《ポイント解説》女子学生の採用に欠かせない7つの行動とは?
2022/05/20
男女雇用機会均等法において、一方の性を優遇する採用などは原則禁止とされています。

そのため「募集対象を男女どちらかのみにする」「採用要件を性別によって変える」などは違法行為です。

一方で例外もあり、以下の場合は性別を限定して採用することができます。

・警備員など「業務の遂行上、一方の性でなければならない職務等」
・男女の雇用均等化を目的とした「ポジティブ・アクションのための特例措置」

【参考】厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」

本記事では、「ポジティブ・アクションのための特例措置」として女子学生の採用に注力しようとしている担当者様に向けて、女子学生採用を成功させるポイントをご紹介します。

今回のように採用ターゲットを絞り込んだ採用では、採用戦略やペルソナ設計が特に重要になってきます。

以下の記事も併せてご覧ください。

【参考】分析方法を徹底解説!採用歩留まりが低下しやすい項目と9つの改善策
【参考】【新卒】採用ペルソナの設定方法を具体例・フォーマットで紹介します

女子学生の採用に注力する企業の背景とは

これまでの慣行によって女性が男性よりも活躍しにくい社会であることを背景として、その男女格差を是正するために、厚生労働省は「ポジティブ・アクション」を推進しています。

具体的な基準として、女性労働者が全体の4割を下回る場合に格差が生じていると判断でき、女性に限定して採用を行うことが可能です。

このような「ポジティブ・アクション」などを自主的に行う企業は女性の活躍を推進していると評価され、「えるぼし認定」を受けることができます。

「えるぼし認定」を受けることで、このような優遇措置が受けられます。

・公共調達における加点評価
・日本政策金融公庫による低利融資
・両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)の適用

既にお伝えした通り、「ポジティブ・アクション」として女子学生をターゲットに採用を行うことは可能です。

一方で、「女性がターゲットの事業を行なっているから」「接客業は女性の方が向いているから」というような理由で性別を限定して採用を行うことは性差別を助長する恐れがあり、法律で禁止されているため注意しましょう。

【参考】厚生労働省「男女均等な採用選考ルール」
【参考】安全衛生優良企業マーク推進機構「「えるぼし認定」 ~女性が活躍できる企業の証~」

女子学生の就職活動や採用の特徴

採用活動を成功させるには、市場調査の結果などを参考にしながら、採用ターゲットとなる人材について深く調べることが重要です。

ここでは、女子学生の就職活動や採用の特徴に関するデータをご紹介します。

女子学生に人気の業界

こちらは、2021年卒の女子学生を対象とした希望業界と入社企業の業界に関するアンケート結果を図にしたものです。

就活開始当初の希望業界と入社企業の業界

就職活動をスタートした大学3年の3月時点における女子学生の希望業界で最も多いのは「製造・エネルギー」で37.1%です。

続いて「サービス・運輸・倉庫」が16.6%、「IT・情報処理」が14.2%となっています。

入社企業の業界は、当初の希望業界と比較して「製造・エネルギー」が約6%ほど減少し、「IT・情報処理」が+ 4.5%、「金融」が+ 3.2%となっています。

【参考】キャリタス就活2021「女子学生の就職活動に関するアンケート調査」

女子学生の企業選びのポイント

2021年卒、2020年卒の女子学生が企業研究の際に意識したり、調べたりしたことは以下の通りです。

企業研究の際に意識したり、調べたりしたこと

2021年卒では、在宅勤務やフレックスなどの「多様な働き方の制度」を意識して企業選びを行なった女子学生は62.6%です。

これには新型コロナウイルス感染症の流行によって、在宅勤務が広まった影響があると考えられます。

またそれぞれ5割を超える女子学生が、「残業や休日出勤の実態」や「育児休業の取得率」、「女性社員の人数」について意識したという結果が出ています。

【参考】キャリタス就活2021「女子学生の就職活動に関するアンケート調査」

女子学生のキャリアプラン

入社企業での勤務予定期間について2021年卒の女子学生に株式会社ディスコがアンケートを取ったところ、「定年まで(なるべく長く)」働くという回答が52.8%で最多でした。

そのうち入社した企業に定年まで勤めるつもりはないという女子学生が現時点で予想する退職理由としては、「転職」が最も多く69.8%でした。

続いて「出産・育児」が11.9%、「結婚」が10.1%、「独立・企業」が5.0%という結果となっています。

【参考】キャリタス就活2021「女子学生の就職活動に関するアンケート調査」

女子学生の内定率の推移

文部科学省の調査によると、2021年卒の就職内定率は2月1日時点で89.5%です。

男子学生の就職内定率は88.3%、女子は91.4%という結果となっており、女子学生のほうが3.1ポイント内定率が高い結果となっています。

【参考】文部科学省「令和3年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査(2月1日現在)」

女子学生の積極採用に欠かせない7つのアクション

女子学生の積極採用を行う際は、女子学生向けの情報を掲載し、性別に関係なく活躍できる環境であることを訴求する必要があります。

2021年卒において、企業が出している女子学生向け情報を「かなり見た」または「少し見た」学生は全体の約5割です。

閲覧した情報が就職先としての関心度にどれほど影響するのかというアンケートに対しては、「とても影響した」が約9%、「ある程度影響した」が最も多い54.0%でした。

女子学生向け情報の閲覧度

【参考】キャリタス就活2021「女子学生の就職活動に関するアンケート調査」

また日本経済新聞社が女子学生約千名に調査したところ、5人に1人が「女性の活躍が見込めない」という理由で選考を辞退していたことが分かりました。

【参考】日本経済新聞「就活女子学生の2割、女性活躍見込めない企業を辞退」

つまり、「性別に関わりなく活躍できる」ということを自社の採用活動の中で上手に訴求することが、女子学生採用の鍵だということです。

以下では「性別に関わりなく活躍できる」環境であると訴求するための具体的な7つのアクションについてご紹介していきます。

女子学生の積極採用に欠かせない7つのアクション

① 管理職における男女比率を提示する

「キャリアアップは男性が求めるもの」であると認識することは、男女の役割について固定的な観念をもつジェンダーバイアスの一つです。

男女が等しく働けて評価される環境がないという印象を与えると、女子学生の選考参加率や内定承諾率が低まる恐れがあります。

また女子学生は、社会的背景によって「管理職に女性が就ける可能性は低い」と考えている場合が多いです。

「昇進に性別は関係ない」ということをアピールするには、管理職における男女比率を提示するとよいでしょう。

数値として「性差なく活躍できる環境」を見せることで、情報への信頼性が向上します

② 福利厚生の内容を詳しく説明する

「女子学生の企業選びのポイント」でご紹介したように、企業選びにおいて「多様な働き方の制度」を重視する女子学生は21年卒で約6割となっています。

そのため自社で柔軟な働き方をサポートする制度がある場合は、そのような福利厚生の内容をしっかりとアピールすることが重要です。

「在宅勤務が可能」という場合は在宅勤務率を数値で示すなど、その制度がどれほど自社に馴染んでいるものなのかについても一緒に示すと効果的です。

また片方の性別のみに特定の福利厚生をアピールすることはやめましょう。

例えば女子学生に偏って産休・育休の取りやすさを訴求することは、「女性は出産・子育てをするものだ」というジェンダーバイアスがかかっています。

実際に、「女子学生にばかり産休・育休の取りやすさをアピールしていた」ことが理由で女子学生が内定を辞退した事例があります。

【参考】日本経済新聞「就活女子学生の2割、女性活躍見込めない企業を辞退」

もちろん産休・育休の取りやすさは働きやすい環境を訴求するためのポイントにはなりますが、男子学生のためにも、性別問わず柔軟な働き方が可能であると提示しましょう。

③ 女性社員のインタビューを掲載する

自社の採用HPやナビ媒体などで、社員インタビューを掲載することがあります。

このような社員インタビューを載せることで、学生はロールモデルを見つけやすくなり、入社後の働き方やキャリアプランについてイメージすることが可能になります。

社員インタビューを掲載する場合には、様々な部署や役職から話を聞くことが重要ですが、この時に男女比率についても気を付けると良いです。

社会的背景によって男女のキャリアの築き方には違いがあります。

そのため女子学生は男性社員のインタビューを読むだけでは、入社後のイメージがつきにくくなってしまう懸念があります。

社員インタビューを掲載する場合は、インタビュイーが男性社員に偏っていないか注意しましょう。

④ 会社説明会や座談会に女性社員も登壇させる

会社説明会や座談会は、採用活動中に自社で働く社員の声を直接届けられる数少ない機会のひとつです。

登壇者が男性ばかりでは、女子学生は「性別によって活躍可能性が狭められる」のではないかという印象をもつ恐れがあります。

社会から受ける影響が似ているため、同性同士の方が働き方やライフプランについて話がしやすいというメリットもあるため、女性社員が会社説明会や座談会に必ずいるように意識すると良いでしょう。

⑤ 採用HPで扱う社員写真の男女比率に気を付ける

採用HPなどに掲載する写真は、求職者の自社に対する印象を大きく左右する重要な要素のひとつです。

もし採用HPで掲載されている写真に男性のみが映っていたら、女性が馴染みにくい環境であるような印象を与えてしまう可能性があります。

採用HPで扱う写真を選定するときは、映っている社員の男女比率について注意すると良いです。

また日常の業務を行う社員の写真を掲載する場合があるかと思われます。

「営業職は男性の仕事」「事務職は女性の仕事」などのジェンダーバイアスが世間一般にあることを意識した上で、誰がどの業務を行なっているところを切り抜くのかについて意識的でありましょう。

⑥ 採用担当に女性社員も含める

就活生との接点が最も多いのは採用担当者です。

採用担当者が就活生に与える印象は、自社のイメージを形成していく上で大きく影響します。

前述した通り、似たようなバックグラウンドを共有する同性同士だと話がしやすくというメリットがあります。

採用担当者とのコミュニケーションがスムーズであると、自社の環境にも馴染みやすいという印象を学生が持ちやすいです。

女子学生を積極的に採用するためには、採用担当者に女性社員も含めると良いでしょう。

⑦ 女子学生が安心して就職活動を行える環境を作る

採用活動を行う上で、学生が安心して就職活動を行える環境を作ることは重要です。

厚生労働省の調査では、2017〜2019年卒で就職活動を行なった学生の中で、約4人に1人(25.5%)がセクハラを一度以上受けたという結果が出ています。

【参考】厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」

学生が安心して就職活動を行える環境を作るための対策として、以下のことが挙げられます。

・対面で行うOB/OG訪問の場合、面談時間帯を昼に限定するよう社員に周知する
・異性に対するセクハラが多いため、OB/OG訪問はなるべく同性同士で行う
・不適切な面接が行われないように、採用面接の質問事項を事前に決定する
・どのような質問が不適切に当たるのかを、事前に面接官に共有する
・採用に関わる社員に向けてハラスメント研修を行う
・ハラスメント行為を就業規則の懲戒事由に含める
・就活生に向けた相談窓口を設置する

また自社がこのようなハラスメント対策措置を行なっている場合は、採用HPなどで就活生に向けて情報の発信を行いましょう。

女子学生含め就活生全体が安心できる状況を整えた上で、積極的な採用を行うことが重要です。

女子学生の積極採用で活用できるサービス

ここでは、女子学生の積極採用で活用できるサービスについてご紹介します。

就活サイト:マイナビ

主要のナビ媒体の一つである「マイナビ」では、「女子学生ナビ」という女子学生向けの就活サイトを運営しています。

女子学生ナビのトップページでは、仕事の魅力や女性の働き方についての企業インタビュー記事が紹介されています。

この企業インタビューは親媒体である「マイナビ」と連結しており、多くの女子学生に向けて情報を発信するために活用することが可能です。

【参考】株式会社マイナビ「女子学生ナビ」

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さいごに

本記事では、女子学生の採用に欠かせない7つのアクションについてご紹介しました。

女子学生の集客から内定承諾までをスムーズに行うためには、人気業界や企業選びのポイントなどのデータなどを用いながら戦略的にアプローチすると良いです。

また雇用の不均衡を是正するために女子学生に絞って採用を強めることも重要ですが、男女二元論では語れない多様なジェンダーがあることについても認識しておきましょう。