「入社後すぐに辞めてしまったらどうしよう…」
「オンライン面接で、相手のことを見極められているか不安…」
「面接時と内定後の印象が全然違う…」
採用のミスマッチは、学生にとっても企業にとっても不利益なことばかりです。
せっかく労力をかけて採用しても、早期離職してしまったら努力が水の泡。
本記事では、ミスマッチが起きる要因や、採用面接時や内定フォロー時にできるミスマッチ対策などをご紹介します。
内定辞退の多さに悩んでいる採用担当者様は、以下の記事もご参照ください。
【参考】内定者懇親会ではいつ何をすべき?企画例5選を交えて紹介します!
【参考】【オンラインあり】内定者フォローの面白い企画事例からコツまで紹介
新卒採用でミスマッチが起こる原因とは?
新卒採用でミスマッチが起きる原因は様々ですが、主に以下のようなことが考えられます。
学生が魅力に感じる企業の良い側面ばかり強調している
説明会などで、ついつい自社の良い側面ばかりをアピールしていませんか?
学生の志望度を高めたいが故に良い面をアピールしがちですが、それでは逆効果の可能性があります。
入社を検討するにあたり、どんな企業なのか良い面も悪い面も知りたいと学生は思っています。良い側面だけでなく、自社の実態を伝える必要があります。
適性検査や試験が形式的で、面接時の印象で合否判断されやすい
面接ではコミュニケーションや性格などを判断しやすいです。
一方で、学生の思考やスキルなどを判断するには、面接ではなく適性検査や試験を用いる方が判断しやすいでしょう。
面接で好印象、コミュニケーションも取れる学生だったとしても、学生の思考やスキルが企業の求める基準に達していない場合、入社後に活躍するのは難しいでしょう。
また、企業の価値観にフィットするかどうかも見るべきポイントです。
形式的に適正検査や筆記試験を行うのではなく、見極めるポイントを明確にして実施し、面接と検査や試験で総合的にマッチするかどうかを確認しましょう。
オンライン面接の影響で、お互いの雰囲気が分かりにくい
コロナ禍ということもあり、オンラインでのリモート面接を導入している企業も多いでしょう。
オンライン面接は、自宅から面接に臨めるという点で非常に便利ですが「会社の雰囲気が掴みにくい」「対面の場合よりも学生の印象が伝わりづらい」といった問題もあります。
実際「オンラインで面接をした時と、実際にあった時で学生の印象が全く違った」といった事態も発生しています。
一見便利なオンライン面接ですが、ミスマッチの原因の1つとなることもあるため「最終面談のみは対面で行う」といった対策を行いましょう。
就活が早期化している影響で、学生の準備が充分にできていない
就活が早期化していることも、ミスマッチが起きる原因の1つとされます。
というのも、学生が就職活動を早くから行う場合、業界研究や企業研究が充分に行われていないことが多いためです。
学生による、業界研究や企業研究が充分になされないまま入社先を決めてしまうと、「思っていた会社と違った」といったミスマッチが起きてしまう確率が高くなります。
この場合は、業界や企業に関する説明を入社前に行い、学生の認識にズレがないようにすることが重要です。
入社前のフォローが不十分
学生が内定承諾をしてくれた後に連絡が不足していませんか?入社前に十分なサポートができなかったことで、不安を解消できずに早期退職となってしまうケースもあります。
また、入社後に感じるギャップはほぼ必ず発生するといっていいでしょう。
入社後に感じた不安や悩みについてもしっかりヒアリングし、ケアできる環境を整えるべきです。
入社前・入社後に抱えやすい不安や悩みは、事前に取り除く対策を取ることが重要です。
就職後にミスマッチが発生しやすい事例について紹介します
「ミスマッチが起きる原因は分かったけど、具体的にどんな場合にミスマッチが発生したのか知りたい」という方も多いでしょう。
ここでは、実際にミスマッチが発生した事例を5つ紹介します。
【事例①】残業時間や給与など待遇面
ミスマッチが発生する原因としてまず上がるのが「残業時間や給与」といった待遇面への不満からです。 特に
- 選考中は残業が少ないと聞いていたのに実態は違った
- 残業代が全額支払われない
- 希望勤務地と異なる場所に配属された
- 配属された部署が希望した部署と異なった
といった場合に、ミスマッチは起こりやすいです。
【事例②】企業風土と学生のミスマッチ
次に原因として上がるのが「会社の風土と学生の性格が合わなかった」というケースです。
例えば、若いうちから役職について行きたい学生が、年功序列の会社に入社してしまうと、企業風土と学生の志向が合わずミスマッチが発生してしまいます。
【事例③】上司・先輩社員と性格の不一致
また新卒社員と上司・先輩社員の相性も非常に重要です。
というのも、新卒は社会人としての知識・経験がなく、多くのノウハウを直属の上司・先輩社員から教えられるためです。
つまり「この会社で働いていきたい」と新卒社員が思うかどうかは、直属の上司・先輩社員によって決まることが多いと言えます。
上司・先輩社員との関係で会社をやめる若手を減らすためには、「人事部と各部署が連携を取り、学生の性格にあった上司・先輩社員がいる部署に配属する」ことが欠かせません。
【事例④】採用した新卒のスキルが想定より低かった
「入社した学生のスキルが、採用時に想定したより低かった」「現場が必要としているスキルと学生の持つスキルが違った」といったことも、ミスマッチが起きる原因の1つとして挙げられます。
この場合のスキルは「積極性やコミュニケーション能力、考え抜く力」など、ソフト面のスキルを指すことが多いです。
面接において学生は、自分をアピールすることに力を入れるため、その人の本当の姿と実際が異なっている可能性もあります。
学生が求めているスキルに達していないと、学生・企業双方にとってデメリットのため、細心の注意を払って選考を行いましょう。
【事例⑤】新卒の性格面での問題
「遅刻が多い」「誤字脱字など基本的なミスが目立つ」といった場合は、採用した新卒の性格面に問題があると言えるでしょう。
指導すればなおるケースもありますが、教育には手間とコストがかかるため、「性格面で問題を起こしそうな学生は採用しない」ことが重要です。
性格面で学生を見極める基準としては、
- 提出された履歴書に誤字・脱字がないか
- 面接時の服装は整っているか
- 説明会やインターン等に無断欠席していないか
などに着目するのがよいでしょう。
新卒採用のミスマッチが起こる際の企業側デメリットは?
新卒採用のミスマッチは、企業側に様々なデメリットがあります。
例えば、以下のようなデメリットが生じます。
- 採用に掛かったコストが無駄になる
- 自社に対するイメージ悪化の懸念
- ノウハウが貯まらず生産性が低下する恐れ
採用に掛かったコストが無駄になる
採用には、様々なコストが掛かっているはずです。
例を挙げると
- 退社までに払った給与
- 外部の採用サービスに払った費用
- 教育のために使った人的コスト
- 社員を補充するために使う採用コスト
など、様々なコストが掛かっていることでしょう。
多額の費用と時間をかけて採用した人材が、ミスマッチで早期退職をしてしまうと、かけたコストが無駄になってしまいます。
1名の社員が3カ月以内に退職した場合、約187万円の損失になるというデータもあります。
自社に対するイメージ悪化の懸念
学生の中には「離職率の高い会社=ブラック企業」という認識を持っている人が少なくありません。
そのため離職率が高いと、学生から敬遠されてしまい、母集団形成に悪影響を及ぼす可能性があります。
ノウハウが貯まらず生産性が低下する恐れ
離職率が高いと、業務に関するノウハウが蓄積できず、生産性が低下する可能性があります。
業務知識のない新人が毎月入れ替わりで入社するような形だと、1人1人に対し充分な教育が行えません。
短期的に見ると、採用のミスマッチで生産性が落ちるというのはイメージしづらいと思いますが、中長期的には経営に関わる大きな問題になってきます。
ミスマッチを解消するための対策を8点紹介します
1、自社についてメリット・デメリットの両方を事実として伝える
説明会や座談会などのイベントでは、悪い面もしっかり伝えてあげましょう。
両面を伝えることで学生の不安を取り除けるだけでなく、新卒採用に真摯に向き合ってくれている姿勢を感じ取ることができます。
悪い側面を伝える場合は、その課題解決に向けて実施している(実施予定の)対策の説明も添えましょう。
「悪い面として●●が課題となっているが、解決に向けて◯◯という制度を開始した」などと説明すると、学生の不安をより払拭できるはずです。
2、採用プロセスを変更する
ミスマッチを減らすために、そもそも今までの採用プロセスを見直すことも効果的です。
- 新卒採用計画(時期・職種・人数・利用サービスなど)
- 求める人物像(地域・学歴・性格・スキル・スタンスなど)
- 採用フロー(選考や試験のタイミング、説明会の形態など)
- 選考方法(面接と筆記試験での見極めるべきポイント・面接官・質問内容など)
上記の内容は、最低でも新卒採用年度が切り替わるタイミングで振り返ってみましょう。
3、採用担当者間で情報共有を密に行う
採用担当者間で、情報共有を密に行うことも重要です。
書類審査や各面接後に「面接をした学生の強みと弱み」「どの部署なら適性がありそうか」などを、採用担当者同士で確認しておきましょう。
他の採用担当者が面接を行っている学生の特徴を知ることで「採用すべき学生は、どんな学生か」が見えてくるようになるでしょう。
4、今いる社員の性格診断を行う
「自社にいる社員の特徴を知る」という観点で、在籍している社員の性格診断を行うことも効果的です。
在籍している社員の性格に近い学生を採用することができれば、性格面・社風面でのミスマッチが起きにくくなるでしょう。
5、工夫した質問を用意し、候補者について理解する
採用面接では企業が質問し学生が回答しますが、質問内容は「学生が企業で活躍できるかどうか」「利益を出せるかどうか」を確認するものがほとんどだと思います。
それらの質問に比べると、学生がどんな価値観を持っているかを確かめる質問は案外少ないのではないでしょうか?
- どんな時に喜びを感じるか
- どんな時にモチベーションが高まるか
- ストレスを感じたエピソード
- 辛くても頑張れたエピソード
など、学生の価値観に触れる質問をし、学生の考え方が自社とフィットするかどうかを確かめて合否判断の参考にしましょう。
新卒採用の際「どんな質問をしたらよいのか分からない」という方も多いでしょう。 そんな方には、下記の記事がおすすめです。
【参考】【質問例あり】学生の話を深める!面接で本質を見抜くポイントを解説
6、OB・OG訪問を受け入れる
OB・OG訪問を受け入れることも、ミスマッチを防ぐ重要な手段です。
そもそもOB・OG訪問は「大学の先輩や知人の紹介で社会人に直接会い、実際に働いている人の話を聞くことで企業の理解を深める」ことを目的として行われます。
新卒採用を行うのは人事部ですが、新卒の多くは別の部署に配属されることが多いでしょう。 「人事部の社員さんを見て会社に入りたいと思ったけど、配属された部署の雰囲気が全然違った」といったミスマッチも頻発します。
そのため「実際に働いている人はどんな人なのかを知る」という意味で、働く人に会えるOB訪問は非常に重要なのです。
またOB・OG訪問は学生が企業を深く知れるだけでなく、企業が学生を知るためにも有効です。
「新卒採用のミスマッチが頻発してしまう・・・」という場合は、OB・OG訪問の実施を検討するのもよいでしょう。
7、内定者インターンシップを実施する
「働いてみるとこんな業務だとは思わなかった」「仕事の進め方が想像と違いすぎる」などといった声が多い場合は、内定者インターンシップを行うことがおすすめです。
業務内容は部署ごとに異なるため全てを紹介することは難しいかもしれませんが、会社を代表する部署の業務内容や仕事の進め方を体験できる体験会やコンテンツを用意することは可能でしょう。
学生は、日々の業務内容や仕事の進め方を知る術がありません。実際に触れて理解度を深めることで、学生とのミスマッチを防ぎましょう。
8、内定者懇親会を実施する
内定承諾後から入社までは、社員と内定者同士の懇親会などを行い、会社・社員の雰囲気が理解できる機会を積極的に設けましょう。
また懇親会以外でも、メールや電話で内定者と話す機会を作るなど、コミュニケーションの場を作っていくことが重要です。
「内定者に対しどんなフォローをしたらよいのか分からない」という方は、下記の記事をご覧ください。
【参考】学生が求める内定者フォローとは?ポイントごとの実例もご紹介!
面接でミスマッチを防止できる!?
ここまで本記事を読んで頂いた人事担当者の方の中で、
「様々ミスマッチの防止施策があることは分かったけど、結局どれがいいのか分からない・・・」
という方はいませんか。
そんな方におすすめなのが、
「面接にてミスマッチを防止する」施策です。
面接は、採用を行うすべての企業が実施するでしょう。
その面接の中でミスマッチを防止することができれば、別途工数を掛けることなく、ミスマッチを防止することが可能です。
ここでは、面接でミスマッチを防止するための方法を紹介していきます。
自社に対する志望度を聞く
ミスマッチを防止するには、学生の自社に対する志望度が重要です。
志望度が本当に高い学生であれば、入社後に挫折や困難な状況を経験しても、乗り越えられるでしょう。
一方「○○業界であればどこの会社でも良い」という学生は、自社への志望度が高くないため、入社後に挫折を経験すると「何か思っていたのと違う」と、退職に至る可能性が高くなります。
自社への志望度を測るために、
- 弊社に対する印象を聞かせてください
- 弊社の社員と話したことはありますか
- 競合他社ではなく、なぜ弊社が第一志望なのですか
といった質問をしましょう。
上記のような質問に対する回答から、自社に対する志望度を測ることができます。
面接の前に説明会を実施する
先ほど、ミスマッチを防ぐためには、面接で志望度を測るのが重要と紹介しました。
ただ、面接の場でいきなり「なぜ弊社を志望しているのですか」と質問しても、就業経験のない学生は、明確な理由を答えられないケースが多いでしょう。
そのため、 説明会や座談会などを通じて、自社の情報を学生に与えることが重要です。
しっかりと事前に自社の情報を伝えることで、その会社に本当に入社したいのか明確にした上で選考に臨むことができます。
説明会や座談会は、学生の自社に対する志望度を上げるために、効果的です。
下記にて、効果的な座談会の開催方法について紹介したので、併せてご覧ください。
【参考】【必見】座談会の進め方のコツ6選│新卒採用成功に繋げる秘訣とは
コンピテンシー面接を活用する
面接でミスマッチを防止するために「コンピテンシー面接」を活用するのもおすすめです。
コンピテンシー面接とは、 自社内で成果を残している従業員の行動・思考パターンを数値化し、そのデータを基に求職者を判断する面接手法です。
つまり「社内で活躍している社員に近い人材を採用できる」面接手法と言えます。
面接時の印象や雰囲気ではなく、具体的な指標を基に学生を判断できるため、面接官ごとの評価基準のブレがなくなります。
コンピテンシー面接については、下記の記事にて、かなり詳しく紹介しています。
気になる方はぜひご覧ください。
【参考】【簡単】コンピテンシー面接を徹底解説!質問例・評価シート例あり
【衝撃!】新卒の30%が3年以内に離職している!?
ミスマッチが発生している企業の多くは「コストをかけて採用したのに、すぐにやめてしまう・・・」「離職率が高く困っている」といった悩みを抱えているでしょう。
では、新卒で就職した人の離職率は平均でどのくらいなのでしょうか。
厚生労働省による2017年度(平成29年)卒を対象した調査を基に、3年以内の離職率を記載しました。
<事業規模別3年以内の離職率>
従業員数 30人~99人 40.1%
従業員数 100人~499人 33.0%
従業員数 500人~999人 29.9%
従業員数 1000人以上 26.5%
【参考】厚生労働省『新規学卒者の事業所規模別・産業別離職状況』
上記のデータからも分かるように、多くの企業では30%近くの新卒が3年以内に退職しています。
こちらの数値は業界によって異なるため、自社の離職率は業界の平均に比べて高いのか低いのかを把握してから、対応すべきかどうかを決めましょう。
ミスマッチを防止するにはMatcherScoutがおすすめ
「ナビ媒体を使っているけど、自社にマッチした学生からの応募が集まらない・・・」
「採用担当者が少ないため、工数を削減したい・・・」
という方はいませんか。
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特徴として
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おわりに
新卒採用では入社のタイミングが4月であることが多く、ミスマッチが生じて早期退職となった場合にすぐに欠員を補充することは難しいです。
ミスマッチによって採用コストが無駄にならないよう、上記の対策を実施してみてください。
(オススメ記事) 採用面接官必見!効果的な面接の進め方とは?