【新卒】母集団形成を改善する採用手法11選!課題別の対策方法も
2025/12/08

母集団形成にお悩みの人事担当者様はいませんか?

新卒採用において、効率的にターゲット人材を採用するために母集団形成はとても重要です。

この記事では、大きく以下の4点について紹介しています。

  • 母集団形成とは何か
  • 母集団形成に使える媒体11選とその特徴
  • 自社に最適な母集団形成を行うための方法
  • 母集団形成で陥りがちな課題と解決策

自社の母集団形成における課題を理解し、採用目標達成や採用の効率化に繋げましょう。

母集団形成とは

母集団形成とは、自社の求人に興味を持っている学生を集める活動のことです。新卒採用における最初のステップであり、以降の「惹きつけ」「選考」の成果を大きく左右する基盤となる工程です。

母集団形成を行う際は、「量」と「質」の両面をバランスよく高めることが欠かせません。

母集団形成における量と質の定義

  • 量:いかに多くの学生から応募を集められるか
  • 質:応募者が求める人物像にどれだけ合致しているか

応募数だけが増えても、ミスマッチが多ければ選考の負担が増し、採用効率が悪化してしまいます。一方で、そもそも応募数が少なければ、採用目標を達成することは難しいでしょう。

つまり、「質」と「量」をともに意識した母集団形成を行い、自社のターゲットにマッチした人材を適切な数だけ集めることが重要なのです。

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母集団形成を重視するべき理由

そもそもなぜ新卒採用活動において母集団形成が重視されるのでしょうか。まずはその理由をご紹介します。

母集団形成が採用の成功を左右する

母集団形成は、新卒採用全体の土台となる工程です。

採用活動は一般的に、「学生を集める」→「企業に惹きつける」→「学生を選考する」という流れで進行しますが、この最初のステップである「学生を集める」が不十分だと、その後のプロセスすべてに影響が及びます

十分な応募が集まらなければ、自社に合う学生に出会える確率が下がり、惹きつけや選考にリソースをかけても成果が出にくくなります。逆に、母集団形成がうまく機能していれば、選考全体の歩留まりが改善し、採用成功につながりやすくなります。

つまり、母集団形成の質と量が、採用成果を大きく左右すると言えるのです。

多くの企業が母集団形成に苦戦している

母集団形成は、多くの企業が苦戦するポイントでもあります。

実際の調査をみてみると、採用予定数を充足できた企業は37.2%であり、また、採用未充足の理由として「応募者数の少なさ」を挙げる企業は約66%にのぼります。採用数が計画より少ない理由を示したグラフ

つまり、半数以上の企業が「応募を集められない」という根本課題を抱えており、母集団形成の強化は採用成功のための最優先テーマになっています。

これらの結果からも、いかに効果的に母集団を形成できるかが、採用成果を大きく左右することがわかります。

【参考】就職みらい研究所『就職白書2025』

母集団形成を改善するメリット

母集団形成を改善するメリットとして、以下のことが挙げられます。

母集団形成を改善するメリット

  • 効率的な採用活動を行うことができる
  • 採用にかかる余分なコストを削減できる
  • 入社後の定着率が上がる
  • 事業の成長に貢献できる

それぞれについて解説していきます。

効率的な採用活動を行うことができる

質の高い母集団を形成できると、選考にかける工数が大幅に削減されます。

ミスマッチの応募が減ることで、面接や書類選考の効率が上がり、採用担当者が本来注力すべき「惹きつけ」や「候補者体験の改善」に時間を使えるようになります。

採用にかかる余分なコストを削減できる

応募が集まらず追加で広告出稿をしたり、採用期間が長期化したりすると、コストが膨らむ原因になります。

適切な母集団形成ができていれば、必要以上の費用を使わずに採用活動を進められ、採用単価の削減にもつながります。

入社後の定着率が上がる

母集団形成の時点から自社に合う人材をターゲットとして意識することで、採用後のミスマッチを防ぐことができます。

ミスマッチを防ぐことで社員の定着率が向上し、採用コストや育成コストの抑制に繋がります。

事業の成長に貢献できる

自社にフィットした人材を安定的に採用できるようになると、組織の生産性向上や、将来的な事業成長につながります。

「採用に強い会社」は、結果として競合優位性を高め、長期的な企業成長を促す要因となるのです。

母集団形成に失敗する企業の共通点

例えばどのような企業が母集団形成に失敗してしまうのでしょうか。

母集団形成に失敗する企業の共通点

  • 学生との接点づくりが足りていない
  • ターゲットと採用手法がマッチしていない
  • 自社の魅力をうまく訴求できていない

以下で具体的に解説していきます。

学生との接点づくりが足りていない

母集団形成において「数」に課題を感じている場合、そもそも学生との接点が十分に作れていない可能性があります。

特に、学生からの認知度が低いBtoBやニッチな業界に属する企業、また中小企業などは、意識して学生との接点を増やしていかなければ、母集団形成に失敗しやすいです。

学生からの応募を待つナビ媒体や合同説明会のみではなく、企業自らが学生にアプローチする攻めの採用手法であるダイレクトリクルーティングや人材紹介なども活用していく必要があるでしょう。

ターゲットと採用手法がマッチしていない

どれだけ多くの採用手法を活用しても、そこに集まる学生層が自社のターゲットと一致していなければ、効果的な母集団形成は実現できません。

採用手法にはそれぞれ特徴があり、出会える学生像も異なります。また、同じ手法でも、媒体によって志向性・属性は大きく異なります。

利用する採用手法の数を増やせば応募数は増える可能性がありますが、ターゲットに合致していなければ、コストだけが増えて採用効率は上がりません。そのため、出会いたい学生像を明確にし、それに適した手法・媒体を選ぶことが母集団形成成功の鍵となります。

自社の魅力をうまく訴求できていない

ターゲットの学生に出会えたとしても、自社の魅力が伝わっていなければ応募にはつながりません。

学生ひとりが応募できる企業数には限りがあるため、どの企業にエントリーするかを慎重に比較しています。そのため、「なぜ自社に新卒で入社すべきか」「自社ならではの強みや特徴はどこにあるか」を言語化し、他社との差別化につなげることが重要です。

特に新卒採用では、事業内容よりも「働く環境」「成長機会」「キャリアの描き方」への関心が高く、これらを適切に訴求できるかどうかが応募数を大きく左右します。求める学生に選ばれるためには、自社ならではの魅力を明確に打ち出し、伝えることが欠かせません。

母集団形成を成功させるためのポイント

それでは、どのようにすれば母集団形成を成功させることができるのでしょうか。

母集団形成を成功させるためのポイント

  1. 採用ターゲットを明確にする
  2. 複数の手段を活用して母集団を形成する
  3. 採用にかかわるデータの分析を行う
  4. 戦略的な採用スケジュールを組む
  5. 新卒採用をとりまく情況を把握する

以下で詳しく解説していきます。

①採用ターゲットを明確にする 

母集団形成を行う際は、初めに採用ターゲットを明確にすることが大切です。採用ターゲットが明確になっていなければ、候補者に響くようなアピールをすることができません。

特に新卒採用では、中途採用と違ってスキルや経験のようなわかりやすい指標ではなく、人柄やポテンシャルといった要素を指標として採用を行わなければなりません。

そのため自社が求める人材像を明確に言語化しておくようにしましょう。

②複数の手段を活用して母集団を形成する

母集団形成の手法は複数組み合わせることがおすすめです。どんな手法であっても、単体で母集団形成の目標値を達成することは難しいです。

それぞれの手法のデメリットを補い合ったり、相乗効果が見込めるような設計で運用できるとよいでしょう。

例としては、就活サイトに自社ホームページやSNSのリンクを貼り、就活サイトでは伝えきれない自社の魅力をホームページやSNSで伝えられるようにすることが挙げられます。

③採用にかかわるデータの分析を行う 

データの分析ができていない企業は意外と多いです。それぞれのチャネルからの成果や採用プロセスごとの結果をデータとして取得し、分析するようにしましょう。

例えば、応募者に対して自社を知ったきっかけのアンケートを行うことで、応募に繋がりやすいチャネルを把握することができます。

また、各選考プロセスの通過者数や辞退者数、コストなどを把握することで、どの工程を改善すべきか、なぜ辞退が起きるのかなどの検討に繋げられます。

④戦略的な採用スケジュールを組む

母集団形成を行う時期も重要なポイントです。ターゲット学生のスケジュールに合わせて選考時期を決め、そこから逆算して母集団形成を行いましょう。

新卒採用では、優秀な学生ほど早い時期から情報収集を行っている傾向があります。

母集団形成の時期が遅れてしまうと母集団の質や量を確保しにくくなる一方で、早すぎても選考開始まで時間が空いてしまい、学生の興味を惹きつけ続けることが難しくなります。

⑤新卒採用をとりまく情況を把握する

採用年度ごとの学生の志向や採用動向を把握することが、母集団形成の成功につながります。

例えば、ここ数年で学生が企業を選ぶ際のポイントとして重視する項目にも変化がありました。

▼26卒学生の企業選びのポイント(22卒と比較した際の差)

  • 安定している会社…51.9%(+9.1%)
  • 自分がやりたい仕事(職種)ができる会社…27.2%(-7.4%)
  • 給料の良い会社…25.2%(+7.7%)

以上から、「安定している会社」「給料の良い会社」を重視する学生が年々増加していることが分かります。またその一方で、「自分がやりたい仕事ができる会社」などの働きがいを重視する学生は年々減少しています。

自社が採用したい学生に的確なアプローチをするためには、こういった学生のニーズの変動や採用動向を把握することが重要です。

【参考】株式会社マイナビ『マイナビ 2022年卒大学生就職意識調査』
【参考】株式会社マイナビ『マイナビ 2026年卒大学生就職意識調査』

母集団形成を改善する採用手法11選

新卒採用向けの母集団形成の手法をご紹介します。

①ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、候補者に直接スカウトメールを送信して応募を促す手法です。ダイレクトリクルーティングサービスに登録している学生の中から、自社に合った人材に直接アプローチすることができます。

<メリット>

  • ターゲット学生に直接アプローチできる
  • 情報感度の高い学生の登録が比較的多い

<デメリット>

  • 学生とメッセージでやり取りするため工数がかかる
  • 企業側から声をかけるため、自社に興味を持ってもらえないことがある

②就職サイト・ナビサイト

「リクナビ」や「マイナビ」などの新卒向け就職サイトは、学生の登録数が多く、母集団形成に用いられる最も一般的な媒体のひとつです。一方で、これらの就職サイトは企業の登録数も多く、知名度が低い企業は埋もれてしまう可能性があります。

<メリット>

  • 登録者数が多く、幅広い学生に認知してもらうことができる
  • 全国に向けて募集をかけられる
  • 募集要項や業務内容など、会社の情報を詳細に掲載できる
  • サイト内で応募者の管理ができる

<デメリット>

  • 掲載社数が多く、埋もれやすい
  • 応募者の有無に関わらず掲載費用がかかる
  • 求職者の検索条件によっては自社の情報を見てもらえない

③新卒紹介サービス

新卒紹介サービスとは、企業側の採用要件に沿った学生を紹介会社が厳選して紹介してくれるサービスです。エージェントが企業の事業や業務内容と学生の志向・適性をマッチングさせて紹介してくれるので、内定承諾率が比較的高くなりやすいです。

<メリット>

  • 就職サイトで出会えなかった学生と出会える
  • 自社の採用要件に沿った学生を紹介してもらえるので効率的
  • 完全成功報酬型でリスクが少ない

<デメリット>

  • 出会える学生数が少なくなりやすい
  • 承諾率が低くなってしまう場合もある

④合同説明会

合同説明会とは、複数の企業がブースを出展して、求職者に対して自社の説明やアピールができるイベントです。最近ではオンライン開催のものも多くあります。

<メリット>

  • 自社を知らなかった層にアピールできる
  • 知名度を高めることができる
  • 候補者と対面で会うことができる
  • 属性に特化した説明会に参加すればターゲットを絞ってアピールできる

<デメリット>

  • 大規模な説明会は競争が激しく、埋もれやすい
  • 説明会の規模によっては来場者数が少ない
  • 参加費用がかかる

⑤学内セミナー

学内セミナーとは、大学や専門学校に赴いて企業説明会を行うことです。

<メリット>

  • 学生に気軽に参加してもらいやすい
  • ターゲット大学の学生にアプローチすることができる
  • 知名度があまりない企業でも話を聞いてもらうことができる

<デメリット>

  • 学校ごとの開催なので、一度で大きな母集団形成はできない
  • 学校側に誘致してもらえない可能性が高い

⑥企業説明会

企業説明会は、時間をかけて詳細に企業の魅力を伝えることができます。近年ではオンラインでの開催も主流となってきており、学生にとっても気軽に参加しやすいというメリットがあります。

<メリット>

  • テキストでは伝わらない企業の情報を詳細に伝えられる
  • 合同説明会などに比べ、時間をかけて説明を行える
  • 双方向でのコミュニケーションが可能
  • オンラインで開催すれば、多くの参加者を集めやすい

<デメリット>

  • 知名度の低い企業は参加者を集めることが難しい
  • 参加人数に制限がある

⑦インターンシップ 

インターンシップでは、学生に自社の業務を体験してもらうことで、事業や業務への理解度を深めてもらうことができます。

<メリット>

  • 働くことに意欲的で行動力のある学生に会える
  • 選考開始前から学生とコミュニケーションが取れる
  • 実際に業務を体験した上で応募してもらうためミスマッチを防げる

<デメリット>

  • 運用工数やコストがかかる
  • インターンシップの内容によっては応募意欲が下がってしまうことがある
  • インターンシップから選考開始までの時間があくと応募意欲が下がることも

⑧自社の採用サイト

自社のホームページに採用ページを作成し、情報発信をする手法です。

<メリット>

  • 制限なく自由に情報を発信することができる
  • 自社に関心がある人に対して情報発信ができる
  • 情報の更新や修正が容易
  • コストが比較的かからない

<デメリット>

  • 採用ページの構築に工数・コストがかかる
  • 知名度が低い企業はサイトを検索してもらえない

⑨リファラル採用

リファラル採用とは、社員の友人や知人を紹介してもらい選考に繋げる手法です。新卒採用においては、内定者から人材を紹介してもらう企業も多くあります。

同じ大学の友人を紹介してもらうよう頼めば、ターゲット大学の学生にアプローチすることができるため優秀な人材を集めやすいでしょう。

<メリット>

  • 質の良い母集団形成がしやすい
  • 自社のことをよく理解している社員からの紹介なのでミスマッチが少ない

<デメリット>

  • 大きな母集団を形成することはできない
  • 社員の自社への満足度が高くないと、紹介してもらえない

⑩タレントプール

タレントプールとは、人材を中長期的に管理していくためのデータベースを構築することです。就活前の学生をタレントプールすることで、就活前から情報収集を行う積極的な学生に自社の情報を見てもらうことができます。

<メリット>

  • 早期から就活を意識して行動する意欲的な学生にアプローチできる
  • データを蓄積することで新卒採用だけでなく中途採用にも活かせる

<デメリット>

  • データベースの人数が増えると管理が難しくなる

⑪SNS

YouTubeやInstagram、Twitter、LINE公式アカウントなど、SNSを活用した情報発信も主流です。

<メリット>

  • コストが低い
  • 幅広い層へ情報を届けられる
  • 就職サイトや自社ホームページなど他のメディアに誘導することができる
  • 気軽に双方向のコミュニケーションが取れる

<デメリット>

  • すぐには効果が出ない
  • 定期的に情報発信をし続けていく必要がある

母集団形成を設計する基本的なプロセス

ここでは、母集団形成を戦略的に行うための基本的なプロセスについてご紹介していきます。

母集団形成のための基本プロセス

  1. 採用の目的を明確化
  2. 採用要件・採用人数の設定
  3. 母集団の目標値を決める
  4. 採用スケジュールの策定
  5. アプローチ手法の決定
  6. 採用活動の実施
  7. 振り返り・改善

以下で、それぞれの項目でやるべきことを見ていきましょう。

①採用の目的を明確化

まずは、なぜ採用が必要なのか、採用の目的を明確にしましょう。

単に「新卒を〇人採用する」といっても、「若手が不足している」「将来の幹部候補を採用したい」など、採用の目的は様々です。採用した人材をジェネラリストとして育てたいのか、スペシャリストとして育てたいのかといった育成の方針によっても、どのような志向・能力を持つ人材を採用すべきかが変わってくると思います。

こうした採用の目的を明確化しておくことで、その後のプロセスをスムーズに進めることができます。

②採用要件・採用人数の設定

採用の目的が明確になったら、採用要件や採用人数の策定を行いましょう。

採用要件を策定する際は、自社で活躍している社員の特徴や、自社の今後の経営方針などを踏まえて設定するとよいです。

また、採用人数から逆算して母集団の目標人数を決めるため、採用人数の設定もあらかじめ行っておく必要があります。

採用要件・採用人数の設定方法については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

【参考】【初心者向け】採用要件の作り方!求める人物像やペルソナとは違う?

【参考】採用人数の決め方とは|新卒採用の企業別平均とポイントを解説

③母集団の目標値を決める

採用要件と採用人数が定まったら、母集団の目標値を決めます。

母集団の目標値は、採用目標人数と選考フロー、選考フローごとの歩留まりによって決まります。歩留まりとは、採用フローの中で各選考過程に進んだ人数の割合のことです。

例えば、1次面接→最終面接という選考フローの会社では、以下のような計算式で1次面接に必要な参加人数を求めることができます。

例①|採用目標から1次面接に必要な参加人数を算出する計算式

  • 1次面接参加人数=入社人数(採用目標)÷入社率÷内定承諾率÷最終面接通過率÷最終面接参加率÷1次面接通過率

例②|企業Aにおける昨年度の採用歩留まり

  • 今年度の採用目標:10名
  • 昨年度の入社率:80%
  • 昨年度の内定承諾率:40%
  • 昨年度の最終面接通過率:50%
  • 昨年度の最終面接参加率:50%
  • 昨年度の1次面接通過率:50%

例①の計算式に、例②の採用歩留まりを合わせると、250名が1次面接に参加している必要があることが分かります。

このように計算をしていき、母集団形成時にどれほどの学生にアプローチすればいいのかを事前に割り出しておきましょう

【参考】歩留まりとは?採用における計算式や平均値、改善方法を紹介

④採用スケジュールの策定

次に、採用スケジュールの策定を行いましょう。採用目標を達成するためにすべきプロセスを逆算し、母集団形成をいつまでに完了する必要があるのか把握します。

自社の採用ターゲットが就職活動を開始する時期に合わせて、スケジューリングしましょう。詳しいスケジュールの立て方については以下の記事で解説しています。

【参考】新卒採用スケジュール|企業が時期ごとにするべき準備を解説

⑤アプローチ手法の決定

次に、母集団形成に用いるアプローチ手法を検討しましょう。

アプローチ手法は、自社の特徴や採用ターゲットに適した方法を選択する必要があります。

例えば大手企業と中小企業とでは、有効なアプローチ手法が異なってきます。それぞれの手法の特徴については、記事の前半で解説したものを参考にしてみてください。

⑥採用活動の実施

アプローチ手法が決定したら、いよいよ採用活動をスタートさせましょう。

ここでは、全ての採用プロセスを通して一貫性のある自社の魅力を伝えることが大切です。

例えば求人原稿と説明会の内容に大きく乖離があると、学生からの信用度が下がり、興味を持ってもらいづらくなります。

⑦振り返り・改善 

採用活動中は、定期的に採用活動の効果を測定し、検証・改善を繰り返していきましょう。

特に、各選考フローにおいて目標が達成できなかった場合は、なぜ達成できなかったのか課題を洗い出し改善に繋げることが重要です。

【課題別】母集団形成を改善する対策方法

母集団形成において陥りやすい課題と、その改善策を解説します。

課題①:応募人数が少ない 

応募人数が少ない場合は、「自社の認知度が不足している」「認知はされているが魅力が伝わっていない」ことが原因として考えられます。

改善策としては、以下のようなものがあります。

❚ 改善策A. 複数のチャネルを組み合わせる

そもそも自社の求人が認知されていない場合は、複数のチャネル・媒体を組み合わて露出度を高めましょう。

オンラインだけでなく対面でも説明会やイベントを開催する、合同説明会や大学での説明会を開催するなど、今までリーチできていなかった層に情報を届ける工夫をしてみてください。

❚ 改善策B. 発信している情報を見直す

認知はされているのに応募に繋がらない場合は、自社の魅力が十分に学生に伝わっていない可能性があります。

発信している情報が、きちんとターゲット人材に訴求できているか見直しをしてみてください。

▼見直すべきポイント

  • ペルソナは適切に設定されているか
  • ペルソナに響くような情報を発信できているか

❚ 改善策C. プレエントリー者へのアプローチに力を入れる

「プレエントリーした集団」に訴求するという手もあります。

プレエントリーとは、学生が「企業に興味がある」と意思表示することです。とはいえ、プレエントリーは学生にとって本エントリーや説明会への参加よりも気軽に行えるものです。

「企業への興味はそこまで高くないけれど、とりあえずプレエントリーだけしておく」という層が一定数いると考えられるので、この層に興味を持ってもらえるようにアプローチすることも有効です。

課題②:応募者が自社にマッチしていない

十分な数の応募はあっても、自社にマッチした学生が少ないという場合、採用効率が落ちる・採用後のミスマッチに繋がるといった問題が起きてしまいます。

自社にマッチした母集団が形成できていない原因としては、自社が求める人材像が応募者に上手く伝わっていないことが考えられます。

改善策は以下の通りです。

❚ 改善策A. 採用手法を見直す

応募者が自社にマッチしていないと感じる場合は、アプローチする学生層を変えるために利用する採用手法を見直してみましょう。

まず、利用している採用サービスごとに、各選考プロセスの歩留まりを算出します。「このサービスは応募数自体はあるものの、1次面接の歩留まりが悪い」「このサービスは最終面接で不合格になる人が多い」といった傾向が見えてくるはずです。

サービスごとの歩留まり率を見ながら、どのような特徴をもった採用媒体であれば自社とマッチする学生に出会えるのかを考察し、活用すべき採用手法を見つけていきましょう。

❚ 改善策B. 採用メッセージを見直す

自社にマッチした母集団形成を行うには、自社をターゲットに響くようにブランディングしていくことが大切です。

具体的には、求める人材像を明確にした上で、ターゲットに訴求するメッセージが設定できているか見直してみてください。

求める人材像は、自社で活躍している人材の特徴や、現場担当者の意見を踏まえて設定しましょう。

その上で、各チャネルでターゲットに刺さるメッセージを発信していきます。

母集団形成が改善した成功事例3選

以下で、新卒向けのダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scoutの利用によって母集団形成が改善された成功事例をご紹介いたします。

レバレジーズ株式会社

質にこだわりながら採用人数を増やすためにMatcher Scoutをご導入いただいた事例です。

課題

  • 質にこだわりながら採用人数を増やすために新たな採用チャネルを求めていた
  • 工数の少ない完全報酬型のスカウトサービスを求めていた

効果

  • 2年連続で10人以上の入社予定数を獲得できた
  • 工数をかけずに、求める人物像にマッチした学生と接点を持つことができた

【参考】10名以上の入社数を安定的に獲得!質を落とさずに数を増やし、採用要件にマッチした学生にリーチできました

株式会社キャリアデザインセンター

業績好調のため採用目標人数を50名から70名へと増加させるなかで、母集団の数を増やすことを目的にMatcher Scoutをご導入いただいた事例です。

課題

  • 採用数の増加に伴い、母集団を増やす必要がある

効果

  • 母集団の数と質を同時に確保できた
  • 営業適性のある学生との出会いが増加し、選考通過率が改善できた

【参考】母集団の数にも質にも期待できる!営業適性のある学生と出会い、2名の内定承諾を獲得しました

アチーブメント株式会社

工数をかけずに、理念に共感してくれる学生で母集団を形成するために、Matcher Scoutをご導入いただいた事例です。

課題

  • 自社の理念に共感してくれる人材と多く出会いたい
  • オファー型サービスを導入したいが、工数はかけられない

効果

  • 工数をかけずに、Matcher Scout経由で200名の応募者を獲得
  • 運用初年度から自社の理念に共感する人材の採用に成功

【参考】運用初年度から成果あり!工数をかけずに200名の応募を獲得し、求める人材と出会えました。

質の高い母集団を形成するならMatcher Scout

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おわりに

いかがでしたか?

本記事のポイントは以下の通りです。

  • 母集団形成とは、自社の求人に興味を持っている学生を集める活動のこと
  • 自社に最適な母集団の「量」と「質」を見極めよう
  • 母集団形成は複数の手法を組み合わせよう

この記事が新卒採用でお悩みの人事担当者様のお役に立てれば幸いです。