自社が抱える採用課題を採用ブランディングで解決しよう、と思っている採用担当者の方もいらっしゃるかと思います。
しかし、採用ブランディングは長期的で継続した取り組みが必要になるため、成功方法や注意点を事前に知っておくことが必要です。
本記事では様々な企業が取り組んでいる採用ブランディングについて、メリットや取り組む際の注意点、成功に向けたポイントをご紹介します。
採用ブランディングの基礎知識
近年導入している企業が増えている採用ブランディング。
「言葉は聞いたことあるけど、具体的な内容は知らない・・・」という方に向けて、採用ブランディングの意味と目的を紹介します。
そもそもブランディングとは?
ビジネスの場で用いられるブランディングには、「企業自体や、その企業が生み出すサービス等に価値を感じてもらい、顧客に自社を選んでもらう活動」という意味があります。
CMやSNS等を通じて商品・サービスを紹介し、顧客から「この商品は効果が高そう」「あの商品を買ってみたい」と思われる状態にあれば、自社の商品が売りやすくなり、ブランディングが成功している状態にあると言えます。
上記のような「自社のブランドが一定の認知を得て、評価されている状態を生み出すこと」これがブランディングです。
採用ブランディングとは
採用ブランディングとは、企業の採用活動においてブランディングを活用することを意味します。
企業が持つ魅力や価値を整理し、採用説明会・インターンシップ・Webサイトなどあらゆる「場」で一貫したコンセプト・情報を発信することで、求職者の共感を得ることが目的です。
採用ブランディングをうまく活用することで、求職者の「ファン化」を促すことで、自社とマッチする人材を採用できる可能性が上がります。
採用ブランディングの目的
採用ブランディングの最大の目的は「自社の企業戦略にマッチした人材の採用」です。
採用ブランディングを通じて求める人材像が明確になることで、採用のミスマッチを未然に防ぎ、長期的な人材の定着を図ることができます。
また製品のブランディングでターゲットになる消費者と、自社で採用したい人材の条件は当然違ってきます。
製品ブランディングと、採用ブランディングを混同しないこともポイントです。
採用ブランディングが求められている背景とは?
ではなぜ近年、採用ブランディングが注目されているのでしょうか。
- 自社とマッチする学生に会うのが難しくなっている
- デジタル化により、学生と出会う手段が増えている
- 口コミや社風を重視する学生が多い
といった要因から採用ブランディングの必要性が高まっているようです。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.自社とマッチする学生に会うのが難しくなっているため
まず第一の理由として挙げられるのが、自社にマッチする学生に出会うのが難しくなっていることです。
理由としては、「少子高齢化による学生数の減少」が挙げられます。
第37回 ワークス大卒求人倍率調査(2021年卒)によると、大卒の有効求人倍率は20年卒が1.83倍、21年卒の2月で1.72倍、21年卒6月で1.53倍となっています。
コロナウイルスの影響を受けた、21年卒以降の採用活動でも、依然として高い有効求人倍率は変わらない点からも、少子化の影響が見て取れるでしょう。
このような「1人の学生に対して多くの求人がある状況」においては、人材の取り合いが発生するため、自社とマッチする学生の採用が難しくなります。
採用ブランディングは、少子化時代の採用活動を支えるために有効な手段なのです。
2.デジタル化により、学生と出会う手段が増えているため
採用ブランディングが必要となっている背景として挙げられる2つ目の理由が、学生と接触する方法が多様化していることです。
これまでの採用は、ナビ媒体を通じて行われることが多かったでしょう。
しかしデジタル化が進んだ影響などもあり、近年では多様な媒体が採用活動で用いられるようになってきました。
例えば、学生と出会う・やり取りをする手段としては下記のようなものが挙げられます。
- オフライン、オンラインの合同説明会
- 大学が開催する企業説明会、就職セミナー
- 就活生が参加するオンラインコミュニティ
- 企業のリクルーティングサイト
- 就活特化型の口コミサイト
- TwitterやInstagramなどのSNS
- OB、OG訪問 ・夏季、冬季インターンシップ
- ダイレクトリクルーティング等の逆求人サイト
- ナビ媒体
- 就活系NPO法人
複数の採用媒体を使って学生にアプローチするからこそ、自社の魅力を一貫した言葉で伝える採用ブランディングが重要なのです。
【参考】【新卒20社比較】ダイレクトリクルーティングサービスを徹底解説!
【参考】【SNS採用とは】特徴を理解し効果的な企業ブランディングを実施
3.口コミや社風を重視する学生が多いため
就活生の特徴として、口コミや社風を重視する人が多いことも、採用ブランディングが重要となっている理由として挙げられます。
具体的には
- 会社のビジョン、パーパス、企業理念
- 社内の雰囲気
- 知人、友人からの口コミ
- 実際に選考を受けた人からの評価
などを重視しています。 この中でも「口コミ」は非常に重要です。
というのも就活生は、実際に企業で働いた経験がないため、社風や業務内容を理解することが難しく、「実際にその会社を受けてみた、または知人から聞いた印象」で選考を受けるか決めることが多いからです。
知人・友人・インターネット上の口コミで、
「○○株式会社で面接を受けたら、人格否定をされた」
「あの会社は圧迫面接がひどいから受けない方が良い」
などと伝わってしまったら、就活生はその会社を受ける気がなくなってしまいます。
このような事態を防ぐためにも、採用ブランディングは重要です。
上記のような観点においてブランドイメージを高めることで、学生から魅力のある企業として認知され、志望者数や内定承諾数の向上を増やすことができるでしょう。
採用ブランディングの実施方法
① 自社分析
自社分析の目的は、自社の理解を促し、就職活動中の学生へのアピールポイントを把握することです。
分析を行う際には以下のポイントを押さると良いでしょう。
競合優位性
他企業と比較して「自社がアピールできる強みはどこなのか?どんな魅力を発信できるのか」を把握しましょう。競合優位性は企業理念・事業(サービス内容)・組織の観点から把握します。
ビジョン
既に企業理念やミッションとして掲げている会社も多いと思いますが、自社が「これからどんなことを行っていきたいのか?」という想いを改めて言語化してみると良いでしょう。
自社の課題
「現在解決したい課題」を明確にし、解決に向けてどんな取り組みをしているのかを整理しましょう。
社内で360度ヒアリングする
自社分析する際は、一人の人物にフォーカスして把握するのではなく、様々な人たちにインタビューすることでその企業の色が浮かび上がります。
自社のあらゆる面を見ることで、企業についての社風や志向性の理解を深められるでしょう。
以下のような質問を取材することで企業がキャラクター化していきますので、ぜひ実践してみてください。
不足している人材を分析する
自社がどのような人材を求めているのかを知るためには、既存の人材を把握しておく必要があります。
自社に所属する社員を「専門職」「経営参謀」「オペーレーション人材」「経営幹部候補」に分類し、不足している人材を洗い出してみましょう。
②採用コンセプトの設計
以上の自社分析を元に採用コンセプトを設計します。
採用サイト、採用パンフレットのそれぞれ1つずつという「点」という考え方ではなく、「線」として全てに統一感を出せるように設計していきましょう。
もちろんインターンシップや企業説明会での社員さんが発言する言葉、行動も採用コンセプトに即していることで学生への信頼を獲得へと繋がります。
実際に採用コンセプトを設計する際に必要な要点を解説します。
採用ターゲットの設定
企業の最終的な目標は自社が求める人材の内定承諾です。
そのため「どんな人材を採用したいのか」を言語化しておく必要性があります。
採用ターゲットを明確にし、全社的な共通認識を持っておくようにしましょう。
採用ターゲット(採用ペルソナ)の決定の際には以下の手順に沿って設定することをおススメします。
- 採用する目的を明確にする
- 必要な人材要件を洗い出す
- 設定したペルソナを他部署とすり合わせてブラッシュアップを行う
- 採用市場に応じて、募集と選考を実施する
その他、採用ペルソナを設定する際の注意点はこちらの記事を参考にしてみてください。
(オススメ記事) 【新卒】採用ペルソナの設定方法を具体例・フォーマットで紹介します
③採用コミュニケーションの設計
以上で設計した採用コンセプトを採用コミュニケーション全体に反映していきます。
採用コミュニケーションでは、求職者の興味・関心を募り、それを志望動機へと高め、入社意志を醸成していくことが重要です。
コミュニケーションツールを線でつなぎ、一貫性のあるコミュニケーションを設計しましょう。
クリエイティブだけではなく、採用コンセプトをより適切に伝えるための現場オペレーション(インターン、説明会など)も併せて検討する必要があります。
採用ブランディングを行うための手段として、真っ先に思い浮かぶのは、YouTubeやTwitter、InstagramなどのSNSでしょう。
SNSは自社のありのままを伝えるのに有効で、学生も気軽に見ることができます。
ただ採用ブランディングに有効な手段は、SNSだけではありません。
例えばインターンシップでは、自社の業務内容を理解してもらうために有効ですし、対面式のイベントでは自社のビジョンや理念を、熱量を持って伝えることが可能です。
その他にも、業界特化型の説明会を開催すれば、自社と他社の違いを分かりやすく伝えることができますし、グループディスカッションのイベントを開催すれば、自社に興味がない学生にも接触することもできます。
また、文字だけでは伝わらない魅力を動画で伝える「企業PR動画」も主流になってきています。
このように採用ブランディングに活かせる採用手法は、様々あります。
重要なのは、「採用したい学生が興味を持ちそうな手法」で、学生と接点を持つことです。
時には、複数の採用媒体を組み合わせて採用ブランディングを行う必要もあるでしょう。
【参考】【2022年度最新版】採用動画の事例を紹介!効果はあるの?
以下に採用コミュニケーションに活用できる媒体と特徴をまとめましたので、参考にしてみて下さい。
④クリエイティブ制作
採用コミュニケーションの設計ができたら実際にクリエイティブを作りましょう。
採用ブランディングにおいて、採用HPは長期的な運用が必要になるので、特に発信媒体の中でも必ず力を入れましょう。
採用していく中での気づきや課題を採用サイトに反映していくことで、採用活動を資産化させていくことができます。
⑤仮説検証を繰り返し長期的に実行する
採用ブランディングのための施策からどのような効果が生み出されているか「口コミ」「問い合わせ」「アンケート」などを通して、次回の採用ブランディング施策へ活かせるようにまとめておきましょう。
採用市場は常に変化します。そのため、常にPDCAサイクルをまわすことで、採用市場やターゲットニーズにあった最適なブランディングへとブラッシュアップされていきます。
採用ブランディングのメリット
続いて採用ブランディングを実施するメリットについて紹介します。
① 採用担当者へのメリット
応募者数の増加
採用ブランディングに成功し企業認知が上がることで、説明会やインターンシップの応募者の数を増やすことができます。
採用したい人物像が明確になる
採用ブランディングでは、自社の強みとその強みを伝えたい対象を明確にします。
自社の強みを分析すると「自社がさらに伸ばしていきたい点」や「足りていない箇所」が明らかになります。
その点が明らかになると、自社が採用したい人物像が明確になり、採用活動が円滑に進むようになるでしょう。
自社にフィットする学生を集めやすくなる
企業イメージを候補者に発信することで、企業が発信したメッセージに共感する学生や、自社との親和性が高い学生が応募するようになるからです。
新入社員の定着率の向上
企業イメージを候補者に発信することで、自社との親和性が高い学生を採用できるようになります。
つまり、採用の質を向上できるため早期退職の防止を行うことができます。
採用コストを抑えられる
自社のブランディングが確立できれば、企業イメージに共感するターゲットからの応募が増えます。媒体費用や早期離職リスクなどを抑えることができるため、採用コストを抑えることができます。
企業が顧客の獲得競争に巻き込まれにくい
現代において、あらゆる商品やサービスに差別化をするのが難しくなっています。価値競争が激しい中で、そのものにストーリーをつけることが重要です。
例にあげるのであれば、スマートフォンです。
見た目も機能も似たり寄ったりで差別化するのが難しいですが、Appleというブランド価値、スティーブ・ジョブスの考え方や企業理念などコンセプトや個性があることで価値競争で勝ち抜いています。
② 社員へのメリット
既存社員のエンゲージメント向上 (離職率が低下する)
採用ブランディングを行う際には社員の協力が必要となります。
なぜなら、候補者に発信したいメッセージやイメージを統一する必要があるからです。
そのため、採用ブランディングを行う際に社員自ら企業理念や事業を見直すきっかけになるため、既存社員のエンゲージメントを向上することができます。
入社後の社員教育がスムーズに
採用ブランディングを行うと採用の質が高くなるため、選考過程で企業理念や事業内容に共感している意欲的な学生が入ってくる可能性が高くなります。
そのため、新入社員のモチベーションに左右されずに社員教育を行いやすくなります。
リファラル採用で集まる候補者は、紹介した社員から事業内容や社風など、さまざまな情報を把握しています。
そのため、企業に対する理想と現実のギャップが起きにくいという特徴があります。
また、採用された場合に社内に知り合いがいるため、人間関係に馴染めずに早期離職する可能性も軽減することができます。
(オススメ記事)採用担当者必見!インターンシップを実施するメリットをご紹介!
自社の魅力を再認識する社員が増加する
自社の強みや、将来ビジョンの整理が必要な採用ブランディングには「会社の魅力を再認識する社員が増加する」というメリットもあります。
日々業務に追われていると、自社の魅力や強みを考える時間はほとんど取れないでしょう。
その様な状況で採用ブランディングを実施すると、「自社にはこんな魅力があったのか!」
と社員が再認識するきっかけになります。
このように採用ブランディングには、メリットが多数存在します。
採用ブランディングを行う際の注意点
① 採用ブランディングには、経営層や他部署の協力が必要
今ある自社の強みや魅力を整理して伝えるのであれば、人事担当者だけでも可能でしょう。
しかし「採用ブランディング」は、企業理念の浸透や事業内容の競合他社との差別化、働く環境の向上、社員の教育体制の整備などを行い、「この会社で働きたい」と思ってくれる人を1人でも多く増やすことが目的です。
これらのことを達成するには、経営層や他部署の協力を得て全社的に取り組むことが必要になります。
② 長期的に継続して行う必要がある
採用ブランディングは一朝一夕で行えるものではありません。いいね数や閲覧数などを元に、常に候補者学生のニーズを掴みながら発信することが求められます。
採用ブランディングも採用力を高める手段であるため、行う際には課題に対しての打ち手の必要性・緊急性を社内リソースや採用状況と検討する必要があります。
③ 似た人材が集まりやすい
リファラル採用では社員の人脈を駆使するため、現社員と能力や性格、素質が似ている人が対象になりやすいという点があります。
特にポテンシャル採用を行っている新卒採用では、求める人物像にあった社員が集まっているため、リファラル採用時に特に新卒社員と似ている人材が集まる場合があります。
そのため、_リファラル採用を行う際には『どんな人を採用したいのか?』という求める人物像を社内のメンバーと見比べ、リファラル採用で獲得できるのかを検討する必要があります。
採用ブランディングを成功させるためのポイント
採用ブランディングにおいて一番重要なことは「伝えるべき情報」を見極めること、そしてその情報をどのように伝えるかの「情報の伝え方」がポイントです。
現代社会においてSNSが普及することで、より情報の幅が広がり、増えていることで、本来伝えたい相手にも伝えられていない可能性がとても高いです。
しかし企業の規模や知名度に関係なく、採用ブランディングによって採用活動を成功させている事例は、もちろんあります。
ここではまず、どのように採用ブランディングをすれば、情報が伝わるのかを解説していきます。してきます。
「伝えるべき情報」を慎重に選ぶ
採用活動においての「伝えるべき情報」は、「理念、存在意義、独自性、ビジョン、志」など、その企業だからこそ伝えられる情報のことを指します。
注意するべき点として、「何をしているのか」より「何のために事業を行なっているか」を伝えることが重要です。
「何のために事業を行なっているのか」を明確にすることで他社との違いが明確にわかるからです。
〈例えば...〉
〜株式会社Plan・Do・Seeの場合〜
「何をしているのか」→ホテル/レストランの展開。ウエディングの提供
「何のために事業を行なっているのか」→日本のおもてなしを世界中の人々へ
このように「何をしているのか」ではなく「何のために事業を行なっているのか」を伝えることで、伝えられた人にもインパクトや良い印象を与えることができます。
「伝えるべき情報」の伝え方
「伝えるべき情報」の伝え方として3つのポイントがあります。
- 信憑性が高いメディアを利用する
- 原体験などを盛り込んでリアリティを高める
- 採用以外でも魅力的に思われるようにする
これらのポイントについて詳細を紹介します。
信憑性が高いメディアを利用する
信頼している伝達媒体は?という問いに対して、78%の人が「友人や家族からの推薦」と回答しました。
Nielsen「消費者が最も信頼する「広告」は、友人からの推薦、次いで企業~ 従来型広告もいま有効だ」
この結果を踏まえると、友人や家族のように自然と価値感や環境が近いほど信憑性が高いことがわかります。
これはSNSなどが普及し、様々な情報が共有しやすくなったからこそ、似た価値観、環境の人に対して「信憑性が高いメディア」として認識しやすくなったと言えるでしょう。
原体験などを盛り込んでリアリティを高める
情報が豊かであり増えているからこそ、原体験やリアリティを感じられるようなエピソードが重要視されます。
前述したように「自然と価値観や環境が似ている人」の情報に対して信憑性が高いと感じることより、自分と似たエピソードがあることで、情報を受け取りやすくなるでしょう。
そのため、採用サイト、パンフレットなどに原体験のエピソードをしっかりと盛り込むことが必須です。
それと同時に、オフラインのイベントがとても重要です。
リアルであるからこそ熱量が伝わりやすく信憑性が高まり、求職者への信頼を獲得できるチャンスです。
【お悩み別!】採用ブランディングの活用方法を紹介します
採用ブランディングは、採用に関する様々な悩みを解決することができます。
下記にて、採用ブランディングで解決できる事例の一部を紹介します。
お悩み①:自社の採用要件に当てはまる学生が集まらない
「自社の社風に当てはまる学生が集まらない」という悩みを、採用ブランディングで解決した事例として、株式会社一休の例が挙げられます。
悩み |
応募が多数あるにも関わらず、自社の社風にマッチする人が少ない。 株式会社一休はベンチャー企業であるが、応募者の多くは、同社にラグジュアリーなイメージを持っている、 株式会社一休のラグジュアリーなイメージと、ベンチャー企業である実態に大きなギャップがあった。 |
ブランディング方法 |
NewsPicksで、20代の若手社員・株式会社一休取締役・ヤフー取締役などのインタビュー記事を掲載。 その後同社CEOと直接会えるワークショップを開催した。 →同社の業務内容を実際に体験してもらい、CEOと直接話す機会を創出することで、参加者にカルチャーを伝えることに成功した。 |
【参考記事】「欲しい人材を獲得」を叶えた採用ブランディングの秘訣とは
お悩み②:理系学生を採用したい
「理系学生を採用したい」というお悩みを解決した事例としては、金属技研株式会社の事例が挙げられます。
悩み |
好奇心旺盛な物理・理工・化学科専攻学生を採用したい。 →同社は、世界最先端の高い研究開発力と先進技術を持つニッポンの中小企業。 新卒で、金属の限界や可能性に挑戦し続けられる学生を採用したいと考えていた。 |
ブランディング方法 |
「好奇心旺盛な理系学生」の興味を惹くパンフレットを作成。5~10メートル先でも目につくようなデザインにした。
→理系学生を対象にした合同説明会にて、パンフレットを設置。表紙のキャッチフレーズが目に入りやすくなった。 |
採用ブランディングの成功事例
採用ブランディングを実施して成功した企業5社を紹介します。
-日鉄鉱業株式会社
-株式会社エー・ピーカンパニー
-三幸製菓株式会社
-サイボウズ株式会社
-株式会社マイプリント
〈企業事例①〉日鉄鉱業株式会社
〜日鉄鉱業株式会社の基本情報について〜
- 鉱業を中心とした銅ほか鉱産物の加工/販売
- 鉱産物の輸出入業
- 石炭・石油製品の仕入れ販売機会
- 環境関連商品等の開発
- 販売/不動産/自然エネルギーを利用した発電業
日鉄鉱業株式会社の採用課題
本社の丸の内のおしゃれなビルに対して高知県の鉱山で暮らす場合があるため..
→入口のイメージと仕事の現実とのギャップ
施策:「山」をメインとした採用コンセプト
日鉄鉱業で働くことは、山と暮らしていく印象を与えたかったため、「大きな人になろう」という採用コンセプトに共感できる学生をターゲットとしました。
「大きな人になろう」は、山と暮らすことが、大きな意味で懐の深い生き方であることから生まれ、パンフレットでも山の写真を題材的に扱い日鉄鉱業=山という印象付けに成功。
入社後の成長を山登りに例えた、キャリアステップを紹介したことも求職者に印象を与えました。
〈企業事例②〉株式会社エー・ピーカンパニー
〜株式会社エー・ピーカンパニーの基本情報について〜
- 塚田農場や四十八漁業などの六次産業リーディングカンパニー
- 日本の食産業の生産から販売までを繋ぐ
- 食産業のALL-Winを目指す
- 創立から10年足らずで東証一部上場
株式会社エー・ピーカンパニーの採用課題
飲食業界に悪い印象を持たれている
施策:採用方式に採用コンセプトを反映
採用コンセプトとして『「繋げること」に、ハングリー。』と掲げました。この採用コンセプトの想いとは、「生産者と消費者を直接つなぎ、一次産業を活性化させる」ことです。
採用方式にも「繋げること」を反映させ、「類友作戦」「裏口採用」という、独自の採用方式を取り入れました。
「類友作戦」では、似た者同士で集っていくという採用方式です。例えば、社員と似たようなバックグラウンドをもつ学生である、大学やアルバイト、部活の後輩を繋げることから「類友作戦」が生まれました。
「類友作戦」は、採用担当者のみが繋がりを見つけるのではなく、社員全員が採用に関わることでより多くの人と繋がれることにも期待ができます。
また、「裏口採用」とは、上記のターゲットや魚検定保有者には、課題のみで、即最終選考に進める特別選考を用意し、よりスピード感を持ちながらも、つながりを深めていく方針にしたことで採用ブランディングの成功を納めました。
〈企業事例③〉三幸製菓株式会社
〜三幸製菓株式会社の基本情報について〜
・多数の人気商品、「雪の宿」などを持つ新潟に米菓メーカー
三幸製菓株式会社の採用課題
製菓業界の競争社会に埋もれてしまう
→競合企業との知名度の差が約4倍近くある現状
→採用にかけられる予算が低い
施策:採用方式を時間と場所を変えて改善
採用方式を従来ではなかったやり方で行い話題性を高めたことで採用を改善。
時間と場所を変える「出前全員面接会」「カフェテリア採用」、また、採用内容そのものにインパクトがある「日本一短いES」「35の質問」を取り入れることで多くの学生に目がつく存在になりました。
「出前全員面接」では、「5人集めてもらえたら全国どこでも行きます」をテーマとしている面接方法です。
会場をいくつか選択肢に挙げ、求職者や志望者が選択します。
5人以上が選択された会場にて面接を開催する仕組みです。
「カフェテリア採用」では、17のコースから自身にあった選考コースを選んで応募することができます。
「カフェテリア採用」の中でも話題があったのは、「日本一短いES」です。
日本一短いES」以外にも適正を調べられる「35の質問」などを取り入れることで意外な視点から学生を見ることでミスマッチも少なくなりました。
実際の質問では、「おせんべい好き?」「新潟来れる?」などシンプルな質問を行うことで学生の本音を見ていきます。
【参考記事】「新卒採用エントリーを300名から13,000名に増やした」地方のお菓子メーカーの採用戦略とは
〈企業事例④〉サイボウズ株式会社
〜サイボウズ株式会社の基本情報について〜
・企業向けのクラウドサービスを提供
サイボウズ株式会社の採用課題
「働きやすさ」の表現が難しい
→幅が広いことで抽象度が高くなってしまう
施策:ワークスタイルで採用コンセプトの幅を広げる
同じ価値観を持っている人がいないからこそ、働きの幅も広くなることを採用コンセプトに反映。
具体的には、最長6年の「育児・介護・休暇制度」、「副(複)業許可」「子連れ出勤制度」などの多数の施策を導入し、ワークスタイルの幅を広げたことで働きやすさを体現しました。
HPや求人サイトなどでも題材的に「働きやすさの幅が広い」ことを積極的に掲載することで周りからは「柔軟な働き方ができる会社」と認識されることに成功しました。
【参考URL】サイボウズ株式会社 ワークスタイル
〈企業事例⑤〉株式会社マイプリント
〜株式会社マイプリントの基本情報について〜
- 婚礼・年賀の印刷会社
- 婚礼年賀の部署では支持率が日本NO.1
株式会社マイプリントの採用課題
年賀状の投函数の減少により業界的に向かい風
→若手とベテランで二層の構成になってきている
→働く人のモチベーションの差がある
施策:採用スローガンに個性
年賀・婚礼事業を通じて、人を祝う気持ちである「おめでとう」を交わす文化を作っていく会社として「おめでとうは、日本の文化だ」をスローガンとして設定しました。
社内の声からスローガンを打ち出し、理想とする文化を作り出すことで個性的なスローガンを打ち出すことに成功しました。
社員の多くが「年賀・婚礼という、人生の節目に関わるめでたい瞬間に携わること」に意義を感じていたことから「祝い事を仕事にしよう」を策定。
印象をより与えられるように、オフィス内で正月と結婚式の風景を撮影して日々の仕事がお客様の祝い事であることを表現しました。
採用ブランディングを他社に外注することも可能
「採用ブランディングが重要なのは分かったけど、社内にノウハウがないので着手しづらい・・・」 とお悩みの方はいませんか。
ここではそんな悩みを抱えた方に対して、「採用ブランディングをお願いできるコンサルティング会社」紹介します!
株式会社パラドックス
株式会社パラドックスは、企業の強みを活かした採用ブランディングを行い、その企業の価値観にマッチする求職者との出会い作りを創出する会社です。
具体的には、
- 社長から現場社員、その会社の顧客まで幅広くインタビューを行い、企業の強み・独自性を把握する
- インタビューを基に、採用コンセプトを開発する
- 設定した採用コンセプトを軸に、求職者とのコミュニケーション方法を決定する
- コミュニケーションに基づいたクリエイティブを作成する
といった4つの段階を通じて、企業の採用ブランディング強化をサポートしてくれます。
同社が行う採用ブランディングについてもっと知りたい!という方は、下記のURLをご覧ください。
【工数0で学生と接点が持てる】Matcher scoutとは?
採用ブランディングに力を入れることは企業の採用活動の成否に大きな影響を与えます。
しかし「もっと楽に採用活動がしたい!」「効率的に母集団形成をしたい!」といった方も多いはずです。
そんな人事担当者の方には「Matcher Scout」をおすすめします。
Matcher Scoutとは「自社が求めている学生を、手間を掛けずに、リスク無く採用したい」そんなニーズにお応えする、新卒向けダイレクトリクルーティングサービスです。
Matcher Scoutの特徴として
- OB・OG訪問マッチングサービス「Matcher」のデータベースから、主体性のある優秀な学生にスカウトを送信できる
- 運用に際する際の事務作業が一切不要
- 独自のA/Bテスト機能で、会いたい学生に会える確率を高められる
ことがあげられます。
採用成功まで料金は一切かからないため、リスクなく採用活動を効率化させたい人事担当者の方におすすめです。
まずは、下記より無料の資料をダウンロードしていただければと思います。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は企業の採用力を高める『採用ブランディング』についてお伝えしました。
就職活動を行う学生のニーズを的確に捉えて、長期的に継続して行うことで現在の自社が抱える採用課題を解決できるかもしれません。
ぜひ、現在の採用状況と課題を捉えながら導入を検討してみてはいかがでしょうか。
(オススメ記事)