就職活動を行う学生は、第一志望の企業から内定を貰えなかったことを想定し、複数社にエントリーすることがほとんどです。
マイナビが25卒の就活生に対して実施した調査によると、4月時点での平均内々定保有者数は2.3社に上ることがわかっています。
【参考】マイナビ『2025年卒 大学生 活動実態調査 (4月)』
複数ある内定の中から自社への入社を決めてもらうためには、内定者フォローを行い、自社の魅力づけをすることが必須です。
それでは、どのような内容の内定者フォローを行えば良いのでしょうか?
本記事では、内定者懇親会に焦点を当て、企画の立て方から内定者の志望度を高めるポイントなどについて解説していきます。
内定辞退や内定承諾率に関する詳しい数値については下記でご紹介していますので、ぜひご参照ください!
【参考】 【改善策4選】3年分の内定承諾率から考察!内定承諾率を上げるコツ
【参考】新卒採用の内定辞退を予防!主な辞退理由から対策を立てる
内定者懇親会とは
内定者懇親会とは、内定者同士または内定者と社員が親睦を深めるために開催されるもので、内定者の不安を解消し、内定辞退を防ぐ内定者フォローの一環として行われます。
2023年に実施されたサポネットの調査によると、内定者懇親会を実施した企業は約7割にも上ることがわかっています。
企業によって、グループワークや食事会などが行われており、実施形式は様々です。
【参考】サポネット「【読者アンケート】内定者懇親会、ほかの企業はどうしている?内定受諾率と懇親会の深い関係」
では、そもそもなぜ内定者懇親会を行う必要があるのでしょうか。
まず、内定者フォローを行う必要性をご説明したあとに、フォローの中でも内定者懇親会が特に重要な理由について解説していきます。
なぜ内定者フォローをするべきなのか
24卒の採用活動が『前年より厳しかった』または『前年並みに厳しかった』と回答した企業は91.5%でした。
採用活動が厳しかったと回答した企業のうち、34.0%が『内定辞退の増加』を理由として挙げています。
2021年卒以降は新型コロナウイルス感染症の影響を受けたため採用活動のオンライン化が進みました。
オンラインでは自社の雰囲気などを学生に伝えづらく、魅力を充分に伝えるのが難しくなったため、多くの企業が『辞退の多さ』を感じたと予想されます。
採用のオンライン化によって社内の雰囲気などが伝わりづらくなったことは、学生側にとってもデメリットとなります。
入社予定先を決めた後に不安になったことがある学生の割合は24卒で59.2%という結果が出ています。
内定者の不安を取り除き、内定辞退も防ぐためにも、内定者フォローは必須です。
内定者懇親会を行うことの重要性
内定フォローのなかでも、特に内定者懇親会を実施することは重要です。
なぜなら、内定者懇親会を行うことで、学生の入社意欲の向上と、内定受諾率向上につながるためです。
入社意欲の向上が期待できる
株式会社ディスコが22卒の学生に対して実施した調査によると、最も入社意欲が高まったフォローは『内定者懇親会(対面)』で62.9%でした。
コロナ禍での採用となった2022年卒学生が入社予定企業から受けた内定者フォローの中で、最も入社意欲が高まったものは『対面での内定者懇親会』です。
【参考】株式会社ディスコ キャリタスリサーチ『調査データで⾒る「内定者フォロー」-2022年卒調査-』
また2番目に入社意欲が高まったものとして挙げられたのは『社員を交えた懇親会(対面)』で68.9%です。
この結果から、内定者同士、または内定者と社員を交えた懇親会は、入社意欲の向上に効果的であることが分かります。
内定承諾率向上に効果的
また、内定懇親会の実施は内定承諾率向上にもつながることがわかっています。
以下のグラフをご覧ください。
内定者懇親会を実施した企業と実施しなかった企業とで、学生の入社率にどれほどの違いが出ているのかが示されています。
【参考】サポネット「【読者アンケート】内定者懇親会、ほかの企業はどうしている?内定受諾率と懇親会の深い関係」
内定者懇親会を実施した企業の入社率は約9割ほどであるのに対し、未実施の企業は約7割で、2割ほども差があることがわかります。
内定者懇親会の実施には、学生の入社意欲を高め、内定承諾率の向上させる効果が期待できるといえます。
ここまでで、内定者懇親会が重要な理由についてご説明してきました。
以下から、実際に内定者懇親会を企画する際の進め方について詳しく解説していきます。
内定者懇親会のゴール
テーマなどを設けて話し合う「懇談会」と異なり、「懇親会」では親睦を深めることを目的として開催されます。
内定者フォローにおける懇親会のゴールは以下のようなものが挙げられます。
- 社員との交流から、社内の雰囲気を感じ取ってもらう
- 内定者同士の交流によって、入社への不安を払拭する
- 入社後の期待値を高め、内定者ブルーを解消する
内定者懇親会を行う前に、なぜ内定者に親睦を深めてもらう必要があるのかについて考えてみましょう。
実際に内定者にヒアリングをしながら、ニーズに合った内定者懇親会のゴールを設定してみるのもオススメです。
内定者懇親会開催までの流れ
それでは実際に内定者懇親会を行う際、どのように計画を立てていけば良いでしょうか?
ここでは内定者懇親会の開催を決めてから実行するまでに行うべきことについて解説します。
①開催時期の決定
まずは、「いつ」開催するのかについて考えます。
内定者懇親会は複数回開催されることが多く、企画内容も時期によって異なります。
例えば10月頃の内定式が行われる時期では、内定者同士で仲を深められるような内容にし、入社直前の3月頃は社員との交流を深めて働くことに備えられるようにすることが多いです。
実際には、学生の夏季休暇と重なる8月と、内定式が多く実施される10月に実施時期が集中するようです。
【参考】サポネット「【読者アンケート】内定者懇親会、ほかの企業はどうしている?内定受諾率と懇親会の深い関係」
内定者懇親会は何回開催するのか、それぞれどの日程で開催するのかについての予定を立てましょう。
日程を決める際は、大学のテスト期間に被らないようにするなどの注意が必要です。
定期的に交流の機会を設け、入社へのモチベーションが低下しないように日程を調整しましょう.
②イベント内容の企画
内定者懇親会といっても、対面かオンラインか、食事はありかなしか、など内容は様々です。
具体的に、以下のことを決定していきます。
- 実施形式(対面/オンライン)
- 時間帯(朝/昼/夜)
- 参加者(内定者のみ/社員も含む)
- 場所(オフィス、レストランなど)
- 内容(食事会/交流会/グループワーク/社内イベントなど)
「内定者の緊張をほぐしたい場合は、内定者懇親会の内容もできるだけカジュアルに」
「自社への理解度を深めたい場合は、グループワークなどを行う」
など、各内定者懇親会のゴールにしたがって内容を企画していきます。
実際に実施されている内定者懇親会の内容としては、『飲食有りの先輩社員との交流会』、『事務連絡の共有』が多いようです。
【参考】サポネット「【読者アンケート】内定者懇親会、ほかの企業はどうしている?内定受諾率と懇親会の深い関係」
内定者が抱える悩みや不安は時期によって様々です。
その時期に想定されるニーズに従って内定者懇親会の企画を立てていくことで、効果的に学生の入社意欲を高めることができます。
③会場などの予約
イベントの内容が決まったら、会場の予約を行い、必要な物資を揃えていきます。
オンライン開催の場合は、事前に内定者懇親会で使用するセット(グループワークで必要なもの、食事会での飲食物など)を各内定者の自宅に送ることもできます。
企画した内容を遂行するために必要なものをリストとして並べていき、当日不備なく懇親会が行えるように準備をしていきましょう。
④社員など協力者への周知
内定者懇親会を行う際は、内定者同士の親睦を深めることも大事ですが、それと同時に既存の社員との交流も大切です。
既存の社員のなかにロールモデルがいると、内定者も入社へのモチベーションが上がります。
協力が必要な社員などに声をかけ、日程を調整してもらうようにしましょう。
⑤内定者へのメール送信
準備が整ったら内定者にメールを送信し、内定者懇親会への出欠をとりましょう。
メールでは、基本的に以下の5点について伝えます。
- 日程
- 場所
- 服装
- 内容
- 出欠締め切り
内定者に対して服装などを伝えておくと、参加への心理的ハードルが下がります。 特に指定がない場合でも、その旨を伝えましょう。
以下は、内定者へ送る内定者懇親会への招待メールの例文です。
文章作成時の参考にしてみてください。
▼内定者懇親会への招待メール例
〇〇さん
お世話になっております。 △△株式会社新卒採用担当の××です。
内定式から約1ヶ月が経ちましたが、いかがお過ごしでしょうか?
この度、内定者同士また弊社社員との親睦をぜひ深めていただきたいと思い、下記日程で内定者親睦会の開催を決定しました!
内定式には来られなかった社員の参加も予定しておりますので、弊社のまた新たな一面も見られるのではないかと…!
日程:2021年11月5日(金)18:00~20:00
場所:オンライン(URLは前日までに共有します)
服装:リラックスできるラフな格好
内容:簡単なゲームの後、少人数のグループに分かれて社員とののざっくばらんな交流を想定しています。
ご自宅に食事などのお楽しみセットをお送りしますので、ご飯を食べながらカジュアルにお話ししましょう!
◯月◯日までに参加の可否についてご連絡いただけますと幸いです。 また〇〇さんとお会いできること、楽しみにしていますね!
△△株式会社 新卒採用担当 ××
⑥開催
当日のスケジュール、参加者名簿などを確認しながら、スムーズに行えるように準備をしておきましょう。
遅刻や欠席の連絡などが入る可能性もあるため、メールのこまめなチェックも行っておくと良いです。
内定者懇親会の内容
主に行われている内定者懇親会のイベント内容はどのようなものでしょうか?
ここでは、代表的な7つの例をご紹介します。
①自己紹介
まずは、どんな参加者がいるのか、参加者の緊張を和らげるためにも自己紹介は必須です。
特にはじめての内定者顔合わせの場合、学生の中で緊張でうまく話せない人や、長々と話をしてしまう人がいるかもしれません。結果、お互いを十分に知ることができない時間になってしまいます。
そのため、自己紹介をするときは、あらかじめ、話すテーマを担当者側で決め、提示することでスムーズに進めていくことができるでしょう。 ここでは、人となりが端的に伝わりやすいトークテーマの例を紹介します。
【例】名前、学校名、趣味、残りの学生生活をどう過ごすか、夏休み/冬休みやりたいこと
②食事会
内定者懇親会として最も主流なのが、食事会です。 夜に開催されることが多く、お酒が伴う場合が多いです。
ざっくばらんに雑談から就活や就業に関する悩み相談などを話しやすく、内定者の緊張もほぐしやすい環境が作れます。
▼こんなときにオススメ
- ざっくばらんに雑談をしながら、お互いのことを知っていきたい
- 緊張をほぐして、内定者の本音が聞きたい
- 就業後の方が参加しやすい社員がいる
③交流会
交流会では、ゲームを行ったり、テーマを設けて座談会を行います。
内定者同士のものと、社員とのものに分けてご紹介します。
内定者同士の交流会
内定者の相互理解を深めるため、簡単なゲームや座談会などを行います。
学生に対し、入社後一緒に働くであろう仲間と知り合いになる機会を与えることができます。
実際に、内定者懇親会に参加するメリットとして「入社後に同期になる人と知り合うことができた」点を挙げている学生も多いです。
同期の知り合いを増やすことで、入社前の不安を解消することができます。
先輩社員との座談会
先輩社員との交流会を設けることで、企業理解を深める機会を提供できます。
学生から質問してもらう形式の座談会を開いたり、簡単なディスカッションを行います。
内定者と年齢の近い若手社員を配置することで、学生に入社後に働くイメージを抱かせる効果も期待できます。
実際に、入社後に先輩となる社員と知り合っておくことで、入社前の不安が解消されたと感じている学生もいるようです。
【参考】リクナビ「内定者懇親会ではどんなことをした?参加のメリット、参加時の服装を知りたい!」
▼こんなときにオススメ
- 皆で盛り上がりながら、一体感を出していきたい
- 人間関係について学生が抱えている不安を解消したい
- 就業中の方が参加しやすい社員がいる
④グループワーク
内定者同士の理解や、企業理解を深められるような課題を設定し、グループで作業を進めていきます。
完成した内容を、既存の社員などに向けて発表する場を設けると、社内メンバーに対してどのような内定者がいるのかを知ってもらえます。
グループワークで行った内容は、その後の内定者同士や社員との交流において、話のきっかけやネタにもなりやすいです。
▼こんなときにオススメ
- グループの中での内定者の動き方を見たい
- 内定者の企業理解を深めたい
- どういう内定者がいるのか社員に知って欲しい
⑤社内イベントへの参加
BBQや球技大会など、社内で行われるイベントに内定者を招待します。
食事会やグループワークでは内定者対社員の交流が多いですが、社内イベントでは社員対社員の交流も行われます。
社員同士のコミュニケーションを内定者が見ることによって、より社内の雰囲気を掴みやすくなるでしょう。
この時、社員と内定者が分離しないように、積極的に内定者に対して声をかけ、社員との交流のきっかけを作るなどの意識が必要です。
▼こんなときにオススメ
- 社内の雰囲気を知って欲しい
- 社員と内定者の交流を深めたい
- 社内イベントを楽しんでほしい
⑥オフィスツアー
内定者を実際に働くオフィスへと案内します。
新しい場所へ訪れることは、大抵不安を伴います。
入社後に通う場所へと事前に訪れることで、内定者のもつ不安を取り除くことに繋がります。
社員が働く様子も間近で見られるため、働くイメージも湧きやすくなるでしょう。
▼こんなときにオススメ
- 社内の雰囲気を知ってもらうことで、内定者の不安を払拭したい
- 内定者に入社後のイメージを持っておいてほしい
- オフィス内にオススメの空間がある
⑦オンラインでの交流会
コロナ禍の影響や、対面実施が難しい場合にはオンラインでの交流会がおすすめです。
Zoomなどのweb会議ツールを使用することで、顔合わせや簡単なゲーム、リモート飲みなどを実施することができます。
▼こんなときにオススメ
- コロナ禍で対面実施は避けたい
- 学生と気軽にコミュニケーションを取りたい
- 遠方に住んでいる内定者がいて、対面参加が難しい
次の章で、オンライン懇親会のメリット、開催する際の注意点について詳しく解説していきます。
オンライン開催時に知っておきたいこと
2020年以降、オンラインでの採用活動が頻繁に行われるようになりました。
内定者懇親会の企画を立てる際に、オンラインでの開催を検討する採用担当者様も多いのではないでしょうか。
今回は、オンラインでの内定者懇親会を成功させるために知っておきたいことについてもご紹介します。
オンライン懇親会のメリット
対面と違ってオンラインで懇親会を行っても、入社への意欲を高めることは難しいのでは?という懸念を持っている方もいるかと思います。
コロナの影響で内定者懇親会を対面で開催することが難しい中、多くの企業ではオンラインで内定者懇親会を実施しました。上述した22卒学生へのアンケートでは、オンラインで行う内定者懇親会で、入社意欲が向上した学生は約半数いることがわかります。
【参考】株式会社ディスコ キャリタスリサーチ『調査データで⾒る「内定者フォロー」-2022年卒調査-』
一方で、オンラインで懇親会を開催するメリットもあります。
以下のメリットを把握した上で、オンライン/オフラインの上手な使い分けを行いましょう。
○時期や時間にかかわらず交流できる
コロナ渦では、オフラインイベントの予定を立てても開催が難しくなってしまうことがあります。
なかなか感染状況の見通しが立ちにくく、開催時期を決めることが難しいです。
オンラインで開催することで物理的距離を保ちながらイベントを行えるため、開催時期が決めやすいです。
また、一箇所に移動して集まる必要がないため、隙間時間などを利用でき、融通が効きやすいです。
場所代や交通費などのコストもカットできます。
○コミュニケーション不足を解消できる
オフラインで開催予定だった内定者懇親会が中止となった場合、内定者が交流を行う機会が減ってしまいます。
内定者同士、または内定者と社員との交流機会が減ることによって内定者の不安が増幅していき、結果的に内定辞退に繋がるという可能性も懸念されます。
オンラインでは気軽に集まれるため、内定者同士や社員との交流を図り、コミュニケーションを活性化させることが可能です。
オンライン懇親会開催時の注意点
実際にオンライン懇親会を開催する時に注意するべきポイントとは何でしょうか?
以下で挙げる4つのポイントに注意しながら準備を行うことで、トラブルなく懇親会を進められるようにしましょう。
○通信環境の確認を行う
内定者懇親会は交流を目的としているため、ビデオをオンにした通話を行うことが多いです。
ビデオ通話は通信量が多いため、通信環境によっては音声や動画が途切れてしまうことがあります。
懇親会の参加者全員に、事前に通信環境の確認を行ってもらうようにしましょう。
無料で使える通信速度の測定サイトなどのリンクを共有すると、スムーズに確認が行えます。
複数人でビデオ通話を行う際は、最低でも10Mbps以上の通信速度が必要と言われています。
もし通信環境を整えられない参加者がいる場合は、場所を提供するなどの方法も考えましょう。
○スムーズに進められるように司会役を決めておく
オンラインで通話をする際、対面での会話よりもコミュニケーションが取りにくくなることがあります。
その場を仕切れる司会や進行役を決めておくことで、スムーズに懇親会を進めていくことが可能です。
また、オンラインでは、解散の目安が分かりにくくなることもあるので、終了の時間を司会役が事前に決めておくと、内定者も負担なく参加できます。
少人数にグループ分けするブレイクアウトセッションなどを活用しながら、参加した各自がコミュニケーションを取りやすい環境を作るように意識しましょう。
○不参加者に対して理由を追求しない
オンラインで懇親会は開催場所への移動など参加に際した制約が比較的少ないため、対面での懇親会よりも断りにくいという特徴があります。
そのため誘われた内定者は、懇親会不参加の連絡がしにくくなります。
もし内定者から「参加できない」という連絡を受け取った場合は、その理由について追求しないようにしましょう。
「適切なタイミングで内定者フォローを行えないと志望度を下げてしまう」
という焦りから内定者に懇親会への参加を強いると、結果的に心理的ストレスを与え、内定辞退に繋がりかねません。
○注意事項を事前に知らせる
オンラインでビデオ通話を行う際、パソコンなどに付属しているスピーカーから音を出すと、音声が重複して聞こえなくなってしまう場合があります。
参加者には事前にイヤホンを使用して通話に参加するよう知らせておきましょう。
他にも、特に食事会(飲み会)を行う場合には、
「お酒を飲みすぎないように」
「大声で話して隣人に迷惑をかけないように」
などの注意喚起を事前に共有しておきましょう。
内定者懇親会を盛り上げる企画例5選
ここから、内定者懇親会を盛り上げる企画例を5つご紹介します。
全て対面・オンラインのどちらでも使える企画案となっているので、是非参考にしてください!
取り上げる企画案としては、以下5つです。
- サイレント自己紹介
- Good&New
- 絵しりとり
- ジェスチャーゲーム
- クイズ大会
①サイレント自己紹介
自己紹介の途中で単語の一部のみを口パクにしてもらい、口パクの部分を他の参加者に当ててもらいます。
例)「好きな食べ物は、...(口パク)です。」「趣味は…(口パク)をすることです。」
初対面同士が集まる内定者懇親会で、初めに行うアイスブレイクとして気軽に使える自己紹介です。
②Good&New
3~7名ほどのグループに分かれて、24時間以内に起きた自分にとって「よかったこと(Good)」や「新鮮だったこと(New)」を1人ずつ報告し合います。
オンライン実施の場合には、グループ毎にブレイクアウトルームを作成しましょう。
例)「昨日の夜、卵を割ったら卵が2つ入っていました!」「好きな俳優さん主演の映画公開が決定しました!」
そして、1人ずつ発表が終わるごとに拍手を送ります。
ポジティブな内容を発表し合うことで、明るい雰囲気を醸成できます。
③絵しりとり
絵しりとりは、絵のみで単語を表現して、言葉をつなげていくゲームです。
通常のしりとりと同様に「ん」で終わる単語を使用したプレイヤーが負けとなります。
オンラインで実施する際は、パソコンに搭載されているお絵かきツールなどを使用すると、紙とペンで絵を書くときよりも難易度が高くなるためオススメです。
また、絵を書く制限時間を設けると、ゲームに緊張感が生まれ、進行もスムーズになりやすいです。
④ジェスチャーゲーム
プレイヤーのみがお題を見て、それを体の形や動きで他の参加者に表現します。
プレイヤー以外は何がお題なのかを当てていくゲームです。
お題を当てた参加者が次にプレイヤーとなり、順番を回していきます。
オンラインで実施する際には、お題を共有する際、Zoom上の個人チャット機能を使用すると、他の参加者に知られずプレイヤーのみにお題を共有することが可能です。
⑤クイズ大会
企業理解や、内定者同士・社員との交流を深める上でクイズ大会はおすすめです。
自社の商品が生まれた背景や、社員自体に関するお題でクイズを行えば、参加者同士が楽しみながら自社理解を深めることができます。
例)「若手3年目の山田さんが飼っている猫の名前は? 1.タマ 2.ミケ 3.ブチ」
「わが社の最新商品は次のうちどれ? A.○○ B.△△ C.□□」
内定者懇親会の参加率を上げる方法
内定辞退を避けるために行う内定者懇親会ですが、どうすれば参加率を上げることができるか悩んでいる方はいませんか。
まずは、学生が内定者懇会に何を求めているかを把握し、学生にとって魅力的な懇親会とは何か考えていきましょう。
社員や内定者同士で気軽に交流できることを訴求する
学生は内定者フォローに企業とのリアルなコミュニケーションの場を求めています。
マイナビが24卒に対して「実施してほしいと思う内定者フォロー」をヒアリングした調査結果によると、上から「内定式(対面)」、「内定者懇親会(対面)」、「社内見学(リアル開催)」...というように、"対面開催のもの”が続いていることがわかります。
【参考】採用コミュニケーションラボ「こんな内定者フォローが嬉しい!内定辞退の理由を知って、内定者を離さないために」
このことから、学生は内定者フォローに企業とのリアルな場での交流機会を求めていることがわかります。
学生にとって魅力的な内定者懇親会を開催するためには、自社との交流機会を積極的に設ける必要性がありそうです。
では、学生はなぜ交流機会を求めているのでしょうか。
理由としては、以下3点が挙げられます。
- 入社前の不安解消
- 同期との交流が可能
- 企業への理解が深める
①入社前の不安を解消したい
社会人経験のない学生は、入社前に様々な不安を抱えています。
株式会社ラーニングエージェンシー実施の内定者調査によると、内定者の約8割が不安を感じているそうです。具体的な内容としては、「自分の能力」に対しての不安と、「人間関係」への不安が上位を占めています。
【参考】「ALL DIFFERENT株式会社【内定者意識調査】内定者の72%が「自分の能力」に不安と回答し、「人間関係」への不安を上回る」
実際に、内定者懇親会に参加したメリットとして、「どのような人が働いているのか不安だったが話せて安心できた」ことを挙げている学生も見られます。
先輩社員との直接の座談会などを通して、社員の人柄や社風を伝えることで、学生が抱える不安を解消してあげましょう。
②同期との交流機会が欲しい
対面の交流会で入社前に同期と知り合うことによって、自分の不安を仲間と共有し、入社前に仲間をつくる機会を学生は求めています。
内定者懇親会に参加した学生で、同期との交流機会をメリットに感じた学生の声として、
「知り合いがいるのといないのでは、新生活に向けてのストレスが違う」、「同じ目標を立てている年の近い人たちと目標などを共感し合えることができた」
というものが見られます。
学生にとって、内定者懇親会は、入社前に同期と知り合える数少ない機会になっています。
懇親会では、学生同士で話すことができる時間を設けたり、協力し合うゲームを行うことで、内定者同士の仲を深めてあげましょう。
【参考】リクナビ「内定者懇親会ではどんなことをした?参加のメリット、参加時の服装を知りたい!」
③企業への理解を深めたい
学生の意見として、内定者懇親会に対して企業理解を深められる機会を期待するものがあります。
具体的には、以下のような意見があります。
- 内定前には聞けなかったリアルな情報を質問できる
- 入社前に学んでおいた方が良いことを知りたい
- 入社後のキャリアパスについて質問できる など
対面・リアル開催の懇親会は、企業側のナマの情報を知ることができる点が学生にとって魅力的であるといえます。
「社員になってから初めて知った話」など、説明会では話す機会がない深い話があれば、学生に教えてあげましょう。
学生が内定者懇親会に参加しない場合の理由と対策
次に、学生が内定者懇親会に不参加の理由について見ていきます。
不参加の理由を把握した上で、自社の内定者懇親会の設計を再度見直していきましょう。
学生が内定者懇親会に参加しない理由としては、以下4つが挙げられます。
- 他社の選考が進んでいる
- 学校のテスト期間と被っている
- 入社意欲が低い
- 内定者や社員とのコミュニケーションに不安を感じている
①他社の選考が進んでいる
新卒採用の場合、「2月頃から企業の採用活動がスタート、5月頃から内定を出す企業が増え始め、10月に内定式が開催される」この流れが一般的です。
しかし、企業の採用フローのタイミングは異なるため、同時進行で就活を進める学生がほとんどです。
早めに内々定を出して、入社してほしいと思った学生に向けて内定者懇親会を開催したとしても、その学生が第1志望の企業の選考と被った場合、他社の選考を優先する学生が多いでしょう。
対策としては、競合他社の選考時期がある程度落ち着いてから内定者懇親会を実施し、選考が重なっている時期は避けるようにすることが挙げられます。学生の就職活動に配慮した開催時期を設定し、参加率向上を狙っていきましょう。
②学校のテスト期間と被っている
春学期、秋学期の2学期制の大学の場合、年に2回のテスト期間があります。 春学期の期末テストは、7月中旬〜8月上旬まで、秋学期の期末テストは1月中旬〜2月上旬にかけての大学が多いです。
対策として、例年内定者がいつごろテスト期間に入るか把握しておき、その時期の開催は避けると良いでしょう。
③入社意欲が低い
入社意欲が低い学生は、「入社しない企業の懇親会に行ってもな、、」と考えている可能性が高いです。
入社意欲が低い学生の例は、以下の通りです。
- 他社が第1志望である
- 他社の選考の結果が全て分かってから、入社する企業を決めたい
- 卒業後、大学院や留学などの進路を考えている
対策としては、内定者懇親会の内容を「気軽に参加できるもの」や、「社会人スキルが身につく」ものに設定することが挙げられます。
例えば、「オンライン上で社員に気軽にお悩み相談ができる」という内容にして、学生が就職に関して漠然と抱える不安を解消できる機会を提供する、また、社会人になってから役立つビジネスマナーを身に着けられる機会を提供する、などが考えられるでしょう。
自社への入社意欲が低い学生に対しては、”自社の魅力”を伝えることに重点を置きすぎず、そもそも懇親会の参加に興味を持ってもらえるような企画を考えるようにしましょう。
上記の学生に向けてのフォローは、下記の記事で詳しくまとめています。
【事例あり】内定者フォローを成功させるために有効な方法とは?
④内定者や社員とのコミュニケーションに不安を感じている
初対面の人と、大人数で話を交わしたり、食事をしたりすることに抵抗がある学生は、内定者懇親会の参加を見合わせている場合があります。
今後一緒に働く仲間であるといえど、コミュニケーションを取ることに消極的な学生は、「選考を通しての情報で十分だから、わざわざ入社前の集まりに参加しなくてもいい」と考える学生がいるかもしれません。
対策としては、内定者懇親会の写真や、「去年参加した人の声!」といった内容を学生に対して予め提示してあげることで、懇親会の雰囲気を伝えて、少しでも参加に対して感じている不安を解消する、といった方法が考えられます。
そうすることで、学生に「思ったより参加するのが楽しそうかも…」、「参加するメリットが大きいかもしれない…」と思わせ、参加率向上につながる可能性が高まるためです。
いかがでしたか。内定者懇親会の参加率に悩んでいる担当者の方は、懇親会の内容や日時を再度確認してみましょう。そうすることで、学生の不参加に繋がる要因が見つかり、参加率を上げることが期待できるかもしれません。
内定者懇親会を成功させる7つのポイント
対面でもオンラインでも、内定者懇親会を成功させるには以下の7つのポイントに気をつける必要があります。
これらを意識して、内定者が自社に入社することが楽しみになるような内定者フォローを行いましょう。
①内定者懇親会を行う目的を明確にする
「開催時期の決定」でも記載しましたが、内定者懇親会を開催するタイミングによって、内定者に対して行うべきフォローが異なります。
内定者同士の面識がまだ薄い10月頃と、ある程度内定者の仲が深まってくる3月頃とでは、内定者フォローのニーズも変化します。
まずは内定者フォロー全体の計画を立て、その中でなぜその時期に内定者懇親会を行うのかの目的を明確にしましょう。
目的が明確だと、企画の内容も立てやすくなります。
②タイムスケジュールを明確に決めておく
必要な資料があれば作成する、当日のタイムスケジュールを決めておくなど、事前に周到な用意をすることでスムーズな進行を行えます。
内定者懇親会の段取りが悪いと、内定者は自社への入社に不安を抱きかねません。
司会役と進行役を分担し、盛り上げる役割とスムーズに会を進める役割を決めておくと、開催者側の負担が軽減されます。
③できるだけ多くの社員に参加してもらう
素敵な先輩社員がいる会社に入社したいという気持ちを持った学生は多いはずです。 カジュアルに交流できる内定者懇親会だからこそ、できるだけ多くの社員に参加してもらい、内定者との交流を促しましょう。
初めて内定者と接点を持つ社員に関しては、会の始めに自己紹介をしてもらうと話のきっかけにもなりやすいです。
様々な部署や年代の社員を呼んで、数年後から数十年後のキャリアを内定者が想像できるようにすると良いでしょう。
④相性の良さそうな人同士でグループ分けをする
内定者懇親会でゲームやワークを行う際に、グループ分けをすることがあります。
このとき、相性の良さそうな人同士で分けるように意識しましょう。
まだ会社に打ち解け切れていない状態で、苦手なタイプの人と同じグループになった場合、内定者は「この会社は自分と合わないのかもしれないと不安を抱きやすくなります。
内定者ブルーとなっている時期に、不安になる要素が多くなると、内定辞退に繋がりかねません。
志望度を高める内定者フォローのはずが、辞退者を増やしてしまったら意味がないですよね。
あくまでも内定者フォローでは、内定者が自社との相性の良さを実感できるように企画するよう意識しましょう。
⑤定期的な懇親会開催を心がける
こちらのグラフは、内定後に受けたフォローの頻度です。
参考:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ『調査データで⾒る「内定者フォロー」-2022年卒調査- 』
2021年卒で、2022年卒で、1ヶ月に1回程度なんらかの内定者フォローを受けた人の割合は最も多く37.9%です。
また、月1回以上のペースで内定者フォローを受けた学生は、入社までの不安が軽減されている傾向にあります。
【参考】株式会社ディスコ キャリタスリサーチ『調査データで⾒る「内定者フォロー」-2021年卒調査-』
内定者フォローを十分に行えていない場合、自社への志望度が低まり、他の内定先企業への入社を決めてしまうことが考えられます。
定期的に内定者フォローを行うことで内定者との関係性が深まり、就活や進路に関する本音の悩みを聞き出しやすくなり、結果的に内定辞退の予防に繋がります。
入社意欲が高まりやすい対面での内定者懇親会や社員との懇親会を定期的に行うことで、内定者が安心して入社できるような環境づくりを行いましょう。
⑥入社までに行っておくべきことを伝える
内定者懇親会は、内定者に行っておくべきことをアドバイスできる機会にもなります。
「仕事についていけるのか」という内定者が多く持つ傾向にある不安を除くためにも、入社までに行っておいた方が良いことを伝えると良いでしょう。
入社後に役立つ資格や、勉強しておいた方が良いこと、入社後に活躍するための秘訣などを伝えると、内定者のスキルアップにも繋がります。
⑦カジュアルな雰囲気で馴染みやすい環境づくりを行う
内定者懇親会は、内定者同士や社員との親睦を深めることで、入社意欲を高めて内定辞退を防ぐことが最大の目的です。
内定者懇親会の雰囲気に緊張感があると、内定者が自社へ馴染めていると感じにくくなってしまいます。
ゲームを行ったりしながらカジュアルに内定者と接していくことで、「この会社に入ったら楽しそう」という印象を得られるようにしましょう。
学生が感じている内定者懇親会の不安ごと3選
学生にとっては内定者懇親会といわれても、そこで何をするのか、何を着れば良いのか、何を持っていけば良いのか、わからない人がほとんどです。
内定者が感じている不安ごとを理解して、内定者に寄り添った懇親会を実施しましょう。
不安1:内定者懇親会までに準備することがあるかどうか
学生は、今までの就活の説明会や面接で社員と顔を合わせる際は、予め沢山の準備をしてきたはずです。そのため、内定者懇親会でも「何か準備しなくてはいけないことがあるかどうか」などの不安を感じています。
このような学生側の不安を解消するために、内定者懇親会の案内メールを送る際は、懇親会の内容や持ち物を詳しく送ることで、参加のハードルが大幅に下がります。
不安2:気になることを聞きたい
内定者は入社までに気になることを、直接聞くことを遠慮している可能性があります。
内定者懇親会は、内定者の入社に対する不安ごとや気になることを遠慮なく聞ける雰囲気が内定辞退者を防ぐことに繋がってくるでしょう。
内定者が、気になるであろう質問を準備して答えられるようにしておくと、内定者に不安を与えることを避けることができます。ここでは、内定者によく聞かれる質問の例を紹介しますね。
【例】
- 入社を決めた理由
- 事業や今後の方向性
- 福利厚生などの制度
- 入社後研修について
不安3:服装
「服装は自由でお越しください」と指示しても、実際には半数以上の内定者がスーツで参加している企業も多いのではないでしょうか
スーツで参加する学生は「服装自由だけど、スーツの人がほとんどだからスーツの方が安心」と思っている学生も多いのだそう。
あくまでも内定者懇親会は会社の社員と内定者同士の交流を主な目的としています。親睦を深めるためにも、気の張らない気持ちで参加できるドレスコードを設けることをおすすめします。そうすることで、学生が困ることなく、懇親会に参加することができるでしょう。
学生は、内定式などの式典はもちろん、企業の懇親会に参加すること自体がはじめての経験です。内定者懇親会の概要について一つひとつ丁寧に説明することで、内定者も安心して懇親会に参加することができます。
さいごに
本記事では、内定者懇親会開催までの流れや、成功させるポイントなどについて解説しました。
ニーズに合わせて適切な内定者フォローを行うことで、自社への入社意欲を高め、内定辞退の予防に繋がります。
内定から入社までの期間に親睦を深めておくことで、入社後のコミュニケーションもスムーズになります。
本記事でご紹介したポイントを意識することで、内定者が喜ぶ内定者懇親会を行えるようにしましょう。