リファラル採用とは?新卒で導入するメリットや報酬、注意点を解説
2024/08/23

自社の社員に友人・知人を紹介してもらい、採用につなげる「リファラル採用」。

中途採用では主流の採用手法ですが、最近では若手社員や内定者の人脈を活用し、新卒採用においてもリファラル採用を取り入れる企業が増えつつあります。採用歩留まりの仕組み化と改善の打ち手の資料ダウンロード

リファラル採用とは?

リファラル採用とは、社内の人脈を駆使して自社が求める人材を採用する方法のことです。

リファラル(referral)は「紹介」という意味を持っており、その名の通り社員による紹介から人材の採用を行います。

企業をよく理解した社員が知り合いを紹介するため、企業にマッチした人材を募集しやすく定着率も高い採用方法です。

新卒におけるリファラル採用の導入実態 

リファラル採用は中途採用で広く利用されている採用手法ですが、近年新卒採用においてもリファラル採用を取り入れる企業が増えてきています。

内定者の友人・後輩や、1〜2年目の若手社員の後輩を紹介してもらい、採用につなげます。

インターン参加者や早期選考の参加者などに同級生の紹介を依頼する企業もあるようです。

リファラル採用を導入する企業が増加している理由

採用は主に求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティングという3つの手法が主流であり、近年リファラル採用を用いる企業が増加しています。

リファラル採用が増えている要因としては、主に2つの要因が挙げられます。

1つは採用後のミスマッチによる早期退職です。

ミスマッチから生じる早期退職には、人間関係の不一致があげられます。

リファラル採用では、社内に精通している社員から実際に働いた上での印象ややりがいなどを包み隠さず伝えることができ、より会社を深く知ることができます。

そのため会社に対しての誤解が生じにくく、ミスマッチが起きにくいという特徴があります。

2つ目は労働人口が減少し、人材確保が以前より困難になっていることです。

人事担当者は求人広告、ダイレクトリクルーティング、人材紹介など複数のチャネルを駆使して母集団形成を行っており、チャネル同士がカニバリゼーションを起こしてしまう場合があります。

このような背景から、リファラル採用を導入する企業が増えてきました。

社員・内定者の人脈を用いることで、今まで母集団形成時にアプローチしていた層と違う層を狙える可能性があるのです。

リファラル採用と縁故採用(コネ採用)との違い

縁故採用やコネ採用と呼ばれる採用方法とリファラル採用は、社員からの紹介という点では同じですが異なります。

縁故採用は、縁や個人的なつながりによる採用を指し「コネ採用」と認識されることが多いです。

一方で、リファラル採用とは、自社の社員や内定者が推薦、紹介することで採用に参加できることを指しています。

リファラル採用と縁故採用の最大の違いは、リファラル採用は「採用要件に満たしている必要があること」です。

縁故採用では、つながりがあれば能力を問わず採用されますが、リファラル採用では、候補者が企業側の採用要件を満たしていなければ採用されません。

新卒においてリファラル採用を活用するメリット

新卒採用でリファラル採用を活用するメリットには以下のようなものがあります。

  1. 採用コストを削減できる
  2. 直前のキャンセルなどのリスクを減らせる
  3. ミスマッチを予防できる
  4. 組織活性化に繋がる
  5. 選考ステップを減らすことができる

詳しく見ていきます。

① 採用コストを削減できる

ナビ媒体などの求人広告や人材紹介、ダイレクトリクルーティングなどの採用手法は掲載や代行依頼に料金がかかります。 それに比べてリファラル採用は社員や内定者の人脈を使った採用のため、候補者の母集団形成に採用のコストがかからないという特徴があります。

リファラル採用では紹介してくれた社員・内定者に報酬を支給することが一般的ですが、それを加味しても他の採用手法に比べて費用は安く済みます。

②直前のキャンセルなどのリスクを減らせる

新卒採用において、多くの企業が抱える悩みの1つが「ドタキャンや無断欠席」です。 学生は社会で働いた経験がないため「企業にとってどれだけ迷惑か」が分からず、ドタキャンや無断欠席を行ってしまいます。 そこで有効なのがリファラル採用です。

リファラル採用では、知人・友人からの紹介であるため「失礼なことはできない」という心理が働き、無断欠席の可能性を抑えられます。

また自社の社員から定期的に連絡を入れると、より無断欠席といったリスクを減らすことにつながるでしょう。

③ミスマッチを予防できる

リファラル採用で集まる候補者は、紹介者から事業内容や社風など、さまざまな情報を聞いています。

そのため、企業に対する理想と現実のギャップがなく、早期離職に繋がりにくいという特徴があるのです。

また、採用された場合に社内に知り合いがいるため、人間関係になじめずに早期離職する可能性も軽減できます。

④組織活性化につながる

社員・内定者が自社の働き方や業務内容、魅力を候補者に発信する過程で、自身のキャリアや働き方を見つめ直すきっかけとなります。

そのため、社員のエンゲージメントを高めることができて活性化した組織作りに繋がります。

⑤選考ステップを減らすことができる

選考ステップを減らすことができる、というのもメリットの1つです。 というのも社員・内定者から推薦を受けた人物であれば、一定以上の能力を保持していると考えられるからです。

「応募者が多すぎて選定に時間がかかりすぎている・・・」という場合は、リファラル採用の導入を検討してみるのはいかがでしょうか。

新卒においてリファラル採用を活用するデメリット

新卒採用でリファラル採用を活用するデメリットには以下のようなものがあります。

  1. 紹介者と応募者の人間関係への配慮が必要
  2. 内定者への認知と協力がないと上手くいかない
  3. 人材が偏る可能性がある

詳しく見ていきます。

① 紹介者と応募者の人間関係への配慮が必要

リファラル採用で応募してきた候補者が不採用になった場合、紹介した側・された側の人間関係に配慮してケアを行う必要があります。

また、紹介者の退職に伴い紹介された側も退職を検討するといった弊害にも注意が必要です。そのため、リファラル採用で選考を行う場合は、採用の進め方や採用後の人員配置に配慮する必要があります。

②内定者への認知と協力がないと上手くいかない

リファラル採用は他の採用方式と異なり、社員・内定者が人事の役割を担って候補者の母集団形成を行うため、社員・内定者の主体性が求められます。

また、企業が求める人物像を社員が正確に把握していない場合、ミスマッチが起こりやすく、人事側に余計な手間をかけてしまう可能性があります。

そのため、採用要件や採用基準、選考方法については日頃から社員・内定者へ周知を行い、情報をアップデートしましょう。

リファラル採用に関する告知がメールやチャットのみでは協力を得にくいため、 口頭で説明し告知を行う機会を設けましょう。

③人材が偏る可能性がある

リファラル採用では社員・内定者の人脈を駆使するため、能力や性格、素質が似ている人が集まりやすいという特徴があります。

特に新卒採用では、経験ではなく人格や志向といったポテンシャルを重視した採用を行うため、若手社員や内定者と似ている人材が集まりやすい傾向にあります。

そのため、リファラル採用を行う際には『どんな人を採用したいのか?』という求める人物像を社内のメンバーと見比べ、リファラル採用で獲得できるのかを検討するようにしましょう。

新卒でリファラル採用を導入すべき企業の特徴

では、実際にどのような企業が新卒においてリファラル採用を導入すべきなのでしょうか。

リファラル採用の導入に向いている企業の特徴は以下の通りです。

  1. 採用にかかる費用を安くおさえたい
  2. 既存社員のエンゲージメントが高い
  3. 新卒の早期離職に悩んでいる

特徴①採用にかかる費用を安くおさえたい

社員や内定者の人脈を使った採用のため、掲載費用などがかかるナビ媒体などと比べて比較的安価に行うことができるリファラル採用。

「採用にかかる費用をおさえたい」というニーズを持っている企業に適しているといえるでしょう。

一方で、リファラル採用で一定の母集団を形成できるようになるにはある程度時間がかかるため、「今すぐに◯名採用したい」というニーズがある企業にはあまり向いていない採用手法かもしれません。

特徴②既存社員のエンゲージメントが高い

リファラル採用を成功させるためには、既存社員の協力が欠かせません。

「自社で働くのは面白い」「自社のことを知人にも紹介したい」と既存社員が思えていなければ、リファラル採用で社員の知り合いを紹介してもらうことは難しいでしょう。

リファラル採用のインセンティブは、紹介のための動機付けではなく、紹介に対するお礼にすぎません。日頃から社員のエンゲージメントを高める施策を行っている企業だと、既存社員に候補者を紹介してもらいやすいためリファラル採用が成功しやすいです。

▼既存社員のエンゲージメントを高める要因

  • ビジョン、理念が浸透している
  • 成長機会がある
  • 当事者意識が醸成されている
  • 福利厚生が整っている
  • 働く環境が充実している
  • 風通しの良い組織風土
  • 給与水準が高い

特徴③新卒の早期離職に悩んでいる

リファラル採用は、自社の社風やビジョンを理解している社員から求職者が紹介されるため、初めから自社にマッチする人材が集まりやすいです。そのため、ミスマッチによる入社後の早期離職が起こりにくく、定着率を高める効果が期待できます。

採用コストを抑えつつ、自社にマッチした人材を集めたい企業にとって、リファラル採用の導入は効果的だといえます。

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【比較表あり】リファラル採用にかかる費用相場は?

採用コストがかかりにくい点がメリットに挙げられるリファラル採用ですが、実際の費用相場はどれくらいなのでしょうか。代表的な採用手法4つと比較しながら見ていきましょう。他の採用手法と比較しながらリファラル採用の費用相場を示した画像リファラル採用にかかる費用は、学生を紹介してくれた社員に対して設ける報酬(インセンティブ)分のみで、それ以外は0円です。採用にかかる費用面にのみ注目すれば、リファラル採用は最適な手法といえるでしょう。

リファラル採用に必須の報酬制度とは|内定者への報酬はどうする?

採用コストを抑えつつ、マッチ度の高い人材に出会えるリファラル採用ですが、成功させるためには、人材を紹介してくれた内定者に対して報酬(インセンティブ)の設定が重要です。

ここからは、インセンティブの相場やインセンティブを設ける際の注意点について詳しく解説していきます。

リファラル採用の報酬(インセンティブ)とは?

インセンティブとは、別名紹介報酬制度と呼ばれます。リファラル採用を導入している企業の80%以上がインセティブ制度を設けているという調査結果があります。

中途採用では、リファラル採用を通して採用が決定した際に一人あたり数万円〜20万円の報酬を支給している企業が多いです。

企業の難易度、職種によってもインセティブは大きく異なります。インセンティブの相場、設定方法も以下の段落にて紹介しています。

採用決定時だけではなく、応募を獲得した際に金銭以外のインセンティブを設けている企業もあります。例えば、「ソーシャルギフト」や「自社サービスの割引券」などが挙げられます。

内定者からのリファラルに対する報酬

内定者からの紹介の場合、上記のように給与という形で報酬を支給することは難しいため、別の形で報酬制度を設けるとよいです。

紹介者に対してはギフト券やランチ会への招待、候補者に対しては選考フローの短縮や特別イベントへの招待など、紹介者・候補者双方にメリットを提示しましょう。

リファラル採用における報酬(インセンティブ)の相場

社員にインセンティブとして現金を支給する場合、相場は1万円〜30万円ほどです。

1万円から9万円の会社が多いですが、インセンティブがない会社や、30万円以上支払っている企業など幅広く存在します。

採用課題別!報酬・インセンティブの設定方法

リファラル採用における報酬・インセンティブは、どの様に設定すればよいのでしょうか。

以下では、具体的なインセンティブ額の設定方法を採用課題別に紹介します。

課題①:リファラルでの紹介数を増やしたい

「紹介数をとにかく増やしたい」という場合は「応募があった時点で紹介者にインセンティブを与える」という方法が効果的です。

しかし紹介数を増やそうとしすぎると、候補者の質が下がる可能性があるため、注意しておく必要があります。

課題②:リファラル採用入社の離職率を下げたい

「リファラル採用で入社した社員の離職率が高い」という場合は、企業とのマッチング不足が原因です。

「インセンティブを支払った後に、リファラル採用で入社した社員が辞めてしまった」という辞退を防ぐためには、入社後○カ月以上経過したらインセンティブを支給といった条件を付けるのがよいでしょう。

課題③:リファラル採用で即戦力の社員を採用したい

「専門性の高い社員を採用したい」「自社ですぐに活躍できそうな人材が欲しい」という場合は、採用要件に合わせてインセンティブを設定するというのがおすすめです。

例えば 営業職で3年以上経験がある人を紹介した場合は○○万円、 5年以上経験がある人の場合は○○万円 という形がこれに当てはまります。

他にも「エンジニアであれば○○万円」「マーケティング職であれば○○万円」というように、職種ごとで分ける方法もあります。

リファラル採用の報酬設定時の注意点

リファラル採用の報酬設定時には、その報酬設定が違法にならないか注意する必要があります。

本来、人材紹介事業は国の認可がなければ行うことができません。

リファラル採用でインセンティブを支払うということは、有料で社員に人材を紹介してもらうということです。

そのため、国の認可がない状態で社員に紹介料を支払うと、違法になってしまう可能性があるのです。

では法律に抵触することなくインセンティブを導入するためにはどうすればよいのでしょうか。 解説していきます。

就業規則や賃金規程に記載する 

国の認可がない状態で「人材を紹介する」ことだけに対してインセンティブを支払うと、違法になってしまうことがあります。

そのため「リファラル採用は社員の業務の一環であり、給料の一部としてインセンティブを支払う」ことで、法に触れることなくインセンティブを支払うことができます。

就業規則や賃金規程には、リファラル活動は社員の業務の一環であることを示し、「リファラル採用のみにインセンティブを払っているわけではない」という旨を記載しておくようにしましょう。

【関係法律】
<有料職業紹介事業の許可>第三十条 有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

<報酬の供与の禁止> 第四十条 労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

【出典】厚生労働省 職業安定法

<労働条件の明示>第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

【出典】厚生労働省 労働基準法

報酬(インセンティブ)を高額にしない

インセンティブが高額すぎると、「人材紹介を行った」と解される可能性があります。

そのため、インセンティブはあまり高く設定しすぎないことが重要です。

具体的には「エージェントより低い金額」に抑えるのがよいでしょう。採用歩留まりを改善する方法の資料ダウンロード

リファラル採用の運用方法と全体のプロセス

リファラル採用を運用する際の流れは以下の通りです。以降の見出しで紹介されるリファラル採用の流れが箇条書きされた画像

手順① リファラル採用の選考フロー設計

採用要件・採用基準の設定

まずはどんな人を採用するのかを明確化しましょう。 その際は、社員への周知も前提に具体的にどういう人物を採用したいのか、ということを言語化すると周知がしやすくなります。

目標設定

リファラル採用の効果を後で検証できるような目標設定をしましょう。

例えば、紹介数とリファラル採用での内定数、内定承諾数の目標を設けることで、どの段階での目標人数が不足しているのかを明確にできます。

選考フローの設計

リファラル採用の選考フローを設計する際は、

  • 他の選考ルートと比べて簡略化できる点
  • 選考以外に候補者と接する機会を設けるかどうか

を明確にして選考の流れを考えましょう。

役割分担

リファラル採用では、人事担当者だけでなく社員全体が採用に関わるため、社員と人事の役割を明確にしましょう。

例①:
【社員】人事と接点を作るところまで
【人事】企業の詳しい説明~面接

例②:
【社員】企業の詳しい説明を行い、面接に応募してもらうまで
【人事】面接

手順② リファラル採用のルールと目標の社内告知

リファラル採用制度の設計を行った後に、社員が率先して紹介してくれるような仕組みづくりを行いましょう。 具体的には、リファラル採用制度の詳細を社内に周知することが必要です。

特に、社員に伝える際はリファラル採用の期間・募集人数・募集要項に加えて、具体的にどのようなスキル・経験を持った人材を求めるかを明確にして伝えましょう。

手順③ 目標と実績の検証

リファラル採用を①で設定した目標を基に定期的に振り返り、検証することで課題を洗い出して改善していきましょう。

課題を洗い出す際は、実際にリファラル採用を行った社員にヒアリングをすることも効果的です。

手順④ 選考フローの見直し

③の検証をもとに選考フローを見直しましょう。

また、リファラル採用自体の見直しと共に他の採用方法との費用対効果も比較し、採用手法全体から効果を判断できると良いでしょう。

もしリファラル採用がうまく行った場合は、成功事例を社内に伝え知見を共有できる環境作りも進めることをおすすめします。

手順⑤ 事前の情報と人柄や志向に違いがないか確認する

面接の中で、紹介者からもらった情報と違いがないかをしっかり確認しておきましょう。

特に内定者や社歴が浅い社員は、自社の社風や業務内容をよく理解していない可能性が高く、紹介してきた人物が自社にマッチしていない場合があります。

その場合、「自社に合った求職者に多く出会うことができる」というリファラル採用の強みが生かせなくなってしまいます。

そんな事態を防ぐためにも、これまでの経験や志望動機などを深掘りし、人柄や志向が自社にマッチしているか確認しましょう。

手順⑥ 採用後も内定者との交流機会を設ける

リファラル採用で内定通知を出した後も内定者を放置せず、定期的に交流の場を設けるようにしましょう。

具体的には内定者懇親会やインターンシップなどがおすすめです。

【事例】リファラル採用を導入している企業3選

中小企業から大手企業まで、新卒採用でリファラル採用の導入に成功した事例を紹介します。

【参考】株式会社TalentX「リファラル採用の成功事例集『新卒採用編』」

SOMPOシステムズ株式会社

SOMPOシステムズ株式会社では、優秀な内定者のつながりで優秀な学生を紹介してもらうことや、内定辞退を減らすことを目的にリファラル採用を導入しました。

同社は、内定者リファラルのハードルの高さを払拭(ふっしょく)するために、内定者に対してホームページでは見ることができない情報や社内ニュースを配信し、会社をより身近に感じてもらう工夫を行いました。

内定者に会社の理解を深めてもらうことに注力した結果、22卒ではリファラル採用で9人の学生を紹介してもらい、3名内定、2名内定承諾という成果が出ています。

住友ファーマ株式会社

住友ファーマ株式会社では、内定者の入社の決め手が「社員の魅力」と回答した人が60.7%と最も大きかったことから、候補者と多く接点を持てるリファラル採用を導入しました。

まずは研究・開発職に限定してリファラル採用を展開することで、内定者が声をかける基準をわかりやすくしたほか、人事目線は気にせず「内定者自身が良いと思う人を紹介してほしい」ことを伝えました。

結果としてリファラル採用に対するハードルが下がり、内定者経由で50名以上の応募があったそうです。

株式会社ナック

株式会社ナックでは、マッチ度の高い候補者を紹介してもらうことで採用の効率を改善し、人的リソース不足を解決するためリファラル採用を導入しました。

同社は、内定者に対して求める人物像を明確に伝えたうえで、定期的に求人票を更新したり、時期ごとにギフトキャンペーンなどを実施したりしています。

他にも、仕事内容に加えて社内イベントや部活動の様子、営業成績で表彰された人の紹介などを内定者向けに社内ニュースとして配信し、さまざまな角度から自社のファンになってもらえるように心がけました。

その結果、21卒では紹介経由で16名の応募があり、7名が内定しました。

リファラル採用支援サービス3選

リファラル採用のメリットはわかったけど、いきなり自社だけで行うのは大変そう... と感じる担当者の方に朗報です!

リファラル採用をより効率的、より効果的にするために支援をしているサービスがあります。以下で紹介するサービスの企業は、これまでの支援実績が豊富で、それぞれの独自ノウハウをもとにリファラル採用支援を行っています。

MyRefer

MyReferの公式HP画像

リファラル採用に特化したクラウドサービスで、制度設計、運用、採用の成功までを過去にサポートしてきた500社以上の実績からコンサルティングも行っているサービスです。

SNSにも連携しているため、紹介がワンクリックででき、紹介社員の手間を大幅に削減できます。

既に採用管理システムを導入している場合も、応募者情報を採用管理システムに移行して併用できます。

【参考】MyRefer 公式HP

Refcome

Refcomeの公式HP画像

これまでのリファラル採用支援(約850社)のノウハウをもとに、人事経験者、人財業界出身のアドバイザーが、クライアントの問題や状況に合わせてリファラル採用を成功に導くサービスを行っています。

リファラル採用での認知度や、「部門、社員ごとの活動量をデータから可視化し、定量的な分析でボトルネックを把握する技術」「メールやアプリに届く専用ページを友人に転送するだけで紹介が完了する手続きのわかりやすさ」が特徴となっています。

【参考】 Refcome 公式HP

YOUTRUST

YOUTRUSTの公式HP画像

累計登録者数は100,000人を超えているキャリアSNSです。 社員の友人の友人など、SNSで多角的につながることができ、チャット形式でカジュアルなUIのため、気軽にアプローチができます。

また、気になる人をピックアップ・リスト化できるため、的確なアプローチを実現できます。

さらに、ピックアップした人の転職意欲、副業意欲が4段階で事前に確認できるため、相手に合わせたアプローチの方法を考えることが可能です。

【参考】 YOUTRUST 公式HP

新卒リファラル採用を成功させるポイント4選

では、リファラル採用で失敗しないためにはどのような点に注意するべきなのでしょうか。

①紹介のハードルを下げる 

内定者が企業の人事に知人を紹介するというのはハードルが高くなりやすいです。

どんな人を紹介してよいかわからなかったり、そもそも紹介方法がわかりづらい・複雑などの理由で面倒だと感じられることもあります。

紹介方法や条件を明確に示すとともに、紹介方法はシンプルにするとよいでしょう。

初回から選考に呼ぶのではなく、まずは業界研究セミナーや座談会のようなイベントに招待し、そこを最初の接点にすることもおすすめです。

内定者向けに社内の情報を積極的に発信するなど、自社への理解や愛着を深めてもらえるような工夫をすることで、内定者の当事者意識を醸成することも有効です。

②紹介者のメリットを提示する 

積極的にリファラル採用に協力してもらうためには、紹介者・候補者にとってメリットとなる報酬制度(インセンティブ)を設けると良いでしょう。

報酬制度を設けることで、内定者が自社にとって良い人材を紹介しようという動機づけになるため、リファラル採用を促進することができるためです。

報酬の設定方法・設定時の注意点については上の章で解説したので、ぜひ参考にしてください!

報酬制度とは、リファラル経由で採用が決まった際に、紹介者に対して報酬を支給する制度です。

報酬制度については後ほど詳しくご説明します。

③採用要件をしっかり伝える 

せっかく内定者・社員に人材を紹介してもらっても、その人材が採用したい人材像にマッチしていなければ採用につなげることはできません。

そのような事態を防ぐために、募集している職種の採用ターゲット像や採用要件を内定者・社員にしっかりと伝えることが重要です。

スキルや学生時代に学んできた分野はもちろん、志向性や人柄などについても基準を設けて伝えることで、よりイメージがつきやすくなります。

④紹介してもらう時期は7月頃から

紹介の依頼は早期からスタートしましょう。

学生は冬頃までに志望業界や志望企業を絞ることが多いため、それよりも前の時期に候補者と面談の機会を設けることで自社を志望してもらいやすくなります。

若手社員や内定者に後輩を紹介してもらう場合は、7月頃から紹介の依頼を行うとよいでしょう。3分で分かるMatcher Scoutの資料ダウンロードを喚起する画像

リファラル採用とその他採用手法を比較

リファラル採用が魅力的なことはもちろんですが、この他にも採用手法の種類は豊富です。 自社の認知度や、求める人材、その人数に応じて、効果的な採用手法は異なります。

そのため、いくつかの採用手法を俯瞰(ふかん)してみて、比較検討することが大切です。 以下に各採用手法の特徴をまとめた表を添付しますので、参考にしてください!採用手法の特徴比較表

おわりに

いかがだったでしょうか。 今回は社内の人脈から求める人物像を採用する、『リファラル採用』についてお伝えしました。

ぜひ他の採用手法と比較しながら、リファラル採用を運用を検討してみてください。