労働力不足や人的資本が重要視されるようになった現在、タレントマネジメントは従業員の能力や資質を最大限引き出す手法として注目されています。
しかし、
「タレントマネジメントとは何?」
「タレントマネジメントを導入することでどんな効果があるのか?」
「タレントマネジメントの導入の仕方は?」
といった悩みを抱えている人事担当者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、タレントマネジメントの意味から目的、導入手順について詳しく解説します。また、タレントマネジメントシステム導入を検討している人事担当者様向けにタレントマネジメントシステムの機能や企業規模別のおすすめのシステム3選をご紹介していきます。
会社のさらなる成長のために人材に力を入れたい人事担当者様、必見です!
タレントマネジメントとは
タレントマネジメントとは、従業員(=タレント)の資質やスキル等を一元管理(=マネジメント)し、適切な人材配置や育成に応用する人材戦略のことです。従業員が社内でより高いパフォーマンスを発揮する人材になることを目指しており、企業のパフォーマンス向上が見込めます。
タレントマネジメントは、タレント(人材)の対象を全従業員とするか、将来の幹部候補にするかで意味合いが少し異なります。
タレント(人材)の対象を全従業員にした場合、従業員それぞれの資質やスキルに沿った人員配置・育成を行うことで会社全体のパフォーマンス向上につながります。タレントの対象を将来の幹部候補とした場合、不足している従業員の素質を補うための採用活動や、優秀層の育成に注力することで工数を少なく将来のリーダーとなる人材を育成することが可能です。
「タレントマネジメント」が広まった背景
タレントマネジメントは、当時人材の流動化が進んでいた1990年代のアメリカで考案された考えです。その後2000年代にアメリカのコンサルティング会社であるマッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company)が、「War for talent(人材育成競争)」を刊行したことで世界に広がりました。この本では企業における人材価値を高める重要性や育成の仕方、優秀な人材の集め方について記載されています。
IT技術の発展で導入が加速
タレントマネジメントが導入されることが増えた背景として、IT技術の発展が関係しています。これまでは社員一人ひとりのスキルや資質を客観的に把握することが困難で、上司や人事担当者様の主観的な判断になってしまっていました。
しかし、現在はIT技術の発展により、社員のスキルや資質を一括でデータとして判断することが可能になりました。例えば、この後ご紹介するタレントマネジメントシステムのように、一括で管理するシステムも開発されています。
タレントマネジメントを行う目的
タレントマネジメントを行う目的は、経営目標を達成するための経営戦略を、人事戦略から実現させることです。そして、経営目標の達成のために優秀なリーダーの確保・育成がタレントマネジメントの中期目標となります。
このなかでタレントマネジメントで行う4つの施策「人材育成」「人材確保」「人材定着」「人材配置」が重要になります。
タレントマネジメントと人事管理の違い
タレントマネジメントと最も間違われやすいのは人事管理です。人事管理は、会社の業績の向上や生産性の向上を目的としています。労働環境や法令遵守に重点を置いており、労務関係の業務を中心に行っています。一方でタレントマネジメントは、人的資本を中心とした企業の成長につなげることが目的です。個々の従業員の能力を最大限に活用できるよう、従業員の資質を一元管理をしています。
社員の管理によって生産性を高めているのが人事管理、社員の管理によって社員一人ひとりのスキルや素質を把握し、会社の成長につなげているのがタレントマネジメントです。
タレントマネジメントの効果
ここからは、タレントマネジメントを行うことで生じる効果についてお伝えしていきます。タレントマネジメントの効果は以下の3つがあげられます。
▼タレントマネジメントによる効果
- 企業の経営戦略の達成
- 優秀な人材の確保・育成
- 生産性の向上
1.企業の経営戦略の達成
企業の経営目標・戦略に沿ったタレントマネジメントを行うことで、成果が出やすい人材配置・人材育成が可能になるため成果が出やすいです。そのため、具体的に達成したい経営目標や戦略を加味してタレントマネジメントを実施することが必要です。
2.優秀な人材の確保・育成
タレントマネジメントによって企業の経営目標や戦略に沿った人材育成が可能になるため、将来的に企業をまとめるリーダーとなる人材を輩出することができます。
また、タレントマネジメントはデータによる従業員の評価を行うため、客観的で公正な評価が可能です。透明性と公平性の高い人事評価が行っている企業というイメージがつくことで、優秀な人材が集まりやすくなります。
3.生産性の向上
従業員のスキルや資質を把握できるタレントマネジメントを活用することで一人ひとりの適材適所で従業員が働くことが可能になります。そのため、それぞれの強みを生かして仕事が可能になり、従業員のモチベーションの向上、そして生産性の向上が見込めます。
タレントマネジメントの導入をおすすめしたい企業の特徴
タレントマネジメントはすべての企業にとって自社の成長につながる手法ですが、特にタレントマネジメントの手法をおすすめしたいのは、経営目標の達成に人的資本が大きく影響する企業であり、特に人材について問題を抱えている企業です。
例えば、以下のような企業の人事担当者様はタレントマネジメントの導入がおすすめです。
▼タレントマネジメントの導入がおすすめな企業の特徴
- 社員一人一人のパフォーマンスの向上を図りたい企業
- 働き方を改革を進め、多様な働き方を推進したい企業
- 国際市場に進出するための人材を確保したい企業
1.社員一人一人のパフォーマンスの向上を図りたい企業
現在日本では少子高齢化が進んでおり、労働力不足が深刻になっています。人手不足を体感している人事担当者様もいるでしょう。そんななか企業の経営目標を達成し、さらなる成長を果たすためには、これまで以上に社員一人あたりの成果が大切になってきます。
タレントマネジメントを導入して社員一人ひとりのスキルを管理することで、パフォーマンスの向上を図ることが可能です。
2.働き方を改革を進め、多様な働き方を推進したい企業
現在、企業規模問わず働き方改革が推進されています。その中でも特に長時間労働の是正は企業にとって対処すべき課題のひとつです。長時間労働を減らすことが生産性を高めることにもつながります。
そこで、長時間労働を減らすことにつながる手法がタレントマネジメントです。タレントマネジメントによって社員のスキルや資質に沿った仕事を任せることが可能になります。
3.国際市場に進出するための人材を確保したい企業
グローバル化が進み、国際市場のなかで競争しなくてはいけなくなった現在の市場では、国際的な競争力の強化が企業に求められています。そこで競争力を高めるためには、世界と戦える人材の育成が重要であり、同時に世界を相手にできる商品やサービスを展開するための高い労働生産性が求められます。このとき、タレントマネジメントの利用によって社員の高い生産性を保つための適正配置が可能になります。
タレントマネジメントの5つの導入ステップ
ここからは、タレントマネジメントの導入方法についてご説明していきます。タレントマネジメントの導入は以下のステップで行いましょう。
▼タレントマネジメントの5つの導入ステップ
- 目標の設定:経営戦略と人材戦略を紐づける
- 人材情報の現状分析
- 採用計画書・育成計画書の作成
- 人材(タレント)の採用・配置
- 人事評価
1.目標の設定:経営戦略と人材戦略を紐づける
まずは自社の経営戦略を達成するために解決しなければならない、現状の自社の組織や従業員の課題を把握しましょう。そのうえでタレントマネジメントを導入することによってどの課題を解決したいのか、どのような企業を目指したいのか、具体的に目標を設定しましょう。
例えば、経営戦略として「グローバル市場への進出」を掲げている企業を例に考えていきます。
この経営戦略を達成するために解決しなければならない自社の現状として、以下の2点が考えられたとします。
- 長時間労働が慢性化しており、生産性が低下していること
- 国際市場で勝ち抜けるような高いパフォーマンスを持った人材が育っていないこと
この場合のタレントマネジメントで解決したい目標は、以下の2点が考えられます。
- 人員配置を見直し、従業員一人ひとりの強みを生かせる人員配置にすること
- 国際市場で勝ち抜ける人材育成を行うこと
このように、経営戦略と現在の企業の課題を人材戦略と紐づけて目標を設定することで、タレントマネジメントによる効果を最大化することが可能です。
2.人材情報の現状分析
次に、企業の人材に関する現状を把握していきます。人材についての現状を把握するために、以下の2点を行いましょう。
- 人材情報の収集・整理
- 自社の人材(タレント)の把握
2-1. 人材情報の収集・整理
まずは企業の従業員の情報を集約しましょう。整理しておきたい情報は以下の5つです
▼整理しておきたい人材情報
- 基本情報:氏名・年齢・性別・所属部署・職種 など
- 能力:保有している資格・能力・スキル など
- 人事評価:これまでの経歴・業務実績・評価実績 など
- 勤怠情報:出勤状況・残業時間・休暇の取得状況 など
- パーソナルな情報:従業員の価値観・考え方・同僚や上司との関係性 など
2-2. 自社の人材(タレント)の把握
先ほど整理した人材情報から、自社の人材(タレント)の特徴を把握していきます。このときに活躍している従業員の特徴や、早期退職した従業員の特徴を把握できると、その後の新卒採用活動でも自社にマッチした学生を集めることができます。
人材を把握する段階で、自社の経営戦略を達成するためのスキルや素質をもった人材がいるかどうか確認しましょう。ここで経営戦略と人材のギャップを把握・分析することが必要です。
3.採用計画書・育成計画書の作成
先ほどの分析をもとに、採用計画書・育成計画書を作成します。先ほどまとめた自社の人材(タレント)の特徴を踏まえて、経営戦略を達成するための人材育成・もしくは採用活動を行います。
採用活動を行う場合、採用計画書には以下の内容を踏まえると良いです。
▼採用計画書で盛り込みたい内容
- 求める人物像
- 採用フロー
- 採用手法(ナビ媒体・人材紹介・スカウトサービスなど)
- 採用コストの予算
採用活動は採用コストがかかりますが、求める人物像にマッチした人材を採用することができた場合、短期間で企業の成長に貢献してくれるでしょう。
人材育成を行う場合、育成計画書には以下の内容を踏まえると良いです。
▼育成計画書で盛り込みたい内容
- 理想の人物像
- 自社の人材の現状と課題
- 育成手段(外部研修・社内研修・通信教育など)
人材育成は比較的コストを抑えることが可能ですが、会社にとって理想の人材となってもらうまでに長期的な時間が必要になる場合があります。長い時間をかけて行う育成だからこそ、理想の人物像と自社の人材の現状を明確に設定しましょう。
4.人材(タレント)の採用・配置
採用計画・育成計画に沿って人材(タレント)を採用・配置していきます。人材配置の際には、会社側の希望のみで配置するのではなく、従業員の希望も反映させながらスキルが活かせる配置を行いましょう。そうすることで従業員もモチベーション向上が見込めます。
5.人事評価
人材の採用・配置後はパフォーマンスの検証を定期的に行いましょう。人事評価として確認したい評価項目は以下の3つです。
▼人事評価として確認したい評価項目
- 企業全体の業績・生産性が向上したか
- 従業員の労働生産性が向上したか
- 従業員のモチベーションが向上したか
企業や従業員の生産性も重要ですが、従業員のモチベーションが向上しているかどうかも重要な評価ポイントとなります。上司との面談や人事担当者とのヒアリングを通じて把握しましょう。
人材配置前と比較してよい結果が得られなかった場合、人材配置の見直しや、人材育成の再検討を行います。
人材配置に関して、適切なポジションではないところで働くことになると従業員のモチベーションの低下だけでなく、労働生産性も低下します。また、離職につながる場合もあるため本人との面談を通して改めて適切なポジションを検討することが大切です。
人材育成に関して、想定していた成果を出せていない場合は研修の見直しをする必要があります。例えば社内教育のみを実施していたのであれば、社外研修にも参加してもらうなど、研修の追加や修正を行いましょう。
タレントマネジメントで成果を出すコツ
タレントマネジメントで自社の成長につながる人材を育成・採用するために、PDCAサイクルを回していくことが重要です。
このとき、人事評価(Check)と人材配置・人材育成の再検討(Action)で適切な成果を出すことができたかを検討し、それを採用計画書・育成計画書(Plan)に反映させましょう。そうすることでよりよい人材育成・採用につながり、より企業の目指す方向にマッチした人材を集めることが可能です。
タレントマネジメントを行う注意点
タレントマネジメントの導入方法についてお伝えしてきましたが、適切に実施しなければ思ったような成果がみられない場合があります。ここでは、タレントマネジメントを導入するにあたって注意したい点を3つ紹介します。
▼タレントマネジメントを行う際の注意点
- タレントマネジメントが周知できていないと失敗につながる
- マネジメント人材によって成功が左右される
- 継続しないと効果が得られない
タレントマネジメントが周知できていないと失敗につながる
タレントマネジメントの導入は従業員の協力が必須です。従業員の個人情報を扱うもののため、従業員一人ひとりの同意と協力が必要になります。
同時に、登録・更新するための作業を行うのは従業員です。特定の部署に負担がかからないようにすることなど、タレントマネジメント導入に関して懸念点と解決策を考慮したうえで、導入する方針が固まった段階で従業員に向けての説明会を実施するとよいでしょう。
マネジメント人材によって成功が左右される
タレントマネジメントにおいて重要なのは、上司(マネージャー)の存在です。実際、現場社員をマネジメント・育成するのはマネージャーの仕事になります。マネージャーの力量によって、タレントマネジメントの成功が左右されると言っても過言ではありません。
タレントマネジメントを導入する際は、部下となる社員のスキルや資質をマネジメント人材に確認してもらい、どのように育成することが効果的か人事担当者と検討すると良いでしょう。
継続しないと効果が得られない
タレントマネジメントは長期的に行うことで企業の成長につながる人材の育成が可能になります。短期間で実施しても効果は得られません。
途中で形骸化して効果がなかったことにならないために、人材情報を更新や実施した施策検討・見直しを行う担当者を決めておくことが必要です。
タレントマネジメントの導入事例
ここからは、タレントマネジメントの導入事例について、サントリーホールディングスと楽天グループの2社をご紹介していきます。
サントリーホールディングス:創業時からの「人本主義」
サントリーは1899年の創業から「人本主義」を掲げており、経営の基盤として「人」を大切にしている会社です。
サントリーでは、個人のキャリアビジョンに基づいて成長を促す「全社員型タレントマネジメント」を実践しており、中長期的な育成計画に基づいた個人の成長と、適材適所の配置の実現を目指しています。人事担当者は上司から従業員の状況を聞くのではなく、年間500以上の従業員一人ひとりとの面談を行っています。
春季・秋季に行われる人事異動では、年間約700人が新たな仕事に挑戦しているそうで、その多くが業種などをまたいだ移動であることが特徴です。
さらに、サントリー従業員に対して企業内大学である「サントリー大学」を開校し、グローバルに発展していくための人事育成プログラムを実施しています。
サントリー大学では、以下の4つの視点からプログラムを開発・提供しています。
- 自ら学び、成長しつづける風土の醸成
- 創業の精神の共有と実践
- リーダーシップ開発
- 未来に向けた能力開発
楽天グループ:“勝てる人材、勝てるチームを作る”ための大規模人事改革プロジェクト
楽天グループの人事統括部では、「Back to Basics Project」を推進しており、楽天の人事の基本目標である“勝てる人材、勝てるチームを作る”に立ち返るためのプロジェクトです。
このプロジェクト誕生の背景として、事業の成長に伴った従業員数の増加・社内環境の変化がありました。従業員の多様性と事業規模の拡大によって、コミュニケーションの複雑化・相互理解の難易度が高まってしまいました。そのため、この課題を乗り越えて従業員一人ひとりの力を最大限引き出す環境を整えるためにこのプロジェクトが始動したそうです。
楽天グループの人事統括部の行った課題の明確化は以下の3つです。
- 従業員へのインタビュー
- 従業員サーベイの実施(組織や人材に関するデータを分析)
- 楽天人事スタッフ全員との面談
この取り組みから、「採用」「育成」「定着」の3つが課題であることが分かりました。これらの課題を解決するために、人事部は従来の採用・育成プログラムの見直しを決断しました。
以下が実際に行った施策をまとめたものです。
「採用」の施策
- 採用プロセスの改善
- 採用ブランディングの強化
これら2つの施策により、採用人数の確保と採用ランキングが向上したそうです。
「育成」の施策
- 週1回を原則とするマネージャーと部下の1on1ミーティングの全社導入
- 具体的なフィードバックを含めたミーティング
- 管理職向けの「フィードバック研修」
- 集合、体験型研修として新たに計38の集団学習プログラムの開発
集団学習プログラムの参加者の事後調査によると、満足度は90%以上だったそうです。
「定着」の施策
- 評価・報酬制度を刷新
- 長期就労者を対象とした退職金制度の新設
- 在宅勤務制度や時差通勤制度の拡大
- フレックス制度の導入
- 楽天で積み重ねられるスキルやキャリアを明確化した「人材育成マップ」の作成
そのほかにも、楽天グループ全体のタレントマネジメントと要員管理を同時に可能にするシステムを一括導入し、インフラ改善にも取り組みました。
【参考】楽天グループ「Back to Basics Project」
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タレントマネジメントシステムとは
タレントマネジメントシステムとは、タレントマネジメントを導入するにあたり効率的に人材情報の収集が可能になるシステムです。人材情報の入力や管理は、自社独自で行うとなると複雑になり、作業も大変になります。タレントマネジメントシステムを利用すれば、データ入力後の連携やデータ蓄積、グループ会社とのデータの連携を簡単に行うことができます。
タレントマネジメントシステムの3つのタイプ
タレントマネジメントシステムは3つのタイプに分けられます。
▼タレントマネジメントシステムの3つのタイプ
- 「スタンダード型」:基本的な機能が充実しており、コストを抑えて導入が可能
- 「多機能型」:人材管理や人材配置のみならず労務管理や採用管理の機能も網羅
- 「特化型」:専門性の高い機能がある
スタンダード型
スタンダード型は人材情報や人材配置趣味レーションなど、タレントマネジメントで欠かせない基本的な機能が充実されているシステムです。
基本的な機能しか使えないものの、その分コストを抑えることができる点と、企業の成長に合わせてシステムの拡張が可能なため、お試し感覚で導入したい人事担当者様、最低限の機能で十分管理できる人事担当者様、成長途中の中小企業の人事担当者様におすすめです。
多機能型
多機能型は、人材管理などの基本的な機能だけでなく、労務管理や採用管理など、幅広い人事業務に対応可能なシステムです。様々な人事業務を一括管理できるため、社員数が多く、管理が複雑になりやすい大企業の人事担当者様に特におすすめです。
特化型
特化型は、AIを活用した人材分析など、独自の強みがあるタレントマネジメントシステムです。専門性の高い機能を使いたい人事担当者様におすすめです。
タレントマネジメントシステムの主な機能
タレントマネジメントシステムは、主に以下の4つの機能があります。
- 人材情報データベースの管理・検索機能
- 人事異動・配置スケジュールシュミレーション機能
- 目標・人事評価の管理機能
- 社員アンケート・サーベイ機能
人材情報データベースの管理・検索機能
最も基本的な機能となるのが、人材情報データベースの管理・検索機能です。従業員の名前や顔写真、所属部署、入社年度などの基本的な情報のほかに、スキルや経歴、保有資格なども確認することができます。
人事異動・配置スケジュールシュミレーション機能
人材情報を登録すると、自動で組織図を作ってくれるのが人事異動・配置スケジュールシュミレーション機能です。年齢やスキルなどの条件から複数の想定パターンを作り、比較することも可能のため、実際に情報に基づいた配置が可能になります。
人事異動では、従業員のスキルやキャリア志向から、人事異動のシュミレーションが可能です。
また、ドラッグ&ドロップで直感的な人材配置が可能で操作がしやすい点や、検索機能を利用するとプロジェクトに適したメンバーを発掘できる点などもポイントです。
目標・人事評価の管理機能
タレントマネジメントシステムでは、個人や組織の目標を登録し、画面で進捗管理が確認できる機能があります。目標の達成度が一目瞭然なので、透明性・公平性の高い人事評価が可能になるだけでなく、従業員のモチベーション向上も期待できるでしょう。
また、多くのタレントマネジメントシステムの評価機能では自社の評価シートだけでなく、MBOやコンピテンシー評価、360度評価など、様々な評価手法に対応しているため、汎用性が高いことも特徴です。
社員アンケート・調査
タレントマネジメントシステムでは、社員アンケート・調査が可能です。項目を自由に設定することができ、従業員のモチベーションの調査や従業員満足度の調査を行うこともできます。
システムによっては、適性検査やストレスチェックが可能なものもあります。
タレントマネジメントシステムの比較ポイント
タレントマネジメントシステムを実際に選ぶ際に比較したいポイントは以下の3つです。
▼タレントマネジメントシステムの比較ポイント
- 利便性:操作しやすいサイト設計になっているか
- 価格:予算に見合った価格帯か
- 実績:他社の導入事例があるか、信頼できる実績があるか
【企業規模別】タレントマネジメントシステム2選
ここからは、企業規模別のおすすめのタレントマネジメントシステム2選をご紹介していきます。
SmartHR:中小企業向け
SmartHRは、従業員データベースを基盤とし、人事・労務管理の業務効率化とタレントマネジメント施策の効率化を実現したシステムです。雇用契約や入社手続きなどの労務業務から、採用管理や人事評価、配置シミュレーションといったタレントマネジメントまで機能として備わっています。
人事業務にかかわる業務がこのシステムひとつで完結できるため、人事業務をコンパクトに行いたい中小企業の人事担当者様におすすめです。
- 利便性:◎|利用者が見やすいサイト設計
- 価格:要お問い合わせ ※初期導入費用・サポート費用無料
- 実績:◎|登録者数は60,000社以上
【参考】SmartHR 公式HP
カオナビ:大企業向け
カオナビは、人材管理だけでなく、コミュニケーション活性化のための機能やクリエイティブマップ、評価制度や人材配置、さらにAI分析など多様な機能を含んでいるタレントマネジメントシステムです。
人材管理だけでなく、育成や評価、従業員のコミュニケーション活性化などが図れるため、従業員の多い大手企業の人事担当者様におすすめです。
- 利便性:〇
- 価格:要お問い合わせ(利用人数に応じた初期費用と月額費用の支払い)
- 実績:◎|タレントマネジメントシステム シェア No.1・人事管理システム シェア No.1・利用企業数3,600社以上
【参考】カオナビ 公式HP
さいごに
いかがだったでしょうか。この記事ではタレントマネジメントの基本的な意味から導入方法、事例、タレントマネジメントシステムについて解説してきました。
企業のさらなる成長を達成することが可能なタレントマネジメントを導入するきっかけになれば幸いです!