすすめします。
終身雇用制度が少しずつ崩れていく中で、社員は企業の安定性にくわえて「自身のキャリアにつながる業務であるか否か」を重視した職業選択をするようになりました。
といった状況の企業は従業員が不満を抱えやすく、離職につながる可能性が高まります。
具体的には、以下のような状況が挙げられます。
近年、新卒入社する企業を選ぶ際「土日はしっかり休めるか」「残業時間は長くないか」を考慮する学生が増加傾向にあります。
そのため、休日出勤・長時間労働が常態化している職場は、新卒にとって働きづらい環境と言えるでしょう。
人間関係によるストレスがかかるシチュエーションとして、具体的には、以下のような状況が挙げられます。
特に新卒は、社会人としての知識がないまま入社してくるため、直接指導を行う上司の存在が非常に大きいです。
新卒を受け入れている部署では、言動に注意して接するようにしましょう。
【参考】OJTとは?OFF-JTの違い・研修のフロー・コツを簡単解説!|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout
今まで、新卒が早期離職した原因についてみてきました。
では、今度は逆に、新卒で早期離職をしなかった理由は何でしょうか。
離職をさせない条件を把握し、自社の離職率改善につなげていきましょう。
【参考】THE ADECCO GROUP「新卒入社後3年以内に離職しなかった若手社員を対象にした調査」
上の調査は、入社後4年目の新卒を対象に、「入社3年目で離職しなかった理由」を聞いたものです。離職しなかった理由としては、待遇や福利厚生の良さ・同僚や上司など人間関係の良さの2つに分けられそうです。
以下で上位5項目を見ていきます。
早期離職しなかった理由の第1位は、有給の取りやすさでした。
新卒が入社したくない企業の特徴にも、「休暇が取れない(少ない)会社」が挙がっており、「転勤の多い会社」についで多くなっています。
休暇が取れない状況が続くと、ストレスがたまり、ワークライフバランスが実現しにくくなってしまいます。
社内に、新人が休暇を取りづらいと感じさせる空気感がないかどうか確認してみましょう。
第2位に挙がったのは、転職先が見つからないためでした。
しかし、人手不足で売り手市場が続く現在、以前に比べて転職がしやすくなっているのもまた事実です。実際に、5年前と比べて転職就業者数(離職経験のある就業者数)は19万人も増加しています。
自社よりも待遇がよく、働きやすい転職先が見つかれば離職してしまう可能性があるため、自社に不満を抱えている新人はいないかどうか常に目を配りましょう。
第3位に挙がったのは、同期や同僚との関係の良さでした。
給与や福利厚生といった、労働条件以外では、職場の人間関係を改善していくことが早期離職を踏みとどまらせるのに有効といえそうです。
マイナビが実施した調査によると、新入社員が仕事をする上で抱えている不安の第1位は「上司・同僚など職場の人と上手くやっていけるか」でした。
新入社員が周囲と上手く馴染めているか、孤立していないかなどに気を配りつつ、人間関係に不安を抱いていないかヒアリングする機会を設けましょう。
【参考】マイナビ「新入社員に聞いた「理想的な上司・先輩」像、1位は?」
第4位に挙がったのは、上司との関係の良さでした。
第3位の理由と同様に、やはり人間関係の良さが離職率低減には重要です。
では、どのような上司が新入社員にとって理想なのでしょうか。
上記と同様の調査結果によると、「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」を挙げた割合が約8割と最も多かったです。
新入社員に仕事内容を教える際や、新人研修などでは、おざなりな態度で接するのではなく、新入社員の立場に立って指導するようにしましょう。
第5位に挙がったのは、福利厚生・手当の充実でした。
新入社員だけではなく、就活生のうちにも福利厚生への関心は広がっています。
企業選びにおいて重視するポイントについて、21卒から24卒と卒年が上がるにつれて「福利厚生制度の充実」・「給与や賞与の高さ」が上位を占めるようになっています。
【参考】マイナビ「新卒採用における待遇・福利厚生の注目度の高まり―企業の取り組みと求められる情報発信とは?」
新入社員がどのような福利厚生を求めているかどうかを把握し、更なる充実を図っていきましょう。
学生が求める福利厚生、また、導入テクニックなどについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご参照ください。
【参考】「新卒採用に有利な「福利厚生」とは?導入する際のポイントも解説!」
ランキング調査を踏まえて離職率の高い企業の特徴をまとめました。
以下のような特徴が自社に見られる場合、改善するための対策を行う必要があるでしょう。
自社に当てはまる部分はないか確認してみてください。
これまでで、新卒が早期離職してしまう原因について詳しく見てきました。
それでは、新卒の離職率を下げるためにどのような対策を取れば良のでしょうか。
ここでは離職率を下げるために有効な対策を以下7つご紹介します。
まず1点目が、社員の教育制度を拡充することです。
特に新入社員の教育は手厚く行いましょう。
座学だけでなく、自社が社会に与える影響・意義などを研修にて伝えることで、新入社員の会社に対する思いを強くできます。
面接を突破した優秀な社員に長く働いてもらうためにも、新入社員の教育は手厚く行いましょう。
2点目が「自動化で生産性を上げ、労働時間を減らすこと」です。
DXという言葉に代表されるように「自動化」は、労働生産性を上げるために重要な要素となっています。
今一度社内の業務を見返し「機械に代替できる業務はないか」を確認するようにしましょう。
3つ目が「社員全員が納得できる評価制度を作る」ことです。
評価に納得でき、その評価が給料・昇進に反映されると、待遇面で社員のモチベーションが下がることはありません。
評価は具体的な数値・プロセスが事前に示されていると、誰の目から見ても公平で分かりやすくなります。
具体的な数値・プロセスだけで判断が難しい場合は、上司が「なぜ今期はこのような評価になったのか」を明確に伝えることが重要です。
4つ目が「人員の配置を流動的に行えるようにする」ことです。
具体的には、以下のことが行えます。
「人間関係の悪化による退職」を減らすためにも、配置を流動的にできる仕組みを作ることは重要です。
5つ目が「給与・待遇を競合他社と変わらない水準まで引き上げる」ことです。
先述の通り、給与・待遇面の不満は競合他社との比較によって生じることが多いです。
そのような事態を防ぐために、給与・待遇面はできるだけ競合他社と変わらない水準まで引き上げましょう。
6つ目は「新人が周囲とコミュニケーションしやすい環境をつくる」ことです。
ALLDIFFERENT社が新卒に対して実施した調査によると、入社後ぶつかると予想される壁の第1位は「仕事の難易度」でした。
また、仕事の難易度の壁に対して会社側に求めるサポートとして、「先輩社員との人間関係を築く機会」との回答が最多でした。
このことから、新卒は入社後自分が担当する仕事につまずいたときは、先輩からの積極的な支援・手助けを求めていることがわかります。
新人が業務を進める上で悩んだ際、先輩社員や上司に気軽に相談できる環境をつくることで、新人の不安を解消し、早期離職を防ぐことにつながります。
コミュニケーションの行き違いから、無駄なすれ違いをうんでしまわないよう注意しましょう。
【参考】ALL DIFFERENT「【考察】内定辞退や早期離職を防ぐために企業が取り組めることとは」
7つ目は「採用段階から自社との相性を見極め、ミスマッチを防ぐこと」です。
ミスマッチを減らすことができれば、新入社員が入社後のギャップから離職してしまうのを防ぐことができます。
自社にマッチした人材を採用しやすい手法として「ダイレクトリクルーティング」があります。
「ダイレクトリクルーティング」とは、自社の採用要件にマッチした学生に効果的にアプローチする手法です。
企業のほうからアプローチするため、自社に合う人材の意図で会うことができます。
ダイレクトリクルーティングでおすすめなのが、弊社が運営している「Matcher Scout」です。
【Matcher Scoutの特徴】
詳しくは、下記よりMatcher Scoutに関する資料をダウンロード頂けますと幸いです。
これまでは、離職が発生する要因と、その対策について見てきました。
では離職率が高いと、どのような問題が生じるのでしょうか。
主な悪影響とは、以下3つです。
1つ目の問題として「売上を伸ばしにくくなること」が挙げられます。
というのも企業の売上増加には、ヒト・モノ・カネの3つすべてが重要であり、ヒトは経営の根幹をなす重要な役割を持つからです。
特に優秀で長く働いてくれる従業員の確保は、売上に直結します。
経営に与えるダメージを少なくするためにも、離職率を下げることが重要なのです。
2つ目の問題が「採用コスト・教育コストが無駄になる」ことです。
採用には非常に多くの人手が必要で、社内研修にも大きなコストがかかっています。
そんな時間とお金をかけて採用した社員がすぐに退職してしまうと、採用・教育にかけたコストが見込んでいた売上を上回り、赤字の状態になってしまいます。
1名の社員が3カ月以内に退職した場合、約187万円の損失になるというデータもあります。
「早期離職」は人手不足が生じるのみならず、費用面でも問題が生じるのです。
3つ目の問題が「社員1人にかかる負担が増えること」です。
離職率が高いと本来10人で回すはずの仕事を5人で回すという状況になり、社員1人1人の負担が増加します。
そうなると、社員の業務に対する不満が高まり、離職が連鎖して起こる可能性もあります。
先ほど、離職率が高いために企業側に生じる悪影響についてみてきました。
では、離職率を下げることで生じるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
離職率を下げるメリットは具体的には以下の3つです。
1つずつ具体的に見ていきましょう。
離職率が業界平均と比べて高いと
「ブラック企業なのではないか・・・」
「経営が上手くいっていないのではないか」
といった印象を持たれやすくなります。
一方離職率が低いと、
「社員が働きやすい会社である」
「経営が安定している」
といった印象を持たれやすくなります。
結果として、求職者から自社に対するイメージが良くなり、応募者の増加に繋がるでしょう。
特に学生は働いた経験がないため、離職率など分かりやすい数値データを非常に重要視します。
「新卒採用の募集を行っても学生が集まらない・・・」という場合は、自社の離職率を改善してみるのも1つの手段です。
離職率が改善すると「生産性の向上」も見込めます。
離職率が低い企業の多くは、社員が
などに満足しているケースが多いです。
「現状に満足して働いている」と、社員は前向きに業務に取り組めるようになり、結果として生産性の向上に繋がります。
3つ目のメリットとして「採用・育成に掛けたコストが無駄にならない」という点が挙げられます。
多くの企業は、採用と育成に多くのコストを掛けているはずです。
せっかく時間とお金を掛けて採用・育成したにも関わらず、すぐに離職されては、それまでのコストが無駄になってしまいます。
一方離職率が低く、長い間働いてもらえると、費やした時間とお金以上の利益をもたらしてくれるはずです。
「採用・育成に掛けられるコストが非常に少ない・・・」という場合は、コストを抑える施策に合わせて、離職率を下げる工夫も行いましょう。
続いては実際に「離職率が改善した企業」を、その方法とともに紹介していきます。
「離職率を下げたいけど、具体的にどうやってやったら良いのか分からない・・・」という方は必見の内容です。
サイボウズ株式会社は、離職率を28%から4%に減らすことに成功しました。
このポイントとして「人事制度」を、社員みずから設計するようになったことが挙げられます。
人事担当者以外の社員が人事制度を変更し、自身にマッチした人事制度を選べるようになりました。
結果として「在宅勤務制度」や成果や生産性を重視する「ウルトラワーク制度」など、さまざまな人事制度が作り出されました。
それにより社員の働きやすさも大きく向上しています。
また「人事制度をみずから作成すること」により、社員1人1人の主体性が向上した、というメリットもあったとのことです。
【出典】離職率28%、採用難、売上低迷。ボロボロから挑んだサイボウズのハイブリッドワーク10年史
株式会社鳥貴族は、さまざまな取り組みを通じて、離職率を低く抑えています。
具体的には「店舗に配属されて間もない新卒の社員に、入社後1ヶ月程で本社の社員が直接話を聞きに行く」といった取り組みを行っています。
直属の上司にはいいづらい要望・不満を本社の社員が吸い上げることで、新入社員の労働環境が改善し、早期離職が減少しました。
また飲食業界の一般的なイメージとは異なり、無断での残業・休日出勤も禁止されています。
加えて、休日を増やしたことで、完全週休2日に近い年間休日111日を実現しました。
働く社員に寄り添った仕組みづくりを複数行うことで、鳥貴族の離職率は低くなっています。
【参考】【定着率の裏に理念あり】離職率が業界平均を大きく下回る鳥貴族の秘密 | リクナビNEXTジャーナル
株式会社レオパレス21は、新入社員の離職率を15%から9%弱まで改善することに成功しました。
この数値は、業界平均以下です。
離職率を下げるために同社が行ったのが、
の2つです。
研修制度では、
などさまざまなものを実施しています。その結果、社員の能力向上だけでなく、会社に対するロイヤリティも向上しました。
また評価制度の見直しでは、時間の長さではなく、限られた時間で成果を出す社員を評価する制度に変更したことで、労働環境の改善を実現しました。
この研修・評価制度を行った結果、社員1人あたりの月間労働時間を約6時間短縮させ、34%だった有給取得率を70%にまで伸ばすことに成功しています。
社員が働きやすい環境になったことが、レオパレス21の離職率低下につながったのです。
【出典】3年間で離職率が劇的に改善! レオパレス21はなぜ変われたか? | リクナビNEXTジャーナル
いかがでしたか?
この記事のポイントは以下の通りです。
「自社の離職率が高い・・・」とお悩みの方は、まず自社の離職率が平均より高いのか、離職が起きている原因はどこにあるのかを明確にして、対応策を練りましょう。