「OFF-JTって何?OJTとはどう違うの?」
「OFF-JTをどのように実施すればよいのか迷っている」
こんなお悩みはありませんか?
これまで日本企業における人材育成は、現場での実務を通して教育を行うOJTが一般的でした。
しかし近年では、OJTと組み合わせることで相乗効果が得られるOFF-JTにも注目が集まっています。
この記事では、OFF-JTの特徴や効果的に活用するポイント、かかる費用などについて解説します。
この記事は、新卒採用に特化したダイレクトリクルーティングサービス「MatcherScout」を運営する弊社所属のライターが執筆しています。
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といった特徴があります。
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OFF-JTはOff The job Trainingの略称で、職場外研修とも呼ばれます。
まずは、OFF-JTの定義や種類について確認していきましょう。
OFF-JTは、職場とは離れた場所で行う研修やセミナー全般を指し、多くは座学で行われます。
ビジネスマナー研修や新人研修、管理職研修などがあり、外部講師を招いて行う集合研修やオンライン上での講義など実施方法もさまざまです。
業務に必要な知識やスキル・考え方を体系的に学び、実務の土台をつくることができます。
OFF-JTの種類は主に以下の4つです。
会議室など特定の場所に集まり、講義を聴講する形式です。
短時間で受講者全員が同じ知識を得ることができ、グループワークなどにも向いています。
オンライン上で配信される講義動画を見て学習する形式です。
好きな場所や時間に受講することができ、集合研修よりもコストがかからないというメリットがあります。
【参考】【オンライン研修】メリット・デメリット、やり方を徹底解説|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout
実際に手元で操作等を行いながら実技指導を受ける形式です。
プログラミングなど、講義だけでは習得できない実技スキルを身に着けることができます。
外部から講師を招いたり、外部の講座に参加したりする形式です。
自社の研修とは異なる観点で学ぶことができる一方、必ずしも自社にフィットした内容であるとは限らないため注意が必要です。
厚生労働省の調査によると、令和3年度にOFF-JTを実施したと回答した事業所は70.4%でした。
企業規模別のOFF-JT実施率は以下の図の通りです。
企業規模が大きくなるにつれて実施率は高くなっており、従業員数が1,000人以上の事業所では9割近くがOFF-JTを実施しています。
OJT(On the Job Training)は、現場で実際に業務を進めながら先輩や上司から仕事を教わる形式の研修です。
実務に必要なスキルを直接学ぶことができ、OFF-JTのように追加のコストをかける必要がない点がメリットです。
以下の表にOJTとOFF-JTの違いをまとめたので、参考にしてみてください。
OJTについてもっと詳しく知りたい!という方は、以下の記事をご覧ください。
【参考】OJTとは?OFF-JTの違い・研修のフロー・コツを簡単解説!|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout
OFF-JTは、学んだ内容をすぐに実務につなげることはできません。
そのため、OJTだけでは得にくい知識やスキルを補填したり、事前に知識を得ておくことでOJTの土台作りを行うといった役割でOFF-JTを活用するとよいでしょう。
従業員の育成を支援する制度として混同しやすいのが、SDS(Self Development System)です。
SDSとは自己啓発援助制度を指し、資格取得のための受験料の援助など、従業員の自主的なスキルアップを支援します。
先ほど約7割の事業所がOFF-JTを実施していると紹介しましたが、OFF-JTはなぜ必要なのでしょうか。
日本の労働人口は年々減少していますが、2025年には団塊世代が退職することで一気に労働力が不足すると考えられます。
特にIT人材は2025年に43万人不足すると言われており、即戦力人材の育成が急務です。
そのため、OJTとOFF-JTを組み合わせて効率的に人材育成を行う必要があるのです。
労働人口減少に伴って、OJTの指導者である中堅〜シニア層のリソースを確保することが難しくなっています。
OFF-JTでは、一度に多くの従業員に知識やスキルを伝えることができるほか、オンライン研修であれば一度講義動画を作成してしまえば次年度以降も使いまわすことができます。
そのためOFF-JTをうまく活用することで、中堅〜シニア層のリソースを抑えつつ人材を育成できるのです。
研修をOJTのみにしてしまうと、指導者によって研修内容にばらつきが出てしまったり、繁忙期など時期によって指導に手が回りにくくなってしまったりすることが考えられます。
OJTのみで必要な知識をすべてカバーすることも容易ではないでしょう。
効率的に人材育成を行うためには、OFF-JTで業務に必要な知識を体系的に学び、OJTのデメリットをカバーしていく必要があります。
ここまで、OFF-JTとは何か、どうして必要なのかについて解説してきました。
では、OFF-JTのメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
OFF-JTはまとまった知識を広く体系的に学ぶことができます。
担当者による指導内容の偏りなどの属人化を防止し、じっくりと理解して知識をインプットする機会を与えることで、実務の基礎をつくることが可能です。
e-ラーニングなどは空き時間を活用したり、理解度に合わせて学習を進めることができるため、効率よく学べます。
また、OFF-JTで基礎知識をインプットした上でOJTに臨むことができるため、OJTの理解が進みやすくなるでしょう。
研修を外部講師に委託したり、現場に配属される前に基礎的な知識を習得させておくことで、現場の負担を軽減できます。
一方で、OFF-JTにはデメリットも存在します。
OFF-JTでインプットした内容を実務に活かすためには、現場で実際にアウトプットする機会が必要です。
研修の内容によっては実践の機会がすぐには訪れないものもあるため、OFF-JTでの学びが定着するまでには時間がかかります。
例えば名刺交換の作法やプレゼンテーションスキルなどは、新人のうちはなかなか実務で活用する機会はないでしょう。
また、外部のセミナーなどを利用する場合は、研修内容が実際の業務とかけ離れているという事態にも陥りやすいため注意しましょう。
OFF-JTは座学で行われるため、参加者の意欲が学習効果にダイレクトに影響します。
特にオンライン研修などはサボることもできてしまうため、OFF-JTを効果的なものにするためには参加者の主体的に学ぼうする意識を醸成する必要があります。
講師の一方的な発信ではなく、グループワークなどを通して参加者が主体的に研修に参加できるような工夫をしましょう。
OFF-JTの講師を外部に委託する場合コストがかかります。
オンライン研修やe-ラーニングなどは比較的コストを抑えることができます。
先ほどOFF-JTのデメリットとして費用がかかることをあげましたが、具体的にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
厚生労働省によると、令和3年度のOFF-JTに支出した費用の平均額は、労働者一人当たり1.2万円でした。
【参考】厚生労働省「調査結果の概要」
ただし、OFF-JTにかかる費用の相場は研修の形式によって異なります。
以下でそれぞれの形式ごとの相場をご紹介します。
公開講座の費用は1日あたり18,000~30,000円/人が相場です。
外部の講師に社内研修を依頼する場合は、1日当たり10~50万円が相場です。
レベルや品質の高い講師・プログラムほど価格は高くなります。
e-ラーニングは一般的に初期費用と月額費用がかかるサービスが多いです。
初期費用は10~30万、月額費用は社員1人あたり100~1,000円/月が相場です。
「人材開発支援助成金」という制度を利用することで、OFF-JTの費用を抑えることができます。
人材開発支援助成金には7つのコースがありますが、その中で「特定訓練コース」「一般訓練コース」「特別育成訓練コース」の3つでOFF-JTが助成対象なため、活用してみてください。
【参考】厚生労働省「人材開発支援助成金」
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OFF-JTの研修内容は、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下で例をいくつか紹介します。
全ての業務の基礎であるビジネスマインドを学びます。
企業理念など会社の軸となる思想やセルフマネジメントといった、仕事に対する姿勢や考え方を養います。
あいさつや身だしなみなどのビジネスマナーや企業の規則など、社員としての基本姿勢もビジネスマインド研修に含まれることが多いです。
社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるための研修です。
具体的には、情報セキュリティ対策や各種ハラスメントについて学びます。
SNSやインターネットの発達に伴って、コンプライアンス違反にあたる行動は年々拡大しています。
社員の不適切行為や情報漏えいなどのコンプライアンス違反は企業の評価にダイレクトに影響し、経営リスクにもつながりかねないため、しっかりと対策を行いましょう。
ロジカルシンキングとは、物事を結論と根拠に分け、その論理的なつながりを捉えながら物事を理解する思考法です。
ロジカルシンキングを身に付けることで、物事を深くかつスピーディに考え、わかりやすく伝えることができます。
研修では「MECE」などのフレームワークを使用して、情報整理や論理的に思考する力を習得します。
経理や法務、IT知識やプログラミングスキルなど、職種に特化した専門的な能力を身に着ける研修です。
資格取得をサポートする研修なども有効です。
【参考】新入社員研修の内容はどう決める?自社で行う手順とコツをご紹介|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout
【参考】新入社員に刺さるフォローアップ研修とは?|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout
OFF-JTを効果的に活用するためには、どのようなポイントを抑えればよいのでしょうか。
OFF-JTで知識やスキルを身に着けても、実践する機会がなければ実務に生かせるようにはなりません。
OJTとOFF-JTを分けて考えるのではなく、OFF-JTでインプットした内容をOJTでアウトプットできるように研修プログラムを設計しましょう。
その際、研修の実施効果を急がず長期的な目線で計画を立てることが重要です。
受講者同士で学んだ内容を共有できるような仕組みをつくることで、講義で学んだ内容をしっかりと定着させることができます。
チーム発表などを取り入れることで、横のつながりを強化する機会になり、モチベーション維持の効果も見込めます。
実際にOFF-JTを導入している企業では、どのような取り組みを行っているのでしょうか。
以下ではOFF-JTを行っている企業事例をご紹介します。
三菱商事株式会社では「経営マインドをもって事業価値向上にコミットする人材」を輩出し続けることを基本方針とし、「構想力」「実行力」「倫理観」を高い水準に開発していくことを目標とした人材育成を行っています。
OJTとOFF-JTを組み合わせた段階的なプログラムで、OFF-JTは社員が必要なタイミングで研修を受けられる構成です。
内定者研修や新人研修では、財務会計・簿記・M&A・英語力・IT・グローバルリーダーシップなど、実務を担うプロフェッショナルとしての基礎スキルを総合的に習得できるプログラムを実施しています。
SOMPOコミュニケーションズ株式会社では、新入社員同士の横のつながりを強化することを目標に、グループワークを中心とした新人研修を行っています。
チームごとに異なる授業を受講して学んだ内容を発表し合うことで、新入社員同士の関係構築や、チームでのコミュニケーションを学ぶ機会を提供することに成功しました。
また、研修期間終了後もいつでも講義動画を視聴できるようにし、学習の習慣化を促進しています。
日本マクドナルド株式会社では、”ピープルが学び、成長し続けることで、企業として成長していける”という「ピープルビジネス」の考え方をもとに、専門教育機関「ハンバーガー大学」を展開しています。
授業内容は、リーダーシップスキルやチームビルディング、マネジメントなどのビジネススキルなどです。
参加型、体験型のアクティビティや参加者同士のディスカッションを通して自身の考えを共有しあい、自律的なスキルアップや自己啓発をサポートするカリキュラムになっています。
いかがでしたか?
この記事のポイントは以下の通りです。
OFF-JTとOJTのそれぞれの特徴を理解し、効果的に人材育成を行いましょう。
【参考】OJTとは?OFF-JTの違い・研修のフロー・コツを簡単解説!|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout