ポテンシャル採用とは?新卒採用との違いや成功させるコツを解説
2026/03/19

労働人口の減少によって人材獲得競争が激化している近年、採用市場は新卒・中途ともに売り手市場です。特に即戦力人材の採用が難しくなっている中で、経験やスキルは少なくても潜在能力の高い若手を採用する「ポテンシャル採用」を導入する企業が増えています

この記事では、ポテンシャル採用が注目されている背景やメリット、成功させるポイントについて解説していきます。

ポテンシャル採用とは?

ポテンシャル採用とは、求職者を「現在のスキル」ではなく「潜在能力」で評価する採用手法です。新卒・中途問わず将来性を考慮して求職者を選考するため、中途採用であっても経験のない職種・業界で採用になる可能性があります。

特に近年ではエンジニア不足が問題となっているため、IT業界では人手不足解消のためにポテンシャル採用が実施されるケースが多いです。

ポテンシャル採用の目的は?

ポテンシャル採用の目的は「潜在的能力が高い若手人材の確保」です。

中途採用における即戦力人材の獲得競争が激化している現在、将来的に活躍してくれそうな若手を採用して自社で育成する企業が増えつつあります。

若手の採用といえば新卒採用のイメージが強いかもしれませんが、新卒採用でも売り手市場が長引いており、採用の難易度は高いと言えるでしょう。ポテンシャル採用が注目された背景については後ほど解説します。

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ポテンシャル採用は何歳まで?

ポテンシャル採用には、明確な年齢制限はありません。そのため、30代や40代を対象にポテンシャル採用を実施している企業も存在します。

しかし、一般的には「第二新卒」とよばれる20代前半〜中盤にかけての求職者が対象となるケースが多いようです。

ポテンシャル採用と新卒・中途採用の違い

ここではポテンシャル採用と新卒・中途採用の違いについて解説します。

  新卒採用 中途採用 ポテンシャル採用
対象者 大学生・大学院生・専門学生など 年代を問わない 20代〜30代の若手が中心
採用形式 4月または9月に入社する「一括採用」 1年中採用活動を行う「通年採用」 1年中採用活動を行う「通年採用」
評価基準 将来性や潜在能力が評価される スキルや実務経験が評価される 将来性や潜在能力が評価される

ポテンシャル採用と新卒採用の違い

両者の違いは以下の通りです。

<新卒採用>

  • 対象者は新卒(大学を卒業見込みの学生・卒業後○年以内の人)のみ
  • 4月または9月に入社する「一括採用

<ポテンシャル採用>

  • 年齢制限なし(新卒も含む)
  • 1年中採用活動を行う「通年採用

このように採用の対象や採用活動・入社の時期がポテンシャル採用と新卒採用で異なります。

また、新卒採用であっても通年で採用を行う場合はポテンシャル採用と定義されることがあります。新卒採用がなかなか上手くいかないという企業は、ポテンシャル採用を導入することで、若手採用の間口を広げることも考えてみてください。

ポテンシャル採用と中途採用の違い

中途採用は即戦力としての活躍を期待されることがほとんどである一方、ポテンシャル採用は即戦力にはならないことを前提として採用を行います。

<ポテンシャル採用>

  • 20〜30代の若手が対象
  • 将来性や潜在能力が評価される

<中途採用>

  • 年代は問わない
  • スキルや実務経験が評価される

ポテンシャル採用が注目されている背景

では、なぜポテンシャル採用が注目されているのでしょうか。その背景としては以下の2つがあげられます。

ポテンシャル採用が注目されている背景

  1. 少子高齢化により若手人材が不足している
  2. 優秀な人材を採用する機会を増やせる

それぞれ1つずつ解説していきます。

①少子高齢化により若手人材が不足している

1つ目は少子高齢化による若手人材の不足です。将来人口推計を示したグラフ

厚生労働省によると、2070年代には15〜64歳の労働力人口が2020年の7,509万人から4,536万人に減少すると推計されています。

また帝国データバンクの調査では、2026年1月の段階で全体の52.3%の企業が「正社員の不足を感じている」と回答しており、4年連続で半数を超えている実態がわかりました。

このような少子高齢化かつ人手不足の環境の中で、企業は即戦力とはならなくても自社にマッチした人材を獲得する採用手法を模索しています。こうした背景からポテンシャル採用が注目されていると考えられます。

【出典】厚生労働省『日本の人口の推移』

【参考】帝国データバンク『企業の 52.3%が正社員不足 4 年連続で半数超の高水準』

②優秀な人材を採用する機会を増やせる

2つ目は優秀な人材を採用する機会を増やせることです。

新卒採用では応募期間が限られているため、海外留学といった優秀な経歴を持つ学生を採用することが難しいです。また、中途採用では即戦力が求められているため、未経験だがポテンシャルがある人材をとることができません。

新卒採用と中途採用のデメリットを解消できるのがポテンシャル採用であることから、多くの企業で注目されているのです。

ポテンシャル採用を実施するメリット4選

ポテンシャル採用には、以下のようなメリットがあります。

ポテンシャル採用を実施するメリット

  1. 若年層の応募を集めやすい
  2. 挑戦意欲のある学生を集めることができる
  3. ビジネスマナーを身につけた学生を採用できる
  4. 多様性のある優秀な人材を採用できる

それぞれ1つずつ解説していきます。

メリット①若年層の応募を集めやすい

ポテンシャル採用は未経験からでも応募が可能であるため、社会人経験が少ない新卒学生や第二新卒といった若年層の応募を集めやすいです。

若年層の応募が集まりやすいことで、会社の世代交代を進めることができます。若手人材に対して丁寧な教育を実施しておくことで会社の中核を担う人材へと成長することができるでしょう。

また、若手人材の応募増加は会社全体を活性化させることにもつながります。

メリット②挑戦意欲のある人材を集めることができる

ポテンシャル採用は、募集職種や業種に対して高い意欲をもった人材が集まりやすいです。

例えば、「新卒で総合職として入社したものの希望とは異なる部署に配属され、数年の経験を経て一定の自信はついたが、本来挑戦したかった〇〇職への思いを捨てきれず、未経験でも再挑戦したい」と考える求職者は少なくありません。

中途採用では専門的な経験が応募条件に含まれている場合が多いため、なかなかキャリアチェンジが難しいです。一方でポテンシャル採用は未経験であっても応募できるため、上の例であげたような挑戦意欲が高く、明確な目標を持った人材が集まりやすいです。

このように熱意のある人材は、入社後も主体的に業務に取り組む可能性が高く、活躍が期待できます。また、その働きによって社内の士気を高めることにも繋がるでしょう。

メリット③ビジネスマナーを身に着けた人材を採用できる

ポテンシャル採用では、社会人経験のない学生だけでなく、他社で勤務経験がある若手も選考の対象になります。

そんな他社で勤務経験がある若手は「基礎的なビジネスマナー」を知っています。そのため新卒採用のように、1から言葉遣いやメールの送り方などを教える必要がなく、教育コストも少なく済みます。

「毎年4月に新入社員を迎えているが、研修や教育にかけるコストが負担になっている・・・」という場合は、社会人経験のある若手を採用できるポテンシャル採用がおすすめです。

【参考】幹部候補を見極める方法とは?必要な素質や採用・育成するコツを解説|新卒採用ダイレクトリクルーティングサービス Matcher Scout

メリット④多様性のある優秀な人材を採用できる

多様性のある優秀な人材を採用できることも、ポテンシャル採用のメリットです。これまで中途採用では「募集する職種の経験があるか」、新卒採用では「4月に入社ができるか」が重視されてきました。

しかしこのような採用活動では、大学4年生の夏まで海外留学をしていた人や、これまでの職種より未経験業務に適正がある人が、なかなか就職しづらい状況にありました。

ポテンシャル採用は経験よりも潜在能力を重視しており、通年で採用活動を行うため、上記のようなこれまで採用が難しかった優秀な人材を採用することができます。

ポテンシャル採用を実施するデメリット3選

一方、ポテンシャル採用には以下のようなデメリットもあります。

ポテンシャル採用を実施するデメリット

  1. 人材の見極めが難しい
  2. 社員の教育コストがかかる 
  3. 早期退職のリスクがある

それぞれ詳しくみていきましょう。

デメリット①人材の見極めが難しい

1つ目のデメリットとして「人材の見極めが難しい」ことが挙げられます。ポテンシャル採用では応募者は業務未経験の場合が多く、応募者の潜在能力で評価することになります。

したがって、業務適正やマッチングを図る手段としては適性検査や面接が行われることが多いです。

しかし、特に面接では面接官の手腕によって左右されることが多く、偏った評価になりがちです。中途採用と異なる評価基準で対応しなければ、客観的な評価ができず、採用のミスマッチにつながる可能性があります。

ポテンシャルの高い人材を見極める方法については後ほどの章で解説しているので参考にしてみてください。

デメリット②社員の教育コストがかかる

2つ目のデメリットとしては「社員の教育コストがかかる」ことです。

ポテンシャル採用で採用した人材は、社会人として最低限の知識を持っている一方で、実務経験がないことも多いです。そのため入社後すぐの活躍は難しく、期待する成果を残すまである程度の期間が必要になります

また新卒とは別の研修・教育を行わなければならないこともあり、その仕組みを整えるコストも必要です。特にエンジニアをはじめとした専門知識が必要な職種は、研修・教育に時間がかかり、コストが高くなる傾向があります。

デメリット③早期退職のリスクがある

3つ目のデメリットは「早期で退職してしまう可能性がある」ことが挙げられます。

厚生労働省の調査によると、22年卒の就職後3年以内離職率は33.8%であり、新卒学生の約3人に1人が早期離職をしていることがわかりました。

【参考】厚生労働省『新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します』

これは、ポテンシャル採用で入社した人材も例外ではありません。新卒採用ではポテンシャルを見極められず、ミスマッチとなり早期退職となるケースが考えられ、中途採用では、候補者がまた転職や退職をする可能性も考えられます。

ポテンシャル採用を実施する際は、候補者のフォローを徹底して行うように心がけましょう。

ポテンシャル採用を導入するべき企業の特徴

ポテンシャル採用のメリット・デメリットを紹介したところで、ここからは実際にどのような企業が導入するべきなのかについて解説します。

以下の項目にあてはまる企業はポテンシャル採用の導入を検討してみてもよいでしょう。

ポテンシャル採用を導入するべき企業の特徴

  1. 即戦力採用のみでは人材不足を解決できない企業
  2. 新卒の育成に手が回らない企業
  3. 人材の多様化によってイノベーションを生みたい企業

①即戦力採用のみでは人材不足を解決できない企業

「お金をかけて即戦力の人材を募集しているが応募がない・・・」とお悩みの企業は、未経験者に間口を広げてみるとよいでしょう。

もちろん、即戦力の人材を採用できることが理想的ですが、今後は即戦力の人材の採用は、ますます難航していくと考えられます。

状況によっては、時間とコストをかけて即戦力人材の採用に固執するよりは、ポテンシャル採用をスタートして人材を育てたほうが効率的な場合もあります。

②新卒の育成に手が回らない企業

新卒採用を行うと、採用プロセスから新人研修・教育まで、多くの工数が必要になります。特に中小企業では、費用面・時間面の課題から新卒を受け入れる余裕がない場合が多いです。

しかしながら、新卒採用を行わないと従業員の平均年齢が上昇し組織が高齢化してしまうという問題があります。高齢化を放置すると、世代承継性や生産性が下がり、業績が悪化するかもしれません。

ポテンシャル採用であれば、すでに社会経験があり、基本的なビジネスマナーなどが身についている人材を採用することができます。

一から新卒を育成するよりもコスト・期間を軽減できるため、「若手を採用したいけれど、長期間かけて新卒を育成するのは難しい」「育成にかけるコストを抑えたい」という企業にオススメです。ポテンシャル採用を導入することで、新卒採用よりも手間をかけずに組織の若返りを実現できるでしょう。

③人材の多様化によってイノベーションを生みたい企業

組織変革を起こし、新たな価値を生み出したい企業であれば、ポテンシャル採用を積極的に活用していくとよいでしょう。

先にも触れたとおり、ポテンシャル採用には、「将来性・可能性」を軸に求人の間口を広げ、留学経験者や、別業界出身の人材など、多種多様な人材の応募を可能にするというメリットがあります。

【3ステップで解説】ポテンシャル採用の導入手順

では、ポテンシャル採用をどのように採用活動に導入していけば良いのでしょうか。ここではポテンシャル採用の導入手順について以下の3つのステップで解説します。

ポテンシャル採用の導入手順

STEP1:求める人物像を明確にする
STEP2:ポテンシャルを見極められる評価基準を定める
STEP3:評価したい項目に合った選考を実施する

STEP1:求める人物像を明確にする

ポテンシャル採用では、「どのような人材がポテンシャルが高い人材であるか」を明確に定義する必要があります。その際に求める人物像を明確にすることがおすすめです。

求める人物像は会社で活躍できる人材のことを指す場合が多く、ポテンシャルが高い人材と共通しています。求める人物像を明確化する際には採用関係者や現場社員などにヒアリングを実施し、求める人物像に認識のズレがないかを確認しておくと良いでしょう。

STEP2:ポテンシャルを見極められる評価基準を定める

続いて、ポテンシャルを見極める際の評価基準を定めていきます。この際、採用を担当する人の主観が入らないような客観的な指標を作成することを心がけましょう。

例えば、「自ら考えて行動できるか」という評価軸を設定した時、以下のような評価基準を立てることができます。

評価 内容
5(ポテンシャルが高い) 指示がなくても自ら課題を見つけ、周囲を巻き込んで解決まで行動できる。
4 決められた枠組みの中で「もっと良くしよう」と工夫し、自分なりに考えて行動している。
3 役割を理解し、最後までやり遂げられる。次に自分が何をするべきか自分から確認する姿勢が見られる。
2 言われたことだけをやる。指示がないと手が止まってしまう。
1(ポテンシャルが低い) 自分から動こうとはせず、他人に任せてしまう。

このように、ひとつの評価軸に対して「あり・なし」判断をするのではなく、段階的な評価基準を設定することが、客観的で精密な評価につながります。

STEP3:評価したい項目に合った選考を実施する

選考は、評価したい項目に合わせて、方法を変えながら実施しましょう。

例えば、論理的思考力がどれくらいあるのかを見極めたい場合には、ケース面接を実施すると良いかもしれません。ケース面接における候補者が提示した施策の評価によって、論理的思考力に関するポテンシャルがどれくらいあるのかを見極められるでしょう。

他にも、ポテンシャル採用であれば、新卒と同様にSPI試験を設けて候補者の基礎能力を評価する必要があるかもしれません。新卒でも中途でもない採用だからこそ、企業がそれぞれ評価したい項目に合わせて選考を設計していくことが重要です。

ポテンシャル採用でおすすめの採用手法3選

ここでは、ポテンシャル採用を実施する上でおすすめの採用手法を3つ紹介します。

ポテンシャル採用でおすすめの採用手法

  1. ダイレクトリクルーティング
  2. リファラル採用
  3. 人材紹介サービス

それぞれ1つずつ丁寧に解説していきます。

①ダイレクトリクルーティング

1つ目はダイレクトリクルーティングです。ダイレクトリクルーティングは企業が直接候補者に対してアプローチを行う採用手法です。扱うサービスによってはポテンシャルが高い優秀層に対して企業から直接アプローチをかけることができるため、非常におすすめです。

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ポテンシャルの高い優秀な学生に対してアプローチをかけたいならMatcher Scoutがおすすめです。

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Matcher Scout をおすすめする理由

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  • OB・OG訪問に積極的に取り組む、主体性のある優秀な学生が多い
  • 初期リスクの少ない成功報酬型と最安採用単価30万円の前金型から選べる
  • 自社のニーズに合わせてオプションプランもご用意

以上の理由より、待っているだけでは会えないようなポテンシャルの高い優秀な学生にアプローチできるため、効率的に採用活動を進めることができます。

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詳しくは以下の資料で詳しく説明しているので、是非ご覧ください。

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②リファラル採用

2つ目はリファラル採用です。リファラル採用は自社で働く社員から人材の紹介をしてもらう採用方法です。実務を熟知した現場社員が「自社で活躍できる」と判断しているため、紹介された人材はポテンシャルが高い人材である可能性が高いです。

加えて、リファラル採用は知人からの紹介であることからミスマッチの懸念が少なく、中長期的に活躍してくれる人材になるでしょう。

③人材紹介サービス

3つ目は人材紹介サービスです。人材紹介サービスを活用すると、自社にマッチした人材で母集団形成が可能です。また、ポテンシャルが高い人材をあらかじめ言語化して人材会社に伝えておくことで、質の高い母集団を作ることも可能でしょう。

そういった点で人材紹介サービスはポテンシャル採用と非常に相性が良い採用手法です。

ポテンシャル採用を成功させるための7つのポイント

ここまでは、ポテンシャル採用の導入方法やおすすめの採用手法を説明しました。ポテンシャル採用を成功させるポイントは以下の7つです。

ポテンシャル採用を成功させるポイント

  1. 自社の企業理念や経営方針を再確認する
  2. 自社が求める「ポテンシャル」を具体化する
  3. 若手人材の育成環境を整えておく
  4. オンライン上での発信を増やす
  5. キャリアビジョンの実現ができることをアピールする
  6. グループワークや適性検査などの選考を実施する
  7. ポテンシャルが見極められる質問をする

それぞれ1つずつ解説していきます。

①自社の企業理念や経営方針を再確認する

自社の企業理念や経営方針を再確認しておきましょう。これを実施する理由としては、事業の方向性の変化などにより、ポテンシャルの高い人材が常に同じ人材とは限らないからです。

企業理念や経営方針を再確認することで求める人物像が明確になり、そこからポテンシャルが高い人材を定義することにも役立つでしょう。

②自社が求める「ポテンシャル」を具体化する

自社が求める「ポテンシャル」とは何かを、明確にすることも重要です。ポテンシャルは日本語にすると「潜在能力」という意味がありますが、この潜在能力とはどんな能力なのでしょうか。

また求職者のどこをみて、ポテンシャルを見極めればよいのでしょうか。「自社のポテンシャル採用は、この点を評価する」と明確にしておかないと、基準が曖昧になり、入社後のミスマッチにも繋がりかねません。

自社で言うポテンシャルは「知的好奇心」なのか、「努力できる力」なのか、「リーダーシップ力」なのか、といったことを具体化しておきましょう。

その点を具体化した後、ポテンシャルを計測する項目や質問を作ることで、誰が見ても公平な評価基準になるようにしましょう。

【参考】 【テンプレ付き】採用基準とは?決め方や例、含むべき項目を解説!

③若手人材の育成環境を整えておく

ポテンシャル採用は未経験採用であるため、入社後の若手人材の育成環境を整えておく必要があるでしょう。では、どのようなことを中心に新人の育成環境を整えていけば良いのでしょうか。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズの調査によると、新人社員が仕事・職場生活をする上での不安について以下のような回答が得られました。

新人社員が仕事・職場生活をする上での不安

  1. 仕事についていけるか:64.8%
  2. 上司とうまくやっていけるか:44.2%
  3. 先輩・同僚とうまくやっていけるか:38.4%

このことから、新人社員は仕事に対する不安が最も大きいことがわかります。したがって、そうした新人社員の不安を解消するためにも業務に関する研修は丁寧に準備しておく必要があるでしょう。

【参考】株式会社リクルートマネジメントソリューションズ『新人社員意識調査2025』

④オンライン上での発信を増やす

ポテンシャル採用においては、企業がSNSをはじめとしたWEB上で情報発信を行うことが重要です。先程も紹介しましたが、少子高齢化により多くの企業が人手不足に陥っており、若手人材の採用が難しくなっています。

その結果、求職者は多くの求人情報を目にすることになり「本当に働きたい企業を見つけること」が難しくなっています。そんな状況もあり多くの情報の中から、優秀な人材に自社を見つけてもらうことは困難です。

そこで重要なのが「SNSをはじめとしたWEB上での情報発信」です。現在の若者は、SNSに馴染みがある人が多く、日常的にTwitterやYouTubeを利用しています。

またSNSは画像や動画を手軽にアップロードできるため、文字だけでは伝えられない自社の強みをアピールすることができます。

「求人サイトに自社の情報を掲載しているが、自社の強みをなかなか伝えられていない・・・」 とお悩みの場合は、SNSでの情報発信がおすすめです。

【SNSに発信する際のコンテンツ例】

  • 社員の一日のスケジュール
  • オフィスツアー
  • 事業や製品紹介
  • 選考フロー、求める人材像

⑤キャリアビジョンの実現ができることをアピールする

求職者は選考に参加する際に「入社後に自身が歩みたいキャリアを実現できるか」を重視する人が多いです。

中途採用では前職より年収が高く、好待遇な職場でも、自分が歩みたいキャリアと自社がマッチしなければ、内定には至らないでしょう。また、新卒採用でも自分が描きたいキャリアを実現できるかがわからない場合には内定辞退をされるかもしれません。

ポテンシャル採用も同様に、面接時に「応募者が歩みたいキャリア」と「自社で実現できるキャリア」を一致させることを意識すると良いです。

仮にキャリア観で一致できない場合は、求職者・企業側双方にミスマッチが生じてしまうため、キャリア観のすり合わせは求職者と実施しておくようにしましょう。

⑥グループワークや適性検査などの選考を実施する

書類や面接だけではポテンシャルがあるかどうかを判別できない場合は、グループワークや適性検査といった様々な選考方法を実施することがおすすめです。

グループワークでは求職者がチームでどのような役割を果たす人材なのかを見極めることができるでしょう。また、適性検査ではポテンシャルを数値として客観的に評価する際に役立ちます。

こうした複数の選考方法を組み合わせてポテンシャル採用を実施すると良いです。

⑦ポテンシャルが見極められる質問をする

ポテンシャルを見極める場合は、下記のような質問がおすすめです。

求職者の人柄を知る質問

  • あなたの挫折経験を教えてください。またその挫折をどの様に乗り越えましたか。
  • あなたの長所は、当社の業務のどんな所で活かせますか。

仕事への考え方・志望動機を知る質問

  • これまで仕事中に難題があった場合、どの様な工夫をして乗り越えましたか。
  • 当社にどんなことを求めていますか。

(中途採用のみ)退職理由を知る質問

  • なぜ前の会社を退職をしようと考えたのですか。

キャリアプランを知る質問

  • 将来のキャリアプランを教えてください。
  • そのキャリアプランは、どんな会社に入れば実現できると思いますか。

上記のような質問を行い、うわべだけではない候補者のポテンシャルを見極めましょう。

なお、ポテンシャルが高い人材を見極める面接質問例は次の章で解説していきます。

【面接で役立つ見極め質問例付き】ポテンシャルが高い人材の特徴 

ポテンシャル採用を実施するとしても、ポテンシャルの高い人材をどのように見極めれば良いかわからない方も多いでしょう。ここでは、ポテンシャルが高い人材の特徴について面接で役立つ質問例を交えて解説します。

ポテンシャルが高い人材の特徴

  1. 失敗を恐れずに挑戦している
  2. 素直さや謙虚さを持っている
  3. 物事に対して前向きに取り組んでいる
  4. 当事者意識を強く持っている
  5. 情報収集能力が高い
  6. 論理的思考力がある
  7. 自己分析能力が高い

①失敗を恐れずに挑戦している 

失敗を恐れずに新しいことに果敢に挑戦する人材は周りの社員に影響を及ぼします。こういった人材は将来、会社を引っ張っていく存在となり、会社全体のモチベーションアップにもつながるでしょう。

三井住友海上火災保険株式会社が実施した調査によると、「挑戦する上司」と働く若手社員の約8割が成長を実感していることがわかりました。このように、常に挑戦している人材は周りにも影響を及ぼすことがわかるでしょう。

【参考】三井住友海上火災保険株式会社『挑戦に関する意識調査』

■ 見極め質問例

では、このような人材はどのように見極めれば良いのでしょうか。以下で面接で使える見極め質問例を紹介しているので参考にしてみてください。

 

  • 「これまでの経験で、周囲が反対したけれどどうしてもやり遂げたかったことはありますか?」
  • 「あえて『自分の実力より少し高いハードル』を選んで行動したエピソードを教えてください。」

②素直さや謙虚さを持っている 

どんなに優秀な人材でもミスはあります。そういった場合に自分の限界を認め、その結果を受け入れる姿勢を持っている人材はポテンシャルが高い人材である可能性が高いです。

リクルートワークス研究所が実施した調査によると、対話型の学びにおいて「自身の限界を認め、それを受け入れる姿勢」があると、「仕事の幅を広げたり、ものの見方を変えるような物事の立体的な理解」で効果がより大きくなることがわかりました。

素直さや謙虚さを持っている人材は職場において新たな視点をもたらしてくれるでしょう。

【参考】リクルートワークス研究所『対話型の学び』

■ 見極め質問例

素直さや謙虚さを持っている人材を面接でどのように見極めればよいのでしょうか。以下に面接で使える質問例を載せておくので参考にしてみてください。

 

  • 「自分の苦手なタイプの人から指摘を受けたとき、どのように対応しますか?」
  • 「過去の大きな成功体験において、自分以外の要因(運や周囲の助け)はどの程度あったと考えていますか?」

③物事に対して前向きに取り組んでいる 

物事に対して前向きに取り組んでいる人材はポテンシャルが高い人材の特徴の一つです。例えば、難しい課題に直面したとしても、前向きに粘り強く取り組むことができるため、中長期的に活躍する優秀な人材といえます。

また、前向きに取り組む姿は社内外問わず多くの人に影響を及ぼします。そのため、社内の活性化を図りたい場合や顧客とのコミュニケーションを積極的に行いたい場合にはこのような人材を採用すると良いでしょう。

■ 見極め質問例

物事に対して前向きに取り組んでいるかどうかを面接でどのように見極めれば良いのでしょうか。以下に面接で使える質問例を記載しているので参考にしてみてください。

 

  • 「モチベーションがどうしても上がらないとき、自分をどうコントロールして仕事に向き合いますか?」
  • 「不本意な配属や指示を受けた際、その状況をどう自分なりに意味づけして取り組みますか?」
  • 「これまでに経験した最大のピンチを、どのようにプラスの経験に変えましたか?」

④当事者意識を強く持っている

当事者意識を持っている人材は責任感が強く、業務を最後まで手を抜かずにやり切る力があります。自らの役割を「自分事」として捉えるため、直面した課題に対しても主体的に解決策を模索し、そのプロセスを通じて急速に経験値を吸収できるのが大きな強みです。

また、その姿勢は周囲からの信頼を得やすく、組織全体の士気を高めることも期待できるでしょう。

■ 見極め質問例

当事者意識を強く持っている人材を面接で見極める際の質問例は以下の通りです。ぜひ参考にしてみてください。

 

  • 「チームで問題が起きた際、自分の担当外であってもつい口を出したり手伝ったりした経験はありますか?」
  • 「今の組織や環境において、真っ先に変えたいと思うことは何ですか?」
  • 「『それは私の仕事ではありません』と言いたくなるような状況で、あえて踏み込んだ経験を教えてください。」

⑤情報収集能力が高い 

情報収集能力が高い人材は膨大な量の情報が短期間で更新される社会において、非常に重宝されるでしょう。

少し前の知識が通用しなくなっている現代においては「常に新しい情報をキャッチアップしているか」が重要です。常に最新の情報をキャッチアップしている人は、知りたいという意欲が強く、入社後も自身で情報を調べ成長していくでしょう。

そのため、求職者が志望する業界・業種の最新情報を、自らキャッチアップしようとしているかどうかもポテンシャルを見極める重要な基準の1つになります。

■ 見極め質問例

情報収集能力が高い人材を面接で見極める際の質問例は以下の通りです。ぜひ参考にしてみてください。

 

  • 「最近気になっているニュースはありますか」
  • 「限られた時間で未知の分野について把握しなければならない時、どのようなステップで情報を集めますか?」

⑥論理的思考力がある

論理的思考力がある人材は顧客のニーズを捉える力や市場を分析する力に長けています。その分析から客観的な根拠に基づいた判断ができるため、どのような環境でも再現性の高い成果を発揮することができる優秀な人材であるといえるでしょう。

また、自身が考えたことを他者にわかりやすく説明する力も必要です。自分の考えを整理してわかりやすく相手に話すことで周囲を納得させることができるでしょう。また周囲を巻き込み、チーム一丸となって成果を上げる人材として会社で活躍するかもしれません。

■ 見極め質問例

では、どのように論理的思考力があるかどうかを面接で見極めれば良いのでしょうか。以下に面接で使える見極め質問例を記載しているのでぜひ参考にしてみてください。

 

  • 「複雑な問題を誰かに説明する際、理解してもらうために工夫していることは何ですか?」
  • 「ある課題に対して、複数の解決策がある場合、どのような基準で優先順位をつけますか?」
  • 「社会問題を1つあげ、それを解決するための施策を教えてください」

⑦自己分析能力が高い

自らの強みや弱みを客観的に把握し、不足している要素を的確に補完できる能力は、将来的に大きな成長を遂げるポテンシャルの高い人材であるといえるでしょう。

「今何ができるか」を冷静に見極め、目標とのギャップを埋めるための具体的なアクションを自ら導き出せることが自己分析能力が高い人材の大きな強みです。

また、自身の役割や周囲からの期待を正しく理解し、目的意識を持って主体的に取り組める点も、高いポテンシャルを感じさせる特徴といえます。

■ 見極め質問例

自己分析能力が高い人材を面接でどのように見極めれば良いのでしょうか。以下に面接で使える質問例を記載しているので参考にしてみてください。

 

  • 「ご自身の弱点が、仕事においてどのような場面で悪影響を及ぼすと考えていますか?また、その対策は?」
  • 「1年前の自分と比較して最も成長した部分と、あえて変えずに維持している軸を教えてください。」
  • 「他人から見られている自分と本来の自分との間にギャップはありますか?それはなぜ生じていると思いますか?」

ポテンシャル採用を導入している企業事例5選

ここではポテンシャル採用を導入している企業について以下の5つの企業を紹介していきます。

ポテンシャル採用を導入している企業事例

  1. ソフトバンク株式会社
  2. 株式会社リクルート
  3. ヤフー株式会社
  4. サイボウズ株式会社
  5. エイベックス株式会社

それぞれ詳しくみていきます。

ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社では将来を担う人財が鍵だと考え、2015年から新卒採用の枠組みの中で『ユニバーサル採用』を実施しています。これは、挑戦する意欲がある人に対して自由な時期に自分の意思で就職活動を行えるようにした採用方法です。

ソフトバンク株式会社のユニバーサル採用対象者

  • 入社時30歳未満の新卒/既卒/就業者
  • 入社時期:4月・10月

これにより、優秀な経歴を持つポテンシャルの高い人材を獲得することが可能です。

【参考】ソフトバンク株式会社『ユニバーサル採用 | 新卒採用』

株式会社リクルート

株式会社リクルートの新卒採用では、募集要項が以下のように定められています。

株式会社リクルートの新卒採用の募集要項

  • 2027年4月に入社できること
  • 30歳以下であること(既卒者・就業経験者も可)
  • 入社日までに応募時の在学校の卒業ができていること

このように株式会社リクルートではポテンシャル採用を実施しており、30歳以下であれば、既卒者や就業経験者など誰でも応募が可能です。

会社の方針として、「一人ひとりが個性や強みを発揮して自律的に働くこと」に重きをおいているため、新卒人材にかかわらず、挑戦する意欲のある人材を広く採用しています。

【参考】株式会社リクルートホールディングス『募集要項|新卒採用』

LINEヤフー株式会社

ヤフー株式会社は、2016年に新卒の一括採用を廃止し、ポテンシャル採用の導入を決定しました。

この理由としては 「これまでの採用方法だと、第二新卒者や既卒者に平等な機会を提供できないこと」 「留学などによる就職時期の多様化に対応するため」 といったことが挙げられます。

ヤフー株式会社のポテンシャル採用には、18歳以上30歳以下であれば、新卒・既卒・社会人問わず誰でも応募できます。

【参考】 日本の人事部プロネット『[ニュース]新卒一括採用を廃止し、新卒や既卒、第二新卒など経歴に関わらず...』

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社でも、ポテンシャル採用が実施されています。同社は現在のポテンシャル採用を実施する前にも、29歳以下の人材を対象とした「U-29(ユニーク)採用」を行ってきました。

現在はその年齢制限を撤廃しているため、誰でもチャレンジできる環境があります。IT業界未経験の人でも受け入れており、多様なバックグラウンド・経験を持つ人材が、選考を受けることが可能です。

【参考】サイボウズ株式会社『ポテンシャル採用 | 採用情報』

エイベックス株式会社

エイベックス株式会社では応募資格を満たしていれば誰でも応募が可能なポテンシャル採用を実施している企業です。

当社の応募資格は「エントリー時点で社会人歴4年未満」と非常に簡単であり、多くの求職者が応募できる機会が与えられています。また、学歴不問や何度でもチャレンジ可能といった工夫がなされています。

【参考】エイベックス株式会社『“志”ポテンシャル採用』

新卒採用の間口を広げたいならMatcher Scout

若手の採用の間口を広げるために行われるポテンシャル採用ですが、新卒採用でこれまで出会えなかった人材にアプローチするならMatcher Scoutがおすすめです。

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まとめ

今回は、近年導入する企業が増えている「ポテンシャル採用」について見てきました。

ポテンシャル採用は、育成のコストがかかる一方、自社の将来を担う優秀な人材に出会うチャンスでもあります。

「自社社員の平均年齢が上がってきている・・・」 「自社にマッチする人材に中々出会えない・・・」 という方は、このポテンシャル採用を導入してみるのがおすすめです。