HRと人事部の違いは?役割やHRテックについても解説
2023/10/11

HRとはHuman Resourcesの略であり、人的資源に関する業務全般を指します。

この記事では、HRと一般的な人事部との違いや、HRの意味や役割・具体的な業務内容について詳しく解説していきます。

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HRとは

HRとは「Human Resource」の略称で、日本語では「人的資源」という意味です。

人材の採用や育成、評価、マネジメントなどを含めた人的資源に関する業務全般を指します。

HRと人事部の違い

HRと人事部の違いを表す図

HRは人事部と混同されがちですが、実はHRは人事部とは別の意味を表す言葉です。

一般的に人事部は、人材採用や人事評価、勤怠管理といった業務を担当し、それらの業務の機能によって定義された部門です。

一方でHRは、個別機能ではなく、人的資源を有効活用して経営に役立てるというミッションによって定義されており、一般的な人事部の業務を含む人的資源に関わる業務すべてを担っています。

またHRという言葉には、人材を単なる労働力として捉えるのではなく、事業を成長させるための重要な資源と捉えているという意味も含まれます。

つまり、HRと人事部とでは担当する業務領域や、役割の定義が異なるのです。

ただし、転職サイトなどでは、「人事部」のことをHRと表していることも多くあります。

HRの役割

HRは、重要な経営資源である人材を最大限に活用するため、あらゆる活動を行います。

その活動とは、一般的な人事部が行う労務管理や給与管理ではなく、人材戦略の策定や実行が主です。

HRには、

  • 人的資源の獲得
  • 人的資源の動機づけ
  • 人的資源の育成
  • 人的資源の定着

という4つの使命があると言われており、これらの使命を達成するために包括的な施策を実施することがHRの役割です。

HRが注目される背景

近年、HRの考え方が重視されている理由は、HR部門が人材戦略を一手に担うことで、人材活用を最適化することができるからです。

HR部門が人材情報を一元管理することで、その情報をもとに適切な人材配置を行うことが可能になります。

また、現場とは切り離された第三者目線からの評価や育成を行うことで、評価や育成を標準化し、効率的で公平な評価・育成が可能になります。

HRの業務内容5選

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HRは、人的資源の活用というミッションによって定義されている言葉です。

そのため定義された業務内容があるわけではありませんが、一方で多くの企業で共通してHRが担当する基幹的な業務もあります。

以下では、HRの主な業務について5つの業務範囲に分けて説明します。

①人事戦略の策定・実行

企業のビジョンや経営計画を踏まえて、企業戦略を人的資源の面から支えるための人事戦略を策定・実行します。

HRが策定する戦略は、具体的には以下のようなものです。

採用計画

自社の戦略に即した人材を獲得するために、どのような人材をいつ・どの程度採用するのか計画をたてます。

人材開発計画

事業戦略をもとに、企業を担っていく人材を育成するための計画を長期的な目線で策定します。

人材配置

事業戦略や従業員のキャリア、人材開発計画を踏まえて、適切な人材配置を行います。

②採用活動

①で策定した採用計画を達成するため、採用要件の検討から入社までの一連の採用活動を行います。

事業を進める上で必要不可欠な人材の確保は、HRの重要な役割のひとつです。

③人材育成・組織開発

優秀な人材を獲得することができても、育成や組織開発が上手くいかなければ、事業の貢献に繋げることはできません。

人材育成では、人材のパフォーマンスを最大化するため、個々に適した育成や研修を行う必要があります。

そうした育成・研修制度の設計や教育計画もHRの重要な業務です。

④人材配置・評価

社員の配属先や人事異動などの人材配置、昇進・昇給などの社員一人ひとりの処遇を決定・管理します。

事業を成長させるためには、社員の適性を踏まえた人材配置が必要不可欠です。

人材配置は社員の報酬にも関わる部分ですので、組織の求める人物像をしっかりと明確化した上で、それに即した配置や評価を行うことが大切です。

こうした処遇を通して、社員のモチベーション向上や人材配置の最適化に努めましょう。

⑤労務管理・環境整備

労働時間や福利厚生、労働環境などの管理・整備を行います。

HRが担当する仕事は、勤怠管理や給与管理といった事務作業ばかりではありません。

リモートワークなどの柔軟な労働環境の整備や社員の健康管理など、社員のエンゲージメント向上を図るための取り組みは全てHRが担う役割です。

HR業界とは

仕事をしている様子を表す画像

HR業界とは、人事支援サービスやソリューションを提供する企業が属する業界のことです。

人材確保における課題はもちろん、採用後の定着やパフォーマンスの最大化といった、人材活用の観点から人事を支援します。

人材業界とは何が違う?

人材業界は一人の人を人材と捉え、それを軸として関連するサービスを展開しています。

一方でHR業界は、人材ではなく企業の人事部を軸として、人事部を支援するサービスを展開している業界です。

このように、人材業界とHR業界はその分類軸に違いがあり、両者が提供するサービスには重複する点も多々あります。新規CTA

HR業界の範囲

HR業界は、大きく4つに分類することができます。

①採用系

新卒採用、キャリア採用、アルバイト・パート、派遣・業務請負など、あらゆる雇用形態の募集や採用に関するサービスを提供します。

②人材育成・研修系

階層別研修、テーマ別研修、職種別研修などの育成・研修に関するサービスを提供します。

③人事・労務系

組織風土、人事制度、雇用管理・賃金、福利厚生など、人事制度の企画や労務管理に関するサービスを提供します。

④各種システム・ツール

人事・業務システムや適性検査、アセスメントなど、HR業務を支援するためのシステムやツールを提供します。

HRの動向

今後のHRでは、戦略的な人材マネジメントがますます重要になってくると考えられます。

労働人口が減少しているため、一人ひとりの人的資源を最大限に活かす必要性が増すためです。

以下では、HRの動向を詳しく解説していきます。

人事施策の変化

労働人口の減少に加えて、副業や転職など働き方の多様化が進んだ現在、人材獲得競争が激化しています。

コロナ渦におけるリモートワークの普及も相まって、働く人を取り巻く環境が大きく変化したことにより、人事施策にも変化が見られます。

以下の調査によると、育成や目標設定・評価の重要性が高まっているという認識が多くの人事担当者の中でされているようです。

人事制度の変化に関する調査のグラフ

実際に、通常の研修とリモート研修を併用する企業が多いことや、「360度評価」「コンピテンシー評価」といった様々な評価手法が人事制度のトレンドとなっていることからも、こうした傾向が見て取れます。

【参考】リクルートマネジメントソリューションズ『With/Afterコロナの人事施策実態調査』

業務のデジタル化

新型コロナウイルスの影響によって、人事業務のデジタル化が急速に進みました。

リモートワークが増加したことによって、労務管理や採用面接など、HRの業務のほとんどをWeb上で完結させる必要性が高まりました。

また、近年のAIの発展なども鑑みると、デジタル化の流れは今後も広がっていくことが予想されます。

HRテックの活用

HRテックとは、「HR」と「Technology(技術)」を組み合わせてできた造語です。

その名の通り、先端テクノロジーを活用してHR領域全般の業務の効率化や生産性向上を目指すサービスを意味します。

代表的なものは、「採用管理システム」や「勤怠管理システム」などです。

情報の一元管理や、蓄積されたデータから得られた知見を業務に活かすことができ、HR業務の生産性向上に役立てられます。

こうしたHRテックは、デジタル化とともに今後さらに普及していくでしょう。

HRテックについては以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。

【参考】【HRテックとは?】注目されている理由とは?カオスマップも解説!

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ダイレクトリクルーティングとは、企業が欲しい人材に直接アプローチをして採用を行う手法です。

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HR担当者に必要なスキル・知識

スキルを表す画像

HR担当者に必要な知識やスキルについて解説します。

人事・労務に関する知識

HR担当者には、労働法や社会保険、各種手当などの人事・労務に関わる専門知識が必要不可欠です。

法律や労働問題に関する知識を身に着けておくことで、社員の労務問題にも素早く対応することができます。

経営に関する知識

HR担当者は、経営戦略を人事戦略に落とし込まなければなりません。

そのため、経営者とコミュニケーションを取る機会も多く、経営戦略を理解することが求められます。

経営に関する知識や、経営者の視座を持って全体的な人事戦略を策定する力がHR担当者には必要です。

コミュニケーション能力

HR担当者は、経営者や社員、求職者や外部講師など、社内外の様々な人と頻繁にコミュニケーションを取ります。

他部署と連携することも多いため、コミュニケーション能力や良好なチームワークを築く能力が必要です。

調整力

HR業務では、人事制度の構築や改善といった大規模プロジェクトや、社外の人との交渉に関わることが多々あります。

そのため、複数の利害関係者と意見をすり合わせながら、プロジェクトを遂行させる調整力が求められます。

今後の人事に求められること

ITリテラシー

デジタル化が進んだ現在、ITテクノロジーを有効活用することは企業の成長に必要不可欠です。

HR領域においても、今後さらにHRテックや人事業務のデジタル化が普及すると考えられるため、ITツールを上手く活用する能力が重要になります。

経営者の視座

今後の人事担当者にはどのような能力や視点が求められるのでしょうか。

先述の通り、今後のHRでは労働人口が減少する中で人的資源の価値を最大化することが企業経営のカギとなります。

そのため、経営者と同じ視座の高さで、HR担当者自らが情報にアンテナを張り、時代の変化に対応していくことが必要になってくるでしょう。

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おわりに

いかがでしたか?

本記事では、HR(Human Resource)について解説しました。

人材活用についてお悩みの方に、本記事が参考になれば幸いです。