近年、ダイレクトリクルーティングのひとつである「オファー型採用」が主流になりつつあります。
導入を検討している採用担当者様も多いのではないでしょうか?
この記事では、オファー型採用の特徴や実施のポイントについて、新卒向けダイレクトリクルーティングサービスMatcher Scoutを運営する弊社の視点から解説していきます。
オファー型採用とは?
オファー型採用とは、求職者がウェブサイト上でプロフィールを開示して自己アピールを行い、その中から企業が欲しい人材を探し出してオファーを送る採用手法です。
逆求人型採用とも呼ばれ、企業側が欲しい人材に直接アプローチする採用手法であるダイレクトリクルーティングのひとつです。
ダイレクトリクルーティングについては以下の記事で詳しく解説しています。
【参考】ダイレクトリクルーティングとは?相場・利用の流れを解説【事例あり】
オファー型採用が広まった背景
オファー型採用は新卒採用、中途採用ともにここ10年ほどで広まった採用手法です。
ここでは、オファー型採用が急速に広まった背景を解説しています。
採用競争の激化
1つ目は、労働人口の減少に伴う採用競争の激化です。
少子高齢化により日本の生産年齢人口は年々減少しており、今後もますます働き手不足は加速していく見込みです。
特に優秀層や理系学生は母数も少なく、多くの企業が激しく取り合いを行っている状況です。
こうした採用競争の激化に対応するために、求人広告を出して学生からの応募を待つという従来の採用手法ではなく、企業側から学生にアプローチする「攻め」の採用手法が必要とされているのです。
学生のニーズを満たしている
オファー型採用が拡大した原因として、学生のニーズを満たしているということもあげられます。
従来の新卒採用では、学生は多くの企業の説明会に参加したり、会社ごとにエントリーシートを作成したりと、就職活動に非常に多くの時間を割く必要がありました。
しかしオファー型採用であれば、一度プロフィールを登録してしまえば企業からのオファーを待つだけでよく、就職活動の負担を軽減できます。
研究が忙しい理系学生など、就職活動に多くの時間をあてることが難しい学生であっても、オファー型採用であれば学業に影響なく就職活動を行うことが可能です。
このように「待つだけでよい」オファー型採用は、学生にとって就職活動を効率化できる便利な媒体です。
そのため積極的に利用する学生も多く、新卒採用においてオファー型採用が普及した背景のひとつになっています。
他の採用手法と比較!オファー型採用のメリット
新卒採用でオファー型採用を利用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
従来の採用手法と比較しながら以下で解説していきます。
①求める人材にピンポイントでアプローチできる
オファー型採用では、学生のプロフィールの中から自社に必要な人材を選定してスカウトメッセージを送信します。
従来の採用手法では、求める人材から応募が来るのを待つことしかできなかったため、必ずしも該当の人材と出会えるとは限りませんでした。
一方、オファー型採用では企業側からアプローチできるため、欲しい人材と出会える確率が格段にアップします。
②企業の知名度に左右されにくい
従来の採用手法では、学生は目に付きやすい大手企業などに応募することが多く、認知度の低い中小企業などはそもそも求人を見つけてもらうことが難しい傾向にありました。
しかし企業側からアプローチするオファー型採用であれば、知名度が低い企業でも学生に興味を持ってもらえる可能性が高まります。
③効率的な採用活動ができる
オファー型採用では、自社の採用要件に合致した学生にアプローチするため、採用活動を効率化することが可能です。
従来の採用手法では、書類選考で大量のエントリーシートに全て目を通し、合否を判定する必要がありました。
もちろん、応募者の中には求める人物像とはかけ離れた人材も一定数含まれます。
一方、オファー型採用では大学や学科などで条件を絞って学生を検索し、その中から自社の採用要件に合致した学生にスカウトメッセージを送信します。
はじめから自社にマッチしていそうな人材のみを選考に案内するため、効率的に選考を行うことができるのです。
④潜在求職者層にアプローチできる
先ほどご紹介した通り、オファー型採用では学生は企業からのオファーを待つだけでよく、負担なく就職活動を行えます。
そのため、研究が多忙で積極的に就職活動を行わない理系学生など、他の媒体では出会いにくい潜在層にアプローチできる可能性があります。
【参考】理系採用を成功に導くポイント4選!おすすめの採用媒体も紹介します
他の採用手法と比較!オファー型採用のデメリット
一方で、オファー型採用にはデメリットもあります。
①他の採用手法よりも工数がかかる
オファー型採用は他の採用手法に比べて母集団形成の工数がかかるという特徴があります。
オファー型採用の実施手順については後ほど詳しくご紹介しますが、スカウトメッセージの作成・送信や学生への返信対応などの業務に工数がかかってしまいます。
ただし、最近ではスカウト送信業務を代行してくれるオファー型サービスもありますので、そうしたサービスを利用することでこのデメリットを克服することも可能です。
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②大量採用には向かない
オファー型採用では、ひとり一人の候補者との丁寧なやり取りが必要であり、一度に多くの学生にコンタクトを取ることはできません。
そのため大量採用を行いたい場合は、他の手法を併用する必要があります。
採用手法ごとの特徴の比較についてもっと詳しく知りたい!という方は以下の記事もあわせてご覧ください。
【参考】【新卒】採用手法16種類を徹底比較!最新トレンドも解説
オファー型採用実施の手順とポイント
続いて、オファー型採用を行う際の手順について解説します。
①求める人物像を設定する
まずは求める人物像や採用基準を設定しましょう。
オファー型採用では、採用要件に合致した人材を選定してオファーを送信するので、あらかじめ求める人物像を明確にしておく必要があります。
ポイントは、利用するオファー型採用サービスを決定する前に求める人物像を設定することです。
サービスによって登録している学生の特色は異なるので、最初に求める人物像を設定しておくことで、利用するサービスを決定する際の基準になります。
求める人物像を設定する際は以下の記事も参考にしてみてください。
【参考】【新卒採用】採用基準とは?設定方法を解説【テンプレ付き】
【参考】【新卒】採用の「ペルソナ」とは?フォーマットで設定方法を紹介
②利用するサービスを決定する
求める人物像が決まったら、次は利用するサービスを選定します。
以下のポイントを踏まえて、自社に合ったサービスを選びましょう。
- アクティブユーザー数
- 料金
- 登録学生の属性
サービスを選ぶ際のポイントは記事の後半で詳しく解説しています。
後ほどおすすめのオファー型採用サービスをご紹介するので、あわせて参考にしてください。
③検索条件を設定する
サービス利用開始後は、まず検索条件を設定しましょう。
①で設定した採用ターゲットを効率よく見つけるための条件を設定していきます。
検索できる条件はサービスによって異なっている部分もあるため、契約前に検索条件を確認しておくとよいでしょう。
④オファーメールを作成する
検索条件の設定が済んだら、オファーメールを作成していきます。
オファーメールの内容は、学生に興味を持ってもらえるかどうかを大きく左右するため非常に重要です。
以下の項目を盛り込みつつ、テンプレートを作成しましょう。
<オファーメールに盛り込む内容>
- オファー理由
- 会社概要
- 自社の魅力紹介
- 入社後のイメージ
テンプレートは一部を変更して候補者ごとに内容を変えるようにするのがポイントです。
オファーメールの例文を以下に紹介していますので、テンプレートを作成する際に参考にしていただければと思います。
<オファーメールの例文>
はじめまして。
株式会社○○採用担当の○○と申します。
○○様の経歴を拝見し、ぜひ一度弊社の会社説明会に参加したいただきたく、ご連絡いたしました。
○○様の○○の経験から~~な方だと感じ、弊社の○○職として活躍していただけるのではないかと思います。
【会社概要】
弊社は「~~」をビジョンに掲げ、○○領域で事業展開しています。
~~という特徴がありますので、以下のような方にはぴったりの環境です!
(自社にマッチする人材の特徴を書く)
少しでもご興味をお持ちいただけましたらお気軽に説明会にご参加ください。
○○様からのお返事を心よりお待ちしております。
⑤オファーメールの送信・返信対応を行う
オファーメールが作成できたら、ターゲット学生にオファーを送信しましょう。
学生からの返信があった場合は、説明会やカジュアル面談に案内します。
オファーを受け取った直後は、学生の自社への志望度が低いです。
いきなり選考に案内するのではなく、気軽に参加できる説明会やカジュアル面談を通して自社の魅力付けを行っていきましょう。
また、返信対応はできる限り迅速に行い、言葉遣いは堅苦しくしすぎないよう注意してください。
堅苦しくなりすぎてしまうと、学生は距離感を感じたり、返信を億劫に感じてしまう恐れがあります。
なかなか学生からの返信が得られない場合でも、オファーメールの内容を変えたり、以前送信した学生にもう一度送ってみたりと、こつこつと運用してみてください。
オファーメールのパターンごとに開封率や返信率を記録し、改善していくことも大切です。
【参考】【例文あり】スカウトメールの返信率を上げるためのコツ
⑥選考を行う
説明会やカジュアル面談を行った後は、選考にご案内します。
先述の通り、オファー型採用では他の採用手法と比較して、自社への志望度が高まるまでに時間がかかります。
選考の前半では志望動機などの質問よりも、学生自身の志向や性格を知るための質問をメインに行うとよいでしょう。
オファー型採用を成功させるコツ
ここまで、オファー型採用の実施手順について解説してきました。
ここからは、オファー型採用を成功させるためのコツをご紹介します。
①特別感のあるオファーメールを送る
先ほど、オファーメールのテンプレートを作成する際は、候補者ごとに文面の一部を変更できるようにすることがポイントであるとお話しました。
学生からしてみると、明らかにテンプレートがそのまま送られてきたような文面のオファーメールでは、もっと企業について知ってみたいとはなかなか感じられないでしょう。
学生の興味をひくためには、特別感のあるオファーメールを送信することが重要です。
具体的には、学生ごとにメッセージの内容を変えて「なぜあなたにオファーを送ったのか」を伝えたり、「特別招待」や「選考直結」といったワードを含むことが効果的です。
全員に同じメールを送信するのではなく、学生ひとり一人に合わせたメールを送信し、「この企業はちゃんと自分のことを見てくれているんだな」と感じてもらえるような工夫をしましょう。
オファーメールの返信率を上げる方法については以下の記事で詳しく解説しています。
【参考】【例文あり】返信が来るスカウトメールのタイトルを徹底解説
【参考】【例文あり】スカウトメールの返信率を上げるためのコツ
②応募のハードルを下げる
先述の通り、オファーメールへの返信が来た段階では、学生の自社への興味は低いことがほとんどです。
そのため、いきなり選考に案内してしまうと応募のハードルが高く感じられやすいです。
まずはカジュアル面談に案内したり、書類選考や一次選考をスキップする特別選考に案内することで「とりあえず応募してみようかな」と思ってもらえるようにしましょう。
おすすめの新卒オファー型採用サービス8選
以下では、新卒採用向けのおすすめのオファー型採用サービスを紹介します。
それぞれ特徴・会員数・費用を比較しながら紹介しているので、どのサービスを利用するかお悩みの方は参考にしてみてください。
①Matcher Scout
<サービスの特徴>
- スカウトメールの作成・送信、日程調整などの業務を代行
- 採用成功まで一切料金がかからない
<学生の特徴>
- 登録学生の約6割が上位校(GMARCH・関関同立以上&国公立)生
- OB・OG訪問アプリの登録学生がデータベースのため、能動的で情報感度の高い学生が多い
<費用>
- 初期費用:0円
- 成功報酬:70万円/人
URL:https://enterprise.matcher.jp/
②OfferBox
<特徴>
- 就活生の3人に1人が利用
- 年間のオファー開封率89%
<学生の特徴>
- 登録学生の4割以上が上位校生(24卒)
- 文系55.25%、理系44.75%(24卒)
<費用>
- 初期費用型:75万円~
- 成功報酬型:38万円~
URL:https://offerbox.jp/company/
③キミスカ
<特徴>
- 3種類のスカウトを使い分けることができる
- 適性検査の結果から学生を検索できる
<学生の特徴>
- 全体の約半数が上位校生
<費用>
- 初期費用型:75万円~
URL:https://kimisuka.com/company
④dodaキャンパス
<特徴>
- 低学年へのアプローチも可能
- 新規契約企業向けの初年度限定プランがある
<学生の特徴>
- 1~4年生まで約99万人が登録
- 体育会学生4700名・プログラミング経験者1400名・留学経験者4100名以上と幅広い
<費用>
- 初期費用型:60万円~
- 成功報酬型:30万円~
URL:https://campus.doda.jp/enterprise/business
⑤Openworkリクルーティング
<特徴>
- 企業口コミサイト「OpenWork」のユーザーにスカウトを送信できる
- 企業の口コミ評価に応じて送信可能なスカウト通数が変動
- 自社ページに訪問するユーザーの属性を確認できる
<学生の特徴>
- 口コミサイトがデータベースなので、他のオファー型採用サービスとは異なる層が多い
<費用>
- 初期費用:0円
- 成功報酬:80万円/人
URL:https://www.openwork.jp/recruiting?ad=google_cpc_brand
⑥LogNavi
<特徴>
- 企業の紹介動画を投稿できる
- 学生の自己PR動画を見てアプローチできる
- アプリでエントリーから内定承諾まですべての選考過程を完結できる
<学生の特徴>
- 大学・大学院・高専・専門・短大の全学年が登録
- 全体の7割が上位校生
<費用>
- 掲載料無料・成功報酬0円
URL:https://lognavi.com/company-top/
⑦逆求人フェスティバル
<特徴>
- IT・Web系採用に特化
- 企業が学生を指名し、1on1で面談できる採用イベント
<学生の特徴>
- IT・Web系人材
<費用>
- 40万円/回
URL:https://www.gstylus.co.jp/aboutgf
⑧LabBase
<特徴>
- 理系に特化
- 運用~内定までのサポートを行ってくれる
<学生の特徴>
- 全体の8割以上が上位校生
<費用>
- 180万円~(プランにより異なる)
URL:https://business.labbase.jp/
オファー型採用の成功事例
「オファー型採用についてはわかったけれど、自社でうまく効果が出るのかな?」
といった疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
以下では、弊社が運用するMatcher Scoutを利用して、オファー型採用に成功した企業の事例をご紹介します。
レバレジーズ株式会社
<会社概要>
- 従業員数:1000名以上
- 事業内容:人材紹介・Webメディア・M&Aコンサルティングなど
レバレジーズ株式会社では、採用人数の増加に合わせてオファー型採用サービスを導入しました。
Matcher Scout経由では、2年連続で10名以上の内定承諾を獲得しています。
【参考】10名以上の入社数を安定的に獲得!質を落とさずに数を増やし、採用要件にマッチした学生にリーチできました
株式会社グランドビジョン
<会社概要>
- 従業員数:50-99名
- 事業内容:広告・コンサルティング
福岡に本社を置く株式会社グランドビジョンでは、採用要件に合致した学生へのアプローチができないという課題があり、2021年卒の内定承諾者は0名でした。
Matcher Scoutでは、ベンチャー志向かつ福岡に縁がある学生に絞ってオファーを送信した結果、2022年卒は4名の内定承諾の獲得に成功しています。
【参考】九州に縁のある学生に絞ってスカウトを送り、Matcher Scout経由で目標4名の内定承諾を実現
株式会社Relic
<会社概要>
- 従業員数:100-499名
- 事業内容:コンサルティング
株式会社Relicでは、新卒採用は人材紹介をメインに利用していましたが、人材紹介への依存からの脱却を目指し、オファー型採用を導入しました。
2023年卒では、内定承諾数の1/3をMatcher Scout経由で獲得し、採用単価の削減も実現しました。
【参考】内定承諾率は全体平均の約2倍!母集団形成の限界を突破し、新たな学生層にもリーチできました
オファー型採用サービスを選ぶポイント
ここまで、オファー型採用サービスを比較しながら紹介してきましたが、サービスを選ぶ際はどのような点に注意するべきなのでしょうか?
以下では、オファー型採用サービスを選ぶ際に検討すべきポイントを解説します。
①料金体系をチェックする
サービスによって料金体系は異なります。
初期費用がかかるものもあれば、採用成功まで料金はかからないものもあります。
複数のプランが用意されているサービスもあるので、自社の状況に合わせて最適なサービス・プランを選択しましょう。
②登録者層が採用ターゲットにマッチしているか検討する
サービスによって登録している学生の属性も異なります。
学歴層や文理比率などが違うのはもちろんですが、どのデータベースを使用しているかによって学生の志向性や性格の特色も異なる場合があります。
この記事で紹介したオファー型採用サービスの中には、逆求人サービス以外の学生向けサービスのデータベースを使用しているものもありました。
学生の詳細な特徴は、公開されている情報だけではわからない部分も多いため、気になるサービスは積極的にお問い合わせ等を行い情報収集しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
この記事のポイントは以下の通りです。
- オファー型採用とは、企業から求める人材にピンポイントでアプローチする採用手法
- オファー型採用は知名度に左右されない一方で、工数負荷が高いなどのデメリットも
- オファー型採用では候補者ごとにメールの内容を変え特別感を醸成しよう
- カジュアル面談などを設けて応募ハードルを下げよう
オファー型採用についてお悩みの方にこの記事がお役に立てれば幸いです。