SNSで動画を共有してコミュニケーションを図ることが当たり前となり、
昨今コロナウイルスが蔓延し学生との接点が限定された背景の中、
自社の魅力を採用動画としてまとめて発信する企業も増えてきました。
しかし、実際に動画を制作しようとしてみても
「本当に効果があるの?」
「動画のアイデアがわかない、、、」
「効果的な採用動画ってどういうものなんだろう、、、」
そんな風にお悩みの方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、
- 採用動画のメリット
- 面白い採用動画の事例
- 効果的な採用動画を制作するコツ
など詳しく解説していきます!
採用動画の効果5選
ここではまず、採用動画の効果を解説します。
「採用動画ってどんな効果が期待できるか分からない。」
「上司に作れと言われた。」
「なんとなく必要そうだから。」
そのような状態で採用動画を制作しても、コストがかかるだけで意味のないものになってしまいがちです。
そこで、まず採用動画の効果を整理し、その効果が自社の採用課題の解決に繋がりそうか確認していきましょう。
採用動画の効果は、大きく分けて4つあります。
①学生の記憶に残る
動画最大の特徴は、文字媒体より多くの情報をわかりやすく伝えられることです。
文字媒体は視覚にしかアプローチできないのに対して、動画は視覚と聴覚の両方にアプローチできます。
そのため、採用パンフレットや静止画などに比べて動画の方が記憶に残りやすいのです。
また、学生が就職活動中に目にする情報の多くは求人情報やプレゼンテーション資料など、文字媒体で構成された情報です。
そのため、動画のような非言語情報があると他社との差別化にも繋がります。
②ミスマッチを防ぐことができる
採用動画を活用することで、企業と学生のミスマッチを防ぐことができます。
コロナの影響により、採用活動はオンライン中心に変化しました。
説明会や選考もオンライン化しており、一度も対面で会わずに内定を出す企業もあります。
そんな中、学生はオフィス環境や実際に社員が働いている姿を見る機会がなく、
「自分と会社の雰囲気がマッチしているか分からない。」
という状況に陥りがちです。
そこで採用動画を活用することで、オンライン上でも会社の雰囲気をイメージしてもらうことが可能です。
動画には、言語化された情報だけでは伝えることのできない、会社の雰囲気や社員の人柄を伝える効果があります。
会社の雰囲気や人柄を知ることで、入社後の「思っていたのと違う、、」を防ぐことが可能です。
【参考】【すぐできる】新卒採用のミスマッチが起こる原因と7つの対策を紹介
③採用コストを抑えられる
採用動画を上手に活用することで、採用コストを抑えることができます。
例えば、説明会前に動画を配布することで、学生に効率的に会社を理解してもらうという活用方法です。
企業概要や採用情報など定量的な情報を説明会参加前に伝えることで、説明会の内容をより濃いものにすることができます。
具体的には、説明会を社員インタビューや質疑応答など定量的な情報を伝える場にすると、より効率よく学生が企業を理解できます。
さらに、場所にとらわれず説明会を開催できるというメリットもあります。
これまで遠方で開催していた説明会を動画配信に切り替えることで、低コストで幅広い地域の学生にアプローチが可能です。
④採用効率が向上する
採用動画を制作することで、採用の効率を向上させることができます。
採用動画の制作には初期コストがかかりますが、ランニングコストはかからないためです。
例えば、企業説明会に採用動画を活用する場合を考えます。
説明会の内容をまとめた採用動画を制作することで、説明会の度にかかる資料の印刷コストや採用担当者の人的コストを削減できます。
⑤動画をSNSで発信することでより多くの学生にアプローチできる
採用動画をSNSで発信することで、より多くの学生へアプローチすることが可能です。
その背景には、就活のオンライン化による就職活動の変化があります。
新型コロナウイルスの影響で就活がオンライン化し、従来より就活生同士のつながりが作りにくくなりました。
そんな背景から、主に情報収集の目的で多くの就活生がSNSを活用しています。
最近話題になっている「Twitter就活」もその一例です。
そこで、企業アカウント(Twitter・Facebook・Instagram・YouTube等)で積極的な情報発信をすることでより多くの学生にアプローチすることができます。
また、投稿に好感を持ってくれたユーザーが投稿をシェアしてくれれば、さらに動画が拡散されます。
さらに、就活生は同じ業界を目指す人同士で繋がっていることが多いです。
そのため、SNSで拡散されればシェアした学生と近い属性の学生にアプローチできるというメリットもあります。
採用動画の種類
採用動画の効果を最大化するには、使う場面や目的に応じて採用動画の種類を使い分ける必要があります。
例えば、最終面接を控えている学生に、自社の志望度を上げるために採用動画を使う場合を考えましょう。
説明会やインターンに参加し、既に企業を理解している学生に対して会社の概要を説明する動画を送っても効果は期待できません。
社員インタビュー動画や、直近で入社した社員からのメッセージなど、より定性的な情報を伝えることが効果的でしょう。
ここでは、まず採用動画の種類を解説します。
企業紹介動画
企業理念や会社の歴史、業務内容、サービス内容など、学生がその会社を知るために必要な包括的な情報を提供する動画です。
主に社長や人事担当者が説明する形式が多く、企業理解に必要な情報を端的に紹介するシンプルな構成が多いです。
動画の尺は伝える粒度や事業数によって異なりますが、30分〜1時間程が主流です。
ブランドイメージ・企業PR動画
自社のイメージを言葉だけではなく、音楽や人物、背景を駆使して直感的に伝える動画です。
定量的な情報(企業情報や募集要項)には触れず、自社製品や社風などの内容が中心です。
動画化することで、言葉では伝えられないニュアンスまで伝えることができるという特徴があります。
動画の尺は1分〜3分程度で、短い尺にメッセージ性をこめる動画が多いです。
社員インタビュー動画
インタビュー形式で社員や代表に会社の魅力を語ってもらう動画です。
現場社員から直接魅力を伝えてもらうことで、学生はよりイメージをつかみやすくなります。
動画の尺はインタビュー内容や人数によって異なります。
5分程度の短い動画から、15分間一人一人についてしっかりと深堀りするような動画もあり、目的により異なります。
シチュエーション別|効果的な採用動画の種類
次に、シチュエーション別の効果的な採用動画の種類を解説します。
シチュエーション①:自社に興味を持つ学生を増やしたい
自社に興味を持つ学生を増やしたいときに役立つのは、ブランドイメージ・企業PR動画です。
採用課題の1つとしてよく挙げられるのが「母集団形成」。
特にベンチャー企業や中小企業などは、学生からの認知度が低く、母集団形成が課題になりがちです。
母集団を形成するために最も重要なのは、まずその企業を知ってもらい、魅力を感じてもらうこと。
そこで活躍するのがブランドイメージ・企業PR動画です。
ブランドイメージ・企業PR動画は会社のイメージを短い尺で直感的に伝えることができます。
そのため、「企業を認知してもらう」という目的に非常に適しており、母集団形成において効果的です。
シチュエーション②:自社への理解を深めてほしい
自社に興味を持ってくれた学生に対してより企業を知ってもらうために有効なのが企業紹介動画です。
企業理念や会社の歴史、業務内容、サービス内容など、学生がその企業を知るために必要な情報を包括的に提供します。
より具体的に企業を知ってもらい、学生の気持ちを「興味がある」から「選考を受けたい」に切り変えることができます。
一度撮影すればあとは何度でも使い回せるため、代表や役員などの重役に会社への想いを語ってもらうことが主流です。
シチュエーション③:ミスマッチを防ぎたい
学生は選考が進むにつれて、企業に対してしばしば疑問や不安を抱きます。
これまで苦労して並走してきた学生が、「なんとなくの」不安で選考や内定を辞退してしまうのは絶対に防ぎたいですよね?
学生とのミスマッチを防ぐために効果的なのが、社員インタビュー動画です。
多くの学生の不安の原因となるのが、社風やオフィスの雰囲気等の定性的な情報です。
例えば、「新しいことにチャレンジする社風」と言われても、具体的にどれくらいチャレンジしているか程度はわかりません。
そこで、社員インタビューが活躍します。
現場の社員が語ることにより、より具体的に説得力をもって説明することができます。
また、オフィスでインタビューすることで、実際のオフィスの雰囲気も伝わります。
トレンドのインタラクティブ動画を解説
ここでは、採用動画のトレンドであるインタラクティブ動画について解説します。
インタラクティブ動画とは
インタラクティブ動画とは、視聴者と動画配信者が双方向でやり取りできる動画を指します。
映像内にボタン等を配置することで、視聴者にアクションを求めるのが特徴です。
採用活動においてもターゲット層がSNSやYouTubeなどの動画に慣れ親しんだ世代であることからトレンドとなっています。
インタラクティブ動画の効果
インタラクティブ動画最大の特徴は、一方通行のコミュニケーションにならないため、視聴者が飽きずに視聴できる点です。
動画は文字媒体に比べ多くの情報を分かりやすく伝えることができますが、視聴者は受動的になってしまいます。
しかし、インタラクティブ動画は視聴者にアクションを求めるため、単にコンテンツを視聴して終わりではありません。
記憶に残るようなインパクトを残すことが可能です。
また、ユーザー操作のデータ活用による採用活動の改善も期待できます。
インタラクティブ動画は、視聴者自ら気になるストーリーや展開を選択します。
そのため、視聴者が興味のあるコンテンツを比較検討することができるのです。
例えば、動画内でもっと説明してほしい会社の魅力を選んでもらうボタンを設定したとします。
そこで最もクリックされた項目は、学生にとってもっと知りたいと思った情報のはずです。
その情報を企業説明会のスライドに追記するなど、採用活動全体の改善に役立てることができます。
従来の動画では難しかったデータ取得・活用が可能なこともインタラクティブ動画ならではのメリットです。
インタラクティブ動画のデメリット
①活用事例が少ない
インタラクティブ動画は近年生まれた新しい動画形態で、活用事例がまだ少ない動画形式です。
徐々にインタラクティブ動画を制作する企業も増えつつありますが、まだ従来のような一般的な動画形式が主流です。
そのため、目的や状況に応じて適切な形式を模索していく必要があります。
②制作に専門知識が必要
インタラクティブ動画の制作には、専門的な知識が必要です。
通常の動画と異なり、ストーリーの分岐や編集に工夫をする必要があるためです。
制作を委託する場合も、全ての制作会社がインタラクティブ動画を制作できるわけではないことを念頭に置く必要があります。
採用動画制作にかかる費用
ここまで採用動画の効果や種類、適したシチュエーション等を紹介してきましたが、採用動画の制作には実際どれくらいかかるのでしょうか。
費用は動画の規模によって異なりますが、今回は例として動画の内容ごとのおおまかな費用・動画の長さ・制作期間をご紹介します。
あくまで目安ですので、実際に制作を依頼される場合は複数の制作会社に見積を出してもらい、比較検討することがオススメです。
※制作を外部委託したときの目安です。(実写動画の場合)
①インタビューのみ
- 費用:10万~30万
- 動画の長さ:120秒程
- 制作期間:2週間〜1ヶ月
何人かの社員にインタビューをし、それを繋げていく形式の動画です。
画質や編集にこだわらなければ、iPhoneでも動画の作成は可能です。
そのため、とにかくコストを抑えたい方にオススメの動画形式となっています。
スマホさえあれば手軽に制作できる動画のため、なるべく早く作りたいという方にもオススメです。
②インタビュー&社内風景
- 費用:30万~80万
- 動画の長さ:180秒程
- 制作期間:1〜1.5月
社員へのインタビューに加え、社内風景も紹介する動画です。
社員へのインタビューと同時に実際に働く環境を紹介することで、よりリアルに働くイメージを持ってもらえます。
③密着取材
- 費用:80万~200万程
- 動画の長さ:オーダーメイド
- 制作期間:1.5〜2ヶ月
一人一人の社員に密着してリアルな業務内容ややりがいを紹介する動画です。
「情熱大陸」や、「プロフェッショナル」のような、ドキュメンタリー動画に近いイメージです。
企業に興味を持ってくれた学生に対して、よりリアルな姿を見せることで入社後のイメージを持ってもらえる効果があります。
④ドラマ仕立て
- 費用:200万円~
- 動画の長さ:オーダーメイド
- 制作期間:3ヶ月
実際に脚本を書き、役者を起用して再現ドラマを制作します。
ドラマにメッセージ性を持たせることで、採用動画としての効果はもちろん、その企業のブランディングにもつながる動画です。
場合によっては機材もカメラだけではなく、ドローンやレール等を使用することもあります。
【参考】採用・リクルート動画の費用と料金相場を徹底解説!【相場早見表・事例あり】 | 動画幹事
採用動画の事例3選
ここでは、面白い採用動画の事例3選を紹介します!
【事例①】日星電気株式会社 リクルートムービー
日星電気株式会社 リクルートムービー「部品になるな。部品をつくれ。」
タイトルは、「部品になるな。部品をつくれ。」
誰かに動かされる部品になるのではなく、挑戦者としてモノづくりをしようという同社のメッセージが伝えられています。
社員が苦悩しながらもモノづくりに取り組む姿が表現されており、BGMも合わさることで非常にかっこいい動画になっています。
【事例②】日本交通横浜株式会社 採用ドラマ
お客様との対話の中で、タクシードライバーという仕事の魅力を伝えるドラマです。
9人の登場人物それぞれにストーリーがあり、一見独立した9つのストーリーがつながっているという仕掛けがされています。
撮影や音響のクオリティーも非常に高く、かなり制度の高い採用動画となっています。
動画の時間は14分と長めですが、見入ってしまうような動画になっています。
【事例③】株式会社Mfro採用動画
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新米エンジニアの1日 (mil.movie)
「新米エンジニアの一日」というタイトルで、新卒エンジニアの一日の流れをコミカルに伝えるインタラクティブ動画です。
画面上の社員をタッチするとその社員のインタビュー動画に飛ぶ仕掛けは、学生に必要な情報を与えてくれます。
また、選んだ選択肢によってストーリーが変わる仕掛けが面白く、工夫がこらされた動画となっています。
より効果的な採用動画を作るコツ
せっかく予算を割いて採用動画を制作するからには、より良い採用動画を制作したいですよね?
ここでは、より効果的な採用動画を作るコツをご紹介します。
①利用目的を明確に
効果的な採用動画を制作するには、事前に利用目的を明確にすることが重要です。
どのフェーズで採用動画を利用したいかによって、動画の設計は異なります。
例えば、「母集団を形成したい」「企業認知度を上げたい」場合を考えます。
その場合、実際に働く社員に詳しい業務内容をインタビューする動画よりもブランドイメージ動画・PR動画の方が適しているでしょう。
このように、利用目的をあらかじめ設定しておくことで、そのフェーズに合わせた効果の高い採用動画を制作することができます。
②学生が知りたい情報を整理する
効果的な採用動画を作るには、ターゲットとなる学生がどんな情報を求めているのか整理することも重要です。
学生が知りたい情報は、そのフェーズによって異なるためです。
マイナビが2021年に行った調査では、学生が企業選びで重視するポイントの第一位が「社内の人間関係」であるのに対して、入社予定先企業を選択するポイントの第一位は「成長環境」でした。
2位以降も比較すると、1〜3位までが企業選びの段階と入社先を決める段階で逆転していることが分かります。
このように、採用活動におけるフェーズによって学生が企業を評価するポイントは異なります。
そのため、状況に応じて適切な情報を整理することで、より効果的な採用動画を制作できます。
【参考】マイナビ 2022年卒学生就職モニター調査『7月の活動状況』
③自社の採用ターゲットに合わせた動画を制作する
ターゲットに合わせた動画を制作することで、自社の魅力を伝えましょう。
せっかく採用動画を作っても、ターゲットに全く刺さらない魅力を訴求していては全く意味がありません。
「自分たちが作りたいモノ」ではなく、ターゲットに合わせた自社の魅力を伝えることが大切です。
例えば、裁量権やスピード感を求める学生がターゲットにもかかわらず、研修制度の手厚さをアピールするのは逆効果です。
若手社員が成果を出した事例や、若手社員が中心となっているプロジェクトを紹介することが効果的でしょう。
また、ターゲットを設定し、それに合わせた自社の魅力を訴求すること自体がそのまま他社との差別化になります。
そのため、動画制作する前にターゲットを明確に設定しておくことが、効果的な採用動画を制作するポイントの1つです。
④会社のリアルを届ける
採用でミスマッチを起こさないためにも、企業のリアルを届けることがオススメです。
多くの企業が良い面だけ伝えようとしがちですが、良い面だけを見て入社すればミスマッチが起こります。
また、キラキラした一面だけでなく、仕事の厳しさややりがいなど、外面からではわからない情報を伝えることで学生は企業を信頼することができます。
企業と学生、お互いが損をしないためにも、企業のリアルを伝えることが効果的な採用動画を制作するコツです。
⑤動画の配信方法も重要
動画の配信方法を事前に決めておくことで、効果的な採用動画を制作できます。
採用動画を配信する方法はたくさんあります。例えば、
- youtubeで配信し、自社採用サイトに動画を埋め込む
- 公式ラインでエントリーしてくれた求職者に配布
- 企業のSNSアカウントで発信
- Instagramの広告で発信
などが挙げられます。
それぞれの方法に特徴があり、狙いたいターゲットによって適切な配信方法は異なります。
また、使用する媒体によって適切な動画の長さや容量も異なります。
よって、事前にどの媒体で配信するか決めておくことが、より効果的な採用動画を制作するコツです。
まとめ
いかがでしたか。
採用動画を制作することで、学生はより企業イメージをつかみやすくなります。
採用動画制作の際は、まず利用目的を明確にすることから始めましょう。