近年、日本では政府が中心となってジョブ型雇用の導入を推進しており、それに伴ってジョブディスクリプションの重要性が高まっています。
しかし、ジョブディスクリプションを導入したいけれども「どう書けば良いのかわからない」「作成・導入の際に気をつけることはあるか」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、ジョブディスクリプションのサンプルや書き方、作成・導入の際の注意点について詳しく解説していきます。
【参考】内閣官房・経済産業省・厚生労働省『ジョブ型人事指針』
ジョブディスクリプション(職務記述書)とは?
ジョブディスクリプションとは、職務内容や必要なスキル・勤務条件などを詳しく記述した文書のことです。日本語では「職務記述書」とも呼ばれています。
ジョブディスクリプションはジョブ型雇用が一般的な欧米諸国の企業で多く導入されており、主に人事評価や採用活動で利用されています。
ジョブディスクリプションは、ジョブ型雇用が一般的な欧米諸国の企業で多く導入されている制度です。日本では、近年政府がジョブ型雇用の導入を推進していることもあり、ジョブディスクリプションの注目度が高まっています。
ジョブディスクリプションを活用することで、採用のミスマッチ防止や公平な人事評価といった様々な面で効果が期待できるでしょう。
ジョブディスクリプション(職務記述書)と募集要項の違い
ジョブディスクリプションとよく混合される言葉として「募集要項」があります。
募集要項とは応募者への情報提供を目的に、求める人物像や自社の魅力、待遇などを簡潔に記載したものです。一方で、ジョブディスクリプションは具体的な業務内容や勤務条件を記載しており、ジョブディスクリプションの方が業務内容を詳細に理解できる点が大きな違いです。
ジョブディスクリプション(職務記述書)は誰が作る?
一般的にジョブディスクリプションは人事だけでなく、部署の管理職や職務を担当する社員も作成することがあります。では、なぜ現場社員もジョブディスクリプションの作成に携わるのでしょうか。
その理由としては、現場で実際に働いている社員がジョブディスクリプションを作成することで、より具体的な業務内容を書くことができるためです。そのため人事だけでなく、会社が一丸となって作成することが重要になってきます。
ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成する目的
ジョブディスクリプションには、以下の目的があります。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成する目的
- 採用ミスマッチの防止
- 人事評価・育成の基準の明確化
- 人材マネジメントの最適化
- 組織の生産性向上
ⅰ)採用ミスマッチの防止
ジョブディスクリプションの作成により、採用段階から求めるスキルや業務内容を明らかにすることができます。これにより、採用候補者との間で認識のズレを防ぐことができ、採用後のミスマッチを防ぐことが期待できます。
ⅱ)人事評価・育成の基準の明確化
求める人物像や職務に求める成果が明確になり、目標と実際の成果を比較しやすくなることで、納得感のある人事評価を行えるようになります。
また、ジョブディスクリプションにおいて給与設定や昇進、解雇に関する情報を明示できることにより、万が一従業員から申し出があった場合の法的リスクを最小限にすることが可能になります。
ⅲ)人材マネジメントの効率化
ジョブディスクリプションは、評価や等級格付けの明確な根拠となるため、新制度設計における重要な指針として機能します。
そのため、人材の採用だけではなく、育成・異動・研修といった様々な分野のマネジメントを効率化することができます。
iv)組織の生産性向上
ジョブディスクリプションの作成により、社員一人一人の業務範囲が明確となり、組織内における連携がスムーズになります。さらに無駄な作業を減らすことができ、組織全体の生産性の向上が可能になります。
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ジョブディスクリプション(職務記述書)が注目されている5つの理由
では、なぜジョブディスクリプション(職務記述書)が日本で注目されるようになったのでしょうか。その理由としては以下の5つがあげられます。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)が注目されている5つの理由
- 厚生労働省の支援
- ジョブ型雇用の増加
- 外国人労働者の増加
- スペシャリスト需要の高まり
- 働き方の多様化
それぞれ1つずつ解説していきます。
厚生労働省の支援
厚生労働省は、日本企業がジョブ型雇用へ円滑に移行できるよう、具体的なツールやデータの提供を強化しています。特に注目したいのが、職業情報提供サイト「job tag(日本版O-NET)」です。
このサイトでは、約500種類以上の職種についての具体的な仕事内容や、求められるスキルが整理されています。企業は自社の職種に近いモデルデータを検索・ダウンロードし、カスタマイズするだけで標準的な職務記述書を作成することが可能です。
また、「ジョブ型人事指針」などを通じて等級制度や評価基準の整備手順も公開しており、導入ノウハウを持たない中小企業でも着手しやすいよう、整備を進めています。
【参考】厚生労働省・経済産業省・厚生労働省「ジョブ型人事指針」
ジョブ型雇用の増加
従来の日本では、職務や勤務地を限定しない「メンバーシップ型雇用」が一般的でした。
メンバーシップ型雇用とは、まずは人材を確保し、後から配属先を決めるシステムのことです。多くの日本企業が採用していることから「日本型雇用」とも呼ばれています。
しかし、ビジネス環境の変化が激しい現代においては、より専門性が高く、変化に対応できる組織作りが求められています。 そのため、職務内容が明文化された「ジョブ型雇用」への移行が進められています。
実際に、株式会社マイナビの調査によるとジョブ型雇用を新卒採用で導入している企業は28.4%、中途採用で導入している企業は40.8%でした。
このように日本の採用活動において、ジョブ型雇用を導入している企業が増えていることがわかるでしょう。
【参考】株式会社マイナビ『ジョブ型雇用制度と少子高齢化~キャリア選択肢を増やすために企業ができること~』
外国人労働者の増加
外国人労働者が日本の採用市場で増加していることが、ジョブディスクリプションが注目される理由にも関わっています。
実際に厚生労働省の調査によると、2025年10月時点における外国人労働者数は約250万人でした。また前年と比較して、約20万人の外国人労働者が増加しています。
特に、欧米諸国ではジョブ型雇用が主流になっており、ジョブ型雇用を実施するにあたってはジョブディスクリプションが用いられることが多いです。こうした欧米の採用動向に合わせるために、日本でジョブディスクリプションを導入する企業が増えています。
また、外国人労働者を採用する際に言語や文化の違いによって、業務内容がうまく伝わらない可能性も考えられるでしょう。こうした問題を解決するために、ジョブディスクリプションを導入する企業が増えているのです。
【参考】厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況【概要版】(令和7年 10 月末時点)』
スペシャリスト需要の高まり
少子高齢化により人材確保が難しくなっている今、限られた人員で生産性を高めるために、特定の専門知識やスキルを持つ「スペシャリスト」を求める動きが加速しています。
企業の競争力維持や複雑な課題解決には彼らの力が不可欠であり、今後ますますその需要は拡大していくと予想されます。
実際にパーソルキャリア株式会社の調査によると、大手企業の63.4%が「専門人材不足により、過去1年間で断念・延期したプロジェクトがある」と回答しています。このように、特定の分野に特化した人材を大手企業も獲得したいと考えていることがわかるでしょう。
大量採用を実施することが多い大手企業が専門人材の不足を感じていることから、中小企業においても大手企業と同様に専門的な知識を持つ人材が不足している可能性が高いといえるでしょう。
そのため、スペシャリストの採用や育成に適した「ジョブ型雇用」への移行が進んでおり、その基盤となる「ジョブディスクリプション(職務記述書)」に注目が集まっているのが現状です。
【参考】パーソルキャリア株式会社『大手企業の「専門人材確保」に関する実態調査を実施』
働き方の多様化
昨今、テレワークやフレックスタイム制、副業の容認など、場所・時間・雇用形態に縛られない柔軟な働き方が急速に普及しています。こうした変化の背景には、少子高齢化やIT技術の発達が関係しています。
また、2021年4月から、働き方改革関連法に基づき同一労働同一賃金が原則になりました。これにより、正社員と非正社員間における不合理な格差が軽減されています。
そして、働き方改革関連法に伴う就業規則や賃金体系の見直しのため、厚生労働省は以下の支援を行っています。
▼厚生労働省の支援内容
- 「働き方改革推進支援センター」
- 「キャリアアップ助成金」
- 職務分析・職務評価の導入支援
ジョブディスクリプションを作成することで職務内容と待遇の関係が明確となるため、不合理な待遇を解消できる可能性があるでしょう。
ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成するメリット
ジョブディスクリプションを作成することでどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは以下の7つを解説していきます。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成するメリット
- 組織全体の生産性向上につながる
- 人事評価の公平性向上につながる
- スペシャリスト人材を採用できる
- 専門人材を育成できる
- 採用要件を明確にできる
- 採用のミスマッチを防ぐことができる
- スキルアップ・キャリアアップ方針の明確化に活用できる
①組織全体の生産性向上につながる
従来のメンバーシップ型雇用は、雇用と収入の安定といったメリットがありましたが、職務と評価基準の曖昧さから、能力が高くても正当に評価されないという課題を抱えていました。
これは、優秀な人材のモチベーション低下や流出を招き、組織全体の生産性を停滞させる大きな要因となっていました。一方、ジョブ型雇用は仕事に人を割り当てるため、自分の能力を最大限に発揮できるポジションで働くことができ、高いモチベーションを維持できます。
結果として、個人の生産性が飛躍的に向上し、全社的な生産性向上につながります。また、様々な人材に活躍のチャンスを与えることで、優秀な労働力の確保にも繋がります。
②人事評価の公平性向上につながる
ジョブディスクリプションの作成により、公正な人事評価を行うことにつながります。
あらかじめ具体的な仕事内容や求められる成果を明確にしておくことで、より客観的に人事評価を行えるようになります。結果的に、評価の透明度を高めることにつながるでしょう。
③スペシャリスト人材を採用できる
ジョブディスクリプションを提示することで「どんなスキルを持った人材がほしいのか」を明確にすることができます。専門性の高い人材を採用したい場合、求めるスキルレベルや経験を具体的に提示することで即戦力人材を採用できるでしょう。
特に、IT関連のスペシャリスト人材を獲得したい場合は、特定のプログラミング言語や難関資格を採用条件として設定すると良いです。これにより、高度な知識を持った人材を採用できる可能性が高まるでしょう。
ジョブ型雇用では、ジョブディスクリプションによって職務範囲が明確に定義されるため、従業員はゼネラリスト的な配置転換に縛られず、特定の専門分野を深く追求することが可能になります。
また、高度な専門知識や技術を持つ人材の育成は企業の国際競争力を高める上でも重要となっています。その解決策として、ジョブディスクリプションを活用したジョブ型雇用が期待されています。
⑤採用要件を明確にできる
ジョブディスクリプションを活用することで、採用要件を明確に設定することができます。採用要件を設定する際にはどうしても抽象的な表現となってしまい、採用に携わる社員にうまく伝わらないといったケースが発生することは少なくありません。
そこで、ジョブディスクリプションを活用することにより、「どういった人材を採用したいのか」を具体的に定義することができます。これにより、採用要件が明確となり、採用担当者間における認識の齟齬を減らすことができるでしょう。
⑥採用ミスマッチを防げる
ジョブディスクリプションでは採用する人材に必要なスキルや能力が明確となるため、採用のミスマッチを防ぐことが可能です。
求人情報にジョブディスクリプションを明記することで、候補者は自身のスキルや適性と照らし合わせて、応募すべきか判断できるようになります。 これにより、入社後の「思っていた仕事と違った」というギャップを解消し、早期離職のリスクを低減します。
⑦スキルアップ・キャリアアップ方針の明確化に活用できる
ジョブディスクリプションを活用することでスキルアップ・キャリアアップ方針を明確化できるでしょう。
採用時にスキル不足がある場合や配置転換を行う際も、ジョブディスクリプションがあれば何が不足しているかが明確になり、個々に必要な研修を的確に実施できます。
また、担当業務の範囲が明確になることで頼みやすい人に仕事が偏るといった不公平を防ぎ、従業員は自身の専門性を高める業務に集中できるようになります。
さらに、上位職の職務記述書を参照することで、将来目指すべき姿や習得すべきスキルが可視化され、従業員の主体的なキャリア形成を促すことが可能です。
ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成するデメリット
ここまではジョブディスクリプションを作成するメリットについて解説しました。しかし、ジョブディスクリプションを作成するデメリットも存在します。ここでは、そのデメリットについて以下の4つを解説します。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成するデメリット
- 未経験者の採用・育成が難しい
- 職務内容の変化に対する柔軟性が失われる
- 作成・管理コストがかかる
- ゼネラリスト育成が難しくなる
①未経験者の採用・育成が難しい
ジョブディスクリプションを活用した場合、特に未経験者の採用・育成が難しくなることが考えられます。その理由として、未経験者が業務内容を理解することが難しかったり、必要なスキル・経験に合致する人物がいなかったりするためです。
特に新卒採用では、社会人経験が少ない人も多いでしょう。そのため必要なスキルに合致する人物を見つけるのに苦労するかもしれません。
しかしながら、新卒採用においてもジョブディスクリプションを作成することは可能です。詳しくは「新卒採用におけるジョブディスクリプション(職務記述書)の書き方のコツ」で解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
②職務内容の変化に対する柔軟性が失われる
ジョブディスクリプションを作成することにより、ジョブローテーションが行えなくなるというデメリットがあります。
また、従業員の仕事はジョブディスクリプションに記載されている範囲内で完了してしまうため、誰も担わない仕事が発生したり、記載のない業務への対応があいまいになる可能性があります。
そのため、ジョブディスクリプションを作成するときは、業務内容を限定しすぎない方がよいでしょう。
③作成・管理コストがかかる
本格的に導入する場合、作成から運用までに多くの工数が必要です。 現場への詳細なヒアリングに加え、経営層や各部門責任者とのすり合わせなど、合意形成のプロセスも発生します。
また、企業規模が大きく職種が多様な場合、作成数は膨大になります。さらに、事業の変化に応じて常に最新の状態へ更新し続ける必要があるため、維持・管理(メンテナンス)のコストも考慮しなければなりません。
④ゼネラリスト育成が難しくなる
ジョブディスクリプション(職務記述書)は、職務内容と範囲を限定するため、幅広い知識や経験を持つ「ゼネラリスト(オールラウンド型人材)」の育成にはあまり適していません。
専門特化したスペシャリストの育成には高い効果を発揮しますが、企業経営を担う幹部層には、社内の様々な業務に精通したゼネラリストの視点が欠かせません。
将来的にゼネラリストとして育てたい人材層に対しては、職務記述書の導入を慎重に行うか、あるいは定期的な異動を前提とした柔軟な契約内容にする必要があるでしょう。
ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成する前に準備するべきこと
ジョブディスクリプションを書き始める前には事前の準備が大切です。作成前に準備するべきこととしては以下の3つがあります。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成する前に準備するべきこと
- 業務に関するヒアリングを実施する
- ヒアリングした内容を整理する
- フォーマット・テンプレートを用意する
それぞれ解説していきます。
①業務に関するヒアリングを実施する
まずは業務内容を理解するために、現場社員に対して業務内容のヒアリングを実施しましょう。業務内容を理解しないことには、ジョブディスクリプションで具体的な業務内容を書くことはできません。
加えて、現場と作成者での認識の齟齬がないようにすることも重要です。そのため、一人の社員だけでなく、複数の現場社員に対してヒアリングを実施するようにしましょう。
なお、現場社員に対してヒアリングを実施する際には以下の点を聞くと良いです。
▼現場社員にヒアリングするべき内容
- 職務内容
- 業務で必要なスキル
- どういった人材がほしいか
②ヒアリングした内容を整理する
①でヒアリングした内容を整理していきましょう。以下に業務内容に関して、5W1Hのフレームワークを用いて整理する方法を記載しているので参考にしてみてください。
▼5W1Hフレームワークを用いた業務内容の整理方法
| 5W1H(意味) | どういった内容を整理するか |
| Who(誰が) | 誰がその業務を行うのか?(業務を実施する人物) |
| What(何を) | どういった業務を行うのか?(具体的な業務内容) |
| Why(なぜ) | なぜその業務を行うのか?(業務目標) |
| When(いつ) | いつその業務を行うのか?(業務を実施するタイミング) |
| Where(どこで) | どこでその業務を行うのか?(業務を実施する場所) |
| How(どのように) | どのように業務を行うのか?
どれくらいの頻度で業務を行う必要があるか? |
③フォーマット・テンプレートを用意する
ジョブディスクリプションを書く前にフォーマットやテンプレートを用意しておくと良いでしょう。
ジョブディスクリプションは具体的に業務内容・勤務条件などを記載する必要があるため、1から書き始めた場合には大きな労力がかかってしまいます。したがって、フォーマットやテンプレートを活用して書くと良いでしょう。
後ほどジョブディスクリプションのテンプレートを紹介しているので参考にしてみてください。
【6ステップで解説】ジョブディスクリプション(職務記述書)の書き方
書き始める前の準備が終わったら、ジョブディスクリプションを書いていきましょう。ここでは、ジョブディスクリプションの書き方について以下の6ステップで解説します。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)の書き方6ステップ
- 職務の目的や目標を明確にする
- 職務内容を具体的に記載する
- 求められるスキル・経験を記載する
- 必須条件と歓迎条件を分ける
- 求める人物像を明確にする
- 勤務地や給与などの条件も記載する
ステップ①:職務の目的や目標を明確にする
ジョブディスクリプションを作成する際にはまず、その職務の目的や目標を明確にする必要があります。職務の目的や目標を明確にすることで、職務内容や求められるスキル・経験を具体的に考えることができるためです。
「そのポジションがなぜ存在するのか」「会社にどう貢献してほしいのか」といった切り口から職務における目的や目標を考えてみてください。
ステップ②:職務内容を具体的に記載する
ジョブディスクリプション(職務記述書)には、具体的な職務内容を記載する必要があります。職務内容を記載する際には、以下の点に注意しましょう。
- 職務内容を簡潔にまとめる
- 職務内容を時系列で記載する
- 職務内容を具体的な業務内容に落とし込む
- 責任・権限を明確にする
ジョブディスクリプション(職務記述書)には、職務において責任を負う範囲や、権限の範囲を明確に記載する必要があります。
責任・権限を明確にすることで、社員が職務を遂行する際に、何をすべきか、何をすべきでないか、を判断しやすくなります。
ステップ③:求められるスキル・経験を記載する
求める人物像を作成する上で、まずは前提となる求められるスキルや経験を記載していきます。なお、求められるスキルや経験はなるべく具体的に書くと良いでしょう。
例えば、求められるスキルとして「コミュニケーション能力が高い人」と記載した場合、内容が抽象的であり、どういった人材が欲しいかがわかりません。「誰と、どういったコミュニケーションが取れる人なのか」とより内容を深ぼることが必要になってきます。
ステップ④:必須条件と歓迎条件を分ける
求められるスキル・経験を記載する際には、必須条件と歓迎条件を分けることが重要です。分けて提示することで、応募者が自身の適性を判断しやすくなり、ミスマッチの防止につながります。
必須条件:応募に必須のスキル・経験を記載
歓迎条件:応募に望ましいスキル・経験を記載
ステップ⑤:求める人物像を明確にする
ステップ④で整理した内容から求める人物像を明確にしましょう。複数の現場社員のヒアリングから得た情報を整理した上で、共通している内容を洗い出すことでその現場が求めている人物像が見えてきます。
また、求める人物像を明確にした後に業務で求められるスキル・経験だけでなく、自社のカルチャーにあっているかどうかを確認すると良いでしょう。
ステップ⑥:勤務地や給与などの条件も記載する
ジョブディスクリプションには、勤務地や給与などの条件も記載することが必要です。勤務地や給与などの条件を記載することで、求職者が応募するかどうかを判断しやすくなります。
ジョブディスクリプションに記載するべき勤務条件の内容については次の見出しで解説しています。
ジョブディスクリプション(職務記述書)に記載するべき12の項目
「ジョブディスクリプションにどんな内容を書けばよいかわからない」とお悩みの方はいませんか。ここでは採用活動に使うジョブディスクリプションに記載するべき内容について1つずつ解説していきます。
| ジョブディスクリプションに記載するべき項目 | 概要 |
| 会社概要 | 会社の概要を記載 |
| 職種名 | 募集する職種の名称を記載 |
| 所属する部署・チーム | 募集する部署・チームの名称を記載 |
| 職務内容 | 具体的な職務内容を記載 |
| 業務目標・評価方法 | 業務における目標とその評価方法を記載 |
| 責任・権限 | 職務において責任を負う範囲や権限の範囲を記載 |
| 指揮命令系統 | 報告する人物や指示を受ける人物のポジションを記載 |
| 必要な資格・経験 | 業務で行う上で必要な資格や経験を記載 |
| 必要なスキル・コンピテンシー | 業務を行う上で必要なスキルやコンピテンシーを記載 |
| 歓迎条件 | 業務を行う上で歓迎されるスキル・資格・経験などを記載 |
| 勤務条件 | 勤務地・勤務時間・給与・福利厚生といった内容を記載 |
| 応募方法・締切 | 応募方法・応募締め切り日を記載 |
会社概要
自社が何をしている会社なのかを簡潔に記載します。あわせて、以下の要素を盛り込むとより具体性が増すでしょう。
- 会社が提供しているサービス
- 会社が大事にしている企業理念
- 社風
- 会社が目指す将来像
職種名
応募者が入社後に配属される職種の名称を記載します。また、募集している職種のポジションが社内でどの位置に当たる役職なのかまで書けると良いでしょう。
所属する部署・チーム
応募者が入社後、どこの部署・チームに所属されるのかを記載します。その際、部署やチームの人数や構成まで書くことで、職場のイメージがしやすくなるでしょう。
職務内容
応募者が入社後にどういった業務を行うのか、具体的に記載します。どういった顧客に対してどんなサービスを提供するかがわかるように記載しましょう。
業務目標・評価方法
「その仕事を通して何を成し遂げてほしいのか」「その達成度をどう評価するのか」といった業務における目標や評価方法を記載します。
なお、評価方法に関しては主に以下の3つに分類されることが多いです。
| 評価方法 | 意味 |
| MBO(目標管理制度) | 上司との相談の上で具体的な個人目標を設定し、その進捗を管理する |
| 360°評価 | 業務上関係のある上司・後輩・同僚といった社員から多角的に評価してもらう |
| OKR | 企業の目標に対して、チーム・個人がどれほど貢献したかを評価する |
責任・権限
業務における責任や権限がどこまであるのかを記載します。責任・権限を明確にすることで、応募者が入社後、どこまで自分の裁量で働くことができるのかが明確になります。
指揮命令系統
「誰から指示を受けるのか」「業務内容を誰に報告するか」といった指揮命令系統を記載します。この項目を記載することで、業務における報告・連絡・相談をスムーズに行うことが可能になります。
必要な資格・経験
業務を行うにあたって必要な資格・経験を記載します。なお、必要な資格については1級・2級といった等級も指定することで、具体的に求める水準が明確になり、採用ターゲットの精度が向上するでしょう。
必要なスキル・コンピテンシー
業務で必要なスキルやコンピテンシーを記載します。なお、コンピテンシーとは高い成果をあげている社員に共通している行動特性のことです。
スキルやコンピテンシーをジョブディスクリプションに記載することで、業務で活躍する社員を採用・育成することができるでしょう。
歓迎条件
業務を行う上であった方が望ましいスキル・経験・資格などを記載します。例えば、長期インターンシップ経験やハッカソン入賞経験といった限られた人が経験するような内容を記載すると良いでしょう。
勤務条件
仕事を行う上での勤務条件を記載します。以下の内容をここでは記載すると良いでしょう。
▼勤務条件で記載するべき項目例
- 雇用形態
- 勤務地
- 勤務時間
- 給与
- 福利厚生
応募方法・締切
どのように企業に応募すればよいかを記載します。企業のマイページからなのか、メールで書類を郵送するのか、といった内容を記載するようにしましょう。
また、いつまでに応募すればよいのかという応募締め切りも書いておきましょう。
❚ 人事評価・人材育成に活用できるジョブディスクリプション(職務記述書)の記載項目は?
今まで、採用活動に利用できるジョブディスクリプションの記載項目をご紹介してきました。一方で、中には「人事評価や人材育成など、幅広く使えるジョブディスクリプションの書き方を知りたい」という方もいるのではないでしょうか?
ここでは、簡単にですが採用から人事評価・人材育成まで幅広く活用できるジョブディスクリプションの記載項目をご紹介します。
▼人事評価・人材育成など幅広く活用できるジョブディスクリプションの記載項目
①職務名・職務概要など
②担当業務
③必要コンピテンシー
以下で解説していきます。
1|職種名・職務概要など
ジョブディスクリプションの最初に、職種名や職種概要など、基本的な概要を記載していきます。以下のような項目が一般的です。
- 職種名
- 職種概要
- 職種等級
- 責任・権限の範囲に関する補足
- 直属の上司
また、人事評価に活用したい場合は「評価制度・報酬制度」も冒頭で定義しましょう。
2|担当業務
次に、担当業務をカテゴリ別に記載していきます。業務名称と具体的な業務内容を表にまとめ、ナンバリングするのが一般的な書き方です。
さらに、業務ごとに重要度や頻度を記載すると、わかりやすいジョブディスクリプションになるでしょう。
3|必要コンピテンシー
コンピテンシーとは、職務において優秀なパフォーマンスを出す行動特性(価値観や性格、意欲など)を指します。
ジョブディスクリプションでも、担当する業務において必要となるコンピテンシーを、詳細に言語化して記載していきましょう。社内で既に運用している場合は、そのコンピテンシー項目を記載して構いません。
このように、各職種の業務内容・コンピテンシーをジョブディスクリプションにまとめることで、異なる職種・部署間での比較もしやすくなり、人事評価を効率化できるでしょう。
【サンプルあり】ジョブディスクリプション(職務記述書)のテンプレート
「ジョブディスクリプションの書き方がわからない」とお悩みの方にここではジョブディスクリプションのテンプレートとサンプル・記入例を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
◎ジョブディスクリプション(職務記述書)のテンプレート
以下がコピペ+穴埋めで完成するジョブディスクリプションのテンプレートです。[]の中身を会社に合わせて変更することで、様々な職種のジョブディスクリプションを作成することができます。ぜひ業務にお役立てください。
職務記述書【会社概要】 株式会社[会社名]は、[地名]に本社を置く[業界名]企業です。[事業内容]を主な事業としています。 職種: [職種名] 【職務内容】 [具体的な業務/プロジェクトの内容] 【業務目標・評価方法】 [具体的な業務/プロジェクトの目標] 【主な責任・権限】
【指揮命令系統】 [誰から指示を受けるか | 誰に報告するか など] 【求める人物像・コンピテンシー】 [会社の求める人物像・必要なコンピテンシー] 【必要な資格と経験】 [関連する学位や資格 / 業界経験の年数 / 特定のスキルや言語の習熟度] 【必要なスキル・コンピテンシー】 [コミュニケーションスキル・プロジェクト管理能力・問題解決能力など] 【歓迎条件】 [長期インターンシップ・コンテスト入賞経験など] 【勤務条件】 雇用形態: [正社員/契約社員/派遣社員など] 【応募方法・締切】 応募方法: [採用マイページなど] |
なお、このテンプレートをAIに読み込ませることで、自社にあったジョブディスクリプションを作成することができます。以下に、職種別のジョブディスクリプションをAIを用いて作成したサンプル・記入例を載せておくのでぜひ参考にしてみてください。
▼職種別のジョブディスクリプション(職務記述書)のサンプル・記入例
- 営業職
- エンジニア職
- 事務職
営業職のジョブディスクリプション(職務記述書)のサンプル・記入例
営業職のジョブディスクリプションのサンプルは以下の通りです。
職務記述書(Job Description)【会社概要】 株式会社サステナ・ソリューションズは、東京都千代田区に本社を置くIT・環境コンサルティング企業です。中堅・大手企業向けに「脱炭素経営支援プラットフォーム」の提供を主な事業としています。 職種: 法人営業(SaaSプロダクト担当) 【職務内容】
【業務目標・評価方法】
【主な責任・権限】
【指揮命令系統】 営業部長より指示を受け、週次の進捗会議にてチームリーダーへ報告を行う。 【求める人物像・コンピテンシー】 顧客の潜在的な課題を引き出す「ヒアリング能力」が高い方、および目標達成に向けて粘り強く行動できる方。 【必要な資格と経験】
【必要なスキル・コンピテンシー】 プレゼン能力、論理的思考力、交渉力 【歓迎条件】
【勤務条件】 雇用形態: 正社員 【応募方法・締切】 応募方法: 弊社採用マイページより履歴書・職務経歴書をアップロード |
エンジニア職のジョブディスクリプション(職務記述書)のサンプル・記入例
エンジニア職のジョブディスクリプションのサンプルは以下の通りです。
職務記述書(Job Description)【会社概要】 株式会社ネクスト・フィンテックは、福岡県福岡市に本社を置く金融テクノロジー企業です。個人向け資産運用アプリの開発・運営を主な事業としています。 職種: バックエンドエンジニア 【職務内容】
【業務目標・評価方法】
【主な責任・権限】
【指揮命令系統】 CTO(最高技術責任者)の下、エンジニアリングマネージャーに報告を行う。 【求める人物像・コンピテンシー】 新しい技術への知的好奇心が強く、自走して学習できる方。また、チーム開発において円滑なコミュニケーションが取れる方。 【必要な資格と経験】
【必要なスキル・コンピテンシー】 設計能力(クリーンアーキテクチャ等)、SQL最適化スキル 【歓迎条件】
【勤務条件】 雇用形態: 正社員 【応募方法・締切】 応募方法: 採用ページのエントリーフォームより、GitHub URLを添えて応募 |
事務職のジョブディスクリプション(職務記述書)のサンプル・記入例
事務職のジョブディスクリプションのサンプルは以下の通りです。
職務記述書(Job Description)【会社概要】 株式会社グローバル・スクールは、大阪府堺市に本社を置く教育サービス企業です。オンライン・オフライン英会話スクールの運営を主な事業としています。 職種: 人事労務事務 【職務内容】
【業務目標・評価方法】
【主な責任・権限】
【指揮命令系統】 人事グループマネージャーから指示を受け、業務の進捗状況を日次で報告する。 【求める人物像・コンピテンシー】 細かい数字のチェックを正確に行える、几帳面で誠実な方。他部署からの問い合わせに対し、丁寧に対応できるホスピタリティのある方。 【必要な資格と経験】
【必要なスキル・コンピテンシー】 事務処理能力、タイムマネジメント能力、守秘義務の徹底 【歓迎条件】
【勤務条件】 雇用形態: 契約社員(正社員登用制度あり) 【応募方法・締切】 応募方法: 郵送またはメールにて履歴書を送付 |
ジョブディスクリプション(職務記述書)を導入・運用するまでの流れ
ここでは、ジョブディスクリプションを書き終えた後に採用や人事評価に導入するまでの流れを解説します。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)を導入・運用するまでの流れ
- 複数の社員でレビューを実施する
- ジョブディスクリプション(職務記述書)の更新を行う
- ジョブディスクリプション(職務記述書)を社内に周知させる
- 採用フローに反映させる
①複数の社員でレビューを実施する
複数の社員で、ジョブディスクリプションが現場の業務と乖離していないかを最終確認するようにしましょう。この際、現場社員や経営層も巻き込んでレビューを実施することが重要です。
現場や経営層と業務に関する認識のズレが生じていた場合、採用のミスマッチなどにつながるかもしれません。
異なる立場の複数の視点からレビューを実施することで、より精度の高いジョブディスクリプションを作成することができるでしょう。
②ジョブディスクリプション(職務記述書)の更新を行う
もともとジョブディスクリプションを作成している場合は、ジョブディスクリプションを更新するようにしましょう。
では、どれくらいの頻度でジョブディスクリプションの更新を行えばよいのでしょうか。一般社団法人日本経済団体連合会の調査によると、ジョブディスクリプションの更新頻度としては以下の調査結果が得られました。
▼ジョブディスクリプションの更新頻度
- 約1年おき、またはそれ以上の頻度:29.1%
- 約1〜2年おきの頻度:15.1%
- 約3〜5年おき、またはそれ以下の頻度:15.1%
- 定期的な更新はしていない:40.7%
「ジョブディスクリプションを定期的に更新をしている」と回答している企業の合計は約6割となっています。ただし、「定期的な更新をしていない」と回答している企業も一定数いることがわかるでしょう。
しかしながら、技術革新や雇用の流動化によって労働市場は日々変化しています。それにより、求められるスキルや労働者の働き方も変わってくるでしょう。
したがって、ジョブディスクリプションの更新をしなければミスマッチや不公平な人事評価に繋がってしまう可能性が高いです。労働市場の変化に合わせて、約1〜5年おきにジョブディスクリプションを更新し、常に最新の状態にアップデートするようにしましょう。
【参考】一般社団法人日本経済団体連合会『2025年人事・労務に関する トップ・マネジメント調査結果』
③ジョブディスクリプション(職務記述書)を社内に周知させる
ジョブディスクリプションを作成したら、社内に周知させることも忘れずに実施しましょう。
また社内に周知させる際には、ジョブディスクリプションをどのように使えばよいかを社員に説明すると良いです。これにより、「作ったけれども活用されない」といった事態を防ぐことができるでしょう。
④採用フロー・人事評価に反映させる
作成したジョブディスクリプションを人事評価や採用基準、採用フローに反映させていきます。
特に採用の現場では面接官の主観による不公平な評価が行われやすいです。そのため、ジョブディスクリプションで記載した必要なスキルやコンピテンシーに沿って、採用基準を設定すると良いでしょう。
また、その評価基準を判断できるような選考を行うことが重要です。例えば協調性があるかどうかを見極めたい場合は、選考の段階でグループワークを実施してその人材がチームでどのように働くかを見極めると良いでしょう。
このように、ジョブディスクリプションで記載した内容を採用活動や人事評価に反映させていきましょう。
ジョブディスクリプション(職務記述書)の作成における注意点
ここでは、ジョブディスクリプションを作成する上で注意するべきこととして、以下の3つを解説します。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)の作成における注意点
- 業務内容を網羅した内容にする
- 実際の業務内容と齟齬がないようにする
- 職業能力評価基準と区別する
業務内容を網羅した内容にする
ジョブディスクリプションに業務内容を詳しく書くことで、自分の業務に集中できる一方、担当業務以外の仕事は「やらなくてよい」という意識になりがちです。
自分が与えられた業務だけに集中すると、誰も手をつけない業務が発生するなどして、生産性に影響を及ぼすことがあります。
そのため、組織全体の業務内容を網羅したジョブディスクリプションを作っておくと、チームや組織で業務が円滑に行えるでしょう。
実際の業務内容と齟齬がないようにする
実際の業務内容と齟齬がないようにジョブディスクリプションを作成しましょう。
業務内容とジョブディスクリプションに記載されている業務内容が異なっている場合、正しく社員を評価できなかったり、応募者を正しく見極められなかったりするかもしれません。
実際の業務内容と齟齬がないようにジョブディスクリプションを作成するためには複数の現場社員からヒアリングした内容をジョブディスクリプションに反映させることが重要です。
どのようにして反映させていくかに関しては「ジョブディスクリプションを作成する前に準備するべきこと」の見出しで詳しく解説しているので参考にしてみてください。
職業能力評価基準と区別する
ジョブディスクリプションと「職業能力評価基準」を区別して作成するようにしましょう。
ジョブディスクリプションは、職務の内容を詳しく記述した文書のことであり、厚生労働省が策定した「職業能力評価基準」とは性質が異なります。
職業能力評価基準とは、職種ごとに必要な知識・技術・行動例を体系化し、業界共通の評価基準として整備したものです。
4つのレベル区分によって能力を可視化できるため、ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成する際に「どのようなスキル要件を書けばいいか」の参考資料(ベース)として活用してもよいでしょう。
【参考】厚生労働省 職業能力評価基準
新卒採用におけるジョブディスクリプション(職務記述書)の書き方のコツ
ジョブ型雇用を導入するうえで、ジョブディスクリプションの作成は重要ですが、特に新卒採用に関しては、学生目線での作成に留意すると良いでしょう。ここでは、新卒採用におけるジョブディスクリプションの書き方のコツについて、具体例を用いて解説します。
▼新卒採用におけるジョブディスクリプション(職務記述書)の書き方のコツ
- 仕事内容を具体的に伝える
- 求めるスキル・経験を明確にする
- キャリアパスを示す
①仕事内容を具体的に伝える
学生は、応募する仕事内容が具体的にイメージできないと、入社後に自分が何をするのか不安になってしまいます。
実際に、株式会社リクルートマネジメントソリューションズの26年卒を対象に実施した調査では、内定(内々定)を受諾をした理由としては以下の通りでした。
▼26年卒が内定(内々定)を受諾した理由
- 自分のやりたい仕事(職種)ができる:12.6%
- 希望の勤務地に就ける可能性が高い:12.0%
- 福利厚生や給与など制度や待遇が魅力的である:11.0%
上記から、自分のやりたい仕事(職種)ができることが入社の決め手として最も多いことがわかります。また、この結果は学生がその企業で仕事をしているイメージがつき、不安が解消されたため、内定(内々定)を承諾したと解釈することができます。
したがって、学生が会社の仕事内容を理解できるようにジョブディスクリプションを作成することが望ましいでしょう。そのためには具体的な業務内容や評価方法、使用するスキルやツールなどをできるだけ詳しく伝えるようにしましょう。
<具体例>
- 新規顧客の開拓や既存顧客のフォローアップを行い、売上を達成する
【参考】株式会社リクルートマネジメントソリューションズ『2026年新卒採用 大学生の就職活動に関する調査』
②求めるスキル・経験を明確にする
求めるスキル・経験を明確にしなければ、採用ミスマッチに繋がってしまいます。
実際に株式会社キャリタスの新卒入社1年目の社員を対象に実施した調査によると、転職を検討している理由として以下の項目があげられていました。
▼新卒入社1年目の社員が転職を検討している理由
- 収入を上げるため:49.3%
- 自分の能力や適性に合わない:34.7%
- 会社や業界の将来に不安を感じた:24.0%
- 理解(想像)していた仕事内容ではない:22.7%
- スキルが身につかないと思った:22.7%
このように、新卒社員のスキルが企業の求めるスキル・経験と合っていなかったり、新卒社員のスキルに見合った待遇が得られなかったりした場合、採用のミスマッチに繋がることがわかるでしょう。
こういった事態を防ぐためには、ジョブディスクリプションで求めるスキル・経験や勤務条件を明確にすることが重要になってきます。
<具体例>
- 目上の人に対して誠実に対応できるコミュニケーション能力や交渉力、プレゼンテーション能力
- 長期インターンシップにおける営業経験
【参考】株式会社キャリタス『元「キャリタス就活2024 学生モニター」 - 入社1年目社員のキャリア満足度調査』
③キャリアパスを示す
実際に株式会社学情の26年卒を対象に実施した調査によると、キャリア形成において「自分で選択したい」「どちらかと言えば自分で選択したい」と回答した26年卒の学生の割合は8割でした。
このことから、学生は自分の描くキャリアと会社のキャリアパスが合致するかどうかを重視していることがわかるでしょう。したがって、採用のミスマッチを防ぐという観点からジョブディスクリプションでは具体的なキャリアパスを示すようにしましょう。
<具体例>
- 入社後は新規顧客の開拓を担当し、その後既存顧客のフォローアップや営業マネージャーなどへのキャリアアップを目指す
【参考】株式会社PR TIMES『8割の学生が、「キャリアは自身で選択したい」と回答。「希望するキャリアの実現に向けて、経験を積める環境で働きたい」の声 | 株式会社学情のプレスリリース』
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ジョブディスクリプション(職務記述書)の導入における注意点
ここではジョブディスクリプションを導入していくにあたっての注意点について、以下の3つを解説します。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)の導入における注意点
- ジョブディスクリプション(職務記述書)をもとに評価する
- 定期的に見直しを行う
- 社内制度の見直しも同時に行う
ジョブディスクリプション(職務記述書)をもとに評価する
ジョブディスクリプションを作成したところで、それが人事評価や採用活動に反映されていないと意味がありません。
ジョブディスクリプションに基づいた客観的な評価を実施することで、社員や応募者を正しく見極めることができるでしょう。
人事評価や採用フローへの反映の仕方に関しては、「ジョブディスクリプション(職務記述書)を導入するまでの流れ」で解説しているので参考にしてみてください。
定期的に見直しを行う
作成したジョブディスクリプションがしっかりと活用されているかを定期的に見直すようにしましょう。採用活動や人事評価・人材育成において大きな問題が発生した場合、ジョブディスクリプションの内容に不備がある可能性が高いです。
また、社内外の状況が変化すると、業務内容や求められるスキルも変わります。そうした変化が起きた場合にはジョブディスクリプションを見直すように心がけましょう。
さらにある程度の年数が経った場合、古い状態のままでは適切な運用ができないことから、ジョブディスクリプションを更新することを推奨します。
ジョブディスクリプションの更新頻度に関しては「ジョブディスクリプション(職務記述書)を導入するまでの流れ」で解説しているので参考にしてみてください。
社内制度の見直しも同時に行う
ジョブディスクリプションを新しく作成、もしくは見直しを実施した場合は人事制度や福利厚生制度といった他の社内制度も見直すようにしましょう。
例えば、ジョブディスクリプションで記載していた求められるスキル・経験が変更になった場合、その人材の市場価値に合わせて待遇を見直す必要性が出てきます。この場合は、給与をアップさせたり、新たな福利厚生を設けるといった対策を講じる必要があるでしょう。
このように、ジョブディスクリプションの作成・運用に合わせて他の社内制度も見直すようにしましょう。
ジョブディスクリプション(職務記述書)を導入している企業事例
実際にジョブディスクリプション(職務記述書)を導入している企業の事例について紹介していきます。
▼ジョブディスクリプション(職務記述書)を導入している企業事例
- 株式会社日立製作所
- 富士通株式会社
- KDDI株式会社
株式会社日立製作所
株式会社日立製作所ではグローバル事業の拡大に伴い、人事制度のグローバル化を行うべく、ジョブ型制度の導入を行いました。制度導入後も、実際に制度をもとにキャリアを自分で描く社員を増やすための制度を用意することで、制度の形骸化を防いでいます。
実際に数千講座もの学習プログラムを提供している「日立アカデミー」を設置し、社員が一人ひとり学びたいスキルやノウハウを習得することを可能にしています。
また2022年には、上司に希望の職種を伝えることのできる制度や、ジョブポスティング制度の強化を図っているようです。
ジョブディスクリプション(職務記述書)の実例
日立製作所では、職務ごとに「職務の等級(グレード)」が細かく設定されており、そのグレードに達するために必要な経験年数や資格が明確に定義されています。
例えば、戦略企画を担うポジションでは、以下のような要件が定義されています。
▼配属組織名
戦略企画本部 経営企画室
(株)日立総合計画研究所に出向 (研究第一部 政策・環境グループ)
▼必須条件
- 事業会社での事業戦略立案、変革実行の経験。もしくは官庁、シンクタンク、コンサルティングファームにおいて事業会社の戦略立案をサポートした経験(目安3年以上)
- TOEIC 800点以上の英語力(海外の専門機関、非日本語話者の幹部、海外グループ会社とのディスカッション等有り)
- 社内外メンバーを巻き込んで業務を行うコミュニケーション能力、提案力、発信力
- 社会課題を解決するための先進的技術に対する強い関心
- 多角的な視点で柔軟に社会の将来像や事業ビジョンを検討できる思考力
▼歓迎条件
- 環境・エネルギーをはじめとするサステナビリティや社会課題解決のビジネスに対する強い関心・知識(強い学習意欲のある方であれば、応募時点の知識がなくとも結構です)
- エネルギー、DXに関する専門的知識・業務経験
- 顧客企業、競合他社などのマーケット分析や事業戦略立案の経験
- 事業環境分析に関連する経済、社会、技術、環境等のデータの収集および分析
- 財務分析や統計分析などの分析スキル、分析に必要なITツールを提案・導入できるITリテラシー
- 小規模なチームを率いて調査研究を取り纏めるプロジェクトマネジメント能力
このように、「英語力」といった曖昧な表現ではなく「TOEIC 800点以上」、「経験」ではなく「事業会社の戦略立案をサポートした経験(3年以上)」と具体化することで、共通の基準で人材を評価・採用できる仕組みを整えています。
富士通株式会社
富士通株式会社は、2020年から「ジョブ型人材マネジメント」へ移行し、等級制度を「Global Role Framework」へ変更しました。導入した等級制度は、職務(ポジション)を「職種」と「等級(レベル)」の組み合わせで分類する、グローバル共通の枠組みです。
従来の「コンピテンシー(職能)」ではなく、担っているジョブの職責の大きさに等級を紐づけることで、年齢や勤続年数といった年功的な要素を排除する仕組みとしています。
スキルや専門性など「人」に紐づく要素ではなく、ジョブ(ポジション)そのものの職責の重さに基づき等級を決定します。
【参考】内閣官房・経済産業省・厚生労働省『ジョブ型人事指針』
【参考】富士通株式会社『「ジョブ型人材マネジメント」に基づく採用方針について』
KDDI株式会社
KDDI株式会社では、「プロを創り、育てる」ことを目的に、 2020 年 より全総合職を対象に 「KDDI 版ジョブ型人事制度」を導入しました。
一般的なジョブディスクリプション(職務記述書)は詳しい職務内容を記載するのに対し、「KDDI」版は異なる特徴を持っています。
1つ目は、 社内の職務を「30の専門領域」に分類し、それぞれの職務や必要なスキルを具体化している点です。社員が自身の専門性をどこまで深めればよいか、キャリアの道筋を明確にしています。
2つ目は、「人間力」も評価対象としている点です。「人間力」評価に応じてダイレクトに報酬へ反映させることで、高い専門性を持ちながらもチームワークを発揮できる人材を育成・優遇する仕組みです。
また、社内教育機関「KDDI DX University」を設置するなど、社員がライフステージに合わせて挑戦し、市場価値を高められるよう手厚いキャリア支援を行っています。
【参考】KDDI株式会社『環境・制度を知る KDDI版ジョブ型人事制度』
【参考】内閣官房・経済産業省・厚生労働省『ジョブ型人事指針』
ジョブディスクリプション(職務記述書)に合った人材を採用するならMatcher Scout
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【サービス説明資料】3分でわかるMatcher Scout
【導入事例】利用チャネルの中で最も多い内定数!工数をかけなくても多くの優秀な学生にお会いできました
ジョブディスクリプション(職務記述書)を活用して、採用を有利に進めよう!
いかがでしたか。ジョブ型雇用の増加により、ジョブディスクリプション(職務記述書)の需要はますます高まっています。
是非この記事を参考に自社のジョブディスクリプション(職務記述書)を作成・導入してみてください。