新卒採用担当とは、その名の通り新卒の採用を担う人材です。企業によっては、新卒採用と中途採用の担当者を分けていることから、新卒採用担当と呼び分けています。
新卒採用の目的は企業の成長のために優秀な人材を獲得することです。会社の事業を発展させるために、採用を行います。
そのため、新卒採用を担う新卒採用担当は重要です。
中途採用では、即戦力となる人材を採用することができますが、新卒採用では就活生の能力に期待を込めて採用を行うため、難易度が高い傾向にあります。
人事担当と新卒採用担当の大きな違いは、仕事内容にあります。人事担当の仕事内容は、採用に加えて人材配置、育成、労務管理などです。その一方で新卒採用担当は、基本的に採用を専任で進めている人です。
仕事内容は次のような流れで行われます。
①採用計画の策定
②採用要項の設計
③母集団形成
④内定者フォロー
採用計画とは、企業の事業計画や経営方針に基づいた採用の計画のことです。
採用計画の策定では次のような項目を決定します。
・採用人数
・採用予算
・求める人物像
・年間採用計画
新卒採用担当は、求める人物像と年間採用計画を立てます。
そのため、会社について理解をしていることが求められるでしょう。社内の状況を把握し、部門ごとにどのような人材を求めているのかを調査し、必要な人材について明確に分析をする必要があります。
年間採用計画を立てることも新卒採用担当の仕事です。
新卒採用を毎年行っている企業の場合、例年通りのスケジュールで良い場合もあります。しかし自社の現在の状況に応じて、変更を行うことで、より自社に合った採用を行うことができるでしょう。
採用スケジュールの立て方についてお悩みの方は以下の記事がおすすめです。
【参考】【25卒】新卒採用スケジュールの立て方|企業、時期別に解説
採用要項の設計も新卒採用担当の仕事です。
採用要項とは次のようなものです。
・業務内容
・給与
・勤務時間
・応募条件
具体的にどのように募集要項を設計したら良いのかわからない、そんな方には以下の記事がおすすめです。
採用要項の設計ができたら、次に母集団形成を行います。
母集団形成は、自社に適した人材を採用するために重要です。
自社が求める人物像にあった学生にアプローチするためには、どのような採用手法を用いて母集団形成をする必要があるのか、分析してみましょう。
具体的な母集団形成の方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
【参考】【新卒】母集団形成とは?手法11選と採用の質を上げるポイントを解説
続いて行うのが、選考の実施です。
実際に選考を行い、自社の求める人物像にあった学生を採用しましょう。
エントリーシートや面接などで選考を行います。
選考の主な流れについては次項で確認しましょう。
膨大なエントリーシートを確認し就活生に合わせて面接を行うなど、とても労力のかかる仕事です。
企業にとって事業を発展させるために必要な人材を採用する必要があるため、選考は重要です。
学生に何を聞けば良いかわからないと感じている方は以下の記事がおすすめです。
【参考】【選考段階別】採用面接で聞くべき質問集20選|面接官のNG行為も
企業にとって内定を出した就活生に辞退されることは大きな損失です。
多くの就活生は、複数の企業の選考を同時に受けているため、自社に入社してもらうためには、フォローを行う必要があります。フォローには次のようなものがあります。
・座談会を開催する
・内定者に定期的に連絡を行う
就活生と接点が途切れないようにすることが内定者フォローにつながります。
このようなフォローを行うのも新卒採用担当の仕事の1つです。
内定者に送るフォローメールの書き方に困っている方は、以下の記事を参考にしてみてください。
【参考】【すぐに使える】内定者へのフォローメールはどう書く?例文8選
新卒の就活について、2017年までは経団連が中心となり設定されていました。しかし、2018年以降は政府主導に変更され、情報解禁時期が遅くなるなどの変化が見られます。
広報解禁:大学3年次の3月1日以降
選考解禁:大学4年次の6月1日以降
内定解禁日:大学4年次の10月1日以降
これはあくまで政府からの要請であり、守らなかった場合の罰則は設けられていません。
そのため、先行して採用活動を実施している企業も多いのが実情です。
新卒採用の年間スケジュール例を大手企業、中小企業、ベンチャー企業に分けてご説明します。
インターンシップ:6月 〜2月
会社説明会:6月〜5月
選考:2月〜5月
内定出し:3月〜8月
<特徴>
インターンシップから採用を行う場合もあるため、選考を早くから始める傾向です。
中小企業よりも採用スケジュールを早く設定することで、優秀な人材を確保することが狙いです。
インターンシップ:6月〜2月
①春採用
会社説明会:12月〜2月
選考:2月〜4月
内定出し:2月〜4月
②秋採用
会社説明会:6月〜8月
選考:7月〜10月
内定出し:8月〜10月
<特徴>
中小企業の年間スケジュールの特徴は、春採用と秋採用の年2回の採用活動があることです。大手企業と選考時期をずらすことを目的としています。
インターンシップ:6月〜12月
会社説明会:8月〜5月
選考:10月〜5月
内定出し:2月〜5月
<特徴>
ベンチャー企業では早くから採用活動を始めます。
他の企業と同様にインターンシップから採用につながる場合もあります。
・社風の共有
・教育のしやすさ
・会社に新たな価値観を生み出すため
また、新卒採用は中途採用とは評価するポイントが大きく異なります。
新卒採用では、ポテンシャルを評価するため、中途採用に比べて採用難易度が高いです。
新卒採用で採用した人材は、他の企業での就業経験がないため、社風の共有をしやすいというメリットがあります。
社風を共有することで、就活生は自分が何を求められているのかを理解できるでしょう。
企業は新卒採用で採用した新入社員に対して一括で教育を行うことができます。そのため、新卒採用では教育がしやすいというメリットがあります。
また他の企業での就業経験がないため、吸収力も期待できるでしょう。
新卒採用によって新たな人材を採用することで、会社に新しい影響を与えることを期待できます。
会社の若返りやこれまでにない新たな視点を得ることができるかもしれません。
事前に、悩みの解決方法を把握し、自信を持って採用活動を行えるように準備しましょう。
<悩み>
長期間にわたる採用活動を求められるため、仕事量が多いです。新卒採用担当は、インターンから採用活動を始め、内定者が実際に就職するまでのフォローを行います。
学生だけでなく、面接官である社員とのやりとりも必要であるため、1人で抱える業務が多くなってしまう特徴があります。
<解決策例>
一人の業務の負担を削減するために、人員を補充し、業務の担当を分けるなどの対策が可能です。
MatcherScoutとは、OB・OG訪問サービス「Matcher」に登録している学生に向けてスカウトを送ることができる、ダイレクトリクルーティングサービスです。
採用担当の業務の工数を削減し、業務を代行することが特徴です。
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といった特徴があります。
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応募人数も重要な問題の一つです。
<悩み>
応募人数が多すぎる場合、他の業務が回らないなどの影響が出たり、一人で業務を行うことが難しくなったりなど、さまざまな弊害が生じる場合があります。
特に、膨大な数のエントリーシートの確認作業は新卒採用担当者の負担の大きい仕事です。
<解決策例>
最近ではエントリーシートに工夫をしている企業もあります。
例として、エントリーシートの文字数に制限を設けて、ある一定の文字数の基準を超えなければ提出できないようにし、志望度の高い学生だけが集まるようにすることができます。
<悩み>
中小企業の場合、十分な応募人数を確保できないことに悩まされる場合もあります。
<解決策例>
改善策としては、
・自社サイトの採用ページを充実させるなど大手ナビサイトに求人を出す以外にも、さまざまなアプローチ方法があります。
自社に適した募集方法を探し、あらゆる方法で応募人数を集める対策を考えてみましょう。
<悩み>
新卒採用担当には、準備しなければいけないことがたくさんあります。
・会社説明会の準備
・会場の確保
・就活生に対する告知
・伝えたい情報の整理
など時間を要するものが多いです。
<解決策例>
業務をスムーズに行うためには事前にスケジュールを立てておく必要があります。
会社説明会では綿密な計画を立てましょう。当日に必要な紙の資料の印刷、会場の設営、撤収など全て新卒採用担当が行っています。
<悩み>
採用担当者が悩みがちな問題として、面接官の間の評価基準のすり合わせがあります。
面接官によって基準が統一されていないと採用において求める人物像と異なる就活生を採用してしまうかもしれません。
<解決策例>
統一するためには、求める人物像をしっかりと言語化しておくことが重要です。
求める人物像を言語化するために、社内状況の把握を行うことが必要です。
<悩み>
内定辞退者に悩む新卒採用担当者は多いでしょう。
内定辞退者が出てしまうと、採用目標数に充足するまで、採用を続けなければなりません。
<解決策例>
内定後のフォローを徹底することが、内定辞退者を減らすことにつながります。
座談会などを通して、定期的なコミュニケーションの場を設けることで、内定者の抱える悩みや不安を解決し、内定辞退を防ぐことができます。
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新卒採用担当は、自社の状況に合わせてさまざまなタスクをこなす必要があります。
どのような人が新卒採用担当に向いているのでしょうか。ここでは、新卒採用担当に向いている人の特徴をご説明します。
新卒採用担当に求められるのは、企業の事業や方針を理解していることです。
求める人物像を設計する際にも、現在の企業の状況を把握していることが求められます。
コミュニケーション能力の高い人は新卒採用担当に向いているでしょう。
新卒採用担当は、人と話す機会が多いです。面接を行う学生はもちろん、社内状況を把握するために他部署の社員や、採用について上司と話す機会もあるでしょう。
そのため、コミュニケーション能力の高い人が新卒採用担当に向いています。
主体性も新卒採用担当に求められます。新卒採用担当は今後の企業の発展のために、何をすべきかを常に考え、行動する必要があります。
現状に満足するのではなく、より良い状況を作るためには何ができるのかを常に考え行動します。
何をすべきか、どう考えるべきかなど、自分から行動できる人は新卒採用担当に向いているでしょう。
新卒採用担当には論理的思考力が求められます。
物事を分析し、論理的に考えることで、今後の企業の発展に貢献することができます。
新卒採用では、状況に合わせて柔軟に対応することが求められます。
そのため、対応力のある人が新卒採用担当に向いています。
採用には臨機応変な対応が必要なため、対応力が大切です。
自社の求める人物像に合致した学生を採用するためには、どの手法が適しているのか、よく検討し、採用を行う必要があります。
それぞれの手法の特徴について解説していきます。
新卒採用サイトは、多くの企業が導入している最も一般的な新卒採用の手法です。
<特徴>
多くの就活生に情報を広く発信できることが特徴です。
多くの企業で導入されている手法であり、学生が検索して企業を探すスタイルのサービスのため、名が知れた企業が有利になる傾向があります。
<主な新卒採用サイト>
就活イベントでは、合同説明会やオンラインでの会社説明会があげられます。
<特徴>
合同説明会では、他の企業とともに出展し、会場で就活生にアプローチを行うことが可能です。
就活イベントに出展するためには事前準備や多大な費用がかかるため、コスト面に注意する必要があります。
また新型コロナウイルスの影響で、オンラインで会社説明会を実施する割合が増えています。オンライン説明会は、企業について学生に説明することができる貴重な機会です。
<主な就活イベント>
<特徴>
インターンシップは、学生に企業の雰囲気を体験してもらうために行う短期インターンと実際に業務を行う長期インターンの2種類があります。
インターンシップのメリットは、ミスマッチを防ぐことができる点です。実際に業務を行ってもらうことで、学生に企業のことを理解してもらうことができます。
<特徴>
ダイレクトリクルーティングとは、登録されている就活生のデータから企業の求める人物像に合致した人材に直接アプローチする採用手法です。
企業側が求める人物像にあった学生に直接アプローチを行うことで、効率よく採用を行うことができます。
一般的に、ダイレクトリクルーティングは、運用コストが大きく、運用難易度が比較的高いと言われています。
Matcher Scoutでは、採用成功報酬型のダイレクトリクルーティングサービスです。
採用するまで費用は一切かかりません。初期設定やスカウト運用業務もすべて無料で承ります。
また運用に際する事務作業を全て請け負うため、運用コストをかけずにサービスを利用することができます。
詳しいサービスの内容については、ダイレクトリクルーティングスタートガイドをご覧ください!
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<主なダイレクトリクルーティングサービス>
<特徴>
リファラル採用とは、社員が友人や知人を紹介をする採用手法です。
実際に働いている社員が紹介を行うため、求める人物像にマッチした人材を採用できるという特徴があります。
一方で、量の確保が難しいというデメリットがあります。
<特徴>
大学の就活課は、条件を絞って採用を行うことが可能です。
そのため、費用をかけずに質の高い学生にリーチすることができます。
しかし、大学と企業の間で信頼関係を築くことが必要なため、ある程度の時間が必要です。
また、誘致してもらう難易度が高いことが特徴です。
<特徴>
ソーシャルリクルーティングとはSNSを活用した採用手法のことです。
SNSの普及に伴い、近年注目が集まっています。
気軽に就活生とやりとりができ、企業のことを知ってもらうことができます。
就活生の個人情報を入手できないことがデメリットです。
企業の情報を発信したり、イベントの情報を告知したりするなど、活用方法に制限がないため、自社に合った方法で利用することができるでしょう。
以下の記事では、より詳しく採用手法について解説、比較を行っています。
合わせてご確認ください。
【参考】【新卒】採用手法16種類を徹底比較!最新トレンドも解説
採用成功につなげるためにできることを確認しましょう。
採用条件を見直すことで、より自社に合った人物を採用することにつながります。
なぜなら、求める人物像に合致した学生を採用するために、採用条件を設けているためです。
採用条件を増やしすぎたり、基準を上げすぎたりしては母集団形成がうまくできません。
自社にとって本当に必要な条件、要素を確認し、取捨選択を意識しましょう。
必要な条件を見直すためにできることは以下の記事で解説しています。
【参考】【新卒採用】採用基準とは?設定方法を解説【テンプレ付き】
続いて、見直しを行うべきポイントは採用フローです。
自社の求める人物像にあった学生にリーチするために、現行の採用フローは適しているのかを確認しましょう。
採用フローを見直すことが、採用成功につながります。
採用計画の策定の際に設定した以下の項目を確認しましょう。
・採用人数
・採用予算
・求める人物像
・年間採用計画
これらの項目を見直すことで、採用フローを再設定することが可能です。
母集団形成が思うようにできていない場合は、採用手法があっていないのかもしれません。
企業にとって重要なのは、求める人物像にあった学生にリーチできることです。
求める人物像にあった学生にリーチするために、最適な採用手法を検討することで、
採用を成功させることにつながるでしょう。
<例>
・多くの学生にアプローチしたい
新卒採用サイトを利用する。
・求める人物像に合致した学生に直接アプローチしたい
ダイレクトリクルーティングやリファラル採用がおすすめ。
いかがでしたか?
本記事のポイントは以下の通りです。
新卒採用は今後の企業の発展に必要な人材を採用する貴重な機会であること
企業の必要している人材を把握し、求める人物像にあった学生を採用すること
新卒採用担当の仕事は臨機応変な対応力が求められること
自社の状況に合わせて、採用手法を見極めること
この記事が新卒採用でお悩みの人事担当者様のお役に立てば幸いです。
記事をもとに、自社に合った新卒採用を行ってみてください。