近年、当たり前の存在となったSNS。気軽に利用できることから、採用活動においても活用する企業が増加しています。
SNS採用は、以下のような場合におすすめです。
- 幅広い学生に自社を知ってもらいたいとき
- 限られた予算で効率よく母集団を形成したいとき
- 特定の層(理系・デザイン系など)にピンポイントでリーチしたいとき
- 企業の雰囲気やカルチャーをわかりやすく伝えたいとき
- 学生とのタッチポイントを増やしてエンゲージメントを強化したいとき
本記事では、SNS採用の成功事例やメリット・デメリット、メディア別の特徴や運用を成功させる秘訣など、徹底的に解説していきます。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは?
SNS採用(=ソーシャルリクルーティング)とは、企業がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用して、求職者と繋がり、採用活動に役立てる手法です。
近年、YoutubeやInstagram、X(旧Twitter)、LINEなどで公式採用アカウントを開設し、求職者向けに情報を発信する企業が増えています。
単にSNS採用といっても、その採用手法は2つに分類されます。1つ目がアカウント運用、2つ目が広告運用です。以下でそれぞれについて解説します。
SNS採用の手法①:アカウント運用
アカウント運用は、採用担当者がSNSアカウントを運用し、自社についての情報や採用情報などを発信する手法です。
無料で行うことができますが、採用担当者の工数が増え、効果が出るまでに時間がかかります。そのため、時間をかけてでもコストを抑えて、長期的に学生との接点を作りたい方におすすめです。
SNS採用の手法②:広告運用
広告運用は、SNSの投稿枠を買い、広告を載せる手法です。Instagramを例にすると、Instagramのストーリーで広告が表示されることがあると思います。ストーリーや投稿のかたちで広告を掲載することができます。
広告運用は工数も少なく即効性はありますが、初期コストや継続するコストがかかるため、短期的な効果を見込みたいときにおすすめです。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)が注目される背景
ここでは、SNS採用が注目されている理由となる2つの背景についてご紹介します。
人材獲得競争の激化
SNS採用が注目される1つ目の理由は、人材獲得競争の激化です。
日本では少子高齢化により労働人口が減少しているため、新卒採用の母集団自体が縮小しています。そのため、求人の数が学生数を上回る売り手市場が続き、従来のやり方だけでは十分な母集団形成が難しくなっているのが現状です。
そこで注目されるのが、企業から学生へ直接アプローチし、接点を増やせる採用手法です。ダイレクトリクルーティングが代表例ですが、SNS採用も同様に注目を集めています。
SNSは視覚的なコンテンツを通じて企業の魅力を伝えられるだけでなく、双方向のコミュニケーションによって学生との距離を縮められる点が特長です。こうした強みが学生の志望度を高め、企業の採用力を強化する大きな武器となっています。
若者のSNS利用者数の増加
SNS採用が注目される2つ目の理由は、SNS利用者数の増加です。
総務省によると、日本のSNS利用者数は、2023年の1億580万人から2028年には1億1,360万人に増加すると予測されています。また、20代は、10代に次いでSNSを長時間利用している世代です。以下の表は、20代のインターネット平均利用時間をまとめたものです。
YoutubeやTikTokなどの動画投稿・共有サービスを見ている時間が最も長く、平日では101.4分、休日では134.9分でした。その次にInstagramやX(旧Twitter)といったソーシャルメディアを見る・書く時間が長く、平日で79.4分、休日で108.4分でした。
【参考】総務省『令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』
■【学生側】就職活動におけるSNS活用状況
以下のグラフは、日常生活で使用するSNSの割合と、就活準備で活用されているSNSの割合についての調査結果をまとめたものです。
もっとも活用されている割合が多かったのはLINE(公式アカウント等のトーク機能)で45.6%、次いでX(旧Twitter)が36.4%、Instagramが32.7%、Youtubeが26.0%、TikTokが12.9%、Facebookが1.10%でした。
特にTikTokの利用率は、24年卒5.1%、25年卒7.7%、26年卒12.9%と、調査年度が進むごとに右肩上がりで増加しています。総務省のデータでもTikTokの日常生活における利用率は高まっており、今後も増えていくことが予想されます。
【参考】総務省『令和6年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』
【参考】マイナビキャリアリサーチLab『マイナビ 2026年卒 大学生 インターンシップ・就職活動準備実態調査(10月)』
■ 【企業側】新卒採用におけるSNS活用状況
企業が2025年卒の採用活動において認知形成・広報のためにSNSを活用している割合は26.3%であり、4年前の14.3%から約1.8倍に拡大しました。この結果から、多くの企業が新卒においてSNS採用を強化している傾向があると分かります。
就活生が日常的に利用しているSNSでの存在感をいかに発揮できるかが、企業の認知度や採用結果を左右します。今後は「どのSNSで、どのように発信するか」を戦略的に設計することが、採用競争力の差を生むポイントとなるでしょう。
【参考】就職みらい研究所『採用活動中間調査 データ集 2025年卒』
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)導入のメリット
ここでは、SNS採用を導入する5つのメリットについてご紹介します。
▼SNS採用を導入するメリット
- 幅広いターゲット層に情報を届けられる
- 無料/低コストで実施できる
- 企業の魅力を分かりやすく伝えられる
- 求職者と双方向でコミュニケーションが取れる
- 中小企業でも存在感を出しやすい
それぞれの理由について、以下で詳しく解説していきます。
1.幅広いターゲット層に情報を届けられる
X(旧Twitter)においてはリポスト、フェイスブックではシェアなど、SNSには情報を拡散する仕組みが備わっているため、良い情報、面白い内容のものは多くの人の目に触れられやすくなっています。したがって、まだ就職活動を行っていない求職者や、自社とは全く違う業界を志望している求職者など、SNSを通じて、出会うはずのなかった人材と出会うことも可能です。
採用活動においては、どれだけの学生にリーチできるのかが母集団形成において重要なため、採用とSNSは相性が良いと言えるでしょう。
また、拡散されるときは、拡散した人のフォロワーに情報が流れる仕組みになっているため、社員が友人や知人に紹介するリファラル採用の仕組みと相性が良いと言えます。
例えば社員が採用アカウントの投稿を拡散したとき、その社員の後輩などが投稿を見る可能性が高くなり、情報が拡散されやすい仕組みをうまく活用すれば、リファラル採用を成功させることができます。
2.無料/低コストで実施できる
ほとんどのSNSはだれでも無料で始めることができるため、予算をかけずに、少ないリスクで始めることができます。このように最初から最後まで完全無料で利用できるのは、他の採用媒体にはない特徴です。
また、SNS上で広告運用を行う場合でも、広告にかける金額は1円単位で選んで設定できるため、予算や効果に合わせて柔軟に対応できます。また、自社の広告を流す年齢層などを指定できるターゲティング機能を活用することで、ターゲット以外に広告費が割かれてしまうことを回避することも可能です。
このように、限られた予算のなかで自社の求める人材にアプローチする採用手法として有力な手段となっています。
3.企業の魅力を分かりやすく伝えられる
SNSは、テキストだけでなく画像や動画といった視覚的なコンテンツを組み合わせることで、企業の雰囲気や職場環境を直感的に伝えることができます。就活生は「入社後にどのように働くのか」をイメージしたいと考えており、言葉だけの説明よりも具体的な映像や写真の方が共感や理解を得やすいのが特徴です。
例えば、オフィスツアー動画を公開すれば職場の雰囲気や設備環境をリアルに感じてもらえますし、「社員の1日」を紹介するコンテンツは働き方や社風を伝えるのに効果的です。また、従業員へのインタビューや座談会の様子を発信することで、職場の人間関係やコミュニケーションスタイルを自然に示すこともできます。
こうした投稿は企業への信頼感や親近感を醸成し、結果として志望意欲を高める大きな要因となるでしょう。
4.求職者と双方向でコミュニケーションが取れる
双方向のコミュニケーションを気軽にとることができる点で、採用におけるミスマッチを防止することも可能です。SNSを用いて、求職者は企業の雰囲気や価値観をより具体的に知ることができるため、入社してから「こんな企業だと思っていなかった...」と感じる、ミスマッチを防止することができ、採用の質を向上させることができるでしょう。
また、SNSのコメント機能や、DMを利用して求職者からの質問を募集したり、自社の採用活動の感想を気軽に受け取ったりすることができます。そのため、求職者が企業に対して理解を深め、親近感を抱きやすくなると同時に、企業側も求職者の等身大の姿を理解することができるでしょう。
いわゆる履歴書や、かしこまった面接ではわからない、リアルな求職者とコミュニケーションを取ることで、企業側としても「この人思っていた人と違う!」という、入社後のミスマッチを防ぐことができます。
5.中小企業でも存在感を出しやすい
大手企業は知名度が高く、学生からの認知も得やすい一方で、中小企業はどうしても採用活動における認知度が低く、母集団形成の段階で学生が集まりにくい傾向があります。
この課題を補う手段として有効なのがSNS採用です。SNSは基本的に無料で始められ、低コストで自社の情報を広く発信できます。また、広告機能を活用すれば、年齢や関心分野など条件を絞って、自社が求める学生層に効率的にアプローチすることも可能です。
そのためSNS採用は、知名度や予算に不安を抱える中小企業でも自社の存在感を高められ、採用力を強化するための有効な手段と言えるでしょう。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)導入のデメリット
以下は、SNS採用を導入する3つのデメリットについてご紹介します。
▼SNS採用導入のデメリット
- 効果の見通しを立てにくい
- 運用工数が大きい
- 炎上のリスクがある
それぞれについて詳しく解説します。
1. 効果の見通しを立てにくい
ナビ媒体などの採用を目的としたメディアの利用者は、「採用」というひとつの目的に沿った情報収集を行います。一方で、SNSは採用に特化した媒体ではないため、様々な情報がランダムで流れます。日々大量の情報が流れるなかで、利用者の関心を引くためには、採用媒体よりも大きな努力が必要です。
コンテンツの内容が薄いとその分得られる反応も薄くなります。そのため、SNSのアカウントを運用する場合は、事前にKPIを立てた上で、投稿ごとに反応を見ながら内容を改善していく必要があります。
2. 運用工数が大きい
効果的なSNS採用には、頻繁に投稿を行うことが重要です。日々大量の情報が流れるSNSでは、情報の鮮度が高いものが多いほど関心を高めるのに有利に働きます。自社アカウントの注目度を高めるには、その分時間をかけて運用する必要があります。
また、SNSは他の採用媒体と比較して気軽なコミュニケーションが取りやすいため、それだけ多くの学生を相手に返信やいいねなど、何らかの反応をする必要があります。反応が遅いとそれだけ関心度も低くなるため、SNS採用を成功させるには工数をかけても良いという覚悟が必要です。
3. 炎上のリスクがある
SNSは拡散されやすい仕組みとなっています。自社にとってポジティブな印象付けに役立つような内容が拡散されたらとても有益ですが、一方でネガティブな内容が拡散されてしまう可能性があることも忘れてはいけません。
不特定多数に向けて公開されているため、一度拡散されてしまったら消すことができません。炎上しやすい投稿の特徴として、主に以下の4つがあげられます。
▼炎上しやすい投稿の特徴
- 差別的・偏見的な表現(性別・学歴・国籍・容姿などに関する不用意な発言やネタ投稿)
- 過度な自慢・誇張表現(ブラック体質を正当化するような「厳しさ」アピールや、誤解を招く誇大表現)
- 就活生を見下す・揶揄する内容(「最近の学生は〇〇」など上から目線のコメントや、応募者を笑いのネタにする投稿)
- 炎上リスクの高い時事ネタ・政治的発言(社会問題や政治に関する軽率なコメントや、企業姿勢と矛盾する発言)
炎上を避けるためには、自身の価値観を当たり前だと思わずに、慎重に投稿内容を検討することが必要です。炎上リスクを避けるために、普段からSNSを使い慣れている社員を担当にする、投稿前に内容を複数人でチェックする、コメント機能をオフにするなどの対策をしましょう。
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【比較表】主要SNSごとの特徴・利用率・メリット/デメリット
以下は、主要SNSごとの特徴や利用率、採用での活用方法などを比較した表です。
特徴 | 就活での利用率/登録ユーザー数 | 採用での活用方法例 | メリット | デメリット | |
LINE | 国内最大級のメッセージアプリ、公式アカウント配信が可能 | 45.6% | イベント・選考情報の配信、ES等のアップロード、学生対応 | 日常的なツールのため、情報がキャッチされやすい | 一度ブロックされると接点喪失、双方向の拡散力は低い |
YouTube | 動画コンテンツに強み、長尺〜短尺まで対応 | 26.0% | 会社紹介動画、社員インタビュー、オフィスツアー | 一度コンテンツを作成すれば効果が長期間続く | 動画制作に時間と労力がかかる |
写真・リール動画中心、ビジュアル訴求に強い | 32.7% | イベント・選考情報の告知、広告ターゲティング | 広告などの活用でターゲットにリーチしやすい | 拡散力はXより弱い、世界観維持が重要 | |
X | 拡散性が高く、リアルタイム情報に強い | 36.4% | ハッシュタグを用いた認知拡大、ユニークな情報発信 | 学生の就活アカウントが多い、投稿が拡散されやすい | 炎上リスクが高い、情報を見落とされやすい |
TikTok | ショート動画特化、アルゴリズムで拡散 | 12.9% | ライトな職場紹介、トレンドを用いたコンテンツ | バズれば短期間で認知拡大、親近感を持たれやすい | 炎上リスクが高い、コンテンツ更新頻度が必要 |
実名登録、コミュニティ機能に強い | 1.1% | OB/OG情報発信、リファラル採用強化 | イベントでのコミュニティ形成が可能 | 就活生の利用者が少ない | |
ビジネス特化SNS、経歴・スキル重視 | ユーザー数(全体):400万人 | グローバル採用、専門職への直接アプローチ | 専門職・経験者層へのリーチ、国際採用 | 日本の学生利用率はまだ低い | |
Wantedly | 国内発の「共感採用」プラットフォーム | ユーザー数(全体):350万人 | 共感型採用広報、カルチャーフィット人材の獲得 | 企業のカルチャー重視、スタートアップに強い | 登録学生数はナビサイトより少ない |
それぞれのSNSについて、さらに詳しく解説していきます。
LINE
就職活動における学生の利用率が最も高いLINE。
企業は採用専用の公式LINEアカウントを開設し、採用ホームページや他のSNSなどを通じて『友だち登録』を促すケースが増えています。
採用公式LINEでは、イベント・選考情報の配信や、ES提出の受付、面接の日程調整、面接前のリマインド連絡などに活用できます。
このようにLINEは、企業の認知拡大よりも、採用選考の実務を効率化するツールとして利用されるケースが多いです。
YouTube
LINEに次いで就活生の利用率が高いYouTube。
採用公式YouTubeでは、会社紹介動画、社員インタビューや対談、オフィスツアー、「社員の1日」動画といったコンテンツをアップしている企業が多いです。テキストだけでは伝わりにくい職場の雰囲気や社員の人柄を、映像で直感的に伝えられます。
YouTubeは他のSNSに比べて検索機能に優れ、アーカイブ性が高いので、「一度作った動画が長く視聴され続ける」という特長があります。認知拡大と企業理解の促進に効果的であり、学生に「ここで働いてみたい」というイメージを具体的に持たせる役割を果たします。
一方で、ひとつの動画を作るために時間と労力がかかるため、長期的な目線でアカウントを運用していくことが必要です。
写真やリール動画などのビジュアル訴求に強いInstagram。
企業の採用公式アカウントでは、イベント・選考情報の告知に加え、社員紹介やオフィス紹介などを視覚的に発信している企業が多くみられます。テキストも1,000文字まで載せられるので、YouTubeやTikTokといった動画系SNSよりも詳細な情報を伝えやすいのが特長です。
また、広告機能を活用することで、年齢や地域、関心分野などターゲットを細かく絞ってアプローチできる点も強みです。学生にとっては身近で日常的に利用しているSNSのため、自然な形で企業の存在を認知してもらいやすくなります。
一方で、拡散力はX(旧Twitter)ほど強くなく、アカウントの世界観や投稿の統一感を保つことが重要になります。継続的な発信とブランディングを意識することで、Instagramは企業カルチャーを伝える採用広報ツールとして効果を発揮します。
X(旧Twitter)
拡散性とリアルタイム性に強みを持つX(旧Twitter)。
採用公式Xでは、説明会やイベントの開催告知、採用に関する最新情報、現場社員の声などをタイムリーに発信する企業が多く見られます。短文投稿に加え、画像やリンクを活用することで、学生に分かりやすく情報を届けられるのが特長です。
また、ハッシュタグを用いた投稿は認知拡大に効果的であり、ユニークな情報発信や企画次第では短期間で大きな拡散につながります。さらに、学生の「就活用アカウント」が多く存在するため、企業情報が学生同士の間で共有されやすいのも強みです。
一方で、投稿が流れやすく情報を見落とされやすい点や、炎上リスクが高い点には注意が必要です。継続的な発信と丁寧な運用を行うことで、Xは学生との接点を増やし、認知度を高める有効な採用広報ツールとなります。
TikTok
ショート動画に特化し、アルゴリズムによる拡散力に強みを持つTikTok。
採用公式TikTokでは、ライトな職場紹介や社員の日常、トレンドを取り入れた企画動画などを投稿する企業が増えています。短尺の動画で親しみやすく表現できるため、学生に企業の雰囲気を自然に届けられるのが特長です。
バズれば短期間で大きな認知拡大につながり、学生からの親近感や共感を得やすいのも強みです。特にZ世代を中心に利用率が高いため、若年層へのリーチには効果的なプラットフォームといえます。
一方で、炎上リスクが高い点や、アルゴリズムに評価され続けるためにはコンテンツの更新頻度が求められる点には注意が必要です。継続的な運用体制を整えることで、TikTokは採用広報における強力なツールとなります。
実名登録を前提とし、コミュニティ機能に強みを持つFacebook。
採用活動においては、OB/OGによる情報発信や、リファラル採用の強化、イベントを通じたコミュニティ形成などで活用されています。実名制ならではの信頼感があり、既存社員や卒業生とのネットワークづくりに適しているのが特長です。
一方で、就活生の利用率はわずか1.1%と非常に低く、学生に直接リーチする媒体としては効果が限定的です。そのため、Facebookは新卒採用よりも、中途採用やOB/OGとの関係構築に活用されるケースが中心となっています。
ビジネスに特化し、経歴やスキルを重視したつながりが特徴のLinkedIn。
LinkedInでは、企業ページを通じた情報発信によって最新ニュースや採用情報を共有できるほか、社員のキャリア紹介やインサイト投稿で企業の専門性や文化を発信することができます。また、スカウト機能(InMailなど)を活用すれば、海外人材や特定スキルを持つ候補者に直接アプローチでき、効率的にターゲット層と接点を持てます。
一方で、日本における学生の利用率はまだ低く、新卒採用に直結するツールとしては限定的です。そのため、LinkedInは新卒よりも、グローバル採用や専門スキルを持つ人材の獲得に適したプラットフォームといえるでしょう。
Wantedly
国内発の「共感採用」プラットフォームとして位置づけられるWantedly。
ユーザー数は約350万人で、企業のビジョンやカルチャーに共感した人材とのマッチングを重視しています。特にスタートアップや中小企業との親和性が高く、企業文化を前面に出した情報発信に適しています。
Wantedlyでは、募集ページの作成を通じて仕事内容やビジョンをストーリー形式で伝えたり、社員インタビューやイベントレポートの投稿で日常の魅力を発信したりすることが可能です。さらに、スカウト機能を使えば共感した学生や若手社会人に直接アプローチでき、より濃い接点を築くことができます。
一方で、登録学生数は大手ナビサイトに比べると少ないため、母集団形成という点では弱みもあります。そのためWantedlyは、企業カルチャーに共感して長く活躍してくれる人材を探す場として活用するのが効果的です。
【成功事例】主要SNSごとの採用への活用方法
ここでは、多くの再生回数やフォロワー数を有する採用アカウントを、主要SNSごとにご紹介していきます。コンテンツ内容や運用方法を参考にしてみてください。
YouTube
まずYouTubeでの成功事例をご紹介します。
事例①株式会社ジェーシービー
2022年にアカウントを開設し、2025年9月現在までに120本の動画を更新。チャンネル登録者数は3,450人です。
選考対策動画が人気で、新入社員がグループディスカッションを実演した動画は2.5万回再生されています。
▼コンテンツ例
- 【JCB】新入社員が実演!GDの選考ポイントを徹底解剖...!(再生回数:2.5万回)
- 【2024年度】JCBの入社式に潜入!新入社員の意気込み発表!!【Vlog】(再生回数:1万回)
- 【入門編】10分見ればJCBがわかる!キャッシュレス業界・企業研究!【採用】(再生回数:8276回)
事例②東海旅客鉄道株式会社
2021年にアカウントを開設し、2025年9月現在までに52本の動画を更新。チャンネル登録者数は4,790人です。
職種紹介や会社紹介動画が人気で、運輸系統のプロフェッショナル職に密着し、やりがいや入社理由などをインタビューした動画は9,500回再生されています。
▼コンテンツ例
- 【JR東海】安全を最優先に、お客様に最高のサービスを~プロフェッショナル職 運輸系統~(再生回数:9,638回)
- 20分でわかるJR東海の企業研究【後編】(再生回数:7842回)
- 会社紹介◆JR東海とは(再生回数:5772 回)
【参考】YouTube『【公式】JR東海 新卒採用チャンネル』
X(旧Twitter)
次に、X(旧Twitter)での成功事例をご紹介します。
事例①株式会社講談社
2012年にアカウントを開設し、2025年現在までに1.2万人のフォロワーがいます。
インターンシップや説明会などのイベントや選考に関わる情報のお知らせの投稿が多いです。端的な情報共有だけではなく、採用担当者の人柄や雰囲気が伝わるような一言を添えているところがポイントです。
▼投稿例
【告知】2025年度定期採用の本エントリーを受付開始しました!
— 講談社 採用担当/KODANSHA HRDiv. (@kodansha_saiyou) November 27, 2023
ESはなかなかボリューミーな内容ですが、みなさんの”ものがたり”を深堀りしたいという想いから、様々な設問を用意いたしました。
まだ見ぬ自分と出会う作業として、楽しんで取り組んでいただけたら嬉しいです。https://t.co/GNH87PWA6G
【参考】X『講談社 採用担当/KODANSHA HRDiv.』
事例②プライムナンバーズ株式会社
2020年にアカウントを開設し、2025年現在までに1.4万人のフォロワーがいます。
自社の採用関連情報に加え、ESや面接対策でのお役立ち情報や、「今日は〇〇の日です」といった日付に関連する豆知識など、幅広く遊び心のある投稿を行っています。
「#27卒」「#就活生と繋がりたい」といったハッシュタグの活用も参考になりそうです。
▼投稿例
【26卒向け面接アドバイス】
— 【公式】プライムナンバーズ(株)_採用担当 (@primenumbers_tw) July 9, 2025
面接は「お互いを知るための場」です🤝
うまく話すこと以上に、一生懸命伝えようとする姿勢が大切です。
うまく話そうとして、用意した台本を思い出しながら話している方、これはよくないですよ#26卒 #就活 #Web面接 #就活生と繋がりたい #応援https://t.co/CBjl0hSq40
次に、Instagramでの成功事例をご紹介します。
事例①伊藤忠商事株式会社
2025年9月現在までに126投稿を行っており、フォロワー数は1.5万人です。
雑誌の特集ページのように、企画ごとに文字や写真をデザインした投稿を行っていることが特長で、内定者へのインタビューや仕事紹介、選考対策の情報などを発信しています。
▼コンテンツ例
- ビジネスエキスパート職(BX職)内々定者に本音をインタビュー
- "A week abroad"~海外駐在員・実習生の日常をお届け~
- 20〇〇年度内定者紹介
【参考】Instagram『伊藤忠商事 採用公式アカウント』
事例②三井住友海上火災保険株式会社
2025年9月現在までに276投稿を行っており、フォロワー数は6,385人です。
緑を基調にした投稿が多く、印象が統一されているところが特長です。イベント告知の投稿では、イベントの特徴や種類の詳細も紹介し、応募したくなる魅力をアピールする工夫が施されています。
▼コンテンツ例
- 夏インターン応募締切直前の告知
- 三井住友海上のオウンドメディア「MS Story」についての紹介
- 新入社員を紹介する「新スタグラム」
TikTok
次に、TikTokでの成功事例をご紹介します。
事例①全日本空輸株式会社
2025年9月現在のフォロワー数は約84万人で、総いいね数は1840万です。
こちらは採用ではなく、企業アカウントですが、入社式の様子や社員へのインタビューなど、就活生向けの情報も多く投稿されています。
TikTok内のトレンドに乗ったコンテンツ(例:「#究極の2択」など)を活用しながら、働くイメージが想像できる内容が多いことが特長です。
▼コンテンツ例
- #究極の2択「働くならどっち」社員アンケート動画
- 空港ならではの特殊ルールの紹介
- 客室乗務員の旅先での観光動画
@ana_allnipponairways 究極の2択⁉️😳💥 #allnipponairways #ca #cabinattendant #groundstaff #gs #社員 #FUKAP #ANAエアポートサービス #ANA沖縄空港 #ANA福岡空港 #ana #2択 #選択 #究極 ♬ 運動会の曲「天国と地獄」(序奏なし) - しののめ
【参考】TikTok『ANA』
事例②FANTAS technology株式会社
2025年9月現在のフォロワー数は約4162人で、総いいね数は約7万です。
TikTok経由で採用した社員へのインタビューや、面接・ES対策の情報、募集職種に関する情報などをコミカルに発信しています。「〇〇するなら諦めなければいけないこと◯選」などのトレンドに乗った動画も多数公開しており、リーチを広げています。
▼コンテンツ例
- TikTok経由で採用した社員へのインタビュー
- 面接での「受かる回答」「落ちる回答」
- 企業の福利厚生紹介
@fantas_technology <採用強化中!>DMで「気になる」ってコメントしてね♪ #会社 #採用 #ベンチャー #採用強化中 #転職 ♬ オリジナル楽曲 - 人事のさちこ|FANTAS technology
【参考】TikTok『人事のさちこ|FANTAS technology』
LINE
次に、LINEでの成功事例をご紹介します。
事例①株式会社ニトリホールディングス
友だち登録数14,247人の公式LINEアカウントです。
公式LINEのトーク画面で見られるリッチメニューには、エントリーボタンのほかに、仕事紹介や社員紹介、よくある質問などが閲覧できる動線を作っています。
▼リッチメニューの項目
- インターンシップへのエントリー
- 仕事紹介『ニトリのシゴト』
- 社員紹介『ニトリのヒト』
- 公式SNS
- マイページへのログイン
- よくある質問
【参考】LINE『ニトリHD 新卒採用』
【参考】LINEリッチメニューギャラリー『ニトリ 新卒採用』
事例②株式会社テクノプロ
友だち登録数17,206人の公式LINEアカウントです。
公式LINEのトークでは、イベントの日程情報など採用関連情報の告知に加え、個別質問への受け答えや、履歴書などの書類のアップロードなど、採用選考関連のコミュニケーションツールとして利用しています。
▼LINE経由で行っていること
- 説明会日程などの新卒採用関連情報
- 個別の質問への受け答え
- 履歴書等各種書類のアップロード
【参考】TECHNOPRO DESIGN新卒採用『エントリー』
次に、Facebookでの成功事例をご紹介します。
事例①P&Gジャパン合同会社
P&GジャパンのFacebookページには、約169万人のフォロワーがいます。
「社員の夏季休暇の過ごし方」や「海外経験のある社員の入社タイミングの決め方」などのコンテンツを、文章を記載した画像にして投稿していることが特長です。
投稿本文には選考スケジュールと説明会日程を必ず掲載しており、どの投稿を見ても就活生の求める情報が確認できるように工夫されています。
▼投稿例
- 社員の夏季休暇の過ごし方
- 海外大学卒や留学経験のある新入社員の入社タイミングの決め方
- 選考関連情報
事例②ソフトバンクグループ株式会社
ソフトバンクグループのFacebookページには、約1.5万人のフォロワーがいます。
主にイベント・選考案内のアナウンスや、企業ニュース更新などを発信する投稿がされています。全ての投稿にエントリーのためのURLが記載されていることが特長です。
▼投稿例
- ソフトバンク 地方創生インターン受付開始
- 新卒採用サイトの新規ページ公開
- ソフトバンクニュース更新
【参考】Facebook『ソフトバンク 新卒採用/SoftBank recruit』
次に、LinkedInでの成功事例をご紹介します。
事例①LINEヤフー株式会社
LINEヤフーのLinkedInページは、2025年9月現在、1.2万人のフォロワーがいます。
過去に開催した新卒採用向けのイベントをみてみると、平均2〜3名はLinkedIn経由での参加者がいることが分かります。【イベント情報】【note更新】など、すべての投稿の冒頭に、その投稿の趣旨が分かるタイトルをつけ、情報を見やすく整えていることが特長です。
事例②株式会社マネーフォワード
マネーフォワードのLinkedInページには、2025年9月現在、1.2万人のフォロワーがいます。
マネーフォワードではエンジニア組織の公用語を英語としており、海外の求職者向けにすべて英文で投稿されていることが特長です。
Wantedly
最後に、Wantedlyでの成功事例をご紹介します。
事例①Sansan株式会社
新卒でのエンジニア採用でWantedlyを利用した事例です。
『ストーリー』と呼ばれるブログ形式の投稿ページでは、新入社員へのインタビューだけではなく、インターンシップ生へのインタビュー記事も公開しています。
【参考】Wantedly『内定承諾率を劇的に改善。Sansan流、新卒エンジニア採用の秘訣』
事例②株式会社ココナラ
Wantedly内のトップページに募集情報が掲載される『トップページ広告』、InstagramやFacebookに募集情報が掲載される『SNS広告』を利用して採用を成功させた事例です。
広告オプションを利用していない時と比べて、募集のPV数が10倍以上変わったとインタビューで答えています。
また、「工数をかけずにクオリティの高い募集が作れる」「作った募集をSNSで気軽にシェアできる」といったメリットもあるようです。
【参考】Wantedly『一度の広告掲載で6名の採用に成功。 ココナラが考えるWantedly広告オプション活用術』
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)導入までの流れ
続いては、SNS採用を導入する際の手順について紹介していきます。
▼SNS採用を行う5ステップ
- SNS採用の目的を決める
- 採用ターゲットを定め、ペルソナを設定する
- 発信するコンテンツ内容を決める
- 運用マニュアルを作成する
- 実際に運用をして、振り返る
1つずつ具体的に見ていきましょう。
1.SNS採用の目的を決める
まずは「なぜSNSを活用するのか」を明確にしましょう。
母集団形成の強化、企業認知度の拡大、内定承諾率向上など、目的がはっきりしていれば発信の内容や運用方針がぶれにくくなります。
たとえば「説明会参加者を増やしたい」ならイベント告知を重視する、「辞退を減らしたい」なら社員紹介や社風発信を増やすなど、目的に応じて優先施策が変わります。最初にゴールを設定することで、後のKPI設計や運用評価がしやすくなり、効果的なSNS採用活動につながります。
▼SNS採用の目的(例)
- 認知拡大(ターゲット学生への想起率向上)
- 母集団形成(説明会申込・エントリー増)
- 志望度醸成(内定承諾率の向上、辞退率低下)
- 選考運用効率化(連絡・日程調整の省力化)
2.採用ターゲットを定め、ペルソナを設定する
次に、自社が求める学生像をできるだけ具体的に描きます。
専攻や学年などの基本属性に加え、「普段どのSNSを使っているか」「どんな価値観を重視するか」といった行動特性や心理面も含めて設計しましょう。
たとえば「理系院生で安定志向、情報収集はXが中心」といったペルソナをつくれば、どのSNSでどんな情報を発信すべきかが明確になります。実在の内定者や応募者へのヒアリングを基にすると、リアリティのあるターゲット像を描けます。
▼ペルソナ設計する項目(例)
- 基本属性:学年、専攻、居住地域、希望勤務地
- スキル/志向:得意科目、資格、価値観(安定/挑戦/社会貢献)
- 行動特性:情報源(X、Instagram、YouTube、就活掲示板)、視聴時間帯、ハッシュタグ、フォローしている企業・人
- 課題/不安:給与・成長・社風・勤務地・残業など
- 期待するベネフィット:学べる環境、裁量、働きやすさ、社会的意義
3.使用するSNSとコンテンツ内容を決める
ターゲット層の利用状況に応じて、発信するSNSを選定します。
たとえば、Xは拡散力と速報性、Instagramはビジュアル訴求、YouTubeは企業理解を深める長尺動画、LINEは説明会案内やリマインドに適しています。TikTokならZ世代への認知拡大、LinkedInは専門職やグローバル人材に強い、といった特徴があります。
それぞれのSNSに合わせてコンテンツを企画すると効果的です。
▼コンテンツ設計(例)
- コンテンツの型:会社紹介・オフィスツアー・社員の1日・職種深掘り・技術紹介・福利厚生・Q&A・採用担当ライブ告知・内定者の声
- 配信設計:投稿頻度(例:X 3〜5回/週、Instagram 2〜3回/週、YouTube 月1〜2本、LINE 月2〜4配信)
- 70/20/10ルール(70%基礎情報、20%コミュニティ・参加型、10%チャレンジ/トレンド)
- CTA設計:説明会申込、エントリー、資料DL、LINE友だち登録、質問募集 など
4.KPIを設定する
SNS採用の効果を測るためには、KPI(重要業績評価指標)の設定が不可欠です。
フォロワー数やエンゲージメント率といった数値はもちろん、説明会申込数やエントリー数など採用成果に直結する指標も追いましょう。
たとえば「Instagramから月50件の説明会申込」「YouTube動画の視聴完了率20%以上」といった具体的な目標を設定すると改善に活かしやすくなります。成果指標を定めることで、日々の発信が「採用成果にどう結びついているか」を確認できます。
▼KPI策定(例)
- 上流:リーチ、インプレッション、フォロワー増、視聴完了率(YouTube/リール)
- 中流:プロフィール遷移率、リンククリック率、資料DL、LINE登録
- 下流:説明会申込数、参加率、面談設定率、CVR、CPA(1エントリー当たりコスト)
4.運用マニュアルを作成する
SNS採用を継続的に運用するには、担当者が変わっても同じ品質で発信できる仕組みが必要です。
投稿頻度やトーン&マナー、使うハッシュタグのルール、炎上時の対応フローなどをマニュアルにまとめましょう。
また、画像の比率や動画の長さ、キャプション文字数など制作の基本ルールを整えておくと、効率的にコンテンツを作成できます。属人化を防ぎ、安定的に運用を続けるために、最初にルールを整えることが重要です。
▼運用マニュアルで設定するルール(例)
- 投稿頻度、タイミング
- 文体や表現のトーン&マナー
- ハッシュタグの方針
- 画像・動画の仕様
- キャプション・テキストの改行ルールや絵文字使用可否など
- 承認フロー
- 炎上・トラブル対応の方法
- 個人情報・コンプラのため撮影ルール
5.実際に配信をして、振り返る
計画を立てたら実際に投稿を始め、効果を定期的に振り返ります。
週次では投稿ごとの反応やクリック率をチェックし、月次では「説明会参加につながったか」など成果まで含めて分析します。反応が良かったコンテンツは他SNSに再利用したり、投稿時間帯をA/Bテストして改善したりと工夫が必要です。
数字だけでなく「どんな投稿に共感コメントが集まったか」といった質的な振り返りも有効です。小さな改善を重ねることで、SNS採用の効果は着実に高まります。
▼振り返り項目(例)
- リーチ数・インプレッション数:どれくらいの学生に届いたか
- エンゲージメント率:いいね・コメント・シェア・保存の反応度合い
- クリック数/CTR:リンクやプロフィールに誘導できたか
- フォロワー増加数:どの投稿が新規フォロワー獲得につながったか
- 動画の視聴完了率:最後まで見てもらえたか、離脱ポイントはどこか
- 説明会申込数・エントリー数:採用成果に直結したか
- 投稿時間帯の効果:時間帯や曜日で反応に差があったか
- 好評だったコンテンツの傾向:コメントの質や共感度、拡散された理由
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)を成功させるポイント
SNS採用は、闇雲にはじめても中々上手くはいきません。成功させるためには、いくつかのポイントがあります。 ここでは「SNS採用で意識しておくと良いこと」を6つ紹介していきます。
▼SNS採用を成功させるための6つのポイント
- 自社のターゲット層がよく利用するSNSを選ぶ
- SNSを利用する目的を明らかにしてから、コンテンツを企画する
- 継続的に発信できるだけのリソースを確保する
- 他媒体では伝わらない「会社のリアル」を伝える
- 競合分析を忘れずに行う
- アウトバウンド施策でフォロワーを増やす
1.自社のターゲット層がよく利用するSNSを選ぶ
SNS採用を始める際は、すべての媒体に手を出すのではなく、ターゲット層が日常的によく使っているSNSを見極めることが重要です。
SNSごとに利用者層や強みが異なるため、自社が採用したい学生が普段どの媒体を使っているかを調査し、最もマッチするものから優先的に活用すると成果が出やすくなります。
媒体ごとに得意な表現やユーザー層が異なるため、自社の人材像に合うSNSを選択することで、情報が届く確率を高められます。
2.SNSを利用する目的を明らかにしてから、コンテンツを企画する
「認知拡大」「説明会集客」「内定承諾率向上」など、SNS活用の目的を最初に明確化してから発信内容を決めることが成功の鍵です。
目的が定まらないまま投稿するとメッセージが散漫になり、効果検証も難しくなります。目的に応じて、「企業カルチャー発信」「社員紹介」「イベント告知」など最適な企画を考え、学生の関心と行動を促す流れを作りましょう。
また、就活生がどのようなコンテンツを求めているのかを知っておくことも重要です。以下に2026年卒が対象となったアンケート調査での回答結果を抜粋したので、参考にしてみてください。
▼学生が求めている発信
- 1日のスケジュールや社員の方々の雰囲気
- イベントや応募の日時について、リマインダーとして繰り返し呼びかけ
- 会社の雰囲気が分かる動画
- 福利厚生についての詳しい説明
▼学生にネガティブな印象を与える発信
- TikTokで新入社員が踊っている
- 本業からかけ離れすぎている企画、また趣旨からはずれ、炎上可能性のある企画
- 癖の強い朝礼の様子
- 上司が偉そうな様子や、上下関係がはっきりしている様子
【参考】マイナビキャリアリサーチLab『2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)』
3.継続的に発信できるだけのリソースを確保する
SNSは単発の投稿では成果につながりにくく、継続的な発信が重要です。そのため、運用担当者や制作スタッフ、必要な予算を事前に確保することが欠かせません。
特にInstagramやTikTokは更新頻度が低いと学生に「止まっている会社」と見られるリスクもあるため、投稿カレンダーを作成し、持続可能な発信体制を整えることが成果の第一歩となります。
4.他媒体では伝わらない「会社のリアル」を伝える
パンフレットや採用サイトでは伝えにくい「働く現場の空気感」や「社員の人柄」はSNSだからこそ効果的に表現できます。
社員インタビュー、オフィス紹介、日常のちょっとしたエピソードなど、リアルな情報は学生にとって志望度を高める材料となります。等身大の姿を伝えることで、応募前から企業との距離が近づき、ミスマッチ防止にもつながります。
5.競合分析を忘れずに行う
同業他社がどんな発信をしているかをチェックすることも重要です。投稿内容、更新頻度、学生からの反応などを観察すれば、自社との差や改善のヒントが得られます。
特に、他社が強調していないポイントを自社が発信することで差別化が可能です。また、競合の成功事例を参考にしたり、炎上事例から学んだりすることで、自社の運用リスクを下げながら効果的な発信ができます。
6.アウトバウンド施策でフォロワーを増やす
SNSは自然流入だけに頼るとフォロワー数が伸びにくいため、積極的なアウトバウンド施策が必要です。
採用サイトや説明会で公式アカウントを案内する、広告を使ってターゲット層に配信する、他SNSやLINEから誘導するなど、複数の入り口を設けることでフォロワー増加を狙えます。
こうした施策は「見てもらうきっかけ」を作る役割を担い、母集団形成を加速させます。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)の代行サービス7選
「SNS採用を開始したいけど、運用負担が大きすぎて社内のリソースが足りない・・・」 とお悩みの方はいませんか。そんな方には「SNSの採用を代行してもらえるサービス」がおすすめです。
下記では、SNS採用の代行サービスを数社紹介します。 SNS採用導入時の参考にしてみてください。
▼SNS採用の代行サービス7選
- 【instagram、若者の採用に強い】エアリク
- 【コストを抑えて結果を出す】Nu Realize株式会社
- 【マーケティング・デザインに強い】wakaru株式会社
- 【採用課題全般の解決なら】トラコム株式会社
- 【幅広い企業の実績がある】株式会社リプカ
- 【採用活動のコンサルティング会社】株式会社RXプロ
- 【採用広報全般に強い】株式会社hypex
1.【instagram、若者の採用に強い】エアリク
エアリクは、SNSの運用代行サービスを提供する会社です。 実績も多数あり、「InstagramにおけるSNS採用」に特化しています。
若者が多く使用するInstagramでSNS採用を行いたい、という場合はこちらのサービスがおすすめです。
【参考】エアリク 公式ホームページ
2.【コストを抑えて結果を出す】Nu Realize株式会社
Nu Realize株式会社では「採用特化型のSNSアカウント運用代行サービス」を提供しています。
▼サポート範囲
- 採用戦略設計
- SNS戦略設計
- SNSアカウント開設
- SNS運用代行 等
自社の採用課題にマッチしたサポートを行ってもらえます。
【参考】Nu Realize株式会社 SNS採用支援サービス
3.【マーケティング・デザインに強い】wakaru株式会社
wakaru株式会社は採用に特化したSNSマーケターやデザイナーが多数在籍しており、視覚的に訴求できる投稿の作成を依頼できることが魅力です。wakaru株式会社が運用している求職者向けメディアは、総フォロワー数が6万人を超えており、実績が高いことも特徴です。
また、SNS採用の運用代行だけでなく、wakaru株式会社が運営するメディアとのタイアップコンテンツの制作も依頼できる点もポイントとなるでしょう。
4.【採用課題全般の解決なら】トラコム株式会社
トラコム株式会社はSNS採用特化の企業ではありませんが、年間1万社の採用課題を解決しています。
「Instagram運用代行」「Facebook+MEO運用代行」のほか母集団形成や採用ブランディングなど採用課題全般の解決を実現してくれます。
5.【幅広い企業の実績がある】株式会社リプカ
株式会社リプカはInstagramを中心としたSNS運用代行サービスを提供しています。
Instgram以外でもtiktokやX(twitter)、Youtubeなど就活生世代が利用している媒体に網羅的に対応してもらえます。大手、中小問わず幅広い企業の300アカウント以上のSNS運用実績があるためノウハウが蓄積されていることもポイントです。
【参考】株式会社リプカ 公式ホームページ
6.【採用活動のコンサルティング会社】株式会社RXプロ
「株式会社RXプロ」は、企業の採用を支援するコンサルティング会社で、SNS採用に特化したサービスがあります。SNS採用プランでは、コンセプトの設計から運用まで一任でき、自社リソースを節約できます。
サービス内容はSNSの選定から採用までの全フェーズを提供し、経験豊富なプロが担当します。SNS採用プランは40万円~です。
7.【採用広報全般に強い】株式会社hypex
「株式会社hypex」は、SNS広告を活用した高度なターゲティングを行う採用支援コンサルティング会社です。SNS採用代行では、X(旧Twitter)・Instagram・Facebookを活用した採用広告の運用を提供しています。
データドリブンなSNS戦略を採用し、効果を最大化しながら改善を行います。特に企業認知度が低い、募集が難しい、内定辞退が多い企業にもおすすめだと言えるでしょう。
サービス内容は「ターゲットに刺さるSNS採用広告の制作」「データドリブンな広告運用」などです。
他にも、採用ブランディングなどの採用広報サービスや、採用サイトの制作も依頼できるサービスが特徴です。
学生の集客にお困りならMatcher Scout
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- 自社のニーズに合わせてオプションプランもご用意
以上の理由より、待っているだけでは会えないような優秀な学生層にアプローチできるため、効率的に採用活動を進めることができます。
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【サービス説明資料】3分でわかるMatcher Scout
【導入事例】利用チャネルの中で最も多い内定数!工数をかけなくても多くの優秀な学生にお会いできました
さいごに
現代の主な情報拡散ツールとして使われているSNSをうまく活用することで、採用において様々な利点をもたらすことができます。
発信する内容には十分気をつけながら、運用していきましょう。