「適正な採用人数を決めるにはどうしたらいい?」
と採用人数に関して悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
採用人数によって採用戦略などが異なるため、採用人数は慎重に決めていく必要があります
この記事では、採用人数の決め方やポイントについて解説していきます!
適正な採用人数とは?
適正な採用人数は企業によって異なります。
1人でもよい企業から、300人もの雇用が必要になる企業まで様々です。
適正な採用人数は、企業規模のみで決めるのではなく経営課題や目標などを考慮しながら決めていきます。
適正な採用人数の決め方は、この記事で紹介しているので、是非ご覧ください!
採用人数が重要な理由
企業が事業を運営する上で、従業員は欠かせない存在です。
その数が不足すれば、事業の運営には深刻な影響を及ぼします。
しかし、採用活動には、多くの時間や費用が必要になるため、足りないといってすぐに補充することは難しいです。
かといって大量に採用したとしても、入社後の研修などで費用や手間がかかり、教育が行き届かないことや赤字に繋がる可能性もあります。
そのため、的確に採用人数を決定することは、事業を運営し目標を達成する上で重要なのです。
【大手企業】新卒採用人数の平均
大手企業(1,000人以上)の全従業員に占める新卒の割合をご覧ください。
【引用】日経「スマートワーク経営】
上記の表から見てわかる通り、1,000人を超える大手企業の場合、企業規模100人あたり3〜5人を新卒として採用しています。
また、従業員数が多いほど新卒で採用している割合は高いのも特徴です。
【大手企業】中途採用人数の平均
続いて、大手企業の全従業員数に占める中途の割合をご覧ください。
【引用】「日経スマートワーク」
従業員数が1,000人を超える大手企業の中途として入社する割合は、新卒で採用される割合と比較すると、少ないです。
大手企業は、新卒の社員を育成するノウハウを持っていたり、育成するだけのコストや余裕もあったりするため、新卒を積極的に採用し長期的に活躍できる人材育成に注力している傾向にあります。
ただ近年、大手企業を含む多くの企業が中途採用に力をいれているため、今後中途採用の割合が上がるでしょう。
【中小企業】新卒採用の人数平均
中小企業・ベンチャー企業(〜1000人)の全従業員数に占める新卒の割合をご覧ください。
【引用】日経「スマートワーク経営」
中小企業やベンチャー企業でも、新卒採用を積極的に行っているものの、全採用人数のうち新卒の比率は半分〜半分以下と中途による採用の方が上回っていることがわかります。
【中小企業】中途採用の人数平均
続いて中小企業・ベンチャー企業の全従業員数に占める新卒の割合をご覧ください。
【引用】日経「スマートワーク経営」
従業員数が1,000人を超える大手企業と比較すると、中途の割合は非常に高くなっています。
中小やベンチャー企業が中途採用を積極的に行っている理由は主に以下の2点です。
- 経験者など即戦力を求めている
- 新卒の研修を行うなど育成するコストや時間に余裕がない
これまで紹介した表はあくまでも、企業が新卒・中途をどれくらい採用しているのかの平均値であり、平均値に合わせれば適正な採用人数を決められるというわけではありません。
【参考】新卒採用と中途採用の違いを解説!特徴を理解し自社に合う手法を選択
適正な採用人数を実現する要員計画
適正な採用人数を算出するための方法として「要因計画」と「人員計画」という計画が用いられることがあります。
各計画について、それぞれ見ていきましょう!
要員計画とは?
要員計画とは、企業の事業計画に基づいて、必要人員の採用・配置を行うことです。
併せて、不要な人材を整理するために、用いられることがあります。
要員計画を作成し、具体的にどこにどのくらいの人員が必要かを算出し、採用人数を決めることが可能です。
ただし、求めている人員数ちょうどで採用をすると、辞退が発生した際に失敗してしまうため、辞退者が出ることを加味した上で採用人数を設定するといいでしょう。
同時に、要員計画は具体的にどのようなスキルを持っていて、どのような人が向いているかなど、求めている人材を明らかにするという効果もあります。
要員計画は、各事業部ごとに作成されるのが一般的です。
人員計画との違い
人員計画は長期的な視点に立って策定される人員に関する計画のことです。
要員計画の中核に位置し、主に採用・異動・配置といった分野の計画のことを指します。
人員の配置や適正人材の基準を定めるために用いられることが多いです。
採用人数を決めるという点では、人員計画ではなく要員計画を用いる必要があります。
採用人数を決める4つの手順
採用人数を決める手順についてご紹介します。
- STEP1:企業の事業計画や人員構成を確認する
- STEP2:採用課題を洗い出す
- STEP3:2つの採用ニーズを調査する
- STEP4:採用人数を算出する
効率的に採用人数を決めたいという方は、是非下記の文章を読んで参考にしてみてください。
STEP1:企業の事業計画や人員構成を確認する
採用は企業の成長や事業目標の達成に直結する重要な要素のため、企業の事業計画に基づいた計画の策定と採用人数の決定は不可欠です。
企業の事業計画に関係する人と話ながら、適正な人員や人数を決定しましょう。
併せて、新卒を採用する目的の1つには、将来的に活躍できる人材の育成もあります。
そのため人員構成を見ながら人数を決める際には、現在の人員構成だけを見て決めるのではなく5年後や10年後の人員構成を考えながら決めるのが良いです。
STEP2:採用課題を洗い出す
続いて、過去の採用実績や数字をもとに採用課題を洗い出すことでが必要です。
例えば、会社説明会後に選考に進む人が少なければ、会社説明会に何か課題があることが考えられます。
【採用課題を洗い出すために、考慮すべき数字】
- 応募総数
- 書類選考通過率
- 面接通過率
- 内定承諾率
- 選考辞退率
上記の数値を改善するためには、それぞれ異なる対策を行う必要があります。
「各選考フローのどこに自社の採用課題があるか知りたい」
「歩留まり率を改善するための具体策を知りたい」
という方は、下記の記事を併せてご覧ください。
【参考】【保存版】採用の歩留まりとは?平均値と9つの改善方法を紹介します
STEP3:2つの採用ニーズを調査する
採用ニーズを考える際に、欠員や事業推進などの観点から考えることが多いかと思いますが、採用ニーズは細かくすると主に「現場ニーズ」と「経営ニーズ」の2つに分けられます。
それぞれの違いについて、以下でご確認ください!
①現場ニーズ
現場のニーズは、現場の状況に焦点をあて、どのくらいの人員が必要かを考えます。
一般的に採用ニーズを考える際は、この現場のニーズから考えることが多いでしょう。
以下、調査項目の例です。
- 予定を含む欠員がどれくらい出ているか
- プロジェクトを推進するにあたり、どれくらい必要とするか
- 繁忙期にどのくらいの人員が欲しいか
- 人手不足を感じているところがあるか
現場のニーズを正確かつ具体的に知ることが大切なので従業員、役職者へのヒアリングが重要です。
②経営ニーズ
経営ニーズは、会社の中期経営計画や役員の構成など会社の経営に焦点をあてどのくらいの人員が必要かを考えます。
経営ニーズから、人員数だけを考えるのではなく、どこにどんな人員が欲しいのかを具体的に考えるのが重要です。
例えば、数年後の新規事業推進に伴い、新規部署の立ち上げが計画されていた場合、社員の部署移動が発生するため、大きく人員構成が変わります。
その際に、空いた穴を上手く埋めるために、経営ニーズを考慮することは重要なのです。
以下、調査項目の例です。
- 役職などの人員構成
- 中期経営計画や新規事業立ち上げなど
- 役員の構成
STEP4:採用人数を算出する
続いて要員数の算出方法です。
算出方法として、よく「トップダウン方式」と「ボトムアップ方式」の2種類が用いられます。
トップダウン方式⇒ボトムアップ方式の順番で行うのが理想的です。
それぞれについて詳しくご紹介します。
トップダウン方式
トップダウン方式は、経営計画や利益計画などの企業戦略に基づき、人権費と採算から必要な人材を算出する財政重視の方法です。
トップダウン方式のポイント
財政重視であるため、予算オーバーといった心配はありません。
ただ、予算中心になりすぎると、必要な人員を確保できず現場の人員不足に繋がる可能性があります。
ボトムアップ方式
ボトムアップ方式は、実際に業務をこなす従業員の声を参考にしながら、各部署の業務量をもとに部署単位で必要な人材を算出する方法です。
ボトムアップ方式では、会社全体として「どんな人材が何人必要なのか」を算定することができます。
ボトムアップ方式のポイント
「業務遂行に何人必要か」という観点で要員を集めることで、各部署の人手不足に繋がります。
ただ一方で、すべての要望に答えようとすると必要な人数が多すぎてしまい、当初予定していた人件費の予算を超えてしまうかもしれません。
このため、ボトムアップ方式を用いる場合には、トップダウン方式で求めた人員数とすり合わせを行うことが理想です。
会社の財政状況と照らし合わせながら行ってください。
採用人数を決める時のポイント3選
採用人数を決める時のポイントについて以下の3つをご紹介します
- 求める人物像を明確にする
- 結果の分析を行う
- 採用単価を意識する
それでは1つ1つ詳しく解説していきます!
①求める人物像を明確にする
採用では、ただ数を埋めればいいというわけではありません。
数を重視して採用を行うと、入社後のミスマッチが生じ早期退職に繋がったり、採用をしても実際に入社する人は少なかったり、数も埋まらない可能性が出てきます。
効果的に採用活動を行うために、部署単位でも企業全体でも求める人物像を明確にしておきましょう。
【新卒】採用ペルソナの設定方法を具体例・フォーマットで紹介します
②結果の分析を行う
採用活動は企業の事業拡大にとって重要であるため、定期的に結果を分析し頻繁に改善活動を行うようにしましょう。
特に要員計画は、事業計画に即して考えられたものであるため、無下に扱うことは好ましくありません。
なお、計画通りに進捗していない場合は、計画を簡単に途中変更するのではなく、計画と実績を照合し、不足分を補充する方向に切り替えましょう。
③採用コストを意識する
新卒採用で1人あたりにかかる採用コストの平均は全体で2018年は72.6万円、2019年は93.6万円と年々採用コストが増加傾向にあります。
また、中途採用においては2019年で103.3万円と100万超えです。
数十人採用をするとなると、大きな金額が動くことになるため、必要な人数や採用活動でかかる予算を検討しなければなりません。
近年は、採用方法の種類が豊富であるため効率的に捻出するために、採用方法も同時に考えてみると良いでしょう。
採用人数を決める時の注意点3つ
採用人数を決める時の注意点について、以下の3つをご紹介します。
- 無理な人数を設定する
- 現場への調査をしない
- 中途採用率を出さない
それでは1つ1つ詳しく見ていきましょう!
①無理な人数を設定する
これまでの採用人数よりも、はるかに多い数字の採用人数を設定すると、数に意識がいき求める人物像を見失ってしまったり、採用コストに莫大な費用がかかったりする恐れがあります。
そのため例え大幅な人員増加を図っていたとしても、無理な採用人数を設定することは望ましくありません。
②現場への調査をしない
現場がどんな人材を必要としているのかを調査せず、採用担当や一部社員で必要な人材を決めてしまい採用を行った場合、ミスマッチが生じてしまいます。
現場への調査は怠らないようにしましょう。
③中途採用率を出さない
新卒での採用人数を決める場合でも、中途の採用率を出すようにしましょう。
毎年中途採用でどのくらいの人数を採用しているのか考えずに、新卒の採用人数を決めてしまうと後々、人員が多く中途で取る余裕がなくなってしまったり、採用コストが予算をオーバーしてしまったり、と様々な問題が発生します。
そのため、新卒の採用人数を決める際にも中途採用率を出して用いるようにしましょう。
ちなみに、令和3年4月1日から常時雇用する労働者数が301人以上の企業において正規雇用労働者の中途採用比率の公表が義務化されました。
【引用】厚生労働省 ホームページ
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【参考】【決定版】ダイレクトリクルーティングの費用を徹底解説!
おわりに
いかがだったでしょうか?
「人が不足しているから」という理由で採用人数を決めてしまうと、適正な人数を設定することも、効果的な採用活動を行うこともできません。
適正な採用人数を設定するために、欠員情報だけでなく会社の現状や今後について徹底的に調査するようにしましょう。