「本当に今の採用フローが最適なのか…?」
「採用フローの種類ってどのようなものがあるのだろう…?」
ある程度簡単に作れてしまうからこそ、採用改善時にも見落としてしまいがちな採用フロー。自社の採用戦略に基づいた採用フローを立てることは、母集団形成から内定までの各歩留まり改善に繋がります!
本記事では、採用フローの作り方や、作成時の注意点などを6種類のテンプレートと共にご紹介します。採用フローを作る際は、現在の採用の各歩留まりを知っておくこと、採用戦略を立てておくことが重要です。
以下の記事も参考にしながら、効果的な採用フローを設計しましょう!
【参考】分析方法を徹底解説!採用歩留まりが低下しやすい項目と9つの改善策
【参考】「採用戦略の立て方」を4ステップで徹底解説!鍵はフレームワーク?
採用フローとは、企業が採用の募集を開始してから実際に入社するまでの一連の流れのことです。
どのような企業でも全体的な流れを最低限意識した上で採用活動を行っていると思います。一方で、効率をしっかりと意識した採用フローを設計している企業とそうではない企業とでは、採用のスムーズさに差が生じます。
「採用目標人数に満たないことがある」「求める人材になかなか出会えない」というようなお悩みを抱えている場合、採用フローを見直すことをオススメします。
新卒・中途などの採用ターゲット、採用業種や職種、人数などによって採用フローを変化させると、母集団形成から入社までの各過程の歩留まり改善にも繋がります。
先ほども述べたように、採用フローとは「募集開始」から「入社」までの流れを指します。一方で、採用フローを改善するためには「募集開始」を行う前の業務から見直していく必要があります。
以下の図は、「募集開始前」の段階も含めた採用業務の全体的な流れを示したものです。
採用戦略や採用計画なしに採用フローを作っても、効果的に自社の求める人材を集めることはできません。採用フローを作る前に、以下のことを考えておく必要があります。
採用のゴールにたどり着くまでの手順を明確にしておくことで、自社の求める人材を的確に見極める採用フローの作成ができます。
【参考】採用要件を明確に定義する方法!評価基準の設け方などを解説
選考内容や重視する項目によって、採用フローを変えていくことが一般的です。ここでは主に使用されている採用フローのテンプレートを6種類ご紹介します。
自社の採用目標や求める人物像を考えながら、どのような採用フローが最適なのかを考えます。採用時期や募集職種に応じて採用フローを変えることも可能です。
採用フローの各工程にて、歩留まりを記録しておくことを忘れないようにしましょう。
こちらは標準型の採用フローです。
標準型の採用フローの実施には、基本的に1ヶ月半〜2ヶ月程度の期間が必要です。
人材紹介やダイレクトリクルーティングでのアプローチに応えた候補者や、採用HPやナビ媒体で興味を持った候補者からのエントリーをまず受け付けます。
その後に会社説明会を行い、詳しい事業内容や企業風土などを紹介し、自社への関心度を高めます。
書類選考と適性検査では、採用するために必要最低限の経験やスキル、知力などを持っているのかを判断します。
書類選考と適性検査の合格者に対して面接を2〜4回程度実施し、自社の求める人物像に適した人材であるかどうかを見極めます。
選考通過者に対して内定通知を出した後も、内定者フォローをしっかりと行い、内定承諾を得られるような対策を行いましょう。
こちらは説明会・選考会一体型の採用フローです。
説明会・選考会一体型採用フローの実施では、標準型よりも短い期間で採用を行えるため、早めの内定を欲しているターゲットに効果的です。
会社説明会と同時に選考会を行うことで、競合他社よりも早く内定を出し、優秀な学生の確保に繋がります。
一方で、自社のことを十分に知らないまま選考が進むことに対して不安を抱く候補者の増加が予想されます。
標準型よりも、面接時に「対話の時間」を設けて自社について理解してもらえるような工夫を行うと良いでしょう。
こちらは試験選考型の採用フローです。
標準型では会社説明会の後に書類選考/適性検査が行われていましたが、試験先行型では会社説明会よりも先に書類選考/適性検査を行います。
内定までに必要な時間は標準型と同じく1ヶ月半〜2ヶ月程度です。
採用にかけられる工数に対してエントリー数が多い場合、会社説明会を先に行うと業務がパンクしてしまう恐れがあります。
先に書類選考/適性検査を行うことで、自社との相性が良いと予想される候補者をある程度絞った上で会社説明会を実施できるため、業務負荷を軽減することが可能です。
一方で、会社説明会を後回しにすることで、候補者の自社への理解度が低下したまま選考に進んでしまうことが懸念されます。
採用歩留まりが低下してしまわないために、採用CXの改善を意識し、候補者に対して丁寧な対応を行うように心がけましょう。
【参考】【採用CXとは?】即マネできる参考事例や取り組むメリットを解説
こちらは面接重視型の採用フローです。
既に候補者に対して興味を持った状態から選考を開始するリファラル採用やダイレクトリクルーティングといった手法を利用する際に用いられます。
内定までに必要な時間は、標準型と同じく1ヶ月半〜2ヶ月程度です。
例えばダイレクトリクルーティングの場合、興味を惹かれた学生に対してスカウトを送ります。
そのスカウトに応え、エントリーが行われたら、次にカジュアル面談へと誘います。
自社から候補者に対してアプローチした場合、まずは候補者が自社に興味を持ち、志望度を高められるような工夫が必要です。
エントリー後にカジュアル面談を設けることで、候補者の現時点での自社への志望度を聞いてみることや、ダイレクトに自社の魅力をアピールすることができます。
カジュアル面談後の適性検査は省略されることも多いです。
こちらは筆記試験・面接一体型の採用フローです。
適性検査などの筆記試験と面接を同時に行うことで、実際の印象と数値を比較しながら候補者を見極められます。
内定までにかかる選考回数は標準型と変わらないため、選考期間も1ヶ月半〜2ヶ月程度です。
筆記試験・面接一体型では1日で複数の選考を行うため、候補者の拘束時間が長くなってしまいます。
試験の間に休憩を入れるなど、候補者への配慮を忘れないようにしましょう。
また試験会場をおさえる際は、適性検査と面接をスムーズに行うための導線なども考えておく必要があります。
こちらはインターンシップ型の採用フローです。
インターンシップの実施期間は短期と長期に分かれます。
短期インターンシップの場合は1日〜数週間程度、長期インターンシップは1ヶ月以上のものを指すことが多いです。
ある程度候補者への理解が深まった状態で選考を始めるため、選考自体の時間は短縮されますが、インターンシップの期間によって採用全体にかかる時間は長くなる傾向があります。
インターンシップを選考開始前に実施することで、早期から優秀な人材の囲い込みができることがメリットです。
入社前に自社で就労体験ができるため、ミスマッチを予防することにも繋がります。
一方で、インターンシップの受け入れ態勢を整える必要があるため、他の採用フローよりも工数がかかります。
【参考】【手法5選!】インターンシップの募集方法をお悩みに合わせてご紹介
【参考】採用担当者必見!インターンシップを実施するメリットをご紹介!
ここでは新卒での採用フローの構成要素を「募集」「選考」「内定」の3つに分けてご紹介します。
以下でご紹介する内容を参考にしながら、自社の採用フローに何を取り入れることが効果的なのかを判断しましょう。
募集期間中は、会社説明会や座談会などを行いながら自社へ興味を持っている候補者に対してアプローチを行います。
以下では募集段階での流れを詳しく解説していきます。
自社に関心を持つ候補者をなるべく増やすためには、自社が採用活動を行っていることを対外的にアピールしていく必要があります。
採用広報では以上のようなことを行います。
この時、自社に興味を持った候補者が取るべき次のアクションを明確に提示しておくことが重要です。
「募集要項ページにはエントリーボタンを設置する」「SNSには会社説明会などへ予約するためのリンクを貼る」などを忘れないようにしましょう。
自社に興味を持ってプレエントリーを行った候補者に、自社の事業内容などを詳しく紹介する会社説明会へと参加してもらうことが一般的です。
実際に本選考へと参加してもらうためには、採用HPやナビサイトだけでは伝わらない自社の魅力を伝える必要があります。
「なぜ他社ではなく自社に応募するべきなのか」「自社の働くことの何が魅力なのか」などを伝えて、自社への志望度を高められるようにしましょう。
採用後期では、会社説明会と同時にグループ面接などの選考会を開催することもあります。
【参考】オンライン説明会とは?メリットと成功させるポイントをご紹介
カジュアルに社員と交流することで、自社の雰囲気を候補者に味わってもらうことを目的として座談会を開催します。
基本的に候補者数名と社員一名の組み合わせで行うため、他の候補者の質問などによって新しい視線から自社についての理解を深めてもらうことが可能です。
本選考に参加する前に自社の雰囲気を知ってもらうことで、ミスマッチを防ぐことにも繋がります。
【参考】座談会の進め方のコツ6選|採用成功に繋げる秘訣とは【新卒】
選考開始前や内定フォロー時に、採用担当者とカジュアルに話す場を設けるために面談を行うことがあります。
一対一で話をすることによって、自社への志望度や就職活動の状況など、候補者のより本音に近い話を聞くことが可能です。
また個別に時間を作ることで「この会社は自分に対してしっかり向き合ってくれている」という印象を候補者に与えやすいです。
内定承諾率が低い企業などは、志望度を高めた状態で選考に参加してもらえるように、募集段階で面談のフローを取り入れると良いでしょう。
【参考】知らないと損!カジュアル面談〜その後の流れや準備/質問を徹底解説
選考中は、候補者が自社の求める人材かどうかの見極めを行いながら、同時に候補者の自社への志望度を高めていくことが大切です。
以下では選考段階での流れを詳しく解説していきます。
まずは書類選考を行い、志望動機や学生時代に力を入れたことなどを記載したエントリーシートを提出してもらうことが主です。
書類選考の段階では、自社が候補者に求める最低限のラインをクリアしているのかどうかを判断するために使用されます。
スキルや経験などを重視した合否判定を行い、後々の面接などでより詳細な適性を見極める場合が多いです。
書類選考と同様に、自社で業務を行う上で必要となる最低限の知識や能力を持っているのかを判断するために筆記試験を行います。
知力やコミュニケーション能力、ストレス耐性といった項目を数値化することは、面接で候補者の見極めを行う際にも役立ちます。
近年は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、オンラインで自宅から受検できるツールを利用する企業も多いです。
【参考】【企業向け】結局どれを使うべき?新卒採用で使える適性検査15選!
候補者と実際に話ながら、自社に適した人材かどうかを判断していきます。
面接は複数回実施されることが多く、選考段階によって担当する面接官が変わります。
一次面接は採用担当者、二次面接は事業部長、最終面接は役員、というように各選考段階で候補者を多角的に評価することが主です。
面接は企業が候補者を見極める場としてだけではなく、候補者が企業を見極める場でもあります。
自社に入社したいと思ってもらえるような面接を行うように周知しておくことが重要です。
【参考】面接|WEB&対面のメリット/デメリット!学生を見極めるコツは?
【参考】タブーな質問例と面接の進め方を紹介します《質問例あり》
最終面接まで通過した学生に対して、内定通知を行います。
内定通知を出した後も、実際に候補者が入社するまで内定フォローを行いながら、モチベーションを持続させる対応が必須です。
以下では内定段階での流れを詳しく解説していきます。
選考を通過した合格者に対して、内定が決まったことを知らせる内定通知を行います。
経団連の定めたルールでは、内定解禁日は最終学年次の10月が内定解禁であると定められています。
そのため10月以前に事実上の内定が決まった場合は、内々定通知という形で候補者に伝えることが多いです。
内定通知をする際は、合格者のみではなく、不合格者に対しても選考結果の通知を送りましょう。
【参考】すぐに送れる不採用通知の文章例公開!失礼にならない内容とは?
以上の理由によって、内定式を行う企業が多いです。
近年ではオンラインで内定式を開催する企業も増えています。就職活動が終了してから入社するまでに「内定者ブルー」となる候補者がいます。
自社がどのような環境なのかを候補者に定期的に伝える場を採用フローに取り込むことが重要です。
【参考】【企業向け】内定式って何するの?オンライン内定式の事例も紹介!
2021年卒学生に調査を行ったところ、内定者フォローの中で最も入社意欲が高まったのは対面での内定者懇親会であることが分かりました。
【参考】株式会社ディスコ キャリタスリサーチ『調査データで⾒る「内定者フォロー」-2021年卒調査-』
内定者懇親会は、多くの内定者や既存の社員とカジュアルに交流する機会となるため、入社に向けて高まる緊張をリラックスさせる効果があるのだと考えられます。
内定辞退者を減らすためには、内定者懇親会を開催することが効果的です。
【参考】内定者懇親会ではいつ何をすべき?企画例5選を交えて紹介します!
内定者面談では、内定者の就職活動状況や自社への志望度の確認を行います。
フラットな場であるからといって、周りに人がたくさんいる内定者懇親会などでは人事に対して入社に際する不安などを相談しにくいですよね。
そのため一対一で本音を話しやすい環境を作り、安心して入社できるようにサポートしましょう。
内定期間中に一度ではなく、複数回面談の機会を設けるとさらに効果的です。
上記では新卒で使用される採用フローの例をご紹介しました。
新卒と中途では採用フローに若干違いがあります。新卒採用では募集活動時に会社説明会を行うことが多いです。
新卒者に向けて特定の時期に一括で採用を行うため、自社に興味のある学生に対してまとめて会社説明を行う機会を設けると効率的であるからです。
一方で中途者は「卒業」というようなタイミングがないため、それぞれが別々の時期に転職活動を行います。
そのため一括に志望者を集めて会社説明会を行う、というのはなかなか難しいです。
その代わりに中途採用では、面接時に会社説明も同時に行うケースがよく見られます。
転職者は既に志望職種に関する経験やスキルを有していることがほとんどなため、書類選考時に見極められる項目が多いです。
中途採用では今までの経験から定量的に見極めを行いやすいため、筆記試験や適性検査を行わない場合も多く、中途の採用フローは新卒のものよりも簡潔になる傾向があります。
採用フローを作ることには、以下の4つのメリットがあります。
まずはメリットを把握して、採用フローを作ることの必要性を理解しましょう。
会社説明会や座談会、内定者フォローなどでは採用担当者以外の社員に手伝いを要請することがありますよね。
他にも人材紹介サービスを利用する場合など、採用活動には社内外の人物とのコミュニケーションが付き物です。
例えば面接官が自分の担当が何次面接に当たるのかを把握できていなければ、候補者に対して適切な質問ができなくなってしまいますよね。
このように、自社の採用フローを共有できていなければ、採用活動に対して認識のすれ違いが生じ、スムーズな運用に支障が出る可能性があります。
採用フローを明確にし、採用活動の進捗を関係者に共有しやすくすることで、効率的な人材の確保に繋がります。
自社にとって効果的な採用を行うには、採用活動の中でどこを改善するべきなのかを把握しておくことが重要です。
「一次面接に進む候補者数が目標値に達していないから、より多くの人数にアプローチするか、評価基準の見直しが必要だな」
「内定承諾率が低いから、各工程で自社への志望度を高める取り組みが必要そうかも」
以上のように、採用フローを作成していると、各採用プロセスでの課題と改善点が見えやすくなります。
構造的に採用プロセスを把握しておくことで、課題を発見した際にも迅速に対処することが可能です。
「エンジニア採用では一次面接をコーディングの試験に変更する」など、採用する職種によって採用フローが変わることがあります。
また他にも、自社が今欲している人材に適した採用フローにするため、過去のものを改変することもあります。
このような際に、しっかりと明記された採用フローが存在しなければ、「どのような課題が合ったときに」「どのように対処したのか」という記録ができません。
採用フローの分析と改善施策は今後の採用に活かせるナレッジとなるため、採用フローの変遷はナレッジとして社内に溜めておきましょう。
このようなナレッジを活用することで、次年度の採用戦略立ての際に、今までの採用フローを見直しながら効果的な施策を考えていくことができます。
採用フローを作ることで、採用開始から入社までの流れを一貫して管理することが可能です。
自社の採用目標に沿ったプロセスが設計しやすくなるため、自社との相性が良い人材を採用しやすくなり、ミスマッチを予防できます。
また入社後の早期離職が多い場合や、内定承諾率が低い場合などは、採用フローの中に自社への理解を促進できるようなコンテンツを組み込むなどの対応もしやすいです。
採用フローを作成することで自社とのマッチ度が高い人材の採用に繋がるため、長期的な活躍を期待できる人材を確保することができます。
今まで採用フローを構成する要素や、採用フローのテンプレートをご紹介しました。
ここでは実際に採用フローを作る際に、どのような手順で何を考えていくべきなのかを説明します。
採用活動では常に「採用のゴール」を意識することが重要です。
採用計画と事業計画は密接に関わっているため、求める人材を的確に採用することが事業の発展に大きく影響します。
このような採用のゴールを設定し、採用要件に当てはまる人材を採用するために最適な採用フローを選びましょう。
また今までの採用歩留まりを振り返りながら、採用のゴールを達成するために改善するべきポイントを見つけることも重要です。
採用活動中も各歩留まりについて記録しておくことを忘れないようにしましょう。
ステップ1で設定した採用のゴールを元に、各段階で行うべきことを逆算していきながら採用フローを考えていきます。
そのため、ステップ2では「内定」段階で行うことを決めましょう。
例えば「リーダー人材の採用」をゴールとして設定した場合は、成長意識が高く、勉強意欲の強い内定者がいることが予想されます。
内定フォローでは研修内容を充実させることや、経営層との懇親会などを実施すると効果的です。
内定承諾率を高めるためにも、自社が採用したい人物が内定フォローに求めているものを意識すると良いです。
【参考】【オンラインあり】内定者フォローの面白い企画事例からコツまで紹介
【参考】【改善策4選】3年分の内定承諾率から考察!内定承諾率を上げるコツ
次に「選考」段階で行うことを決めます。
ここでも採用のゴールを意識しながら、選考フローを設定します。
例えば「リーダー人材」の採用をゴールとしている場合、チーム内での動き方を見るためにグループワークを行うなどの対応が可能です。
選考を「どのように(=内容)」「どれだけ(=回数)」行うのかが、候補者の見極めに大きく関わります。
2022年卒では、対面面接を行った企業が全体の87.0%、Web面接を行った企業が78.4%です。また最初の面接から内定出しまでの選考プロセス回数の平均は2.4回でした。
数値的に学生の性質を判断する適性検査や筆記試験を行った企業は90.1%。ほとんどの企業が「選考」段階で実施していることが分かります。
最初の面接をしてから内定出しまでにかかった日数の平均は31日ですので、おおよその目安として「選考」段階には1ヶ月程度かけることをイメージしておくとよさそうですね。
【参考】株式会社リクルート 就職みらい研究所『就職白書2022』
各選考段階で何を見極めるのかをあらかじめ設定、共有しておきましょう。
最後に、「募集」の段階で行うべきことを決めていきます。
採用目標人数に達するためにはどれほどの募集が必要なのかを、各選考過程での歩留まりを算出し、把握しましょう。
「募集」段階で接触しておくべき学生数を設定したら、どのような手法でアプローチしていくのかを考えます。
幅広い学生に接触したい場合は合同説明会への参加、より限定的にターゲットを絞りたい場合はダイレクトリクルーティング、というように採用のゴールを元に検討していきます。
2022年卒の「募集」段階における採用プロセスの実施率は以下の通りです。
【参考】株式会社リクルート 就職みらい研究所『就職白書2022』
手軽に参加できるWebでの説明会は、学生の参加ハードルを低くする効果があるため、「募集」段階ではWebでの採用プロセス実施割合が多くなったと考えられます。
「募集」段階では、候補者に対して自社の魅力付けを行うことも重要です。
どのような内容にすれば自社の魅力が伝わるのか、しっかりと考えていきましょう。
採用フロー作成時に以下の4つのポイントを意識することで、自社にとってより最適な採用フローを設定できます。
内定承諾率の高い採用を行うためには、選考中に自社の魅力を候補者に対してしっかりとアピールできる採用フローを設定する必要があります。
例えば「年齢や入社時期に関わらずフラットな関係性を築ける」ことが魅力な場合は、社員複数名と同時に交流できる座談会などを設けると効果的です。
自社の魅力をアピールするには、採用フロー作成時に「採用活動を通して候補者に何を伝えたいのか」を考えると良いです。
「なぜ他社ではなく自社を選ぶべきなのか」が伝わる採用フローを設定しましょう。
「とにかく多くの学生に自社を知ってもらうために、人材紹介もダイレクトリクルーティングも合同説明会もとにかく全部試してみよう」というのは無計画ですよね。
設定した採用フローに対して、人的リソースが足りるか、コストがかかりすぎていないかなどを確認することが必要です。
例えばダイレクトリクルーティングを利用するのにも、データベースの中から自社とマッチする候補者を見つけ出し、スカウトを送り、連絡を行い、とやるべきことがたくさんあります。
1つのサービスを利用する際にどれほどの工数がかかるのかを事前に計算しておくことで、業務を圧迫させないようにしましょう。
また採用目標人数を達成するために必要なリソースがないことが判明した場合、以下の選択肢から対応します。
採用のゴールを達成するために、現実的に実施できる採用フローを設計することが大切です。
自社にとって最適な採用フローを一回で作ることはなかなか難しいです。
運用を重ねながら、課題の発見と解決を繰り返し、自社にとってベストな採用フローを見つけていく必要があります。
各工程の歩留まりを把握し、改善するべきポイントを探すことで、次年度の採用で取るべきアクションが分かります。
例えば内定承諾率が低い場合は、選考中に採用担当者との面談を実施する、インターンシップ型の採用フローに変更する、などの対応を取ることが可能です。
過去に行った採用を参考にしながら歩留まり目標を設定すると、対象年度の採用がどれほど効率的だったのかが見えてきます。
【参考】分析方法を徹底解説!採用歩留まりが低下しやすい項目と9つの改善策
例えば標準型の採用フローを実施している場合でも、ナビ媒体から応募してきた候補者、エージェントに紹介された候補者など、各人によってたどってきたルートが異なります。
上述したように各工程の歩留まりを把握するだけではなく、どの採用手法でどれほどの人数が選考通過したのかも把握することが大切です。
それぞれの採用手法によって強みや弱みがあります。
「ナビ媒体では幅広く学生を集めるためエントリーに対して内定率は低めでも許容できる」
「リファラル採用では選考通過率が高ければ、エントリー数は少なくても大丈夫」
このように、各採用手法に合わせて目標数を設定すると、採用フローの中で改善が本当に必要なポイントはどこかが分かりやすくなります。
完璧な採用フローを初めから作ることはなかなか難しいです。
大切なのは、採用フローに課題が見えたときに、適切な対応が取れるかどうかです。
ここでは採用フローのよくある課題と、その改善方法についてご紹介します。
「応募が集まらない」「母集団形成に失敗した」という場合には、以下の2通りの原因が考えられます。
前者の原因に対しては「企業自らアプローチする採用手法をメインに使う」ことで改善できます。
自社の認知度が低い場合は、求職者に見つけてもらうのを待つナビ媒体などの採用では応募が集まりにくいです。
気になる人材に対して企業からアプローチし、認知してもらうことが可能な人材紹介やダイレクトリクルーティングなどのサービスを利用すると良いでしょう。
また会社説明会などで自社への志望度を十分に高められていない場合は、より相互理解が深められるような採用フローに変更します。
例えばエントリー前にカジュアル面談を実施して、求職者とじっくり話す時間を設けるなどの対応を取りましょう。
書類通過が少ない場合は、評価基準の見直しが必要です。
書類選考では基本的に「自社で働くために必要な最低限の条件を満たしているのか」を確認します。
なぜなら、社風との相性など、文面だけでは判断しきれない部分があるからです。
書類選考での評価基準が高く設定されていると「本当は自社との相性が良い人材」のことを逃してしまう可能性があります。
面接で見極める必要がある項目を、書類選考だけで評価していないかなどを見直してみましょう。
そもそも母集団形成時に自社が求める人材に対して適切にアプローチできていないケースも考えられます。
プログラミングスキルのある人材を募集している場合は、エンジニア志望の求職者が集まりやすい採用手法を利用するなどの対応も必要です。
面接通過が少ない場合、面接官の間で評価基準の認識にすれ違いがないかを確認しましょう。
評価基準が一致していないと、適切に候補者を評価することが難しくなります。
その結果、本当は自社と相性が良いのにも関わらず不合格を出してしまう、というような事態になりかねません。
面接官と事前に評価基準の認識の擦り合わせを行い、自社の求める人材を適切に採用できるように準備しましょう。
内定承諾が少ない場合、自社への志望度を十分に高められていないことが予想されます。
「選考時に面接官の対応があまり良くなかった」
「内定者フォローがほとんどないため不安になった」
「他社の方が活躍できそうな印象があった」
選考中から内定期間に候補者に対して真摯に向き合わないと、以上のような理由で内定辞退となる可能性が大きくなります。
内定承諾率を高めるためには、採用活動中の候補者への対応を迅速に行い、内定者懇親会や面談の実施回数を多くすると良いです。
採用フローを改善する際、採用手法も一緒に見直すご担当者様も多いはず。
「今までの採用活動では求める人物像にマッチする学生になかなか会えない…」というお悩みがある場合、企業側から優秀な学生にアプローチできるダイレクトリクルーティングがオススメです。
新卒向けダイレクトリクルーティングサービスMatcher Scoutでは、スカウト運用に際する事務作業を全て代行するため、採用工数を最小限に抑えられます!
また採用成功報酬型であるため、初期設定やスカウト運用代行費用もすべて無料。リスクなくご利用を開始いただけます。
Matcher Scoutについてもっと知りたいという方は、こちらの資料をぜひご覧ください。
いかがでしたか。本記事では採用フローの中に取り入れる要素や、採用フローの作り方などをご紹介しました。
自社が求める人材をスムーズに採用するには、自社に合った採用フローの設計が欠かせません。
各項目の歩留まりから改善するべきポイントを見つけ出し、自社にとって最適な採用フローを探していきましょう。