体育会系の学生は、協調性や責任感、PDCAを回す経験の豊富さから就職活動に有利とされています。
実際、体育会系学生に特化した採用イベントに多くの企業が参加しており、体育会系学生を採用したい人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、体育会系の学生を採用するメリット4選をご紹介します。
併せて体育会系学生の就活動向や、体育会系学生の採用スケジュールも解説しています。
ぜひ自社の採用にお役立てください。
体育会系とは?
就職活動における「体育会系」とは、運動系の部活・サークルに所属し、上下関係や根性論を重んじる気質を持つ学生のことを指します。
単なる運動好きや、運動系の部活・サークルに所属していても上記のような気質を持っていない場合は体育会系には当てはまりません。
体育会系学生を採用するメリット4選!
ここでは、体育会学生の強みを4つご紹介します。
①規律を重んじる傾向が強い学生を採用できる
1つ目のメリットは、体育会系の学生は規律を重んじる傾向が強いことです。
近年、SNSの普及やメディアの発達によって、「企業コンプライアンス」がより重要視されるようになりました。
情報の発信やアクセスが容易になったことで、コンプライアンス違反をしていた企業は批判を浴び、自然と淘汰されていくためです。
もしコンプライアンス問題が生じた場合、企業イメージの損失はもちろん、企業に大きな経済的損失を与えることもあります
そうした背景から、「コンプライアンスを重視する姿勢」が採用要件でも重視されるようになっています。
体育会系の学生は、スポーツ上のルールはもちろん、先輩・後輩との上下関係などチーム内での規律を重んじるマインドが備わっています。
そのため「規律や礼儀を重んじる」チーム形成が期待できます。
②チームワークの大切さを理解している
2つ目のメリットは、チームワークの大切さを理解していることです。
企業は、一人一人の社員が自分の役割を果たすことによって機能します。
また、時には自分の役割以外の仕事もサポートすることによって、組織として健全に活動できています。
すなわち、企業が成長し続けるためにはチームワークが非常に重要なのです。
体育会系の学生は、部という組織の中で一人一人の部員が助け合い、声をかけあうことで成果を出す経験を積んでいます。
また、組織内での自分の立ち回りや、求められている役割を理解している学生も多いです。
そのため、体育会系学生を採用することで、組織のチームワークがさらに強化されることが期待できます。
③結果にこだわる学生が多く採用できる
3つ目のメリットは、「勝ち」にこだわる意識が強いことです。
社会では常に競争にさらされ、「結果」が重視されるようになります。
競合に勝てる商品開発や、同僚に負けない営業成績を出す必要があります。
これらを実現するためには、社員一人一人が「勝ち」にこだわり、強い執着をもって仕事に臨まなければなりません。
体育会系の学生は試合に勝つことを目標に努力した経験や、試合に出場することを目標に努力した学生が多く、結果に対するこだわりが非常に強いです。
目標達成に向けて継続的に努力した経験も備えていることが、体育会系学生の強みでしょう。
④学習能力が高い
4つ目のメリットは、「学習能力が高い」ことです。
仕事において重要なのは、失敗してもくじけずに原因を追究して、改善を模索することです。
営業で契約まで結びつかなかったとしても、改善点を見つけ修正して次の営業に臨むといった改善姿勢が必要になります。
体育会系の学生は、部活動の中で「挫折経験」を繰り返し、それを自らの力あるいはチームの力で克服してきた経験を持ちます。
そのため一般学生に比べ、挫折してもその克服方法を知っている傾向が強いです。
体育会系学生を採用することで、壁にぶつかってもあきらめない、粘り強いチームになるでしょう。
体育会系学生を採用するデメリット
体育会学生を採用するメリットを4つご紹介しました。
一方で、体育会学生にはその特徴ゆえに、デメリットとなりうるポイントもあります。
下記では、体育会学生を採用するデメリットを2つご紹介します。
①目上の人の意見を鵜呑みにする可能性がある
体育会系の学生は、上下関係に厳しく、立場が上の人の意見を重んじるという風潮があります。
そのため、対立や争いを避け、チームとしてのまとまりを保つために上の立場の人間に意見しないタイプが多いといわれています。
もちろん、チームワークや協調性は組織を運営するうえで非常に重要です。
しかし自分の意見を主張しない体質では、間違った方向に進んでしまうリスクがあります。
社会に出れば、上の立場に当たる人は上司や先輩です。
上司や先輩が間違った方向に進もうとしているのを止められることも、優秀な組織の要素の1つです。
そのため、きちんとNOが言える人物なのか、面接で見極める必要があります。
②体育会系ならではの就活スケジュールを把握しなければならない
後の章で詳しく解説しますが、体育会系学生は部活を終えるシーズンが部活動によって異なるため、就活の動きが一般的な学生と異なります。
他にも、部活動に所属しているためにインターンに参加できなかったり、就活のピーク中も部活で忙しく、就活のスタートが遅れてしまう学生も多くいます。
体育会系学生を採用したい企業は、学生の就活スケジュールを把握し、それに合わせて動く必要があるでしょう。
体育会系学生の採用スケジュール
体育会系の学生の就活スケジュールは、通常の就活生とは少し異なります。
ここでは、体育会系学生採用の一般的なスケジュールについて解説します。
就活開始時期
下記は、体育会系の学生が「Matcher」に登録した時期のデータです。
21卒 1位2月、2位1月 3位12月
22卒 1位2月、2位1月 3位12月
23卒 1位11月、2位1月 3位6月
Matcherをインストールした時期=就活スタート時期と仮定すると、体育会系の学生は3年生の11月〜2月に開始する学生が多いと考えられます。
代表的な体育会系部活の野球部、サッカー部、ラグビー部などは11月〜12月頃まで大会があります。
そのため、オフシーズンとなるこの時期に就活をスタートする学生が多いです。
また、4月からはシーズンが始まるため、就職活動に割ける時間が少なくなります。
オフシーズンを逃してしまうと採用はかなり厳しくなることが予想されるため、12月ごろから体育会系学生向けに短期インターンシップや説明会、早期選考などを企画するとよいでしょう。
インターンシップ参加時期
株式会社CSParkCareerの調査によると、体育会系の学生がインターンシップに参加した時期は以下の通りでした。
3年生の12〜2月に開催される冬インターンシップに参加する学生が圧倒的に多いことがわかります。
一般的にインターンシップの開催は夏期(6〜8月)が最も盛んですが、体育会系の学生にアプローチしたい場合は冬期にインターンシップを開催することをおすすめします。
内定承諾時期
同調査によると、6月15日時点で内定を一つ以上持っている体育会系学生の割合は88.3%でした。
また内定承諾をして就活を終える時期は、3年生の6〜8月が63.6%と最も多くなっています。
体育会系学生を採用したいと考えている場合、3年生の6月ごろには内定を出せるような選考スケジュールを組むのがおすすめです。
【参考】株式会社CSParkCareer「体育会学生ならではの就活スケジュールとは?」
体育会系学生の就活動向
ここでは、体育会系学生に人気の業界や職種について解説します。
今回、OB訪問アプリ「Matcher」で体育会に所属している21卒・22卒・23卒の学生の登録データを参考に動向を調査しました。
①志望業界
志望業界のトップ2は、21・22・23卒の学生で共通して「商社」と「IT」でした。
3位以降は卒年によって変動があるものの、「広告」「食品」「コンサル」などが上位にランクインしています。
②志望職種
志望職種の第一位は21・22・23卒ともに営業で、3位以降は順位の変動こそあれど同じ職種がランクインしています。
営業は明確に数字で評価されるため、「勝つ」ことにこだわる体育会系学生に向いているのかもしれませんね。
③志望する業界規模
業界規模は1位が大手老舗、次点でこだわらないという結果になりました。
規律や慣習を守る体育会系学生と大手老舗の相性が良いことが要因と考えられます。
また、大手老舗企業は歴史が古いために体育会系のOB・OGが多く在籍していることも理由に挙げられるでしょう。
体育会系学生にアプローチする手法3選!
ここでは、体育会系の学生をターゲットに効率的にアプローチできるサービスを3種類ご紹介します。
サービスそれぞれの特徴を理解して、自社にあった採用手法を見つけましょう。
①Matcher Scout
Matcher Scoutは、新卒向けのダイレクトリクルーティングサービスです。
OB訪問アプリ「Matcher」に登録している学生の中から、条件にあった学生にスカウトを代理送信してくれます。
Matcherが代行するスカウト業務
- スカウト送信対象学生の抽出
- スカウト文章の作成
- スカウト文章のABテスト
- スカウト送信
- 日程調整
Matcher Scout最大の特徴は、採用担当者の煩雑な業務負担を極限まで削減できることです。
ダイレクトスカウトはピンポイントでターゲット学生にアプローチできる一方で、どうしても採用にかかる工数が増えてしまい、採用担当者にとって大きな負担になります。
そこでMatcher Scoutを活用すれば、スカウト送信にかかる工程を代行してくれます。
さらに、これまでスカウトを代理送信してきたことで成功率の高いスカウト文章のノウハウ等も蓄積されており、そのノウハウを利用することも可能です。
体育会系学生の採用を考えている方は是非Matcherを活用してみてはいかがでしょうか。
【参考】導入すべき?ダイレクトリクルーティングのメリット・デメリット比較
②アスリートプランニング
アスリートプランニングは、インターンシップや合同企業説明会、就活ナビを活用することで体育会学生と企業の様々なマッチング機会を提供している会社です。
体育会学生に特化したサービスを提供しており、2004年から約3000社の法人・企業の採用をサポートしています。
主なサービスは以下の通りです
- 採用体制構築
- 学生動員
- 採用業務代行
- 新入社員研修
アスリートプランニングは、体育会学生に特化したサービスを10年以上提供しています。
そのため、体育会学生に対する認知度が高く、体育会学生の採用ノウハウも蓄積されています。
このような土台を活用できることもアスリートプランニングを活用するメリットです。
③キャリタス就活エージェント
キャリタス就活エージェントは、新卒紹介サービスの1種です。
新卒紹介サービスは、企業の求める人物像をもとにエージェントが学生を紹介するというサービスです。
実績としては、紹介企業実績数は7,000社以上、キャリタス経由で入社を決めた学生は8,500名以上という実績を誇っています。
体育会系の学生はもちろん、バイリンガル人材など多様なニーズに応じた学生を紹介していることが強みのサービスです。
サービス利用の流れ
サービス申込書記入
⇩
求人のヒアリング・求人票作成
⇩
貴社のターゲット学生への求人紹介
⇩
候補学生のご推薦
⇩
面談日程調整・以降のフィードバック
⇩
内定連絡・学生意思確認
体育会系学生を採用するコツ
体育会系の学生を採用したいと考える企業は多く、採用のためにはコツが必要です。
ここでは、体育会系の学生を採用するコツをご紹介します。
①積極的に情報を提供する
1つ目のコツは、部活動で忙しい学生に積極的に情報を提供することです。
企業から積極的に接触を図り、情報提供を行うことで学生に好印象を与えることができます。
体育会に所属している学生はほぼ毎日部活の練習に取り組んでいます。
そのため、就職活動に割く時間が少なく、一般的な就活生に比べ情報収集が甘くなってしまう傾向があります。
そこで、普段日中に行っている説明会を録画してYouTubeで配信するなど、時間に追われている体育会学生がスキマ時間で情報収集できるようにすることがオススメです。
②体育会系学生向けの選考ルートを作る
体育会系の学生限定で選考を優遇する特別ルートを作ることも有効です。
体育会系の学生だけの母集団をつくることで効率的な採用ができますし、学生にとっても自身の経歴を有利に活用できるというメリットがあります。
③雰囲気で判断しない
「体育会学生は根性があるはず」
「きっと本番にも強いだろう」
そういった思い込みで合否を判断することは、入社後のミスマッチを起こしかねません。
面接では、学生それぞれの個性や特徴をしっかりと見極めることをオススメします。
選考の合否は雰囲気ではなく、適性検査や面接の受け答えを点数化して客観的に判断します。たとえ体育会に所属していたとしても、打たれ弱い人や本番に弱い人もいます。
「体育会学生だから○○」といった思い込みや、礼儀作法や元気さといった要素で判断しないことが体育会学生を採用するコツです。
体育会系学生の見極めポイントとは
体育会系学生の見極めポイントは
- ポジション
- チーム内での立ち位置
- 部活動以外の経験
の3つです。
学生一人ひとりの特性を見極めるためには、競技の中でのポジションやチーム内での立ち位置などを聞くとよいでしょう。
リーダーとしてチームを引っ張るタイプなのか、周囲をサポートすることでチーム全体の力を底上げするタイプなのかなど、周囲の人との関わり方を知ることができます。
また、競技経験だけでなくその他にどのような活動をしてきたのかを聞くことで、人柄が見えやすくなります。
まとめ
いかがでしたか。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 体育会系学生は「商社」「IT」「営業職」を志望する学生が多い
- 体育会系学生は3年12月頃から就活を開始し、4年6月頃に終了する学生が多い
- 体育会系学生を採用するなら冬インターンを開催しよう
- 思い込みで判断せず、学生一人ひとりの資質を見極めよう
体育会系学生は部活という上下関係の厳しい組織に属しているからこそ、それがデメリットとなってしまう可能性もあります。
部活が就活に影響を及ぼすことも考えられるため、体育会学生を採用するにはそういった事情に配慮し、柔軟に対応する姿勢が大切です。