早期での優秀な人材獲得や即戦力の育成など、インターンシップにはさまざまなメリットがあります。
本記事では、インターンシップ募集から開催までの進め方や、成功のポイントなどを解説していきます。
学生のインターンシップへの参加動向
多くの学生を集めるためには、学生のインターンシップの動向を理解しておくことが重要です。
ここでは、学生のインターンシップに対する最新動向をデータを用いて解説します。
マイナビが実施したアンケートによると学生がインターンシップに参加する割合と平均参加者数は年々増加傾向にあります。
インターンシップを通じて採用枠を埋める企業も増えているため、学生がインターンシップに参加する意識は高くなっているでしょう。
【参考】株式会社マイナビ「マイナビ 2024年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(11月)」
学生がインターンシップに参加する目的
24卒の学生がインターンシップに応募した理由トップ3は以下の通りです。
- どの業界を志望するか明確にするため
- 視野を広げるため
- どの職種を志望するか明確にするため
このように、抽象的に理解している企業活動をインターンシップを通じて具体的に体験し、業界・職種理解を深め、志望理由の言語化を目的としていることが考えられます。
また、上記のように自分の適性を測るだけでなく、企業の求める人物像の把握、早期選考への参加のようにインターンシップの参加が今後の選考で有利に働くことを期待する学生も多いようです。
【参考】株式会社リクルート「2024年卒 就職活動TOPIC」
インターンシップ集客が成功する特徴とは?
学生の集客に成功しているインターンシップには以下のような特徴があります。
- 効果的な事前告知を行っている
- 学生の興味を惹く内容になっている(参加するメリットがある)
- 応募・参加のハードルが低い
- 募集要項が詳細に記されている
- 自社独自の良さを生かしている
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①効果的な告知を事前に行っている
「学生の満足度を高めるインターンシップを企画すること」は成功するインターンシップにとって重要な要素の1つではありますが、参加する学生の数を直接的に増やす要因にはなりにくいです。
では、参加する可能性の高い学生を増やすにはどのような施策ができるでしょうか?
インターンシップの開催を事前に学生に周知することです。
参加してほしい学生像を募集するには、適切なチャンネルで情報を発信する必要があります。
特に、近年は学生の情報収集が多様化しているので、求人サイトだけでなく、SNSや就活準備イベント、大学のキャリアセンター等さまざまな媒体を組み合わせて募集すると良いでしょう。
②学生の興味を惹く・メリットがある内容になっている
「プログラムの内容に興味があるからインターンシップに参加する」という学生は多いです。
学生を惹きつけるインターンシップはその高い話題性から、自然に口コミが拡散されることにも期待できます。
「業界理解や自己分析ができる」「実際の業務を体験できる」など、学生のニーズが高い企画立案が学生の集客につながるでしょう。
また、インターンシップだけでなく「早期選考を確約する」のように、インターンシップに参加したことでその後の選考にもつながるようなメリットを提示することでも学生を惹きつけることができるでしょう。
③応募・参加のハードルが低い
多くの応募を集めるためには、応募・参加のハードルを低く設定することも重要です。
多くの大学がテスト期間に入る7月中旬~7月下旬、1月中旬~2月初旬を避けてインターンシップを開催したり、面接による選考を行わず、書類のみでインターンシップの参加可否を決定する等、忙しい学生でも参加しやすくすると良いでしょう。
④募集要項が詳細に記されている
株式会社ディスコの調査によると、インターンシップを探す際、8割以上の学生が「プログラム内容が詳細に書かれているか」を重視したと回答しています。
募集要項には、インターンシップの選考フローやプログラム内容、タイムスケジュールなどの情報をなるべく詳細に記載しましょう。
情報量が少ないと「学業と両立できるのか」「インターンシップに参加して得られるものがあるのか」など、学生が不安を覚える原因にもなります。
【参考】株式会社ディスコ「インターンシップ等に関する特別調査」
⑤自社独自の良さを生かしている
自社にしかない魅力を生かしたり、他社のインターンシップでは経験できない独自のプログラムを設計・発信することも大切です。
例えば、企業そのものの知名度は低くても、業界シェア率の高い商品・サービスを前面に押し出した告知をすることや、「最新の技術に触れられる」、「実際にコードを書いてプログラムを動せる」など、他では体験できないプログラムを企画することで十分他社と差別化を測ることができます。
自社の独自性を見つけるには
自社独自の良さを見つけるためには、USPの整理が有効です。
USP(Unique Selling Propostion)とは、「独自の売り」「差別化ポイント」「優位性ポイント」を指します。
インターンシップにおいては「自社らしく」、「ターゲットに刺さり」、「他社にはない自社独自の強み」を整理することで、独自性の高いプログラムや告知の設計に生かせます。
改めて、自社の魅力とは何か、どのようなことをするべきなのかUSPを用いて考え直してみましょう。
【悩み別】インターンシップ集客を成功に導く対策3選
インターンシップの学生を募集する中で企業はさまざまな悩みを抱えると思います。
ここでは、以下の3つの悩みに応じた対策法を紹介します。
①応募者数不足の場合…
「インターンシップの募集を初めてもなかなか応募者が集まらない」というのは、多くの企業が抱える悩みです。
対策の1つに予算の限りはあると思いますが、広報活動の強化が挙げられます。
多数の求人サイトに掲載するだけでなく、SNSを活用したり、大学のキャリアセンターと協力して学生の応募者数を増やすことも可能です。
また、面接の免除のように、今までのインターンシップの選考フローを見直して参加ハードルを下げたり、インターンシップの参加で早期選考を確約する等、参加によるメリットを強調して対策できるでしょう。
②参加辞退者数が多い場合…
インターンシップの参加辞退者数が多い場合はまず、辞退理由を把握し対策を講じる必要があります。
さまざまな辞退理由が考えられますが、主に次の3つのパターンが考えられるでしょう。
- 他社のインターンと日程が被っている
- ミスマッチによる辞退
- 参加するモチベーションの低下
ここでは、それぞれの対策法を紹介します。
他社のインターンと日程が被っている
【対策】
- 対策の1つに競合他社と日程が被らないような日程を用意する。
- 自社でしか体験できないようなプログラムで他社との差別化を図る。
- 早期選考参加確約や報酬金を用意する。
<インターンに報酬金を提供している企業例>
- LINE株式会社(50000円)
- リクルート株式会社(60000円)
ミスマッチによる辞退
【対策】
- 詳細なプログラムを明確にし、透明性の確保する。
- 参加によって得られる成果を適切に伝える。
参加するモチベーションの低下
【対策】
- 選考の合否連絡とインターンシップの日程を短くする。
- 参加者限定のイベントを用意し、その存在を示唆する。
③質の高い参加者の確保が難しい場合…
企業によっては、インターンシップに参加する学生の量は確保できるが、スキルや志向が自社のニーズにあった質の高い応募者を確保するのが難しいこともあると思います。
この場合は、過去の経験や考え方に重きをおいて書類選考や面接段階を行いましょう。
また、選考前に自社の採用人物像にあった人材をダイレクトリクルーティングや人材紹介、大学との提携を通じて推薦してもらうこともできます。
【媒体別】インターンシップの募集方法6選
ここではインターンシップの募集方法について解説します。
媒体ごとの特徴を押さえて、自社に適した募集方法を選びましょう。
①自社ホームページやSNS
自社のHPから応募してくるのは、志望度が高い学生です。自社に関心が高い学生は何を知りたいのかが明確になっている場合が多いので、インターン自体も有意義になるでしょう。
一方で、自社HPへの掲載だけで学生を集めるのはなかなか難しいのが実状ではないでしょうか。そのような場合は、SNSでの告知や求人サイトへの掲載と合わせて活用すると効果的です。
また、別媒体での募集をする場合でも、必ず自社の採用ホームページでインターン募集についてのページを設けましょう。
②大学のキャリアセンター
就職活動についての情報を学生に届けるため、大学にはキャリアセンターと呼ばれる部署が設置されています。
キャリアセンターを利用することで、大学や学部などの絞り込みをかけて募集することが可能です。エンジニアなどの専門職で募集をかけたいときなどに利用すると良いです。
大学によっては企業からの募集が多いところがあります。また、キャリアセンターで応募しようとする学生は、自社への志望度が高い状態ではないことが多いです。
そのため他社との差別化を図る必要があります。内容など独自性のあるものをアピールするようにしましょう。
③求人サイト
インターンをしたいという明確な目的を持って企業を探している学生がいるため、応募数が他媒体と比べて高いことが特徴です。
掲載には数十万〜数百万円のコストがかかりますが、学生から応募数を獲得したい場合には有用でしょう。
就活サイトとは別に、インターンシップの募集に特化した専用サイトもあるため、活用すると効果的です。また、職種特化型などのサイトもあるため、それぞれ比較し、自社の求人にあったサイトを利用しましょう。
④ダイレクトリクルーティング
会いたい学生に自らアプローチできるというメリットを活かし、自社の求める人物像にフィットする学生や興味関心が高そうな学生に絞って募集できることが特徴です。
数を絞って募集をし、早期から関係を持ってコミュニケーションを図りたい企業との相性が良いでしょう。
一方で、自社から学生に対してアプローチする形となるため、運用工数はかかります。
⑤人材紹介
エージェントを介して自社の求める人物像にフィットする学生や、興味関心が高そうな学生を紹介してもらうことができます。
ただし、自社とマッチすると思われる学生のみに絞り込んでいるため量のコントロールが難しいことに注意しましょう。
⑥合同説明会に参加
合同説明会に参加することで、学生に直接企業の魅力や情報を伝えることに加えて、インターンシップの告知もできます。
合同説明会に参加する学生は、就職活動に対して意欲的に取り組んでいる学生が多い傾向です。そのため、自社にあった学生を見つけられるきっかけにもなります。
【目的別】おすすめの募集方法
インターンシップを開催する目的や、現在抱えているお悩みは、企業によっても様々でしょう。
ここでは、インターンシップを行う目的別におすすめの採用手法を紹介します。
目標①自社に興味をもつ学生を増やしたい
インターンシップを実施する目的が「自社に興味を持つ学生を増やすこと」である場合、求人サイトへの掲載や大学のキャリアセンターを利用することがおすすめです。
多くの学生が登録する求人サイトを利用すれば、自社のことを知らなかった多くの学生にアプローチすることができるでしょう。
運用コストもかからないため、比較的利用しやすいと言えます。
目標②自社にマッチする人材にアプローチしたい
インターンシップを実施する目的が「自社にマッチする学生を探すこと」である場合、ダイレクトリクルーティングや人材紹介がおすすめです。
どちらの採用手法も、学生の「大学、学部・経歴・興味のある業界」等を確認してから、学生にアプローチをかけるので、より自社にマッチする人材を見つけやすくなります。
インターンシップ募集開始前に準備するべきこと
①インターンシップの目的を決める
インターンシップを開催する目的によって、開催する種類やコンテンツが変わってきます。主な目的として、次の3つが考えられるでしょう。
- 優秀な人材とのつながりを持つ
- 学生の自社への志望度・関心を高める
- 即戦力となる人材を採用する
まずは自社がインターンシップを通して達成したいことを決め、そこから目的や詳細を考えていきましょう。
(1)優秀な人材との繋がりを持つ
インターンシップの目的の1つとしてまず挙げられるのが「優秀な人材と繋がりを持つ」ことです。
インターンシップは3年生の夏〜冬にかけて行われることが多く、この時期に就職活動を行う学生は、就職への意欲が高い学生が多いといえます。
「優秀な人材と繋がりを持ちたい」という場合は、早めにインターンシップを開催して、自社にマッチする優秀な学生との繋がりを早期に持つのがおすすめです。
(2)学生の自社への志望度・関心を高める
学生の自社に対する志望度・関心を高めるためにも、インターンシップの実施は有効です。
インターンシップが開催される時期は、学生もまだ志望業界を定めていないことが多く、幅広い業界を見ることになるでしょう。
そのため、インターンシップ開催は自社に関心がなかった学生に興味・関心を持ってもらう絶好のチャンスとなります。
自社への志望度を高めるためにも、実際の業務体験を通じて「ここで働きたい」と思わせることが重要です。
(3)即戦力となる人材を採用する
主に長期インターンシップの目的として挙げられるのが「即戦力となる人材を採用すること」です。
長期インターンシップは、学生に実際の業務を体験してもらうので、即戦力となりそうな能力のある学生を見極める絶好の機会になります。
「自社ですぐに活躍できる学生を採用したい」という場合は、能力を見極めることができる長期インターンシップがおすすめです。
②インターンシップの日程を決める
目的に合わせて内容を決めたら、必要な日数に応じて日程を決めましょう。
複数日のインターンシップを実施する場合は、学生が長期休みに入り時間がある8月~9月がおすすめです。
また長期休み以外にインターンシップを実施する場合でも、複数の候補日を用意する・授業のない土日、祝日に実施するといった工夫をすることで、参加する学生数を増やすことができます。
学生の予定に併せて、柔軟に対処すると良いでしょう。
③関係者との調整を行う
インターン開催には社内での連携が必須です。特に長期インターンなどでは受け入れ部署の予定との兼ね合いもあるため、緻密に連絡を取り合う必要があります。
学生はできるだけ多くの部署を跨いで、様々な立場の社員と交流したいはずです。
できるだけ幅広い交流ができるように、調整していきましょう。
また、実際に日程が決まったら
- インターンの内容について
- インターンの目的は何か
- 指導係は誰か
- 学生が出社する日程はいつか
以上のことを関係者に事前に共有しましょう。
社員の中で目標と内容についての理解が一致している状態でインターンに望めるようにすることが重要です。
学生から人気を集めている企業の事例
ここまで、インターンシップで学生を多く集めるポイントや、募集方法について解説してきました。
ここからは、実際に学生からの人気を集めているベンチャー企業のインターンの事例を紹介します。
株式会社Speee
speeeでは
- 事業創造
- 経営戦略
- 組織づくり
の3つのコースをインターンで実施しています。
特に経営戦略コースは、選考通過率が約0.5%未満の超難関のプログラムです。
高難易度のインターンを設計することで、優秀層の学生を集客することに成功しています。
【参考】25年 新卒ビジネス職 選考案内 | 株式会社Speee
株式会社メルカリ
メルカリが実施した「BOLD INTERNSHIP in USA」は、アメリカ合衆国50州のうち1州へ学生を派遣するインターンシップです。
インターンの内容は、現地でのヒアリングによる課題の発見から、メルカリがアメリカで戦うための新規サービスの立案・プロトタイプの作成までを実施します。
渡航費や食費などの経費は全て支給され、学生にとって貴重な機会を提供しています。
【参考】会社概要 | 株式会社メルカリ
インターンシップ採用にもMatcher Scout
「求めるような学生になかなか出会えない」、「母集団形成がうまくいかない」といったお悩みを抱えている新卒採用担当の方におすすめしたいのが、Matcher Scoutです。
Matcher Scoutとは、採用担当者の煩雑な業務負担を極限まで削減した新卒採用向けのダイレクトリクルーティングサービスで、採用早期の春・夏インターンシップの母集団形成にも利用することができます。Matcher ScoutはOB・OG訪問アプリ「Matcher」に登録している学生の中から、採用要件にマッチした学生に弊社の担当者が代理でスカウトを送信します。
Matcher Scout をおすすめする理由
- スカウト送信や日程調整などの労力のかかる作業は全て弊社が代行
- GMARCH・関関同立を中心とした登録学生層
- OB・OG訪問に積極的に取り組む、主体性のある優秀な学生が多い
- 初期リスクの少ない成功報酬型と最安採用単価30万円の前金型から選べる
- 自社のニーズに合わせてオプションプランもご用意
以上の理由より、待っているだけでは会えないような優秀な学生層にアプローチできるため、効率的に採用活動を進めることができます。
ご興味をお持ちいただけましたら、まずはお気軽にお問い合わせ・資料請求をお願いいたします!
詳しくは以下の資料で詳しく説明しているので、是非ご覧ください。
【サービス説明資料】3分でわかるMatcher Scout
【導入事例】利用チャネルの中で最も多い内定数!工数をかけなくても多くの優秀な学生にお会いできました
まとめ
いかがでしたか?
この記事のポイントは以下の通りです。
- インターンの募集の際は各媒体の特徴を理解し、目的に合わせて使い分けよう
- ターゲット学生が求めているものを理解してインターンを企画しよう
- インターンの内容は社員の人柄や職場の雰囲気が伝わるものにしよう
上記のポイントを抑えて、インターンシップの募集・集客を成功させましょう。