【保存版】採用の歩留まりとは?平均値と9つの改善方法を紹介します
2022/12/26

多くの採用担当者は採用歩留まりの低下に悩んだ経験があるのではないでしょうか。

選考をスムーズに進めるためにも、採用歩留まりの改善は欠かせません。

本記事では、採用歩留まりの算出方法や、歩留まりを改善する方法などを詳しく解説していきます。

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採用における歩留まりとは?

採用活動において歩留まりとは、『応募→選考→内定→内定承諾』という採用フローの中で各過程に進んだ人数の割合を指します。

歩留まり率が高いほど通過者数が多く、歩留まり率が低いほど通過者数が少ないということを意味します。

例えば、説明会参加から実際にエントリーするまでの歩留まり率が低ければ、説明会を踏まえてエントリーを辞めた人が多いということになります。

この場合、説明会内容やエントリーへの促し方などを見直す必要がありますよね。歩留まりを見ることによって、どこを改善すれば良いのかという採用課題が明確になります

つまり、歩留まり率をコントロールすることは採用を成功させることに繋がります

採用歩留まりの算出方法

歩留まりの算出方法歩留まり率を計算するためには、以下の式を活用します。
例えば1次面接受験者数が200名で面接通過者数が60名だとすると「60÷200×100」の計算をし、1次面接の歩留まり率は「30%」となります。

選考における各過程の歩留まり率を算出するためには、自社の採用フローの中で学生が踏む手順を明確に書き出し、どれだけの人数が通過したのかを把握する必要があります。

自社の歩留まり率を分析しよう

歩留まり率の項目表

採用歩留まりの算出方法が分かったら、自社の歩留まり率について項目別に表でまとめましょう。

自社の採用フローの中で学生が踏む手順を明確に書き出し、どれだけの人数が通過したのかを把握することで、自社の採用課題に対し的確なアプローチができますよ。

上記の図は採用フローの例です。

こちらの例で内定辞退率を調べるためには、まず内定した20名から入社した12名を引き、内定辞退者数が8名であることを出します。

内定辞退者数8名を内定者数の20名で割り、パーセンテージで示すために100をかけると、内定辞退率が40%であることが分かります。

このように歩留まりを算出するためには、各過程における人数を把握しておく必要があります。 下記は各採用フローにおける歩留まり率の算出方法を示したものです。

各過程における歩留まりの算出

選考の各過程における歩留まり率を計算し、課題を見つけましょう。

では、新卒採用における歩留まりの平均はどのくらいなのでしょうか。次に見ていきます。

新卒採用における歩留まりの平均とは?

ここまでは採用における歩留まりの意味と、歩留まり率の算出方法について見てきました。

次に「歩留まりの意味は分かったけど、自社の採用活動は上手くいっているのか分からない」という方に向けて、新卒採用における歩留まりの平均を記載しました。

採用活動の参考にしてみてください。

  • 従業員数300人未満:56.1%
  • 従業員数300~999人:53.4%
  • 従業員数1,000~4,999人:54.8%
  • 従業員数5,000人以上:52.8%

※上記は2019年のデータになります。
【出典】中小企業の新卒採用、歩留まり平均はどのくらい?歩留まりの改善方法

このようにしてみると、大企業よりも中小企業の方が、歩留まり率が高いことが分かりますね。

原因として、比較的規模の小さい企業は、採用人数を絞って選考を行っていることが挙げられます。

自社の歩留まり率が、同じ規模の会社と比べて高いのか低いのか把握しておくと、採用計画を立てやすくなりますよ。

採用の歩留まりが発生する4つの要因とは?

ではなぜ、採用において歩留まりは発生するのでしょうか。

ここでは採用歩留まりの要因として、よくある4つのパターンについて紹介していきます。

【採用歩留まりが発生する4つのパターン】

  1. 志望度の高い競合他社の内定が先に出た
  2. 募集要項と実態に乖離があると感じた
  3. 社員・会社の雰囲気が合わないと感じた
  4. 家族の反対

1つずつ具体的に紹介していきます。

1、志望度の高い競合他社の内定が先に出た

採用歩留まりが発生するパターンとしてよくあるのが「志望度の高い競合他社の内定が先に出た」というパターンです。

このパターンの場合、多くの学生は「志望度の高い会社から内定を貰ったし、就活を終わらせてもいいや」となり、選考を辞退していきます。

このパターンの対策としては

  • 選考フローを短くする
  • 内定出しを早くする
  • 競合他社に比べ、自社が勝ってる点を面接で伝える

といった施策が効果的です。

こちらの施策を行うためにも

  • 併願している企業名
  • 他社の選考状況

は、面接中に学生に聞いておくようにしましょう。

2、募集要項と実態に乖離があると感じた

ナビサイトやホームページに記載してある募集要項と、実態に乖離がある場合も、歩留まり率が上昇する一因です。

特に面接は、応募者が実態との乖離を感じやすいと言えます。

例えば、学生が面接の逆質問で

「平均の残業時間が20時間と記載がありますが、実際はどのくらい残業していますか」

と質問したとします。

その問いに対し、面接官が

「本当は40時間くらい残業しているよ」

と答えると学生はどう感じるでしょうか。

恐らく多くの学生は、募集要項と実態に乖離を感じ、自社への志望度が下がってしまうでしょう。

そのような事態を防ぐためにも、募集要項には実態とかけ離れた内容を記載しないようにし、面接官に対しても募集要項でどんなことを書いているかなど、事前の情報共有をしておきましょう。

特に「業務内容」「勤務時間」「勤務地」「年間休日数」などに乖離を感じると志望度が下がる可能性が高いです。

募集要項に記載した内容と、面接官が面接で使う資料に乖離がないか事前に確認しておくことをおすすめします。

<対策>

  • 募集要項に実態とかけ離れた内容を記載しない
  • 面接官に募集要項の内容を事前に共有しておく

3、社員・会社の雰囲気が合わないと感じた

採用の歩留まりが発生するパターンとしてよくあるのが、面接を通じて社員・会社の雰囲気が合わないと感じた、というパターンです。

最初は自社に魅力を感じていたものの、面接で社員と話していくうちに「なんか違うな?」と感じさせてしまうのが、このパターンです。

多くの学生は「自分に社風がマッチしているか」をとても重視しています。

そのため自分と社風がマッチしないと、志望度が下がり、歩留まりに繋がる可能性があります。

4、家族の反対

その他に、歩留まりが発生する要因として考えられるのが「家族の反対」です。

特に知名度がない会社だと、親や兄弟から「その会社本当に大丈夫なの?」と心配される可能性が高まります。

社会人経験のない学生は、その多くが親の意見を参考にして、会社選びをすると言われています。

その親に反対されると、志望度が下がり歩留まり率が悪化する要因となるのです。

歩留まりが低下しやすいタイミングっていつ?

歩留まり率を改善するためには、まずなぜその歩留まりが起こっているのかを把握する必要があります。 歩留まりが起こる主な3つの箇所と、その原因について見ていきましょう。

エントリー→説明会参加(説明会参加率)

エントリー自体のハードルは低いため、学生は少しでも気になる企業にたくさん応募しています。

そのためエントリーの段階では、自社への志望度が低い学生も応募している可能性が高いです。

そのためエントリーの段階では自社への志望度が低い学生も応募しています。

この理由から、エントリーから説明会参加までの歩留まり率は低くなる傾向にあります。

改善方法

  • エントリーした学生へ、日程調整や参加を促すリマインドを定期的に送る
  • 大学の試験などの日程を把握し、学生が参加しやすい日に候補日を設ける
  • オンラインで実施する場合は、当日の参加率をあげるためにURLの発行を早めにする
  • 書類選考通過→面接日程調整完了(面接予約率)

実際に学生と会って面接をすることは工数が多くかかります。

そのため書類選考から一次面接までの通過人数を敢えて少なく設定している企業も多いでしょう。

学生も、面接に参加する本気度があるかどうか考え直す段階です。

書類選考に通過した学生が面接の日程調整を完了していない場合は、自社への志望度が低いということが想定されます。

改善方法

  • 自社への関心を強めるため事前に会社説明動画を配信し、事業内容などへの理解を促す
  • 選考通過メールに評価したポイントを記載する
  • 使用する採用媒体ごとの数値のバラつきを確認し、率が悪い原因を突き止める。
  • 応募者の母数が少ない場合は、使用する採用媒体やアプローチ方法の見直しや変更を行う

面接日程調整完了→面接実施(面接参加率)

面接日程調整完了から面接実施までの歩留まり率は低下しやすいです。

一方で、ここの歩留まり率は改善しやすいポイントでもあります。

学生にとって来社での面接は、未知の場所に訪れ、その上、自身を評価をされるという心理的ハードルの高さがあります。

学生のモチベーションを低下させないような工夫が必要です。

改善方法

  • 競合他社の採用スケジュールを確認し、それに合わせて面接日程を組む
  • カジュアル面談を実施し、志望度を高める
  • 当日の服装や場所(URL)などの詳細は早めに連絡する
  • 面接の1週間前や前日にリマインドをし、『会えることを楽しみにしている』など気持ちを伝える

内定出し→入社(内定率)

内定出しから内定承諾や入社までの間に歩留まり率の低下が見られる場合は、学生が自社へ入社するメリットを十分に感じられていないということです。

最終面接まで行くモチベーションがあるにも関わらず承諾に至らないということは、最後の一押しが足りないという場合もあります。

また、企業の魅力が十分に伝わってなかったり、給与面などの待遇について不満があるケースも考えられます。

その他にも「親から入社を反対された」「志望度の高い他企業から内定をもらった」などといった原因が考えられますよ。

改善方法

  • 内定者懇親会を行い、事業内容や社員の魅力をアピールする
  • 内定者との面談を行って就職活動などの現状を聞き、ケアを行う
  • 社内イベントに招待し、社員と交流を深められる機会を設ける
  • 内定者インターンシップを行い、就業イメージを早期に掴んでもらう

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【改善案】歩留まりを改善するための9つの方法

自社の歩留まり率を算出し、課題を見つけたときに、どのように改善していけばよいでしょうか?

以下では、歩留まりを改善をするための主な対処方法を<対学生用>と<対社内用>の2つに分けて紹介していきます。

学生への対応をスピーディーに <対学生用>

学生との連絡はスピーディーにできていますか?疎かになっていませんか?

就職活動中の学生は、多くの企業情報を一気に仕入れています。

様々な会社がある中で、自社への興味が持続しているうちに、説明会への参加や、選考へのエントリーを促す必要があります。

説明会や面接の日程調整など、学生とのやりとりは迅速に対応しましょう。

自社の魅力を最大限にアピール <対学生用>

会社説明会へ誘う文言や、学生へ送るメッセージの文章などに、少し工夫を加えるだけで歩留まり率は大幅に改善する可能性があります。

こちらは、弊社が実際にテストを行い、改善が見られたスカウトメッセージ例です。

内定までの所要期間を記載した例

以上のように、文章構造に視認性をあげる工夫を加えたり、学生の求める情報を見やすく提示したりするなど、様々な工夫をすることが可能です。情報の伝え方などを変化させることによって、効果的に自社の魅力を伝えることが可能になります。

自社の魅力を最大限にアピールする方法を見つけ、歩留まりを改善させましょう。

【参考】スカウトメールを効果的にするには?本文の悪い例と良い例、改善案をご紹介
【参考】ちょっとした工夫で返信率が上がる!実際に効果があったスカウトの表現方法を紹介

選考期間をを1~1.5ヶ月以内に収める <対学生用>

結果が出るまでの期間が短い方が、応募者にとって負担が少ないですよね。

選考期間を長く設け、内定出しが遅くなると、採用競合への内定が決まった学生が選考辞退する可能性も大いにあります。

日程調整やメッセージなどに迅速に対応するように、選考期間もなるべく短く設定しましょう。新卒採用であれば1〜1.5ヶ月には収めましょう。

オンライン面接の回数を増やす <対学生用>

オンライン面接やライブ面接の回数を増やすことも、歩留まり率改善に有効な手段です。

オンライン面接や動画面接は、学生が気軽に自宅で受けられるため、出社へのハードルがありません。

「オンラインだと相手の人柄が分かりづらい」と避けていた企業も、最終面接は対面で行うなど工夫をすることで、歩留まり率改善が期待できるでしょう。

入社への動機付け <対学生用>

歩留まり率を改善するには、「入社したい!」といかに思わせられるかが重要です。

自社に対する志望度を高めるには、入社して得られることや、実現できることなど、学生それぞれの目標にあった魅力を提示する必要があります。

採用HPや会社説明会などの大多数に向けた訴求だけではなく、面談などを開催して個人へのアプローチも忘れないようにしましょう。

内定者フォロー <対学生用>

当たり前ですが、採用活動は自社の求める人物に実際に入社して、活躍してもらうことを目的としています。

内定出しを行った後も、気を抜かずに内定者フォローを行うことが欠かせません。

カジュアル面談を通して条件の擦り合わせを行ったり、学生の悩みや本音を聞いたり、学生との関係をしっかりと構築していきましょう。

【参考】カジュアル面談とは?準備、当日の流れ、その後の対応のポイントを紹介
【参考】学生が求める内定者フォローとは?ポイントごとの実例もご紹介!

学生からのフィードバックを受ける <対学生用>

自社がどのように見えているのか、学生が自社に興味を持ってくれた理由などは、自社内からは見えづらいです。

客観的な意見を得るために、説明会や面接が終了した時点でアンケートやヒアリングを実施しましょう。

その際、「選考には一切関係ないこと」「今後の採用活動の改善に生かすためであること」を忘れずに伝えましょう。

率直な意見を引き出せないと、改善が間違った方向に向かってしまいます。

面接官の教育<対社内用>

選考面接では学生を企業側が評価していると思いがちですが、学生も企業に勤めている人がどのような人物なのかを判断しています。

学生の、面接官の対応に対する不信感や不安感などは、歩留まり率の悪化に大きな原因になります。

逆に、面接官の印象が良いと会社全体への評価向上につなげることも可能です。

魅力的な人材がいることは、学生が自社で働くモチベーションにもなるでしょう。しっかりと面接官の教育をすること重要です。

採用活動の一部を外注する <対社内用>

人手が足りないため、学生1人1人に丁寧な対応ができず、歩留まり率が悪化している企業も多いでしょう。

そんな時は「採用活動の一部を外注する」ことがおすすめです。

学生に対するリマインドメッセージの送信や、日程の調整などを外注することで、自社のリソースに空きが無くても素早く対応することができますよ。

採用の歩留まりを改善できる採用手法とは!?

歩留まり改善に最も有効な採用手法は、ダイレクトリクルーティングです。

なぜなら、「いつ」「誰に」「どのくらい」「どんな」スカウトを送るかをコントロールしつつ、学生に直接アプローチできるからです。

よって、課題に対する打ち手をスカウト運用に反映させやすく、改善後の結果を早く得ることができます。

ナビ媒体は、「待ち」の媒体です。

企業情報を改善しても、掲載ページにアクセスされなければ閲覧されないため効果は得にくく、また情報発信する対象の指定もできません

また人材紹介の場合、ターゲットを担当者に伝えることで絞り込みはできるものの、どのくらいの学生にアプローチできるかはエージェントに委ねているため、人数のコントロールが難しくなっています

ダイレクトリクルーティングでは、ナビ媒体や人材紹介と異なり、スカウト運用の方法によって歩留まりを改善することが可能です。

例えば、面接辞退率が高く、その原因が競合他社よりも選考の実施が遅いことだと考えた場合、選考開始時期を早めることが打ち手として考えられます。

ダイレクトリクルーティングであれば、スカウト送信のタイミングを早め、早期の送信通数を増やすことで早い段階で学生にアプローチすることができます。

また、面接通過率が低く、その原因が主体性のある学生が少ないことだと考えた場合、学生時代に主体性を発揮した学生に絞ってアプローチすることが打ち手として考えられます。

ダイレクトリクルーティングであれば、プロフィールで主体性のある人だけをピックアップし、彼らが魅力を感じやすい自社の特徴(一年目から裁量権を持って働くことができる、など)を伝えることができます。

ただし、ダイレクトリクルーティングはスカウト運用の工数がかかります。

弊社が提供するMatcher Scout候補者選定から日程調整までスカウト代行を行っているため、ダイレクトリクルーティング運用の工数はかかりません。

また、独自のA/Bテスト機能を提供しており、スカウトのタイトルや本文、企業情報ページの文言や写真などを複数パターン用意し学生にランダムで提示できます。

今まで3,000回以上のA/Bテストで得たノウハウを活用し、弊社が最適なスカウト文言や画像を見つけ出し、スカウト運用の側面から歩留まり向上の支援もいたしております。

ぜひ下記より無料の資料をダウンロードして頂ければと思います。

【参考】3分でわかるMatcherScout

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さいごに

いかがでしたか。 歩留まり率を見ることで、採用全体を見直し、改善していくことができます。 採用課題をクリアにして、自社とマッチした学生と確実に出会え、入社してもらう方法を探しましょう。