【人事向け】新卒の即戦力採用はおかしいのか?採用方法と併せて解説
2022/11/21

「新卒はポテンシャルが大事なので、すぐに活躍できなくてもよい」

というのが、これまでの日本の新卒一括採用でした。

しかし、時代が大きく移り変わる昨今、

「新卒も中途も関係なく、すぐに成果を残せる人を採用したい」

「特定のスキルを持った新卒のみを採用したい」

といった、新卒に即戦力を求める企業が増加しています。

では新卒で即戦力を採用するにはどうしたらよいのでしょうか。また新卒で即戦力を求めていいケースとはどんなケースなのでしょうか。

本記事では

  • 新卒で即戦力を求めるのはおかしいことなのか
  • 新卒で即戦力を求めるのがおすすめなのはどんなケースなのか
  • 中途採用と比べた時の、即戦力のメリットとデメリット

などを、新卒のダイレクトリクルーティングサービスMatcherScoutを運営する弊社の立場から紹介します。

「新卒で即戦力採用を行いたいけど、どんな学生を採用したらよいのか、求める学生像を決めるのが難しい・・・」

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採用の「即戦力」ってなに?

まず本記事テーマの「即戦力」という言葉を定義しましょう。

即戦力採用と反対の意味を持つ言葉で「ポテンシャル採用」という言葉があります。

ここでは、ポテンシャル採用との対比において、即戦力採用を定義していきます。

即戦力採用   ポテンシャル採用(従来の新卒採用)
「今すぐに」活躍してほしい人材を採用する 活躍を求めるまでの時間 数年後の活躍を見越して採用する
・業務で使用する資格
・業界知識
・募集職種での経験、成果などハードスキル
重視するスキル

・価値観、その人の持つ考え
・論理的思考力、リーダーシップ力などソフトスキル

即戦力採用とポテンシャル採用を「活躍を求めるまでの期間」と「重視するスキル」の2つに分けて考えると、上記のようにまとめられます。

もちろん即戦力採用でも、論理的思考力などのソフトスキルが求められることも多いため、ハードスキルだけを持っていればよい、というわけではありません。

どこに比重をおいて採用するのかが異なる、と覚えておくとよいでしょう。

新卒採用で即戦力は求めすぎ?おかしい?

今までの採用の現場では、即戦力と言えば中途採用。

新卒に即戦力を求めることはおかしい、求めすぎ、ありえないという認識もありました。

新卒は実務経験がなくても様々な企業に就職でき、その強みを表現する「新卒カード」という言葉も生まれています。

しかし、現在はどの業界でも人手不足な状態。

ビジネスモデルの変化も激しいので、新卒でも早期戦力になることが求められています。

個の時代への変化を受けて、学生サイドも、もはや新卒カードは通じないと考える人が増えているようです。

上記のような現状を踏まえると、一概に新卒採用がおかしいとは言えないでしょう。

ただし、実務経験のない学生が大半なので、全員を即戦力で採用するというのは難しいと言えます。

新卒で即戦力を求めるのがおすすめの3つのケースとは?

新卒全員を即戦力で採用するのは難しいですが、即戦力採用の方がよい、というケースは存在します。

ここでは「新卒で即戦力採用を行った方が良いケース」を3つ紹介していきます。

①エンジニアや士業など、専門性の高い知識が必要な職種での採用

②社員数が少ないベンチャー、スタートアップ企業が採用を行う場合

③すでに中途・新卒の区別なく採用を行っている場合

1つずつ詳しく見ていきましょう。

①エンジニアや士業など、専門性の高い知識が必要な職種での採用

エンジニアや弁護士といった士業など、高い専門性が必要な職種で、即戦力採用はおすすめです。

学生時代から、専門性の高い内容に取り組んできた新卒は、社会人と変わらないスキル・知識を持っている可能性があります。

そのため、中途と同じように、持っている資格や知識に重点をおいて採用するのもよいでしょう。

特に、近年専門性の高い職種として、即戦力採用が進んでいるのがITエンジニアです。

情報系の学部に在籍している学生や、長期インターンシップなどでエンジニアとして働いた経験のある学生、自主的にプログラミングを学んでいる学生などは、中途と変わらない知識・能力を保持している可能性があります。

「エンジニアはたくさん募集したいから、即戦力に絞ると応募できる学生が減ってしまう」 という場合は、採用枠を「即戦力枠」と「未経験者歓迎枠」に分けることをおすすめします。

アプローチできる人材の幅は狭くなりますが、専門性の高い人材を採用したい場合は、即戦力採用がよいでしょう。

エンジニア採用については、下記の記事にて詳しく解説しています。

【参考】【2022年最新版】エンジニア採用におすすめのサービス20選!

②社員数が少ないベンチャー、スタートアップ企業が採用を行う場合

社員数が少ないベンチャー、スタートアップ企業も、新卒の即戦力採用がおすすめです。

というのも、ベンチャー企業は人手が足りない傾向にあり、その影響で人事制度や教育体制の構築ができないない可能性があるためです。

人手が足りている企業であれば「1年目は学びの期間として、ゆっくり研修を受けてほしい」というスタンスで新卒に向き合うことができますが、人手の足りない企業はそんなわけにもいかず、新卒でもすぐに活躍してもらう必要があります。

また社員数が少ない時期に入社する新卒は、将来「会社のコアメンバー」になる可能性が高くなります。

将来的に重要な役割を任せる人を採用するためには、新卒で即戦力採用を行うのがよいでしょう。

「将来会社の幹部候補になってほしい!」というよりも「とにかく短期的に売上を伸ばせる人材を採用したい!」という場合は、経験のある中途を採用するのがよいです。

③すでに中途・新卒の区別なく採用を行っている場合

一部の外資系企業や、日系企業がすでに行っているように「中途・新卒の区別なく採用を行っている場合」は、新卒で即戦力を求めるのがよいでしょう。

というのも、中途採用と新卒採用を区別なく採用している以上、求める能力は同じ、もしくは近いものになるためです。

近年は「30歳未満の未経験者であれば、学生・社会人区別なく、皆同じ窓口から採用する」という企業も増えてきています。

ただしまだ日本は、新卒採用においては未経験者が中心で、実務経験のある学生は非常に少数です。

「数十名〜数百名を即戦力で採用する」というのは、現実的に難しいでしょう。

中途と比較!即戦力の新卒をとるメリット

即戦力の新卒をとるメリット

これまでのイメージでは、即戦力といえば中途採用ですよね。

しかし中途採用にはコストがかかりやすいデメリットもあります。

コスト面以外で即戦力の新卒採用をするメリットはどんなものがあるのでしょうか?

企業文化を体現していきやすい

企業文化を価値観として持つことは、社員が一丸となって業務に取り組むことに繋がるため非常に重要です。

新卒で入社する社員は社会経験が少ないため、自社のカルチャーが浸透しやすいです。

そのため中途社員よりも企業文化を体現しやすい新卒を雇うメリットは大きいです。

特に現在は人材不足による少数精鋭で、変化の激しい世界に立ち向かわなければなりません。

企業文化の体現は重視すべきでしょう。

同時期に研修ができるため効率がいい

新卒生は中途と違い一括採用するため、研修等の教育を一括で行うことができます。

研修のスケジュール調整や運営準備、会場の確保など、研修にかかる手間は膨大ですよね。

新卒生を全員集めて研修を行い、研修にかかるコストを抑えて効率化することが可能です。

また、全く同じ研修を同時期に行いベースラインを揃えることで、その後の新入社員の成長度を簡単に測ることもできます。

社内評価がつけやすくなることもメリットといえます。

横のつながりができる

新卒社員は、同じ年に採用された同期と研修期間などを共に過ごすため、横のつながりが強くなりやすいです。

横のつながりがあることで、無意識に比較してライバルのような関係性を保つため、仕事へのモチベーションが上がりやすいです。

また、プライベートを含む人間関係が構築されやすいため、退職しにくくなります。

同期との繋がりが強いことも中途ではなく新卒採用をするメリットです。

組織を活性化させられる

新卒採用をするたびにマニュアルや企業文化を見直すことになるため、組織が活性化されて持続可能性の高い企業へと成長することができます。

また、2年目になった社員は先輩として自立を強く意識し、モチベーションを保つ要因になります。

新入社員に初歩的な質問をされることで、改めて業務を理解できることもありますよね。

先の分からない時代だからこそ、若い意見を直接吸収できることは大きなメリットです。

中途と比較!即戦力の新卒を採用するデメリット

即戦力の新卒を採用するデメリット

中途採用よりもミスマッチが起きやすい

中途入社の場合は、前職でどんな業務に取り組んでいたか明確なため、能力を測りやすいです。

そのため自社の求める人材であるか判断しやすい傾向にあります。

また、社会人経験があるため面接官との共通言語が多く、お互い業務への認識がずれにくいのが特徴です。

しかし、即戦力採用といっても新卒生はポテンシャルを含めて採用を行うことが多いため、適性能力を測りにくいです。

また、社会人経験があったとしても、長期インターンシップ等の経験に留まってしまいます。

そのため入社前の業務理解が不十分になりがち。

入社後、お互いに期待していた効果が得られない可能性があります。

ミスマッチを防ぐために、新卒採用マニュアルを作成して基準を明確化させたり、学生が入社後の業務をしっかり想像できるような取り組みをしたりすることが必要です。

教育に時間がかかりやすい

いくら即戦力の新卒といっても、中途と比べれば社会人経験の差があります。

知識は豊富でも実戦経験やビジネスマナーは学んでいなど、教育は中途よりも手厚く行う必要があります

即戦力の人材だからといって初めから上手くいくわけではありません。

あくまで新卒社員であることを念頭に育てる必要があります。

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新卒即戦力の採用手順①:会社に必要な即戦力とは何かを定義する

会社に必要な即戦力とは何かを定義する

ここからは即戦力の新卒採用の流れを4ステップで解説します。

まずは会社にとって、新卒がどのような能力を持っていれば入社してすぐに活躍できるのか考えましょう。

即戦力になる人物像は会社によって異なるものです。

採用の目的をはっきりさせ、どのような学生を求めているのか定義付けしましょう。

専門性が高いスキル・資格を持っている

職種を決めて募集するジョブ型雇用で採用する場合におすすめ。

ITやデータ分析など理系分野の学生や、デザインなどクリエイティブに関する知識がある学生を採用することが多いです。

大学や専門学校での専攻内容が一致している学生や、専攻が一致していなくてもインターンや独学で学んでいるケースもあります。

また、総合職採用と並行してフローを別に選考する企業もあります。

スキル採用やスペシャリスト採用と記載していることが多いです。

ビジネスマナーができている

ビジネスマナーの研修に時間を割かずに実戦に取り組んでもらいたい場合、ビジネスマナーを採用要件として見極めることがあります。

近年、長期インターンに取り組む学生が増えています。

報連相など社会人としてのコミュニケーションや、電話対応などを既に習得していることが多く、会社にとって即戦力になれるでしょう。

グローバル人材

入社後、グローバルな活躍をして欲しい場合におすすめです。

ただし、ネイティブレベルを求めるのか、読み書きができてほしいのかなどレベル感をはっきりさせる必要があります。

新卒採用担当者間で認識を共有させましょう。

ポテンシャルが高い

特定の職に当てはまるわけではありませんが、特に幹部候補を探す場合におすすめです。

積極性や好奇心が強いなど自ら学ぶ姿勢があると、直ぐに仕事を覚えて即戦力人材になりやすいです。

入社直後から活躍できなくても、短期的に即戦力になる人を選びましょう。

新卒入社社員は企業文化を体現しやすいため、会社を引っ張っていく幹部候補にはぴったりです。

新卒即戦力の採用手順②:求める項目の優先度を決める

求める項目の優先度を決める

手順①で即戦力の定義付けを行いました。

しかし、ITの実務経験があって英語も堪能で発言力もあって…という学生は限られてしまいます。

即戦力を求めすぎると母集団の形成に失敗し、採用活動が滞ってしまいます。

例えば、学生の間で長期インターンや留学が流行していますが、ポテンシャルが高い学生に比べるとやはり少なめ。

項目の優先度を決めることで、学生の幅を広げつつ求める人材を採用できます

妥協するのではなく、良い人材獲得のために優先度を決めましょう。

新卒即戦力の採用手順③:選考方法を定める

選考方法を定める

採用手法のトレンドは移り変わり多様化しています。

ここでは新卒採用が初めての方でも取り入れやすい、基礎的な選定方法を紹介します。

より詳しい採用手法とその比較については、一覧でこちらにまとめています。

【参考】 表で解説!新卒採用で効果的な母集団形成を行う方法

面接・適性テスト・ES・GDで確認する項目を決める

手順①②で決定した内容を、選考においてどのように審査するのかを具体的に決めましょう。

抽象的だと選考担当者間で認識にずれが生じてしまい、求める人材を獲得できない可能性があります。

ビジネスマナーを求めるなら、アルバイトや長期インターンシップ経験を重視するのがおすすめ。

もしくは第2新卒生であれば確実でしょう。

第2新卒とは、一般的には「新卒入社した会社を3年未満で退職した求職者」のことを指します。

ただし法的な定義はないため、企業によって第2新卒の扱いは異なります。

第2新卒とはビジネスマナーを有していながら新卒生のフレッシュさを併せ持つ即戦力と言えるでしょう。

スキル採用であれば、持っている資格の難易度や実務経験の有無、または学部生か院生かなどを項目として設定します。

語学力では、TOEICの点数や留学等の経験など何を重要視するかが大切です。

特にポテンシャル採用は、学生の性格など親しくないと分かりえないような部分が重要になるため注意が必要です。

「ガクチガ」などについて、深い質問をすることで本当にその学生にポテンシャルがあるのか探りましょう。

長期インターンシップから雇う

勤務態度を確実に知った状態で採用できます

学生側も、会社のことをじっくり知ったうえで入社するため採用側とのずれが生じにくいメリットもあります。

ただし、インターン生を雇う工数がかかってしまうため注意が必要です。

【参考】 Matcher Scout導入事例

新卒即戦力の採用手順④:採用ツールを活用する

採用したい即戦力の定義、定義した項目の優先順位付け、選考中の見極め方を定め終えたら採用ツールを選定していきます。

即戦力となりうる新卒学生は人数が少なく様々な企業が採用したいと考えるので、待つのではなく自らアプローチできる採用手法で母集団形成を行なっていきます。

求人情報サイト

最も主流の採用ツールですね。

マイナビ・リクナビなど、企業が求人情報を載せるプラットフォームです。

就活生は全員と言っていいほど大手求人情報サイトに登録するため、母数が非常に多い媒体です。

人数が多い分様々な学生がいるため、募集事項に必要な経験等をしっかりと明記する必要があります。

人材紹介

人材紹介とは、エージェントが企業の求める人材をヒアリングし、適合する求職者を紹介するサービスです。

中途採用ツールとして活用されてきた人材紹介ですが、近年では新卒採用の場面でも広がりを見せています。

エージェントは担当新卒生の希望や能力をしっかり把握しているので、即戦力になれる人材を見極め紹介してくれるでしょう。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは企業が直接学生にアプローチをかける方法です。

学生からの応募を待つ従来の採用とは違い、企業からアプローチする攻めの採用と言えます。

学生のプロフィールを選定して求人を送るスタイルのダイレクトリクルーティングが一般的です。

本来ならESや面接を通じて知る情報を初めから知れるため、確認事項が多くなり工数がかさみやすい即戦力採用では非常に有効です。

また、学生のプロフィールを選定しスカウトを送る段階まで委託可能なサービスもあります。

新卒採用担当者の業務負担を限りなく少なくし、なおかつ求める即戦力人材をスカウトできます。

リファラル採用

リファラル採用とは、社員に優秀な知り合いを紹介してもらう採用手法です。

社員からの紹介という点では縁故採用・コネ採用と同じです。

しかしリファラル採用では社員との関係性のみでは採用せず、通常と同じレベルの選考を行うことが特徴です。

人材紹介やダイレクトリクルーティングは求める人材にアプローチできる点が長所ですが、優秀な人材には多くの声がかかるため埋もれてしまう可能性があります。

リファラル採用の場合は、求人媒体に登録しておらず、競争率は低いのに優秀な即戦力人材を獲得できる可能性が高いです。

また、社員と学生が知り合いであれば、会社の雰囲気や働き方を伝えやすいです。

そのため会社に好印象を抱きやすく、ミスマッチも起こりにくい利点があります。

【参考】新卒でリファラル採用を行うメリットとその方法とは?

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新卒の即戦力採用ならMatcherScoutがおすすめ!

「新卒採用で即戦力を採用したいけど、どの媒体を使えば良いのか分からない・・・」

「優秀な学生に効果的にアプローチできる媒体を知りたい!」

という人事担当者の方はいませんか。

そんなお悩みを抱えている方におすすめなのが、弊社が運営するMatcher scoutです。

Matcher scoutは、新卒採用に特化したダイレクトリクルーティングサービスです。

特徴として

  • スカウト型なので、自社の採用要件に当てはまる優秀な学生にピンポイントでアプローチできる
  • スカウト文の作成から送信、学生とのやり取りまで、すべて弊社に0円で任せられる
  • 完全成果報酬型なので、リスクなく導入できる

といった点が挙げられます。

登録する学生も「社会人にOB訪問をしたい!」という前向きな学生が多いのが特徴です。

詳しいサービス説明については、下記のURLから資料をダウンロード頂ければ幸いです。

無料で簡単な情報を打ち込むだけで、資料がダウンロードできます。

【参考】3分でわかるMatcher Scout

まとめ

新卒採用で即戦力を求めるのはありえないという時代は終わりつつあるようです。

しかしその反面、しっかりと採用手順を考えないと対象学生の母数が少なくなって、会社の為になる採用ができず失敗してしまいます。

会社のビジョンを念頭に置いて、自社における”即戦力とは”の定義付けを行い、採用活動を進めましょう。

その際には、本記事を新卒採用におけるやることリストのように活用していただければ幸いです。